ウソまみれの「東京五輪」に「開催反対」を唱える政党がなぜ出てこないのか?

2020年東京五輪で実施されるマラソンスイミングのテスト大会が11日、東京・お台場海浜公園で行われ、高い水温に加え、水質問題では選手から悪臭に懸念が示された。(時事通信8月11日配信)

2020年東京五輪・パラリンピックのテスト大会を兼ねたパラトライアスロンのワールドカップ(W杯)は17日、会場となる東京・お台場海浜公園のスイムコースの水質が悪化したとして、スイムを中止してランとバイクのデュアスロンに変更された。大会実行委員会によると、16日に実施した水質検査で大腸菌の数値が国際トライアスロン連合(ITU)が定める上限の2倍を超えた。(共同通信8月17日配信)


◎[参考動画]大腸菌が基準値超え…トライアスロンでスイム中止(ANNnewsCH 2019/8/17公開)

◆「復興五輪」?「コンパクトな五輪」?

2019-2020 licensing road map

無謀にも灼熱地獄の中で予定されている東京五輪・パラリンピック。上記報道の通り東京湾の汚染により「海に入れない」状況が生じることが証明された。そうでなくとも(東京在住の方には失礼当たるが)東京湾の汚れ具合は周知の事実で、あんなところで、よく海水浴をするな、としきりに感心していた。東京湾の海底にはヘドロが堆積し、福島原発から垂れ流されるストロンチウムなども漂着しているのではないか。

そうまでして、東京五輪にしゃかり気になるのは、どういう人たちだろうか。その筆頭は、日本政府だ。「復興五輪」(ちょっと考えれば「復興」と「五輪」はまったく関係ないことは誰にでもわかろう。外国人労働者を本格的に差し向けなければ足りないほど、作業員の不足が著しい、福島第一原発事故現場の収束作業に当たることができる人が、五輪のための建築現場などに大幅に吸収されている)。

もうこれ以上アスファルトで埋め尽くす場所はない、といっても過言ではないほど舗装の行き届いた東京。1969年とはわけが違うのに、金の使い方は当時の比にならない。「コンパクトな五輪」を謳っていたいた当初の姿勢は見せかけで、運営費だけでも3兆円かかると大会実行委員会は開き直りだした。最終的にはもっとかかるだろう。実行委員会のある理事は「これほどスポンサーの皆さんとスムースに仕事ができるのは実にありがたい」と述べていた。

そりゃそうだろう。朝日・毎日・読売・産経・日経に加えて北海道新聞までがスポンサーになっている東京五輪に、根源的な批判が向けられるはずがない。。その他のスポンサー数や業種も「よくぞここまで便乗するな」とあきれるほどだ。便乗企業の商品化カタログは180頁にわたる(https://tokyo2020.org/jp/organising-committee/marketing/licensing/)。引出物のカタログでも180頁の商品カタログに、庶民はそうそうお目には書かれまい。

そして、存在自体が反自然の観点からは「犯罪」ですらある、「東京」という町である。大きなポスターだけでも結構威圧感があるのに、最近は広告表示が液晶にかわった。東京駅で新幹線を降りて改札口を抜けると液晶に写される動画広告に、気分が悪くなるので、わたしは下ばかり向いて歩く。

◆「万博」だの「五輪」などは、すべて行き着く先が「政治」である

ところで、この国は、こういう「乱痴気騒ぎ」をやっている場合だろうか。福島をはじめとする東日本大震災の被災者の方だけではなく、広島、熊本、など自然災害の被災地は全国に及び、いまだに仮設住宅で暮らしている方々、あるいは仮設住宅を追い出されて。青色吐息でこの猛暑の中暮らしている方々が何万人もいるではないか。

自然災害と人災の被災国日本は、

《日本国憲法第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。》

を享受できていない人たちが、膨大に目の前にいるじゃないか。

「万博」だの「五輪」などは、すべて行き着く先が「政治」である。いま、既成政党で「東京五輪」に明確に「開催反対」を唱える政党があるだろうか。わたしは、日本人のこういった「集団主義」に虫唾が走る。逃げ出したくなるがそうもいかないから、数少ない読者諸氏に訴えるしかない。毎年夏の暑さは「命にかかわる」レベルが当たり前になった。そんな中で意味のない金を使い、広告代理店や、一部大企業を儲けさせる、イベントに“庶民”が何かを期待する「愚」はもうそろそろ終わりにしよう。

