編集・発行人だった石原俊介氏(本名・石原俊)の死去により、情報誌『現代産業情報』は4月15日付の712号が最終号となった。最終号に掲載されたニュースによれば、4月14日に石原氏は享年71歳で死去した。死因は肝臓がん。腹水が溜まり、昨年末から入退院を繰り返し、容体が急変してのことだという。
このところ、企業情報誌が立て続けに休刊、もしくはネットに移行している。「企業は、かつては総会屋対策やクレーム対策で、総務部があったが、今はその部署すらもなくなっている。もはや企業情報誌は使命を終えたような気がする」(企業情報雑誌スタッフ)

『現代産業情報』には縦横無尽に企業の裏情報が書かれており、ニュース記者がネタを集めるときのヒントにもよく使われた。そのいっぽうで裏社会との接点も浮かびあがり、たびたびブラック・ジャーナリズムの代名詞のようにも言われた。
「今後も紙媒体としては、企業情報誌は衰退していくか、ネットに移行するかのどちらかだろうね。なにしろ読者たちは『ネットを見れば情報はこと足りると考えている』のですから」(週刊誌記者)

企業情報誌の記者と飲んだことがある。
「景気がいいころは、企業スキャンダルを広報に確認すると、記者の振込み口座にいつの間にか30万円ほど振り込まれているような時代もあったが、コンプライアンスが問われる現代にあっては、すぐに法務担当にまわり、しかるべく対応される。取材する側にとっても、厳しい時代がきたようです」(企業情報誌スタッフ)
逆に、ネットではビジネスニュースは引く手あまたのようだ。
「サイゾー」も昨年4月にビジネスニュースのサイトを立ち上げるなど、出版社や記者集団はビジネスニュースのサイトを模索している。

「情報の質が問われるようになった。質がよければ読者は金を払う。現実として、有料のニュースサイトのうち、質が高いニュースサイトは生き残っているではありませんか」(前出・週刊誌記者)
質が高いニュースサイト。企業情報新聞の休刊ラッシュが続くのだろうが、これから新しいビジネスモデルとしてニュースサイトが浮上してくるのかもしれない。

(鹿砦丸)