那須川天心、世界再挑戦へ進化の勝利!

堀田春樹

強い。那須川天心TKO勝利で世界再挑戦確定。次戦、井上拓真と再戦しても、井岡一翔と対戦しても面白い展開となりそうである。

両国国技館館内17時の風景

◎PRIME VIDEO BOXING 15 / 4月11日(土)両国国技館 18:00~21:05
主催:帝拳プロモーション / 認定:WBC、JBC

戦績はプログラムを参照にこの日の結果を加えています。

◆第4試合 WBC世界バンタム級挑戦者決定戦 12回戦

1位,ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ/53.3kg)50戦45勝(28KO)5敗
vs
2位.那須川天心(帝拳/1998.8.18千葉県出身/ 53.5kg)9戦8勝(3KO)1敗
勝者:那須川天心 / TKO 9ラウンド終了 / エストラーダの棄権
主審:マック・グリフィン(カナダ)

那須川天心入場
那須川天心、初回の攻防
第6ラウンドには那須川が先手を打つ左ストレート
第7ラウンドの那須川のボディ攻撃
第8ラウンドにはかなり効かせた那須川のボディブロー。エストラーダ苦しそう

◆第3試合 スーパーフライ級10回戦

WBC世界スーパーフライ級1位.坪井智也(帝拳/ 1996.3.25静岡県出身/51.9kg)
4戦3勝(2KO)1NC
        vs
WBC世界スーパーフライ級6位.ペドロ・ゲバラ(メキシコ出身36歳/51.9kg)
51戦43勝(22KO)5敗2分1NC
無効試合 2ラウンド 23秒
主審:田中浩二

坪井智也は偶然のバッティングでペドロ・ゲバラは立てず

◆第2試合 バンタム級10回戦

IBF世界バンタム級5位.秋次克真(日本/1997.11.8和歌山県出身/53.3kg)15戦14勝(4KO)1敗
       vs
WBC世界バンタム級18位.ホセ・カルデロン(メキシコ出身22歳/53.2kg)
18戦15勝(6KO)3敗   
勝者:ホセ・カルデロン / 判定0-2
主審:飯田徹也
副審:岡庭健94-96. 中村勝彦95-95. 吉田和敏94-96

序盤は秋次克真が優勢な展開も中盤からカルデロンが巻き返し始めた。アメリカでプロデビューし14連勝の秋次克真は初の敗戦。

秋次克真はホセ・カルデロンに僅差判定負け

◆第1試合 132Pond契約6回戦

久保寺啓太(帝拳/2001.11.25神奈川県出身/59.7kg)3戦3勝(3KO)
      vs
クリサルディ・ベルトラン(フィリピン出身21歳/59.0kg)7戦5勝(4KO)2敗
勝者:久保寺啓太 / KO 5ラウンド 59秒 / テンカウント
主審:ビニー・マーチン

第2ラウンドに久保寺啓太はノックダウンを喫するが第5ラウンドに左ストレートヒットで逆転ノックアウト勝利。

久保寺啓太が左ストレートでKO勝利

◆フライ級10回戦 高見亨介の体調不良により試合中止

WBA世界フライ級1位.高見亨介(帝拳)vs WBC世界フライ級5位.アンヘル・アヤラ(メキシコ)

《観戦記》

那須川天心は上手くて強かった。ボディーブローでエストラーダの左肋骨を2本骨折させて棄権に導いた。この記事では細かく高度な技術論は語れませんが、ボクシング転向時の評価はキックボクシング関係者の中でも賛否両論ありました。2023年4月8日デビューから勝利を重ねる毎に進化。昨年11月のWBC世界バンタム級王座決定戦での井上拓真戦で初黒星を経て再起、ボクサーとしてより進化していることは感じられました。次、世界戦で獲れるのではないかと感じます。その先、防衛を重ねるとか、二階級制覇とか、4団体統一まで行けるかは解りませんが、今年28歳になる那須川は先を急ぐ身と言えるでしょう。

ファンの声援に応える那須川天心

坪井智也vs ペドロ・ゲバラ戦は第2ラウンドに偶然のバッティングでゲバラが試合続行不可能となり、10回戦第4ラウンド終了に達していない前半第2ラウンドの為、負傷引分けと発表がありましたが、那須川のメインイベント終了後に坪井智也 vs ペドロ・ゲバラ戦はノーコンテストへ変更とアナウンスがありました。

成り行きが読めたところは、認定がWBCとJBCだが、通常どおり負傷引分けとしたものの、WBC立会人から異議があったのではないかと推測。後日ある役員に聞いてみると大凡はそのとおりでした。

「3戦3勝の坪井智也の戦績に引分けが加わるのは酷ではないか」ということらしい。しかしノーコンテストではどうなのか。戦績には加えるのか加えないのか。

キックボクシングでは安易なノーコンテストが多いから、プロボクシングに於ける負傷引分け、負傷判定勝利・引分けは明確な裁定で良いと思っていました。

ノーコンテストとは災害時と双方のルール違反や暴動によって続行困難な事態に起こり得るというのが的確な裁定。

しかし時代の流れと変化は受け入れなければならないかもしれません。坪井智也は優勢な試合運びでした。もし全てのラウンドで負傷判定だったら勝利していたかもしれません。それが偶然のバッティングで、1引分けが戦績に加わると、攻勢であっても“互角の結果”が残ってしまうのは事実。ノーコンテストならアクシデントによる結果と判断出来ます。負傷引分けがある日本的考えは、そろそろ議論の余地がありそうということでした。

今回、久々に両国国技館を訪れました。最後に行ったのはプロレスだったか、ボクシング世界戦だったか。遠い記憶だけでは曖昧です。

両国駅に着くとやはり大相撲のムードが一番。国技館館内に入ってリングが目に入るとプロボクシング世界戦の雰囲気が漂う。

知人から枡席に招待されていたので、初めて枡席に座ってみました。知人と二名で一枡でも結構楽だが、知らない者と四名だったら結構キツイのではないかと感じました。

リングまで結構近いが、以前より眼が悪いとちょっとボヤけて見えたので、取材目的ではなかったが、200mm望遠レンズで覗いてみました。カメラの方がややアップ目に鮮明に見えたので少々撮影。那須川の動きが良いのは遠い位置からレンズを通していても感じられたことでした。

一試合中止で全4試合。試合数は少ないが、ラウンド数は多い。バッティングで終わった坪井智也の試合以外は後半に勝負が移った長丁場。ボクシングは打ち合えば当然短期決着も起こるが、戦略的にはボクシングは長丁場戦う競技と改めて思う。坪井にしてもバッティングが起こらなければもっと長いラウンドに移っていただろう。プロボクシングはこの20年程は不名誉な問題もあったが、他競技に無い確立した競技としての権威はやはり高かった。それが両国国技館とよく似合っていました。今後も機会があればボクシング観戦記程度の書き込みはしていきたいと思います。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」