「戦争法案」阻止で街頭の前衛に躍り出た若者たちが「安保闘争」を越える時

いよいよ「戦争推進法案」の参議院における審議が佳境に入った。ここへきてこの最悪法の阻止に立ち上がる人びとが全国で激増している。

60年、70年安保闘争の画像や映像も散見されるようになってきた。「壮大なるゼロ」と往時は自省を込めてか、表現されもした「安保闘争」。私は結果的には敗北したが故に「日米安全保障条約」が改訂、延長されてしまったけれども、あの闘争自体が無意味なものであったとは全く思わない。


◎[参考動画]1960年安保闘争(rosamour909 2010年05月12日公開)

結果は勿論重要だが、あの時代あらゆる力を結集し学生、労働者が闘ったことは、その場にいた人のみならず、実体験のない世代にも、そのエッセンスは受け継がれている。

時代が異なる。だから抗議行動の形態はずいぶん変化はしている。60年代、70年代は言わば「政治の季節」であり、学生がデモや政治集会を開くのは当たり前の風景だったのだから。

ひるがえり今日の大学は学生管理機構とも言い換えるべきほどの弾圧組織に成り果てた。立て看板は禁止、あるいは許可制で、学内での集会は届け出制という姿がおおかたの大学の有り様だ。

大学は学生が政治的、社会的問題に目を向けて、行動することを警戒し憎悪している。

非政治性こそがあるべき姿だとの暗黙が支配し、それに疑問を抱き、打ち破ろうとする教職員は圧倒的少数派だ。

ここに、本来学問の教育・研究をその責務とする大学の「裏切り」と「社会的背任」がある。悪の本質は「戦争推進法案」成立を企む安倍を中心とした反動政権にあることは間違いないけれども、大学だってこんな時代を招致した下支え機関として充分指弾されるべき役割を担ってきた。

でもそんな寒々とした今日だって学生は街頭に姿を現しはじめた。政治初心者が大半を構成する学生たちには大いなる活躍を期待する。主催団体の如何を問わず、遠慮することはない。怒りを!怒りをぶつけるがよい。

あれこれ御託を並べても、未来ある若者の前で老兵はありもしない未来を獲得出来る道理はない。

◆ようやく若返った「前衛」

闘いには、最先頭に位置する「前衛」その後ろから最前列を押す多数の「中衛」、そして体力的には若者にはかなわない年配者が後ろからの敵を睨む「後衛」がある。

本来闘いの隊列は自然にそのような形態を構成するのだが、長きにわたりデモや集会には若者が圧倒的に不足していて、「前衛」の平均年齢が60歳から70歳という光景が長く続いた。

あれでは勝てはしない。だいたい最前列には気力も体力も充実した連中が陣取らないと全体の高揚がない。仕方なく前衛に押し出された高齢の方々、心意気だけは20代のままだが、体力の衰えには勝てはしない。

新しく生まれた団体であろうが、各大学のサークルだろうが、この時代には珍しい政治に敏感な学生だろうが、この際関係ない。敵は若者を戦場に送りたがっている安倍自公政権だ。「戦争推進法案」の他にも、この政権は庶民にとって「何一つ」有難い政策を行ってはいない。

言い切ろう。安倍は絶対悪である!

街頭に躍り出た若者よ、未来を開くのは君たちだ。お行儀よく、おとなしく自重する必要など微塵もない。多彩な発想と行動で安倍を打倒しよう。遠慮していて赤紙が届いた時に後悔しても、泣くのは君と君を愛する人たちだ。


◎[参考動画]国会前、市民ら結集 安保法案反対で集会(共同通信社2015年09月14日公開)


◎[参考動画]安保法案 最大のヤマ場に「反対の声」各地から(TBS News-i 2015年9月16日公開)


◎[参考動画]TBS NEWS23 安保法案反対の声:国会前・横浜・名古屋・京都・広島(LunaticEclipseAnpo2 2015年9月16日公開)

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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