この国際化が進んだ時代に、恥ずかしくも隣国への侵略史を直視できない日本が、五輪を開催しても何の意味もない。便乗商法で儲かる企業と、一部のアスリート。そして「踊らされる」庶民が騒ぐ。新聞もテレビも五輪一色。そういう時に、悪政や、儲けにさとい連中は着々と準備を進めるのだ。

いまからでも遅いか、遅くないかは関係なく、無駄と浪費、弱者切り捨ての「東京五輪」に反対の意を再度明らかにする。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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大日本新政会笠岡総裁から届いたバーニング周防社長をめぐる芸能界秘話〈2〉

前回に引き続き、大日本新政会総裁、笠岡和雄氏から筆者に届けられたFAXの内容をご紹介しよう。

笠岡氏の記事の後半部分は、バーニングプロダクションの周防郁雄社長と女優の水野美紀の確執に関するもので占められている。

水野は中学生の時に東鳩のキャンペーンガールコンテストで準優勝したのち、グリーンプロモーションという芸能事務所にスカウトされ、上京し、タレントとして活動を始めた。

1994年、同プロが閉鎖したのに伴い、バーニングプロダクションに移籍。その後はゴールデンタイムのドラマにも出演するようになり、特に97年からフジテレビの『踊る大捜査線』シリーズで柏木雪乃役としてレギュラー出演し、知名度を上げた。

ところが、2005年、水野は10年以上所属したバーニングプロダクションから突然、独立。後に水野は「役の幅を広げたい、そのためには舞台をもっとやってみたいと思うようになって」「でも、その方向は事務所のカラーとは決定的に違っていて、だったら一人でイチからやってみよう、ということで辞めたんです」と説明している(『週刊文春』2009年4月9日号)。

メディアでは語られることはなかったが、この独立劇には周防社長と水野の深刻な対立があったという。

笠岡氏によれば、周防社長と水野は長年、愛人関係にあり、周防社長は水野の独立に烈火のごとく憤慨していたという。

周防社長の妨害により独立後の水野には干され、しばらく芸能界から姿を消していた。それに対する反撃の意味のあったのか、水野は作家の宮崎学が責任編集するウェブマガジンでの対談で、周防社長の愛人時代に知った「クスリを使用した陰湿なSEX」について暴露した。

この記事を読んで怒った周防社長は笠岡氏に「総裁、水野美紀を芸能界から抹殺してほしい、いや殺してくれ!」と錯乱状態で要請したという。

水野が周防社長に対して強気だったのは、当時、山口組の二次団体で神戸に本部を置く暴力団、西脇組の後ろ盾があったからだった。

同組と昵懇だった笠岡氏は、直ちに周防社長と水野の仲介に動き、水野から提案された「今後、水野が周防社長の愛人だった秘密を他言しない代わりに周防社長は水野の仕事を妨害しない」という条件で和解をまとめた。

だが、周防社長は和解を無視して、大手芸能事務所ケイダッシュの幹部で自分の子分でもある谷口元一氏を使って、テレビ各局のプロデューサーに「水野美紀を番組に出せば承知しないぞ」と執拗に脅迫して回っていたという。

これを伝え聞いた「西脇組の山下」は、「ふざけるな。俺が谷口をいわす! 男の約束は命より重い事を思い知らせてやる!」と憤慨した。

関西では有名な武闘派集団として知られる西脇組の関係者が「逆に周防を潰せ! 芸能界から追放しろ!」と息巻いていることを知った周防社長は腰を抜かさんばかりに慌て、再び笠岡氏に泣きつき、「殺されます。どうか総裁の力で止めてください」と懇願した。

笠岡氏が「いいか二度と水野美紀の追い込みをやめろ。谷口にそう伝えておけ」と噛んで含ませ周防社長に諭すと、周防社長は「分かりました。今度こそ間違いなく水野は許します」と答えた。

