◆「近衛文麿」化したネタニヤフ、出口見えぬ戦闘

2月4日、広島パレスチナ連帯デモが行われました。

10月7日に、ガザ地区のハマス政権がイスラエル・シオニスト政権への越境反撃を行うと、シオニスト政権の首相・ベンヤミン・ネタニヤフ被告人[※]は、これに対して、ガザへの侵攻を開始。北部の住民に南部への避難を呼びかけながら、実際には南部にも侵攻し、狭い範囲に100万人が密集しているとも言われる状態の地域へ激しい空爆を加えています。2月5日現在で2万7365人が犠牲になっています。

[※]ネタニヤフ被告人は、日本の安倍晋三さんとほぼ同じことをしたとして、イスラエルの警察に書類送検され、起訴。首相のまま裁判を受けています。また、妻のサラ・ネタニヤフ元被告人は、安倍昭恵さんとほぼ同じことをしたとして、罰金刑が確定しています。

一方、イスラエル・シオニスト政権は、UNRWA(国連パレスチナ難民支援機関)に職員が10・7のハマス政権による攻撃に参加した疑惑があるとして米日政府などに通報。これを受けて米日などの政府はUNRWAへの拠出金を一時停止。シオニスト政権による攻撃に加えて、砂漠気候のこの地域には珍しい大雨、そして支援の遅滞が人々に襲い掛かっています。

また、ネタニヤフ被告人は2月5日現在、米国などの仲介工作に対しても「一切の取引に応じない」としています。これは、まるで、日中戦争の時、当時の大日本帝国首相の近衛文麿がナチス・ドイツのトラウトマンによる和平工作を蹴り、「蒋介石を相手にせず」と突き進んだことを想起させます。近衛は軍部の、ネタニヤフは連立相手の宗教極右のコントロールが効かなくなった状態です。

そうした中で、今度は、紅海を航行する船舶にイエメンのアンサール・アッラー政権が攻撃。米英軍がイエメンを攻撃。一方で、シリアやイラクを攻撃する米軍の基地が、攻撃を受け、米軍が報復するなど、あちこちに戦火も飛び火をし、予断を許さない状況です。

一方で、ICJがイスラエルに対して虐殺を予防するよう勧告を行いました。こうしたことを背景に日本を代表する商社・伊藤忠が防衛装備品の輸入におけるイスラエル企業との協業を停止することを発表しました。イスラエルへの包囲網も着実に狭まってはいます

◆広島では毎日17時半から原爆ドーム前集合

 

こうした中、広島では、イスラエルによるガザ大虐殺が始まって以来、原爆ドーム前で、米国人留学生レベッカさんの方らが呼びかけて、毎日17時半~スタンディングを行っています。筆者も、会社帰りのルートに原爆ドームがあるため、ちょうど時間があう場合には参加させていただいています。

2月4日は、16時に広島市中心部の若者の「聖地」とも言われるアリスガーデンに集合(右写真)。16時半に出発し、広島市中心部を「FREE PALESTINE」「子どもを殺すな」「誰も殺すな」などとレベッカさんらの指揮に合わせてコールしながら広島の中心部を原爆ドーム前へ行進しました。筆者は、家庭では、夕食の準備が担当なので、途中で抜けさせていただきました。

これより前、2月1日の17時半からの原爆ドーム前のスタンディングでは、ミャンマーを軍政支配から解放することを目指しているミャンマー人や支援者の日本人も参加し、連帯の挨拶をされていました。日本政府はミャンマー軍事政権に対して多大なODAを行っています。筆者自身の勤務先にもミャンマー人労働者がおられます。彼女らの故郷が人権の保障された平和な状態になることを筆者も願っています。

パレスチナに平和を ミャンマーを救え in 原爆ドーム前(広島瀬戸内新聞ニュース2月1日)

◆G7「虐殺応援団」サミット以来、「米国忖度都市 HIROSHIMA」へ

2023年5月開催のG7広島サミット。結果的には、「虐殺応援団」サミットだったことになります。すなわち、G7のうち、日本を除く米英仏独伊加が「10・7」ののち、直ちにイスラエル断固支持を表明。広島サミットに「乱入」したウクライナのゼレンスキー大統領もイスラエル支持を表明し、わざわざ、イスラエルを訪問しようとしてネタニヤフに断られるという醜態も演じました。

そして、こんなサミットを「顕彰」する施設をサミット県民会議、実質的には湯崎英彦知事は平和記念公園内に作ろうとしています。また、松井一實・広島市長は、イスラエルの後ろ盾・米国政府に忖度し、平和記念公園とパールハーバーの姉妹協定を米国が言うがまま、締結してしまいました。そして、原爆の爆心地を含む広島1区を選挙区とする岸田文雄総理が、西側の核保有は肯定する『広島ビジョン』を作成しています。

もはや、平和都市としてのヒロシマは、行政的には2023年5月のあのサミットを境に「米国忖度都市HIROSHIMA」に変質したと言わざるを得ません。

◆広島市民・県民が汚名返上へ声を

松井市長―湯崎知事―岸田総理という「米国忖度の枢軸」が君臨する広島。しかし、市民はそうではない、というところを示していくしかありません。総理とて、政治家の一人。地元有権者の声は気になるはずです。次回も同様のデモが3月16日(土)に行われるそうです。

こうしたデモに参加するもよし、総理の事務所に意見を言うのもよし。また、総理の選挙態勢を支える自民党の市議や県議らに意見を言うのもよし。いろいろな方法で総理を揺さぶるのも、選挙区の有権者として大事なことではないでしょうか?

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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