『NO NUKES voice』衝撃8号本日発売! 【特集】分断される福島

福島〈反原発〉のローザ・ルクセンブルク、佐藤幸子さん(撮影=大宮浩平)
NNV08号表紙の人は〈脱原発〉大熊町議の木幡ますみさん(撮影=大宮浩平)

『NO NUKES voice』第8号がいよいよ本日25日発売となった。熊本を襲った前例のない長期間にわたる地震の被害は読者の皆さんも心を痛められていることだろう。阪神大震災の時もそうだった。関東、東海地方には大地震の到来が予想されていたが、まさか神戸を中心に壊滅的な大地震が来ると予想できた市民は皆無に近かったし、熊本の人びともそうだろう。気象庁はついに今後の予想について「わかりません」と発言するに至っている。

しかし、不幸ではあるが、もし川内原発が熊本の地震の影響で過酷事故を起こしていたら、被災者の方々の生活はさらに語り尽せない悲劇に覆われていたのではないか。5年前の福島では、防護服を着た人間がマスクもつけない子供達の被曝線量を測っていたおぞましい姿が蘇る。

〈メディアの危機〉の前線で抗い続けるTBS「報道特集」キャスターの金平茂紀さん

◆【特集】分断される福島――権利のための闘争

今号も本誌は福島に足を運び、現地の人びとの声を頂いた。【特集】分断される福島──権利のための闘争では大熊町議会議員に当選された木幡ますみさん。政府のあやふやな説明、官僚の逃げ腰を許さずに最前線で怒りをぶつける姿が印象的な佐藤幸子さん。ご自身国政選挙に出馬することにより被災地の問題を全国に問いかけた木田節子さん。南相馬市の汚染地帯に住みながらも新しい運動の模索を続ける國分富夫さん。どなたからも悲惨な現実と格闘する穏やかながらのっぴきならない、現実に直面する人の凄みが伝わってくる。諦めと忘却を「時間」という武器を用いて待ち受ける政府や東電に対する揺るぎのない闘いの意思は健在だ。

〈学〉の世界で闘い続ける京大「熊取六人衆」の今中哲二さん

◆金平茂紀さん、今中哲二さん、中嶌哲演さん──必読の3大インタビュー

TBSテレビ報道特集でおなじみの金平茂紀さんはテレビ人の中では原発問題に詳しい屈指の人だろう。金平氏が語るテレビ報道の現状はいかなるものか。本誌だけへの告白が注目だ。

今中哲二(元京都大学原子炉実験所・助教)さんからは事故が起きてしまった今日の闘う戦術について原子力の専門家の立場から語って頂いた。

中嶌哲演さんは名刹、明通寺の住職でありながら福井県の反原発運動の先頭で闘い続ける哲学を仏教者の立場から伺った。

いずれも反原発の世界では欠くことの出来ない個性と知性が織りなす3大インタビューは誇張なく全国民必読だ。

◆爆弾対談! 『世に倦む日日』田中宏和さん×松岡利康本誌発行人

そして、『NO NUKES voice』は広範な多様性を認めあう運動や思想を指向する。その結果として現在避けて通れない問題が所謂「反原連」による一方的な断絶宣言から生じた問題である。

反原連の中心人物はその後「反差別」運動へとウイングを広げるが、ここでもやはり「排除の論理」を横行させ数々の問題を引き越こしている。昨年あたかも何か新しい学生の運動のように登場した「シールズ」は彼らがお膳立てした学生のタレント部隊に過ぎないこと、そして彼らの主張が実は「憲法9条2項」改憲であることは重大な問題であるにもかかわらず、これまでのところ主要メディアでは一切報じられていない。

その問題性を人気ブログ『世に倦む日日』を主宰する田中宏和さんと本誌発行人の松岡利康とが激論! 文字通り内容は「爆弾対談」となった。反原連―しばき隊―シールズに通底する暗部を余すところなく暴き出す。

「しばき隊は黒百人組!」と喝破した松岡利康本誌発行人
顔出しOKで爆弾対談に臨んでくれた「世に倦む日日」主宰の田中宏和さん

「爆弾対談」に加えて松岡論考「再び反原連への異議申し立て!―人の思いや好意には真摯に答えよ!異論を排除しない自由な運動への願い」。この題名はやや無いものねだりの感もぬぐえないが、果たして松岡氏の意図は如何に。

◆執念のおっかけ直撃取材は〈シニア右翼の女神〉櫻井よしこ氏!

そして、暫く鳴りを潜めていた「鹿砦社名物」直撃取材、今回は「あの」櫻井よしこ氏を自宅前で取材に成功!しかも櫻井氏は質問にも答え始めたため予想外の展開となった。逮捕一歩手前で敢行された取材班の成果にもご注目を!

執念で実現した〈シニア右翼の女神〉櫻井よしこ氏の自宅前直撃取材!
岩波新書『原発プロパガンダ』が話題の本間龍さんによる連載報告も衝撃的!

その他全国からの運動報告も満載だが、すべてを紹介することが出来ない。少なくとも前号『NO NUKES voice』7号発刊後からこの間、高浜原発再稼働時の事故による緊急停止、大津地裁における運転差し止めの仮処分決定。再度の言及になるが、熊本を中心とする例のない長期間に及ぶ大地震、そして5月17日には関東地方でも震度5弱の地震と、文字通り日本列島は激震常態が続いている。

地震の制御が出来ない以上、人災を最小限に食い止める=原発全機即廃炉しか日本列島住民に未来はないことを私たちは何度でも訴える。抗うことなしに花など咲きはしない。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。
    
   
   

『NO NUKES voice』08号【特集】分断される福島──権利のための闘争
5月26日発売!「世に倦む日日」田中宏和『SEALDsの真実――SEALDsとしばき隊の分析と解剖』

3・11甲状腺がん家族の会、設立会見詳報《2》千葉親子=代表世話人の談話

2016年3月12日、3・11甲状腺がん家族の会が設立された。設立時の正会員は5家族7人、これまでほとんどタブー視されてきた福島での被曝被害の核心を伝える貴重な設立会見を7回に分けて詳報する。今回は千葉親子(ちかこ)さんの会見談話。

◆被曝者になってしまったという切ない思い

代表世話人の千葉親子さん(元・会津坂下町議会議員)

東日本大震災と、それに伴う原発過酷事故が起きてから昨日で5年になりました。この間、国内外の多くの方々に励ましをいただいたことに感謝申し上げます。今、私たちは福島県の現状に向き合いながら、悩み、苦しみ、励ましあいながら、傷つきながらも頑張っています。

