筆者は、仕事中はほとんどパソコンを動かしているので、だいたい3年で壊れて買い換えている(使い方が悪いのかもしれないが)。
だからOSは、Windows7だ。それでも、様々な支障に見舞われる。
先日突然、「エクスプローラーの動作が停止しました」とのメッセージが出て、マイコンピューターが開けなくなった。
文章はワープロソフトから開けるし、写真も動画もソフトから開ける。

実際の支障はないのだが、放置しておくと突然クラッシュしないか、と心配だ。
パソコン全般の相談に乗ってくれる、NTTのリモートサポートというサービスがある。
回線の契約をした時に自動的に申し込むことになったもので、ここぞとばかりに電話した。
回線を通じて、こちらのパソコンとむこうのパソコンが繋がる。
むこうから、こちらのパソコンの画面が見られて、むこうからマウスで操作できる。
すぐれもの! と思ったが、結局問題は解決しなかった。

メーカーに相談するしかないと、チャットでのサポートを受けようとする。
申し込みのところで、製品名とシリアルナンバーを入れると、サポートを受ける契約がないとのこと。
だが、メーカーのサイトをいくら見ても、その契約のしかたは見つからない。
ヒヤヒヤしながら今、パソコンを使っている。
いつクラッシュするか分からないので、原稿は1枚書くごとにプリントアウトしている。

Windows7でもこのありさまだから、WindowsXPのサポートが4月9日で終了するということで、困り果てている人は多いのではないか。
疑問なのは、なぜOSがこうも変わるのか、ということだ。
Windows7になって便利になった部分も多少はあるが、WindowsXPと大差はない。

筆者がパソコンを使い始めたのは、Windows95からだ。
いよいよパソコンによる知的生活が始まると喜び、マイクロソフト社の「エンサイクロペディアブリタニカ」を買った。ディスプレイ上に地球が映し出され、目指した場所をクリックすると、その国の地理や歴史が出てくる、マイクロソフト社の「エンカルタ大百科」も買った。
それぞれ3万円で計6万円だったが、一生それで知識を得られるのだから安い買い物と思ったものである。
だが、WindowsXPのパソコンに買い換えた時にインストールしようとすると、どちらのソフトも対応していなかった。
一生使えるどころか、5年ほどしか使えなかったのだ。
「金返せ~」と、どこへともなく、虚しく叫んだ。

WindowsXPのサポート終了で、ソフトの入れ替えで、100万円以上かかる中小企業も多いという。
視覚障害者が使う画面上の文字を読み上げるソフトも、入れ替えると新たな操作方法を学び直さなければならない。
それほどまでの困難を強いられるに価するほど、Windows7は便利になっていない。それが、使っている者の実感だ。

(深笛義也)