◆IRカジノ建設のための大阪万博開催
IRカジノの建設工事が4月24日から始まるという。4月13日、大阪・関西万博が始まったばかりというのに。ははは、わかりやすいね。万博が始まったものの、完成していないパビリオンもあるというのに、すぐ近くでカジノの建設工事が始まるというのだ。さすがにカジノ(ばくち場)の建設・整備事業のために税金は使えないだろうということで、道路などのインフラ整備工事を「万博のため」とやってきた。そんなことはもう大阪の人はみんな知っている。
それにしてもあからさま。万博の隣でドッカン、ドッカン工事が始まり、建設資材や作業員を乗せた建設車両が万博のそばを行きかうんやで。
しかも下の地図でもわかるように、夢洲駅からは万博会場よりもカジノ建設現場に行く方が近いやんけ。またこの記事には書かれてないが、夢洲駅から万博会場に向かう道路よりも、カジノ建設現場に向かう道路の方がよほど整備されているのだと。露骨やなあ。

それにしてもここまで露骨にカジノ建設工事を急ぐのは、維新も万博はもう失敗だったと認識しているから。始める前から失敗はわかっていた。だってこの、2025年に「空飛ぶ車」とか「人間洗濯機」とか「機運醸成」とか言う? 「三者凡退」の世界かよ。そんな昭和のおっさんだけがずらりと並んだ開幕式のテープカット、「ちょっとこれはまずいでしょ?」と意見する人もいなかったのか。東京五輪の映画監督を務めた河瀨直美があれだけ批判され、あげく映画もさんざんだったのに、また今回も起用するという時点で、もう万博はどうでもいいんですが感が漂っていたが。ここまで露骨とは驚き。
つまり、維新は、万博を成功させようとかは全然考えていない。自分らの関係する業者が儲かればいいだけ。カジノ建設工事を急ぐのもそのため! 万博コケて、維新もコケてしまったら大変。だったら、今のうちに儲けておこうということ。
夢洲カジノは、もともと富裕層を呼び込むジャンケット業者(富裕層をカジノへ招待し、航空券、ホテル、滞在中の移動や食事などを世話をする職業)が入らない。しかも夢洲カジノに入るのはほとんどはスロット、新今宮駅前にドンキと併設して入るマルハンと一緒やで。そこに高い入場料払っていくか?
◆「今だけ、カネだけ、仲間の業者が儲ければいいだけ」
維新のやることは全て同じ。新今宮駅の北側に建設された星野リゾート、その近くにJR高架下に出来た屋台村、ずっと閑古鳥泣いてたが、すべて撤去された。

その近くに出来た横丁的なビル、毎朝その前を通っているが、表通りに面した2件の店舗、1件は高級和食店みたいな店名の看板を上げていたし、胡蝶蘭も飾られてたが、結局開店前に看板下ろしたし、隣のおされなカフェは開店、若いおされな店員が寒い冬に表で客引きしていたが、もう閉店した。

2019年、大阪城公園内に肝いりで開業した、吉本が外国人観光客目当ての出し物「KEREN」なんか、開業直前に知り合いの知り合いの男性から「吉本のお偉いさんに叱られるから来て!無料券あります」とメールきたで。結局、維新の造園業者にバッサ、バッサと木を伐採させ、「KEREN」を作り、吉本芸人にちょっと儲けさせただけ。 それよりアソコ、今、息してんの??
とにかく、維新のやることは全て同じ。「今だけ、カネだけ、仲間の業者が儲ければいいだけ」。だから、「コケる前に工事行っとけ」ということ!
維新の万博、失敗してもいいが、これ、税金やで。おい。
▼尾﨑美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者X(はなままさん)https://x.com/hanamama58
