30歳も半ばになると、案の定周囲からやたら結婚結婚とせかされるようになった。今年弟が亡くなったこともあって、母親からはたまにくるメールに必ず結婚の催促が書き添えられる。私より年長者で既婚の「人生の先輩」達は事ある毎に結婚の大切さを説いてくる。同年代の知人は、結婚すると急に結婚することのメリットを語るようになる。まるで結婚教という宗教に勧誘されているかのようだ。
若い頃は私も夢見たこともある。一人暮らししていると突然ウェディングドレスの女性が飛び込んできて「匿ってください」などと言われ、いつの間にか同居するようになり…… なんて展開があるんじゃないかとも思ったが、残念ながら今のところそんな女性は訪ねてこない。ドラマのように結婚した時点でエンディングなら幸せかもしれないが、結婚を勧めてくる人の大半は伴侶の文句ばかり言っている。結婚させたいのか、させたくないのか。
昨年9月に広島市で小6の女児がカバンに入れられ、連れ去られた事件で、わいせつ目的略取や監禁などの罪に問われた被告人、小玉智裕氏(21)の裁判が佳境を迎えている。10月7日の公判では、情状証人として出廷した小玉氏の母親が「被害者の方にはまだ謝罪を受け入れてもらえていませんが、受け入れてもらえたら、誠意をもって謝罪したいです」「今後は私たちがしっかり息子を監督していきます」と涙ながらに証言。これまで公判中はずっと無表情で、何を考えているのかさっぱり読み取れなかった小玉氏も母親の涙に心を動かされたのか、「(被害者の)心の傷は一生残ると思う。ぼくも一生かけて償っていきたい」と泣きながら反省の言葉を並べたのだった。
居酒屋などに、吠える熊のイラストともに「熊出没注意」と書いたポスターが、シャレで貼ってあるのを、ときたま見かけることがある。
当欄で経過をお伝えしてきた東京地裁の「虚偽記者席」問題をめぐる国家賠償請求訴訟で、東京地裁(山田明裁判長)は1日、原告のフリージャーナリスト・今井亮一さんの請求を棄却する判決を言い渡した。今井さんは控訴する意向。