4月2日付の「朝日新聞」の天声人語について、知人の編集者から「上から目線で偉そうな週刊誌についての記述があるので」と教えてもらった。まずは、全文を出そう。

―――――――――――――天声人語 4月2日付
中(なか)づり広告の一番人気は週刊誌だろう。ぎっしり並んだ派手なタイトルだけで、一駅二駅は楽しめる。何割引きかで中身を想像し、なお読みたい買いたいと思わせれば、編集部の勝ちだ▼日本の週刊誌の草分け、「週刊朝日」と「サンデー毎日」がきょう、そろって卒寿を迎えた。1922(大正11)年の春、毎日新聞が週刊誌を出すと知った朝日は、ひと月ほど前に出した旬刊誌を模様替えし、同じ日にぶつけた▼以来、あまたの週刊誌が生まれては消えた。黄金期は、出版社系の「新潮」「文春」「現代」などが創刊された昭和30年代。女性誌や写真誌の興亡を経て、出版不況の今は多くが苦戦中と聞く▼「週刊現代」の名物編集長だった元木昌彦さんが、著書『週刊誌は死なず』で、生き残るための「初心」を記している。「少し品が悪くてやんちゃだが、自分たちが面白いと思ったことには、リスクを考えずに突き進んでいく。権力より反権力。強者より弱者。正義より興味」だと▼大衆の興味に沿い、権力や強者が知られたくない事実をさらす。これぞ真骨頂。ただ、面白さに目がくらむと誤報や名誉毀損(きそん)の危険も増す。訴えられての賠償は「向こう傷」では済まない額に膨らんでいる▼それでも、煙たい週刊誌ジャーナリズムは必要だ。不確かな情報があふれる時代、真実に肉薄するメディアは多様なほどいい。新聞やテレビの監視役もあろう。嫌みな書き方もされるけれど、さらに腕を磨いてほしい。もちろん人権感覚も。
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まずは、週刊誌出身の私としては、朝日新聞よ、「あんたに言われたくない」とジャブをかましておこう。「腕を磨いてほしい」のは朝日新聞編集部である。ナベツネの肩をもつわけではないが、「ジャイアンツの選手の契約金」がどうであろうと、朝日新聞がやっているキャンペーンは、読売新聞の部数を減らそうとしての悪あがきであると、中学生でも推測できる。

何度かこのブログで指摘したが、朝日新聞のOBは、原子力・電力関連団体とズブズブだ。元朝日新聞経済部記者の志村嘉一郎氏は、財団法人電力中央研究所の研究顧問であり、財団法人日本原子力文化振興財団の監事は、元朝日新聞論悦主幹の岸田純之助氏である。
関係者の証言を合わせれば「電中研の顧問などは出勤などしてなくても年間300万はもらえる。これぞ東電および電力関連団体が朝日新聞の幹部を骨抜きにした結果さ」ということになる。

今もなお、東電の勝俣会長の豪邸の前には、帰りを待ってぶら下がり取材をする記者たちの姿がある。被災者たちの怒りを代弁して鋭い突っ込みを入れるフリーのジャーナリストもいるが、大新聞の記者といえば「お疲れではありませんか」などと、「東電の天皇」をきづかっているというザマだ。
「勝俣会長に寿司、懐石料理、ふぐ、フレンチ、さらに老舗料亭など接待のフルコースをたらふくご馳走になった記者が書いている記事に金を払ってまで読む価値はない」と、秋田に住む地方新聞の新聞記者は言い放つ。私もその通りだと思う。

天声人語のラストをパロって締める。
朝日新聞よ! さらに腕を磨いてほしい。もちろん金銭感覚も。

(渋谷三七十)