吉松さんの反対尋問が続く。

◆まだ実際にはそういった脅迫等のようなことは行われていないんですね(角地山弁護士)

角地山宗行弁護士 甲17号証の5ページ上から2段落目ですね。テイラー(の発言として)「谷口が言っているのは、吉松を出したら、こういうの(スキャンダル)をマスコミに出すっていうわけ?」、松永(の発言で)「いや、そこまでは言ってないと思いますよ」という風に松永さんから先ほどあなたが発言したところによると、松永さんは谷口さんが国際文化協会に対して脅迫のようなことをしているとおっしゃっていますが、ここで松永さんは明確に否定しているんじゃないですか?

吉松育美 このあと、今、弁護士さんが拾った行の一番最後には「まだね」という表現をしていますし、また、他にも「今後、どのようなことが起こるか分からない」と(いう発言があります)、要は「この先、何が起きるか分からない」という恐怖、そして心配というのを、谷口さんが電話していることによって感じているわけです。ここではもちろん否定しています。というのは、私を目の前にしてそういうことを言えるわけがない。でも、国際文化協会としては「そこまでは言っていませんよ、まだね」という、今後、危険な行為が行われる可能性が高い、もしくは私が危険な行為になる、もしくは国際文化協会が運営するミス・インターナショナル大会に影響が出る恐れがあるというのを想定してこういう発言をしているんです。

角地山宗行弁護士 ですが、まだ実際にはそういった脅迫等のようなことは行われていないんですね。

日本外国特派員協会での吉松育美さん記者会見(FCCJ公式チャンネル2013年12月16日公開)

吉松育美 さっきも言いましたように……。

角地山宗行弁護士 いや、行われているか行われていないかを聞きたいんです。

吉松育美 「まだ」というのは……。

角地山宗行弁護士 もう、いいです。

角地山宗行弁護士 乙2号証3ページを示します。3ページの4段落目。「吉松さんの日本代表時点での発言に一部不誠実な対応があったことや(中略)自粛をしていただくことを決めました」という風に記載されています。ここで、あなたが国際文化協会に対して不誠実な対応をしたのではないですか?

吉松育美 ありません。

角地山宗行弁護士 あなたがとっていないと思ったとしても国際文化協会の方が不誠実な対応だと感じるようなことがあったんじゃないですか?

吉松育美 ありません。また、国際文化協会がそういうこ(不誠実な対応があった)と言うのであれば、その時点で私に注意が来るはずです。でも、今まで国際文化協会からは具体的に注意を受けたことはありません。

◆スキャンダルを探す目的というのはあなたの推測ではないですか?(角地山弁護士)

角地山宗行弁護士 次に行きます。あなたはあなたのスキャンダルを探す目的で谷口さんが探偵に調査を行なったと主張されていますね。甲33と34。これはあなたが提出した証拠ですね。あなたはこの証拠を西川先生が裁判所に提出したということをご存じですか? この証拠がテイラー氏に対する動産執行の資料として裁判所に提出されたことはご存じですか?

吉松育美 はい。

角地山宗行弁護士 甲33号証の調査対象には何と記載されていますか?

吉松育美 調査対象、氏名、マット・テイラー氏。

角地山宗行弁護士 次に調査事項のところには何と記載されていますか?

吉松育美 マット・テイラー氏の活動拠点確認。

角地山宗行弁護士 この行動調査報告書によると、調査対象はマット・テイラーとなっていまして、この資料が提出されたのは、動産執行の資料として提出されているんですけども、ということであれば、スキャンダルを探す目的というのはあなたの推測ではないですか?

吉松育美 先程も、おっしゃったように調査対象はあくまでマット・テイラーと書かれています。ですが、谷口さんは本当に純粋な気持ちでマット・テイラー氏だけの活動拠点を知りたいと思うのなら、この報告書の添付されている写真に私だけを写した写真を4枚も撮っています。それは写真の証拠を見ていただければ分かると思うのですが、写真のナンバー12、ナンバー11、そして、36、44番は、マット・テイラー氏だけではなく私だけをターゲットに写真の記録を残しています。また、この報告書の……。

角地山宗行弁護士 あ、もう結構です。

吉松育美 ……3ページ目を見ていただければ分かると思いますが、この探偵はマット・テイラー氏の隣にいる一女性(吉松育美と思われる人物がいる)と書かれています。つまり、その探偵は事前に谷口さんから吉松育美がいるという情報を……。

角地山宗行弁護士 もういいです。結構です。あなたはあなたのスキャンダルを探す目的で動産執行が行われたと主張していますね。

吉松育美 私のスキャンダルを探す目的で動産執行が行われたということではなく、探偵の方が私のスキャンダルを探す目的で……。

角地山宗行弁護士 ブログではそう書いてないですか?