時間の経過とともに諸課題も多岐にわたり、個人の力ではどうにもならないことがたくさん聞こえてきます。甲状腺がん問題もその一つです。小さなお子さんからお年寄りまで二百万人の県民が、原発事故により放射能の降り注ぐ下で生活をしていた事実は、けして忘れてはならないことと思います。

事故後、甲状腺検査が始まりました。甲状腺がんの発見が相次ぎました。原発事故が起きるまでは、甲状腺がんという言葉などはあまり耳にしない病気でした。一巡目の先行調査から二巡目と検査が進む中、甲状腺がんと宣告されたご家族の方々の悩みや苦しみに私たちは出会いました。過酷な原発事故や放射能のことなど交錯する情報の中で、保養の手立ても無く過ごす中、子供のことを思い、親御さんたちは、「あの時、外出させなければよかった」「あの時、避難しておけばよかったのではないか」「無用な被曝をさせたのではないか」とご自分のことを責め続けておられます。3・11以降、甲状腺検査を受け、被曝者になってしまったという切ない思いを抱えながら誰にも相談できない状態に置かれているのです。

◆今、起きていることの事実に触れ、悲しい怒りがこみ上げた

福島県健康調査検討委員会では「放射能の影響とは考えにくい」と説明を繰り返すばかりです。専門家の間でさえも、原発に由来する・由来しないと意見が分かれました。そんな曖昧な中、がんと診断された方も、被曝をした多くの県民も不安を抱えた5年となりました。

私たちは昨年、ご家族の方々と集いました。その日の私は初めての出会いでとても緊張していました。きっと、ご家族の方たちも家族同士が出会えることの期待と、どんな集まりなのか、どんな人が来ているのか、と不安があったろうと思います。

懇談が始まってからは、話す家族も、聞く私たちも涙でした。今まで色々な所で聞いていた不条理な出来事が目の前で話すご家族の方に、今、起きていることの事実。そのことに触れ、私も悲しい怒りがこみ上げました。ご家族同士の意見交換では、医師への不信感や診療の制約、情報不足が話題になりました。「病気の症状がこれからどうなっていくのだろう」「毎日のとまどいを誰には話したらいいのだろう」「誰に相談したらいいのだろう」という生の声を聞き、ご家族の孤独感を知りました。

懇談が始まる前の緊張していた雰囲気も、お茶会のころには、皆で持ち寄ったお茶菓子を分け合って、とても和やかな雰囲気になり「来てよかった」「同じ思いで話すことができた」と明るいお顔になられたように感じました。

◆同じ悩みや痛みを抱えている方同士が話し合うことで癒される

子供たちは、原発事故の後、理不尽な形で甲状腺がんと診断され、心に傷がつき、手術で体にも傷を残すことになってしまいました。私たちは、日頃から情報交換や情報提供が出来て、気軽に話し合い、支え合えあうことのできる関係と気軽に相談できる場所が必要だと思いました。同じ悩みや痛みを抱えている方同士が話し合うことが、どれだけ癒されるのか、どんな力にも勝ることだと思いました。

一人で悩まないで下さい。多くの患者の家族の皆さんと手をつなぎ、語り合う場所を持ちましょう。情報を共有し、課題を共有しながらそこから希望を掴みましょう。患者家族の皆さまには、気軽にお声をかけていただきたいと思います。そして、周りには安心して集えるようどうか温かく見守って頂きたいと思います。わたしたちも、そのお手伝いをさせて頂きたいと思っております。このような会が身近な所で色々と広まり、家族の方が安心して話しのできるような場所ができることを望みながら私の挨拶とさせていただきます。


◎[動画]20160312甲状腺がん患者家族会設立記者会見(UPLAN三輪祐児さん公開)

▼白田夏彦[取材・構成]
学生時代に山谷、沖縄などの市民運動を訪問。その後、9・11同時多発テロ事件をきっかけにパレスチナ問題の取材を開始。第二次インティファーダ以降、当地で起こった非暴力直接行動を取材。以降、反戦や脱原発などの市民運動を中心に取材。現在、業界紙記者。

『NO NUKES voice』08号【特集】分断される福島──権利のための闘争
5月27日発売!「世に倦む日日」田中宏和『SEALDsの真実――SEALDsとしばき隊の分析と解剖』

いまこそ論争を! 『NO NUKES voice』8号と『SEALDsの真実』が今週刊行!

『NO NUKES voice』08号【特集】分断される福島──権利のための闘争

鹿砦社の総反撃がいよいよ開始される。熊本の大地震を目の当たりにしながら、川内原発の運転を停止しない、原発マフィアどもに、反原発運動の仮面を被りながら、その実、警察権力と手を携え、ひたすら「排除の論理」で唯我独尊に陥った「反原連」へ、そして、「反原連」を出自とする、リンチ事件が専ら噂のしばき隊、その子分で「9条改憲」を持論とする「シールズ」の諸君へ!

◆25日(水)、『NO NUKES voice』第8号発売開始!

第一段は今週25日(水)発売の『NO NUKES voice』第8号である。第一線で闘ってきたジャーナリスト、研究者、市民運動家にご登場頂き、各持ち場での持論を展開して頂く。三者三様の立場から我々が学ぶべきものに限りがないことを、改めて認識させられる。

また、福島に寄り添う気持ちを忘れないためにも、今号も現地福島に取材班が足を運んだ。過酷な現実と向き合いながらも、将来を切り開こうとする揺るぎない意思をご紹介する。決して楽観論のみでは語れない福島の現実を私たちは直視してゆこうと考える。

田中宏和『SEALDsの真実――SEALDsとしばき隊の分析と解剖』

◆27日(金)、「世に倦む日日」田中宏和さんの『SEALDsの真実』発売開始!

