遺伝子とかDNAといって私が思い出すのは、生物の授業でアデニン・グアニン・シトシン・チミン、アデニン・グアニン・シトシン・ウラシル、ヌクレオチドなど呪文のようにカタカナを暗記したこと、「二重らせん構造、二重らせん構造って言うけど、それってそんなに重要なことなの?」と思ったこと、それからエンドウ豆から発見されたという『メンデルの法則』などです。

スーパーで「遺伝子組み換え大豆は使用していません」と表示された食品を目にするようになったのは、いつの頃からだったでしょうか。あれを初めて見た時、「そうか、遺伝子組み換えをした食品は危険なのね」と理解しました。逆に「これは遺伝子組み換え食品です」という表示ってありましたっけ。もしも知らないうちに口にしているのだとしたら、それはちょっと気持ち悪いです。

遺伝子組み換え、遺伝子操作、クローン技術、クローン人間……SF映画の怪しい世界を連想してしまいます。「スタップ細胞はあります」か「ありません」かは、あの過剰なワイドショーのお陰で興味がなくなってしまいましたが、現実に万能細胞と言われるものが作られ、その応用が日々研究され、私たちの生活の中に入り込んできているわけです。

そうか、そんな研究をしている企業に絞って投資をするというのが、あの証券会社の営業マンが言っていた「グローバル全生物ゲノム株式ファンド」なのかしら。それにしても、なんとなく怖いというか、危ういというか、慎重に検討する必要がありそうです。

「ゲノム」という言葉は、特に最近よく見聞きするようになりました。先日もテレビで「ゲノム編集」という特集があり、遺伝子を書き換えることによって食品の品種改良を行うだとか、医療分野への応用が期待されているだとか言っていました。でも正直なところ、今一つ正体がわかりません。私はもっと詳しく知りたくなりました。

まず、気になっていたジェネリック薬品について、詳しい方に伺ってみました。医療行政が、医療費圧縮のため、ジェネリック薬品の使用を推進しているそうです。薬価では、先発薬とジェネリック薬品(後発薬)との間では、5倍違う(!)のはざらにあるそうです。先発薬は、その薬効について、phase4まで詳細に検討して、認可されています。後発薬は、先発薬の該当薬品が同じ量入っていること。それから目に見える副作用、例えば、発熱を起こさなければ、認可されているそうです。

また後発薬の多くは人件費の安い外国で生産され、日本に輸入されていることはまったく知りませんでした。この問題に詳しい方は、「後発薬の製造過程で、生成する副産物等については、ほとんど検討されていません。そのため、当該薬品以外の組成はかなり違うとされています。従って、後発薬には、先発薬にない作用(副作用)もあると多く医師は認識しています。こうした副作用は、特定の人が被害を受けているのではなく、ほぼ国民すべてです。患者の意識が高ければ、医師から処方してもらう時、そして、薬局で薬を貰う時、先発薬を指定して貰うことも可能です。しかし、多くの場合は、安易な、ジェネリック薬品へと流れてしまいます」と警告を発してくださいました。

ジェネリック薬品の構造的な問題については理解できました。では、本当に先発薬と後発薬(ジェネリック薬品)は、服用したときに効能が異なるのでしょうか。だとしたら私たちは本当に注意深く薬を選ぶ必要があることになりますよね。

先行薬と後発薬を与えた個体の遺伝子にどのような変化が生じるか? このことがわかれば私達も簡単に先行薬と後発薬(ジェネリック)が同じ効用なのか、違うのかを知ることができます。そして、ある方のご協力で、近く詳しい検査結果がわかることになりました。是非皆さん期待してください!

その前にもう少し「遺伝子」、「ゲノム」といった基本的な言葉の意味をおさらいしておく必要があるでしょう。(つづく)

[連載]遺伝子から万能細胞の世界へ ── 誰にでもわかる「ゲノム」の世界
    
▼赤木 夏(あかぎ・なつ)[文とイラスト]
89歳の母を持つ地方在住の50代主婦。数年前から母親の異変に気付き、本通信で「老いの風景」を連載執筆(全15回)。

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