2019年7月6日付け共同通信

「共同通信社は第25回参院選について4、5両日、全国の有権者3万人以上を対象に電話世論調査を実施し、公示直後の序盤情勢を探った。取材も加味すると、自民、公明両党は改選124議席の過半数63を超え、改選前の77議席前後に上る勢い。安倍政権下での憲法改正に前向きな「改憲勢力」は、国会発議に必要な3分の2以上の議席維持をうかがう。野党は立憲民主党が改選9議席からの倍増を視野に入れるものの、全体では伸び悩む。」(2019年7月6日付け共同通信)

「21日投開票の参院選について、朝日新聞社は4、5の両日、全国の有権者を対象にした電話による情勢調査を実施した。取材で得た情報を合わせて分析すると、自民、公明の与党は改選議席(124)の半数を大きく上回る勢い。自民、公明と憲法改正に前向きな日本維新の会などの「改憲勢力」が非改選議席を合わせて、憲法改正の国会発議に必要な3分の2の議席を維持するかは微妙な情勢だ。」(2019年7月5日付け朝日新聞)

このような、選挙告示直後に大新聞や、通信社が「与党有利」の情報を流布する問題は、ここ数年「公平な選挙」を阻害する要因として問題が指摘されている。

◆誰が「思想調査」とたがわない、電話での世論調査に応じるのか?

2019年7月5日付け朝日新聞

誰が「思想調査」とたがわない、電話での世論調査に応じるのか、と思っていたら、ここ数年、コンピューター音声の「世論調査」が拙宅にも何度もかかってくるようになった。あれは固定電話だけに向け、かけているのであろうか。携帯電話も対象か。正直なところこういった社会的なメディアに文章を書くのであれば、それくらいは自力で調べてからご報告すべきである。と読者諸氏に申し訳ない気持ちに満たされながらも、「馬鹿げた芝居」の裏側まで調べる気力がわかない。

正直な方には失礼だが、電話での「世論調査」に本気で答える人など、いるのだろうか? あんな気持ち悪い、かつ一方的な「思想調査」はない。一方的な質問。しかもコンピューター音声による「取り調べ」まがいの調査に、答える義務など当然ない。わたしは無機質なコンピューター音声の質問がはじまると、受話器を電話に叩き付ける。

でも、穏やかな方々はそうはしないのだろう。「あなたの支持政党をお答えください。自民党は1、立件民主党は2、国民民主党は3……」あれを押し間違えたらどうなるのか知らないけれども、新聞に毎月掲載される「世論調査」と名乗った「世論誘導」は非常に巧妙に、世論誘導を行う悪しきく習慣だ。あんなものに信憑性はまったくない。

◆告示直後のこの時期に、どうして投票行動をかなり断言調の見出しで記事にできるのか?

告示直後のこの時期に、どうして投票行動をかなり断言調の見出しで記事にできるのだ。してもいいと勘違いしているのか! わたしは選挙に対して興味はない。しかしこの島国の住民がどのように「騙され」、「誘導されていくのか」は嫌というほど見てきた。その様子が気持ち悪い。

言いにくいけれども、自民党はもちろん、どの政党に投票しようがこの国の未来は2030年に果てるだろうというのがわたしの見立てである。その点、国政に興味のない者、関心を失ったものは、選挙についてあれこれ発言するのはいかがかと思う気持ちもないではない。しかし「もう少しフェアーにやれよ」と感じずにはいられない。選挙に熱心な方々は余計にそうだろう。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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