吉松育美 ……。

角地山宗行弁護士 乙10号証(吉松育美オフィシャルブログ記事)を示します。あなたは動産執行について、下から3段落目、「しかし、テイラー氏との問題を理由にあげても不動産執行は法的にも不可能であることを知った彼は、次に動産執行という手を使って執行官に嘘を付き私の自宅を調べたのです」という風に記載されています。

吉松育美 これは事実だけを述べたものであって、決してこの一文が谷口さんが動産執行に動いたのは私のスキャンダル目的でという主張にはならないですね。これは事実をただ私が淡々と述べているだけです。

角地山宗行弁護士 ですが、この内容からすると、谷口さんはマット・テイラーだけでなく、あなたの自宅を調べるために動産執行を行なったように読めるんですけど。

吉松育美 それは読者によっては弁護士さんのようにそういう風な受け取り方をされる方もいるでしょうし、私のようにこれは淡々とまあ事実通り言っただけだと受け取る方もいるでしょうし。

◆被告の社会的評価を低下させようとしてストーカーと呼んだのですか?(角地山弁護士)

角地山宗行弁護士 次に、あなたは「ストーカーゼロ 被害者が守られる社会を」というキャンペーンを立ち上げています。では、ストーカー規制法についても結構、勉強されたのでしょうか?

吉松育美 はい、当時はしました。

角地山宗行弁護士 ストーカー規制法の対象が恋愛感情を充足する目的の行為に限定されることはご存じですか?

吉松育美 はい。警察には同じようなことを言われました。

角地山宗行弁護士 外国人記者クラブで記者会見をする前にあなたは被告がストーカーであるという被害届を警察に出しましたか?

吉松育美 はい、出しました。

角地山宗行弁護士 あなたは谷口氏があなたに対し恋愛感情を抱いていると思いましたか?

日本外国特派員協会での吉松育美さん記者会見(FCCJ公式チャンネル2013年12月16日公開)

吉松育美 それは谷口さん本人に聞いていただかないと。私が抱くことではないので、谷口さんに聞いてください。

角地山宗行弁護士 谷口さんはストーカー規制法のストーカーにあたりますか?

吉松育美 法律では分かりませんが……。

角地山宗行弁護士 そこまで。警察がこの件に関して捜査を開始しましたか?

吉松育美 受理してもらえませんでした。

角地山宗行弁護士 なぜ受理してもらえなかったのですか?

吉松育美 その当時は管轄が違うという別の理由をつけて受理できないと言われました。

角地山宗行弁護士 あなたと被告が恋愛関係にないのでストーカーにはならないというふうに説明されたのでは?

吉松育美 ストーカー規制法にはあたりません。法律にあたらないと言われました。

角地山宗行弁護士 あなたは記者会見で何回ぐらい被告のことをストーカーと呼びましたか?

吉松育美 覚えていません。

角地山宗行弁護士 覚えてないぐらい多数回言っているということですか? あなたは警察から被告がストーカーにあたらないと認識しながら、被告のことをストーカーと呼んだのですか?

吉松育美 ストーカー規制法には彼の行為は今の日本の法律ではあてはまりませんが、辞書でストーカー行為、ストーカーと見ると、それは他人が恐怖を感じるつきまといと出てきます。まさに彼のやった行為というのはストーカーにあてはまります。ただ、やった行為は今の日本の社会では法律にあてはまらないという弁護士さんと私の認識の違いがあるのかなと思います。

角地山宗行弁護士 警察から被告はストーカーにはあたらないと説明されながら、被告の社会的評価を低下させようとしてストーカーと呼んだのですか?

吉松育美 違います。私がこのようにやっているのは、谷口さん個人に対する怒り、もしくは憎しみからやっているのではありません。もしそのようにやっているのであれば仮処分の時点で私は谷口さんと和解をしています。でも、ここまで裁判所に来て闘っているのは、先程も言いましたように私のように、ストーカー規制法にあてはまらない、そして理不尽な理由で泣き寝入りをせざるを得ない多くの女性、被害者がたくさんいると知ったので私は発言をしたら声を聞いてくれる人たちがいる、その女性、被害者の思いを背負ってここまでやっているのです。(続く)

○吉松育美さん公式サイト=http://ikumiyoshimatsu.com
○吉松育美さんFacebook=https://www.facebook.com/yoshimatsuikumi?ref=hl
○吉松育美さんYouTube=http://www.youtube.com/user/yoshimatsuikumi

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▼星野陽平(ほしの ようへい)
フリーライター。1976年生まれ、東京都出身。早稻田大学商学部卒業。著書に『芸能人はなぜ干されるのか?』(鹿砦社)、編著に『実録!株式市場のカラクリ』(イースト・プレス)などがある。

芸能界の歪んだ「仕組み」を解き明かす!『芸能人はなぜ干されるのか?』