携帯電話を換えた。前の携帯のボディにはVodafoneと書いてあった。5年以上も同じ携帯を使い続けていたのだ。
新しい携帯にするか、スマホにすべきか、ずっと悩んでいた。
iPhoneを何度も買い換えている友人は、「iPhoneはいいぞ。パソコンを持ち歩いているようなもんだからな」と言うが、日がな一日パソコンに張り付いている私としては、出かける時くらいはパソコンとおさらばしたい。

第一、携帯の赤外線機能さえ、まだ使ったことがないのだから、それ以上の機能は必要ないと思える。
iPhoneの友人から、「これは便利だぞ。トレッキングに行った時とかに役に立つぞ」と見せられたのは、磁石だった。山で迷って一回りしてしまった時があるので、これはいい、と思ったが、よくよく見てみたらVodafoneにも、それは付いていた。

ジョギングした時に、経路と距離、平均速度が出るというのは便利と思ったが、それだけのために持つのもなあ、と思う。
ましてや、アプリが使い放題などと言われると、そんなもん、いらんわい、と思ってしまう。
そんなこんなで、自分にはスマホは必要ないと判断し、携帯を換えたのだ。他社からの乗り換えだと本体がタダになって、通信費も安くなりそうだったから。

Twitterも、パソコンで登録している。情報を集めるのには便利だが、自分からはほとんど呟かない。仕事をした時に、その報告を書くくらいだ。
公安警察の尾行を撒いて行動していた経験があるから、「お台場なう」「梅田なう」「花畑なう」などと、自分の居場所を知らせるのなどもっての他、という気がする。

震災後の不況がどれだけ深刻か、という取材で、銀座のクラブに行った。
取材だとは明かさずに、客として飲みに行き話を聞いたのだ。
ホステスたちは女子大生ばかりという、こじんまりしたクラブ。
話題が豊富で、偶然にも一人は大学の後輩だったので、けっこう盛り上がった。
ママは、篠山紀信に撮ってもらって写真集になったという、美人だ。
Twitterをやっているという話にもなり、すぐにフォローした。

ママから手紙が来た。名刺も渡してあったからだ。
きっと「御著書拝見しました」とその感動が綴られているに違いない、と思った。Twitterには、仕事のことは書いているのだから。
開けてみると、「○月○日は私の誕生日です。ぜひ来てください」とあった。
即座に破り捨てて、ゴミ箱に捨てた。

そんなこんなでTwitterからも遠ざかっているので、やはりスマホは必要ない。

(FY)