そして27日の金曜日(場所によってはそれよりも早く)には「世に倦む日日」主宰、田中宏和さんによる『SEALDsの真実』がいよいよ書店に並ぶ。アマゾンで告知した直後、一時は人気第一位を記録した注目の問題作だ。

奥田愛基がすぐにTwitterで鹿砦社に対して侮蔑的な書き込みをしたことからも明らかなように、本書の出版については「シールズ」に関わった人々がかなりナーバスになっているようだ。しかし、心配は不要である。本書は「シールズ」に対して正面からの問題提起を行うものであり、彼らの庇護者である「しばき隊」が常套手段として用いる、恫喝、罵声浴びせ、身分明かしなどといった卑怯な手法は、当然の事ながら一切用いられてはいない。あくまでも社会科学的に「シールズ現象」とその背景についての考察が加えられた、学術書に過ぎない。しかしながら、であるからこそ、実は彼らにとっては痛撃となる可能性は低くないだろう。ツイッターの140文字空間にだけ、生息場所を持っている窮屈な言論に慣れ切った御仁には少々難解であるかもしれないが、それこそ「勉強」の為に、是非とも「シールズ」のメンバーには一読をお勧めするし、反論があれば是非有益な議論を交わしたいものである。

しばらく、大人しくしている間に、随分と座視できない〈事件〉が立て続けに起こっているようだ。その中に〈犯罪〉まで含まれているというから事は穏やかではない。

◆雑誌と書籍の使命は闊達な言論を喚起することだ!

『NO NUKES voice』8号は(毎号そうではあるが)編集部が総力を挙げ、やや危険と思われる水域にも敢えて足を踏み込んでいる。そのくらいの危険を冒すことなしに闊達な言論を喚起することはできないであろうし、雑誌を提供する者の最低限の義務だと私たちは考える。原則はゆるぎない。原発全機即廃炉を目指し、読者諸氏からの叱咤を期待する。

『NO NUKES voice』は決して不偏中立ではない。科学と人道に立脚しながら、非人間的存在である「原発」とそれが包含する「差別構造」を常に視野に入れながら敵を撃つ。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

『NO NUKES voice』08号【特集】分断される福島──権利のための闘争
5月27日発売!「世に倦む日日」田中宏和『SEALDsの真実――SEALDsとしばき隊の分析と解剖』

〈鬼神〉羅紗陀、ここに復活!──NJKF2016.2nd

調印式と記者会見に臨むメインイベント出場の羅紗陀(右端)とヤスユキ(左端)─

ニュージャパンキックボクシング連盟が4月1日より一般社団法人に認可されました。前日公開計量も恒例となったNJKF興行。話題の中心は2年ぶりの復帰となる羅紗陀(キング)の復調ぶりと、昨年の最優秀試合となった健太(ESG)vs 大和侑也(大和)戦の再戦。WPMFで世界を獲った一戸総太(WSR池袋)とWMAFで世界を獲った駿太がWBCムエタイ世界をも制覇へ乗り出し、その第一歩、WBCムエタイ日本フェザー級チャンピオン. MOMOTARO(OGUNI)への挑戦権を争います。

NJKF 2016.2nd / 5月8日(日)後楽園ホール17:00~21:30
主催:NJKF / 認定:NJKF、WBCムエタイ日本実行委員会
前日公開計量、調印式:5月7日後楽園ホール5F 展示場14:00~15:00

◆61.0kg契約3回戦

羅紗陀(キング/60.85kg)vs ヤスユキ(Dropout/61.0kg)
勝者:羅紗陀 / 3-0 (主審 山根正美 / 竹村 30-29. 和田 30-29. 小林 30-29)

2年前に折ったスネでキックも問題なしの羅紗陀

2014年2月の中嶋平八(誠至会)戦で右スネを骨折した羅紗陀が復帰し、話題のヤスユキに激しい攻防の中、羅紗陀の我武者羅な攻めの、一発の破壊力を持つパンチも決め手に成らずも僅差の判定勝利。羅紗陀は右スネを蹴られる場面もあるも、ブロックも蹴って出ても問題ない動きで、駆け引きの緊迫感ある展開の中、終了。5回戦でやるべきカードだった。

◆WBCムエタイ日本ウェルター級タイトルマッチ 5回戦

チャンピオン.大和侑也(大和/66.5kg)vs 健太(前チャンピオン/E.S.G/66.35kg)
勝者:健太 / 0-3 (主審 多賀谷敏郎 / 竹村 47-49. 和田 47-49. 小林 46-48)

日本人キラーだったゴンナパーからダウン奪ったハイキックも多様した健太
一発貰えば敗北の危機は昨年同様。大和侑也も諦めないラッシュ

健太が昨年のベストバウトとなった大和侑也戦で敗れた試合の雪辱戦に勝利して王座奪回し、第6代チャンピオンとなる。3Rに右フックでダウンを奪い、ポイントを守りきる。

一発貰えば敗北に繋がる緊張の攻防。一戸総太のパンチ

◆WBCムエタイ日本フェザー級挑戦者決定戦(58.0kg契約) 5回戦

WPMF世界フェザー級チャンピオン.一戸総太(WSR池袋/57.76kg)vs 駿太(谷山/58.0kg)
勝者:一戸総太 / 3-0 (主審 竹村光一 / 多賀谷 50-48. 和田 50-48. 山根 49-47)
一戸総太が的確差で優り勝利を掴み、MOMOTAROへの挑戦権を獲得。

◆66.0kg契約3回戦 

WBCムエタイ日本スーパーライト級チャンピオン.テヨン(キング/65.8kg)vs 喜入衆(フォルテス渋谷/65.85kg)
勝者:テヨン / TKO 1R 1:32 / 主審 小林利典

パワーあるハイキックで距離感を掴んでいくテヨン

テヨン(キング)がベテランの喜入衆(フォルテス渋谷)を左ストレート一発で倒す、カウント中のレフリーストップ。

◆NJKFスーパーバンタム級王座決定戦 5回戦 

次回興行のタイトルマッチで対戦するチャンピオン.MOMOTAROと挑戦権獲得した一戸総太

1位.金子貴幸(GANGA/55.26kg)vs 2位.雄一(TRASH/55.05kg) 
勝者:金子貴幸 / 3-0 (主審 和田良覚 / 多賀谷 50-46. 竹村 50-46. 小林 50-47)

金子貴幸(GANGA)が雄一(TRASH)に距離感を支配し、ダウン奪って判定勝利、NJKFスーパーバンタム級王座決定戦を制し、第5代チャンピオンとなる。

◆67.0kg契約3回戦

NJKFウェルター級チャンピオン.浅瀬石真司(東京町田金子/67.0kg)vs 栄基(MTOONG/66.78kg) 
勝者:栄基 / 0-3 (主審 山根正美 / 和田 28-30. 小林 28-30. 竹村 28-30)

