昨年11月30日に知人の美術品を横領した容疑で逮捕された学校法人グループ堀越学園グループの堀越哲二(旧名・小池哲二)被告の控訴審が、今月28日に東京高裁で開かれる。
一審で堀越哲二被告は、検察側の論告に対してひたすら「その通りであります。申し訳ございません」を繰り返し、恭順の姿勢を見せていた。学校経営が苦しく、切羽詰って預かった美術品を横領してしまったことを主張し、情状酌量を狙う戦術をとっていたが、2月25日の前橋地裁の判決は、2年6カ月の実刑だった。
美術品を横領された知人が、政界フィクサーとして故後藤田正晴との親密な関係や、オウム真理教の黒幕説まで報道されたことがある朝堂院大覚(美術品の所有者は、朝堂院の息子名義)だったから、世間からは軽視されている裁判だ。
だが、堀越哲二に金を騙し取られた者や、迷惑を被った著名人は、朝堂院以外にも大勢いた。こうした被害者の声は、殆ど報道されないし、起訴状にも載っていない。
本来の戸籍名が小池哲二だった現在の堀越哲二被告が、堀越学園グループの経営権を握った経緯については、関係者の間で深刻な疑惑が囁かれていたのだ。
新聞報道によると、長崎県西海市でストーカー被害を訴えていた女性の母と祖母を殺害したとして、殺人罪などに問われた男性被告が14日から長崎地裁で始まった裁判員裁判で無罪を主張しているという。率直な感想を言えば、報道されているような証拠が本当に存在するなら、無罪判決が出る可能性は低そうに思う。しかし一方で、このニュースに触れ、個人的に反省させられたところもある。