若武者会主催のDUELでのラウンドガールとNJKF興行でマスコットガールを務めるタレントの菜緒さんと勝利のツーショット

元NKBウェルター級チャンピオンで現J-NETWORKウェルター級チャンピオンの栄基が過去倒している浅瀬石を返り討ち。

◆NJKFスーパーライト級挑戦者決定戦3回戦

1位.嶋田裕介(Bombo Freely/63.35kg)vs 2位.一輝(OGUNI/63.65→63.5kg)
勝者:嶋田裕介 / 引分け1-0.延長戦2-1
(主審 多賀谷敏郎 / 和田29-29.9-10/ 小林29-28.10-9/ 山根29-29.10-9)

いつも終盤になると怒涛のラッシュを懸ける一輝、嶋田の蹴りの攻勢に傾いたか、微妙な見極めの結果。

◆その他3試合

主要カードを飾る名選手が多くなった時代で、突出した実力や個性が無いと、更なるこの時代のエース格に選ばれ難いところ、羅紗陀はその風格を持ちつつ、怪我による戦線離脱が長く、勿体ない時間を過ごしました。元・日本ウェルター級チャンピオンだった父親(向山鉄也)に似た風貌やファイトスタイルも強いインパクトを与えています。自らも国内王座奪取し、タイトル歴は父親に追いついたものの、まだ名勝負は少ないところ、それは今後に期待です。

首都圏での興行は7月3日(日)NJKF若武者会主催のDUEL.7が新宿フェースで開催。7月23日(土)はディファ有明の昼の部でWBCムエタイジュニアリーグ第2回全国大会、夜のプロの部でNJKF 2016.5thが行われます。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

5月26日発売!「世に倦む日日」主宰者による衝撃の書!田中宏和『SEALDsの真実――SEALDsとしばき隊の分析と解剖』
5月25日発売!『NO NUKES voice』08号【特集】分断される福島──権利のための闘争

小雨の中、裁判傍聴列に並びながら想う「清原和博の悲劇」

5月17日の朝9時すぎ、日比谷公園には、覚せい剤取締法違反で逮捕された元プロ野球選手、清原和博の裁判傍聴抽選にやってきた人たちで溢れかえっていた。
小雨が寒さを倍加させる。
「3列に並んでください」と整理スタッフが叫ぶ。

栃木から来たという51歳の会社員は語る。
「俺もPL学園高校のOBです。世代を代表するスターだから、ぜひ立ち直って俺等の先頭を走ってほしいです。でもこういう発言が清原のプレッシャーになったのかな、とは思いますけど」

◆清原を助けるリスク

清原を助けようとしている連中の何割かは真剣だろう。

だが何割かは、清原を利用しようといるのにすぎないのではないかと思う。

清原を救うのに、証言した野球評論家の佐々木主浩は「野球のことをやらせるのが一番更正にはいいと思う」として、「親友だから証言をすることは即決で決めた」とまで言う。

だが、記者なら誰もが知っている。
佐々木は、裁判寸前まで「清原の情状酌量のための出廷」はさんざんぱら悩んだことを。

清原と暴力団のつながりがまた囁かれたら、佐々木の野球解説や講演の仕事まで激減する。
そうしたリスクを清原は、常に背負う覚悟が本当にあるのだろうか。

清原はヤクザに憧れて刺青を入れたというが、いまどき、現役のヤクザだってそうそう刺青は入れない。
サウナに入れない、子供とプールに行けない、銭湯に入れないなど失うものが多すぎる。
キックボクシングや総合格闘技の世界だって「刺青はご遠慮下さい」という案内が興業主からやんわりと選手に伝わっている。

◆「ヤクザがまわりにいれば、わしも大きく見える」と考えた清原の悲劇

清原の悲劇は「ヤクザがまわりにいれば、わしも大きく見える」と考えたことだ。
周囲にヤクザが何十人いようが、実際、大きく見えることはない。

僕も清原と仲がいいヤクザと酒を飲んだことがあるが、そのヤクザは「清原は俺等を利用して、高いギャラをあちこちからとれるように演出しているだけ」と清原の狙いを見抜いていた。

清原は、いったい更正までにどれくらいの年数がかかるのか。
かつてKKコンビと言われた桑田真澄は「苦しくてもホームランを打って何度も助けてくれた彼のことですから、人生でも放物線を描いてくれると信じている」と語った。
今の段階で判決は出ていない。だが、いずれにしても同世代のスターの復活を祈りたいものだ。
    

         
▼小林俊之(こばやし・としゆき)
裏社会、事件、政治に精通。自称「ペンのテロリスト」の末筆にして松岡イズム最後の後継者。師匠は「自分以外すべて」で座右の銘は「肉を斬らせて骨を断つ」。

5月26日発売!「世に倦む日日」田中宏和『SEALDsの真実――SEALDsとしばき隊の分析と解剖』
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3・11甲状腺がん家族の会、設立会見詳報《1》河合弘之=代表世話人の談話

2016年3月12日、3・11甲状腺がん家族の会が設立された。設立時の正会員は5家族7人、代表世話人には河合弘之さん(弁護士)と千葉親子さん(元会津坂下町議)が就いた。これまでほとんどタブー視されてきた福島での被曝被害の核心を伝える貴重な設立会見を7回に分けて詳報する。

冒頭、設立趣意書が読み上げられる

◆司会者からのことわり

家族のお二方は、福島県からの中継での参加になります。お二方は、マスコミの前に出るのは、未だセンシティブで難しい状況になります。スカイプで、顔を隠しての会見になることをご了承ください。代表世話人3人のあいさつ後、甲状腺がんのお子さんを持つご家族二人のお話、質疑応答という流れになります。時間は1時間ほどと考えております。どうぞ、よろしくお願いいたします。

◆代表世話人、河合弘之弁護士による「甲状腺がん家族の会」設立主旨談話

右から代表世話人の千葉親子氏(元・会津坂下町議会議員)、河合弘之氏(弁護士)、世話人の牛山元美氏(医師)

代表を務めております弁護士の河合でございます。本日、甲状腺がん家族の会を設立致しました。名称は「3・11甲状腺がん家族の会」といいます。目的は、社会的に孤立している甲状腺がん患者家族同士の親睦を高めるとともに、患者の治療および、生活の質を高めることができるように情報交換を行い、関係機関に働きかけることであります。現在の正会員はご家族7人であります。中通り在住が4家族、浜通り在住が1家族。男の子の家族が3家族、女の子の家族2家族であります。

それから、代表世話人は私、千葉親子(元会津坂下町議)、副代表世話人が武本泰(医療学校教師)、飛田晋秀(写真家)、世話人が牛山元美(医師)でございます。また、甲状腺専門アドバイザーとしても、医師の方に何人かお願いしてあります。

設立趣意書の読み上げ。※参考(当会HP)http://311kazoku.jimdo.com/

◆現行の訴訟では被曝被害の損害がスポッと抜けている

会設立の概要としては以上になりますが、代表世話人としての私の考えを少しご説明したいと思います。3・11以降、本当にひどい、規模の大きな深刻な被害が出ている訳ですが、ADR(裁判外紛争解決手続)で問題にされ、訴訟で問題とされているのは、全部、財物損害と慰謝料だけです。放射能被曝の被害、損害の核心はその放射線から発生した病気であります。健康被害などという、甘い表現で私は申しません。放射線による病気、そして、とりわけ小児甲状腺がん、それから小児にも青年・大人にも発症する白血病、これが被害の核心であるというふうに考えます。

放射能被曝被害の考え方が図で示される

日本で今、大変なADRと訴訟の争いが発生しています。訴訟は、一万人もの人が起こしています。でも、それは全部、財物損害と慰謝料だけなのです。ちょっと図で書きますと、この様に膨大な賠償の請求がきているわけです。まず、財物の損害。それから、精神的な苦痛とか恐怖に対する慰謝料。で、それだけが問題にされていて、こうした白血病になった人や甲状腺がんになったという、病気になった・身体に損害を被ったということがスポッと抜けているのです。

◆「考えにくい」は「考えられない」と同義

メディアの人は感じてほしいのですが「変だな?!」と「一番肝心の損害や救済の追及が欠けているな」と。それが皆、何のせいかというと、原発と因果関係があると「考えられない」、「考えにくい」ということで押さえこまれている、否定されているから。「考えにくい」というのは「考えられない」というのと社会的には同義語です。

そして、この財物損害は、要するに放射能のある所にいると、健康被害を被るから、病気になるから、怖いから(自宅など、すなわち放射線計測区域から)出るわけです。子供が病気になる、怖いから出るわけですよね。だから財物損害の原因も、その放射能によって病気になる怖れなわけです。精神的苦痛も、放射能で病気になるのではないかと思うからです。だから、膨大に発生し、追及されている損害の中核部分が、スポッと台風の目のように空白になっているのです。

◆ジグソーパズルの一番の中核部分

これが、(原発事故と放射線被害の)因果関係が、あるのかどうかわからないということになると、財物損害とか精神的慰謝料とか、全部、根拠が無くなるのです。気のせいだとか、大丈夫だよ、ということになると、全部根拠がなくなる。全てここから発生しているから、財物損害や慰謝料が発生する。ここを無くしてしまおうというのが、今のやりかただろうと私は考えています。ここが、スポッと抜けたままだとどうなるのか?まるでジグソーパズルの一番の中核部分がスポッと抜けたままになっているのですが、文字通り、底抜けになるのです。

つまり、放射能の被害はよくわからない、気のせいだよ、因果関係が考えにくい。そうなると、じゃあ、財物損害も発生しないということになりかねません。それから、慰謝料というのも気のせいだよと、家が放射能で住めなくなる…それも本当にそれで病気が発生するかどうかわからないから、はっきりとしないということになると、放射能は怖くない。放射能が怖くなければ、原発は怖くない、だから原発を再稼働しよう、原発をどんどんやろうと、こういう論理になっていくのです。

◆一番肝心な部分の戦い

だから、この事実をきちん明らかにして、そして因果関係があるのだということをはっきりさせていくことが、全ての面、被害者救済にも重要だし、原発を無くしていくことにも重要なんだ、ということが私の考えです。ここが、まさに天下分け目の戦いというか、一番肝心な部分の戦いにこれからなっていきます。今までは、この問題が、なぜスポッと抜けていたかというと、患者の皆さんが完全に分断されています。お互い、顔見知りでもありません。だから、団結も生まれていません。お互い名前もろくに知りません。完全に分断されているだけでなく、この治療の過程において、現代医療において当然認められるべき、インフォームド・コンセントとセカンド・オピニオンが完全に否定された状態です。

「なぜ、私がこんなことになったのでしょうか?」と患者さんが医師に聞いた時、「あなたは、こうこう、こういう訳で、結果こうなったのだよ」という「だから、こういう治療が必要で、こうで、こうやって手術するんだよ」と、さらに、それでも不安が出てくれば、さらに説明を受けるという形でやっていくというのが普通の医療じゃないですか。それが(医師が)「あなたは癌です。切りましょう。」―(それに対し、患者が)「原発事故が原因でしょうか?」と聞くと、(医師により)「違う!」と、そういう風に言われてしまう。

そこには、問答無用の恩恵的な、家父長的な治療があっても、インフィームド・コンセントがないんです。そして、不安だからセカンド・オピニオンを求めようとしても、そんな事をして、ばれようものなら大変なことになる、というような恐怖感を持っているから、セカンド・オピニオンを求められない。

また、セカンド・オピニオンが、本来出せる人たちも、今の体制の中では、福島県立医大とか福島県とかに遠慮して、余計なことを言うと後で面倒なことになるからということで、(例えば、福島県外の病院でセカンド・オピニオンを求めた場合)「私は福島県から来ました。がんと言われています。本当でしょうか?」と聞こうにも、福島県の方だと分かると「県立医大に行ってください」ということになる。セカンド・オピニオンも求められない。こうやって分断され、完全に抑え込まれている。

◆押さえきれない気持ち

そして、僕たちも、さっき申し上げたように、ここが原発の放射能被害の中核ですから、何度かアプローチをしようとしました。しかし、一切アプローチできなかった。たとえば、福島県庁や県立医大の方にお聞きしようと思っても「とんでもない、個人情報ですから、そんな事は教えられません。」となる。

分断と、個人情報保護ということの二つの壁により、私たちは166人という数が分かっても、どこの誰というのは分からなかった。私としては、これがこのまま放置されていたら、本当にこれは憂慮すべき事態だ、と思っていたところに「もうこれは、我慢できない!」とカミング・アウトする人たちが出てきた。これは、押さえきれない気持ちから出たのだと思いますよ。そして、私の所に相談があったので、私が最終的に代表世話人を引き受けることになった。それまでは、千葉さん、牛山さん御二方が大変尽力されたわけですが、私の問題意識としては、以上、お話しした通りです。

全ては何から始まるのかと言うと、患者さんがお互いに住所氏名を知り合い、どういう状態にあるのかということを情報交換することから始まる。そこからスタートするというのが、今日の会の設立主旨であります。


◎[動画]20160312甲状腺がん患者家族会設立記者会見(UPLAN三輪祐児さん公開)

▼白田夏彦[取材・構成]
学生時代に山谷、沖縄などの市民運動を訪問。その後、9・11同時多発テロ事件をきっかけにパレスチナ問題の取材を開始。第二次インティファーダ以降、当地で起こった非暴力直接行動を取材。以降、反戦や脱原発などの市民運動を中心に取材。現在、業界紙記者。

『NO NUKES voice』08号【特集】分断される福島──権利のための闘争
5月27日発売!「世に倦む日日」田中宏和『SEALDsの真実――SEALDsとしばき隊の分析と解剖』

原発推進インチキ・メディアを斬る!《1》三橋貴明『原発ゼロの真実』

愛国者として名高い三橋貴明氏(経世論研究所所長・中小企業診断士)が書き下ろした「原発ゼロの真実」(TAC出版)は、冒頭から終わりまで突っ込みどころは満載だ。僕は第五章「原発と核燃料サイクル」の「小泉元総理のあきれた主張」に注目した。三橋はこう書く。

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三橋貴明『原発ゼロの真実』(TAC出版2014年7月)

 筆者は本書を執筆するに際し、「できるだけ、現場を訪れ、取材したうえで本を書く」と決意していた。そこで、実際に日本各地の「電力サービスの現場」を訪れ、各施設を自分の目で見たのである。だからこそ、日本のサービスについて、ろくな知識もないくせに、「原発ゼロ!」などと無責任に言ってのける政治家たちを軽蔑する。その代表が、2014年2月の東京都知事選挙において、引退していた陶芸家の元首相(細川護煕氏)を担ぎ上げ、「脱原発一本!」と例の調子で東京都の権力を奪おうとした小泉純一郎元総理大臣だ。小泉元総理は、「原発ゼロ」を謳い、我が国のエネルギー行政を混乱に陥れた挙げ句、2月9日投開票の東京都都知事選挙のために、細川元首相を引っ張り出した。小泉元総理の一連の発言は、以下の通りである。
「即時原発ゼロにすべき」
「(原発を)再稼働すると言っても核のゴミの最終処分場が見つからない。原発の運転の再開はせず、直に原発ゼロの決断をすべきだ」
「これから日本において、核のゴミ(使用済み核燃料のこと)の最終処分場のめどをつけられると思うほうが、楽観的で無責任すぎる」
「政治で一番大事なことは方針を示すこと。原発ゼロの方針を政治家が打ち出せば、知恵のある人が必ずいい案を作ってくれる」
「総理が決断すれば、原発ゼロ反対論者は黙ってしまう。原発ゼロに反対なのは自民党だけ」
 ひと言だけ、感想を述べよう。無責任きわまりない。使用済み核燃料の再処理や地層処分の技術は、ほぼ確立している。あとは、地層学的にもっとも適した地点を検討し、政治が決断すれば済む話なのである。
 ついでに書いておくと、たとえ時の総理大臣が原発ゼロを決断したとしても、筆者は黙らない。なぜならば、原発を再稼働しないことで、我が国のエネルギー安全保障が極端に弱体化し、貿易赤字が拡大し、我が国の国民が働いて稼ぎ出した所得が奪われ、経済成長が抑制され、エネルギー関連の投資も減少せざるを得ないためだ。
 脱原発を主張することは、それは個人の価値観である以上、構わないと思うが、それにしても「脱原発のプロセス」について、高レベル放射性廃棄物の処理を含めて提案しなければ卑怯というものだ。(三橋貴明『原発ゼロの真実』TAC出版)

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いいか、三橋よ! まずは脱原発のプロセスは、現在の政府に要求せよ。もはや「単なる老人」と化した小泉元首相が、過去を反省し、現在の政府に「脱原発」を突きつけていることは、過去を猛省している証左であり、これはこれで「是」ではないか。原発を推進するロジックを過去の人に求めるのはフェアではない。

まあ、こうした「原発推進猪突猛進文化人」に冷静な議論をせよというほうが無理というものかもしれないが。

(渋谷三七十)

『NO NUKES voice』08号【特集】分断される福島──権利のための闘争
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上野路上ライブの定番スポット〈アメ横〉が生む成功神話

上野の路上ライブの定番スポットといわれるアメヤ横町周辺で、最近「無事にライブを終えたほど成功する」というジンクスがあるという。

現場はアイドルや歌手の新人や卵たちが場所を取り合ってライブをするため、道路使用許可をとる警察署では行列ができたり順番待ちもよくあるというほどだが、観光客の集中する繁華街とあって何かとライブが中断されやすい。何事もなくライブを負えるのは幸運であるため、アーティストの間では「無事にライブを終えたほど成功する。中断されたら売れない」なんてジンクスが生まれたようだ。

中断理由は様々。現場でギター片手に歌っていた男性歌手に聞くと「中国人観光客が押し寄せてスピーカーを蹴っ飛ばされ音が出なくなった人もいれば、揉め事でパトカーがやってきたり、目の前で迷子の子供が大声で泣き出したりで中断されることもあります。僕は前回、うるさい右翼の街宣車が近くに止まったままになって中断。その前は酔った花見客に絡まれケンカになってしまった」という。

逆に「14回連続で中断ナシという脅威のミュージシャンが先日、レコード会社の人にスカウトされたなんて話もある」という。ちょうどこの時期は、42年続く老舗のライブハウスグループRUIDOが開催するバンドコンテスト「L-1グランプリ」もあって、「私たちに投票してください」とPRしながら演奏する若いバンドもあり、4月25日の夕方に登場したのは、その「L-1」に準決勝進出を決めている女性デュオのespoir(エスポワール)。4年前から活動する華のある美女2人組だが、歌い始めて間もなく、すぐそばの雑居で火災が発生。「5Fのレストランから火が出た!」と、テナントの居酒屋やレストランの店員や客ら裏階段からドッと非難し始めた。サイレンが鳴り消防車が駆けつけ周辺は騒然。ライブ前に集まっていた見物客もそちらに気を取られ人が減ってしまった。それでも、2人組は力一杯歌い、一部ペンライト片手の熱心なファンが応援を続けた。

幸い火事はボヤ程度で済み、あたりに煙が立ち込めるようなこともなかった。espoirにとってはとんだ災難で、ファンからは「賞金20万円を狙うライバルバンドが非常ベルを押したんじゃないか」なんて邪推も聞かれたが、実際にボヤの発生は確認された。ジンクスに沿えば、espoirのライブにこんなハプニングがあったのは悪い兆候ということになってしまうのだが、ただしこの騒ぎで、周辺のライブミュージシャンは大半が演奏を中断しており、その中では唯一、諦めずに歌を完遂したのが彼女たち。その意味では「無事にライブを終えたほど成功する」というジンクスを死守したともいえる。

しかし、現場にいた取材カメラマンには不運があった。取材帰りに確認すると、撮ったはずのespoirのライブ写真がひと通り消失。あとで分かったのは火災が起きたとき、その様子を収めようと動いた際に何かにぶつかってカメラの記録部分に不具合が生じていたということ。美女2人組の路上ライブを伝えようとしたものが遮断されるとは、これがジンクスに従ったものかどうかは、「L-1」の行方で分かるのだろうか?


◎「espoir」ブログ http://ameblo.jp/espoir01/
◎ L-1グランプリ http://ruido.org/L1_grandprix/

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター/NEWSIDER Tokyo)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、書籍企画立案&編集&執筆、著述業、漫画原作、官能小説、AV寸評、広告製作(コピーライティング含む)とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論! 蹴論!」の管理人。

タブーなきスキャンダルマガジン『紙の爆弾』!
[増補新版]本当は怖いジャニーズ・スキャンダル
[増補新版]ジャニーズ50年史

赤西仁に学ぶSMAPの未来──『本当は怖いジャニーズ・スキャンダル』〈増補新版〉

[増補新版]本当は怖いジャニーズ・スキャンダル

2013年刊行の『本当は怖いジャニーズ・スキャンダル』は、2008年から2012年までの5年間を中心にジャニーズスキャンダルをまとめたものである。今回刊行の増補新版は、ここに、最近のジャニーズの動向と今年1月に起こったSMAP解散騒動を加筆し、ジャニーズを多面的に見ることのできる一冊となっている。

◆KATU-TUN赤西仁の独立騒動の軌跡

本書に登場する多くのタレントたちの中から、この時期お騒がせの主役級だった赤西仁にスポットをあててみたい。赤西はジャニーズとのあつれきの末、ジャニーズ事務所を自らやめて独立した。今改めて彼の歩みをたどると、芸能人や芸能事務所のありようについて考えさせられるところも多く興味深い。

赤西は2006年3月、KATU-TUNの中心メンバーとしてCDデビューする。赤西、田中聖など、ジャニーズきってのヤンチャメンバーを擁するKATーTUNはデビュー前から人気が高かったが、素行不安が大きくなかなかデビューに踏み切れなかったといわれている。

待ちに待ったデビューでKAT-TUN人気は爆発、デビュー曲『Real Face』はミリオンセラーとなった。ところが次代のジャニーズを牽引するのはKAT-TUNで決まりかと思われた矢先の10月に、赤西はアメリカに留学のため活動休止し、KAT-TUNの人気はあえなく失速する。この唐突で不可思議な留学には、薬物捜査から逃れるためだったのではないかという疑念も持たれている。

2007年4月に帰国しKAT-TUNとしての活動に復帰するも、不協和音の噂は絶えず、デビュー時のKAT-TUNの勢いが戻ることはなかった。一方で盛んに夜の繁華街に繰り出すようになり、赤西を中心とした悪名高い夜遊びグループ「赤西軍団」が誕生する。ジャニーズでは山下智久、錦戸亮らが加わっていた。アイドルらしからぬ行状はもとより、赤西軍団の最大の問題は薬物疑惑がつきまとっていることだった。遊び仲間の一人のプロテニスプレイヤー宮尾祥慈は大麻使用で有罪判決を受けていた。赤西自身も捜査のターゲットとなり、2009年には逮捕されるとの情報が流れたものの、辛くも難を逃れている。少なくともこの時は限りなくクロに近い状況だったと考えられる。その後薬物疑惑のささやかれるクラブなどでの退廃的な夜遊びショットが多数流出した。薬物疑惑は現在に至るまでことあるごとに取りざたされて、赤西唯一の懸念材料になっている。

◆赤西のわがままさが功を奏す?

こんな騒動がありながらも、2010年7月にはKAT-TUNを脱退し念願のソロとなり、翌年にジャニーズのお膳立てで全米デビューを果たす。ところが、恩を仇で返すかのように、2012年2月、事務所に無断で黒木メイサとできちゃった結婚し、制裁としての謹慎に入った。その間、9月には長女が生まれ、赤西は育児にいそしみながら楽曲作りに励んでいたようだ。ジャニーズ、というよりジャニー喜多川はなおも赤西を見限らず、2013年6月に謹慎が解けると積極的に推して立て続けにCDリリースさせるのだが、赤西はその方針に不満を抱き、ついに2014年2月の契約満了を以ってジャニーズを退所するのである。赤西のわがままさばかりが目立つ顛末だった。
ジャニーズをやめたタレントは、バーニング系などに拾われない限り、大手メディアから排除されて辛酸をなめるのがそれまでの常だったので、その後の赤西の身の振り方に注目が集まった。赤西は同年7月14日の30歳の誕生日に自身のレーベルを立ち上げ独立。独立後最初にリリースしたCDは4万枚を売上げ、自主レーベルとしては上々の滑り出しを見せる。その後は大手メディアとは無縁にネットを活用しながら、市民会館クラスのハコを中心に全国ツアーを行うなど堅実な活動を続けた。さらに音楽フェスへの出演などを足掛かりに中国への進出を図ると、いつの間にか中国人気を獲得する。今後薬物問題でのつまづきさえなければ、ジャニーズ残留組よりはるかに大きな成功を勝ち取る可能性も出てきた。

◆韓流に先を越されたジャニーズの空白地帯〈中国〉

もともとジャニーズ事務所は中国進出を熱望していた。市場として有望だからなのは言うまでもないが、もう一つ、海外進出はジャニー喜多川にとって最後に残された夢、という事情もあった。赤西の強引なアメリカデビューもその海外への夢に後押しされたものだったがあまりうまくいかなかった。ならば中国ということで、ジャニーズは中国進出のためにさまざまな根回しを熱心に行った。しかしせっかく努力して中国コネクションを築いたのにもかかわらず、その後政治的に日中関係が冷え込んだことにより、中国進出は宙に浮いてしまっていた。

ジャニーズが手を出せない間に中国はすっかり韓流に席巻され、ジャニーズの空白地帯となっていた。そこに単身乗り込んだ赤西にとっては、中国は独占市場に等しいものだったかもしれない。もともと逸材でアメリカでの活動経験もある赤西には、十分に韓流と差別化できる魅力があり、自立した活動スタイルも自己主張の強い中国人気質と相性が良かった。

かくして、2015年には中国の「アジア人気アーティスト賞」「年度音楽大賞」を受賞、今年に入ってからは「アジアで最も影響力のある日本人アーティスト」に選ばれるなど、着々と中国での認知度を上げ、はからずもジャニーズをやめてからジャニー喜多川の夢を実現することになった。あまりにうまくいっているので、ジャニー喜多川が裏で個人的に支援しているのではないかという噂もあるほどだ。

この赤西の軌跡を、SMAP解散騒動を踏まえて見ると、めちゃくちゃに見えたジャニーズ時代のふるまいにも、理由があったのだろうかと思わせられる。赤西は、ジャニー喜多川にはかわいがられた一方、メリー・ジュリー母娘には疎まれていたといわれ、彼女らに不合理な前近代性を感じ取って孤独な戦いを続けていたのかもしれない。


◎赤西仁HP http://jinakanishi.com/

◆SMAPでさえ干される〈時代遅れ〉を越える戦略はある

ジャニーズ事務所とタレントの関係では断然タレントの方が弱い立場にあり、関係が良好でなければSMAPでさえ使い捨てにされるのだが、赤西は、独立してやっていくために必要な経験と実績をジャニーズで積み、うまくジャニーズを使い捨てている。SMAP騒動でジャニーズ側の横暴ぶりが明るみになった今から見ると、むしろあっぱれだったというべきだろう。赤西は、「ジャニーズを利用して知名度とスキルアップをはかり、脱退後はその政治力の及ばないネットや海外で活動する」という新たな道を切り開き、後輩たちにおおいに希望を与えることになりそうだ。

すでにその兆候は見えており、2011年に未成年喫煙問題で忽然と姿を消した、元Hey Say JUMPメンバーの森本龍太郎が、格闘技団体をバックにこの4月から独自に芸能活動を再開している。またSMAP騒動の前後から、二番手クラスの人気Jr.が相次いでジャニーズを去り、スターダストプロモーションから「地下アイドル」としてデビューして注目を集めている。そのタイミングや彼らが飯島三智の推しメンだったこと、また飯島がかねてよりスターダスト社長細野義朗と親しいことなどから、動きの背後に飯島がいるのではないかともささやかれている。

赤西、そして小林幸子の成功にも見るように、もう大手メディアや事務所の政治力に頼らなくても、工夫次第で芸能活動が成り立つ時代になりつつある。「干す」ことをちらつかせて恫喝し、タレントを支配するやり方は、遠からず通用しなくなるだろう。そしていずれは、ジャニーズのような強大な芸能事務所も時代遅れなものとなり、その存在意義を失っていくのではないだろうか。

(遠藤サト)

[増補新版]本当は怖いジャニーズ・スキャンダル
[増補新版]ジャニーズ50年史

AKB48はブロイラー? 「RIZAP」CMで急速ダイエットした峯岸みなみの宣伝効果

峯岸みなみがポコッと出たお腹のボディを鍛えた結果、アスリートばりに腹筋が浮き出るほどのセクシーなくびれを見せつける「RIZAP」のCMは「2ヶ月間に及ぶ肉体改造に成功」と報道されているが、「あらかじめ、RIZAPの指示で好きなだけ食べてあえて太った」という話が芸能界のみならずスポーツジム業界でささやかれている。

「それもそのはず。昨年の7月ごろは、『AKB48 41th シングル選抜総選挙』では19位とふるわず、『そろそろ過去のスキャンダルも忘れかけているし、勝負の年かも』と言って力んでいた割には結果とのギャップに落ち込み、ストレスからか焼き肉にふぐに、スゥイーツと暇さえあればガツガツと食べてしまい、同じ事務所の高橋みなみに『あんた、本当に服が着れないほどデブになるよ』と警告されていたほど。ですが今から考えると、『太ったシーンを撮影したい』というRIZAPの思惑にのって『爆食い』しまくったのです。一説にはこれらの飲食費をRIZAP側が負担したとも言われたほど、食が太くなりました。女の子としては、この爆食いの時間が一番幸せだったという見方もできます」(芸能ジャーナリスト)

ちなみに峯岸の場合、お腹がポコっと出やすいのはぜひとも「改善したい」体質だったようで、伝えられているのは、48.6キロから2ヶ月後に43.7キロになったものの、昨年の夏ごろは通常よりも4キロは増量という。

「峯岸は、トレーニング前は50キロを越えていたのではないでしょうか。ランニングなどの有酸素運動をいやがっていたので、背筋と腹筋を中心にプログラムを組んだはずです」(事情通)というが、鍛えていた昨年の秋から冬にかけては「午後6時以降は、水分しか摂取していないほどストイックに生活していたようです」(アイドルライター)というから、ダイエットへの執念は相当なものだろう。

このダイエット宣伝は、本人がローソンの「骨つきスモークチキンを食べていた」と話すと売り上げが急激に上がるなど、実に多角的な宣伝プランの「仕掛け」の臭いがふんだんに漂う。

RIZAPを経営している会社に「あえて峯岸を太らせてから、ダイエットのプログラムに入らせたのか」と聞いたが、期日までに回答はなかった。

ただし、このところまたリバウンドしてきているようで、「着替えをしているシーンを見たAKBのメンバーのひとりは『また小太りが始まっている』と仲がいい記者にリーク。ネットにはバーベルをあげたり、ベンチプレスで歯を食いしばる映像が流されているが、今もなお、誰か記者がこっそり「爆食い」している映像を狙っているという話だ。

それはさておき、「ブロイラーのごとく太らせてから一気に体重を落とす」やりかたは健康学的に無理がありそうだ。そのあたりの「反論」もぜひ医療学者たちに期待したいところだ。

さて、そんな峯岸の昨年の総選挙の順位は19位だ。 今年、「AKB48 45thシングル 選抜総選挙」は、6月18日に行われる。8回目のチャレンジで念願のトップ10に「ダイエット効果」に入るか、峯岸。注目したい。

(鈴木雅久)

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