これによって騒動は一件落着したはずだったのだが、周防社長による水野排除の動きはその後も続いたのだという。

以上の話は以前にも大日本新政会のブログでも紹介されていた話だが、筆者が笠岡氏より送ってもらったFAXには、その続きが書かれていた。

水野を支援していた西脇組の山下氏とその兄弟分のAは、2005年ごろ水野のために3000万円の資金をかき集め、水野のための芸能事務所を設立したという。

東京某所にあった事務所は100坪ほどの広さでなかなか立派なものだったが、周防社長の妨害もあって仕事は一切入らなかった。

山下氏らは水野のために借金をして新事務所を立ち上げており、水野を成功させなければメンツも立たず、切羽詰まっていた。

そこで、笠岡氏が改めて周防社長に連絡を入れると、周防社長は側近で琉球ゴルフ倶楽部の運営会社、玉城園地の社長を務める椿勝氏を使いとして寄越した。

ところが、この椿氏が曲者で「水野を出してやるから、CM料の35%をうちにもってこい」という条件を出した。

裏金で35%も払ったらまともな利益は出ないと考えた山下氏はこの申し出を断った。ところが、裏金で35%という上納金は、バーニングを裏切った水野に対する報復ではなく、バーニンググループでは常識的なものなのだという。バーニングは長らく多くの系列事務所を抱え、権勢を振るっていたが、傘下の芸能事務所の多くはタレントをテレビに出演させても、裏金で35%もの上納金をバーニングに支払い、ほとんど利益を出せなかったという。

その一方で周防社長だけが裏金で多額の上納金を懐に入れ、蓄財に励んでいたのだが、千葉の産廃事業の失敗などで今ではそのほとんどを失ってしまったと見られる。

さて、水野排除で動いていた谷口氏について「あいつの本籍はバーニングです。ケイダッシュは派遣です」と周防社長は折りに触れ話していたという。

谷口氏といえば、2008年に練炭自殺した、TBS出身のアナウンサー、川田亜子の事件で川田の元交際相手として、また、2012年にミス・インターナショナル世界大会でグランプリを受賞した吉松育美の芸能活動を排除したことで名前が取り沙汰された人物だ。

もともと谷口氏は学生時代に小泉今日子や中山美穂の親衛隊に入って頭角を現し、周防社長の息子の家庭教師をしていたという。

その後、ケイダッシュの立ち上げに参画し、同社の幹部として芸能界で名前が知られるようになっていったが、その間、周防社長の裏の仕事をたびたび請け負っていたという。

話を水野美紀に戻す。

水野のための事務所を立ち上げたものの、一向に仕事が入らない山下氏は追い詰められていった。

『踊る大捜査線』への出演で有名になった水野がまったく起用されないのは、周防による妨害のせいだと勘ぐった山下氏は「周防をいわしたる!」と意気込んで周防社長を散々追いかけ回していたという。笠岡氏によれば、その過程で「かなり際どい場面もあったようだ」という。

「ある日、山下が顔を硬直させながら『会長、周防とケジメをつけて下さいよ』と、俺に迫ってきた。若い衆も居るなかでな。周防への報復でかなりモメたわけやが、その後、怒り心頭が頂点になった山下は兄弟分Aと『周防にけじめをつける』と独断で動いた。『しばらく待たんかい』と制止する俺との約束不履行だったわけだ。それが元で西脇組から破門になった。Aと二人ともどもだ」

山下氏が周防社長に何をしたのかは定かではないが、後日、周防社長は「笠岡会長、山下の件ですが、何とかケジメをつけておさめて頂かないと示しがつかない」と文句を言ってきたという。

山下氏らは笠岡氏の静止も振り切って周防社長を詰めたのだから、笠岡氏としても山下氏には憤りを感じていた。

そこで笠岡氏は西脇組幹部に相談をして山下氏とA氏の破門・絶縁処分が決定。さらに同組の若い衆が1000万円の包みと山下氏のものであろう「指」を周防社長にぶつけるようにして渡したという。

周防社長は「指」については「そんなん要りませんわ!」と言い放ち、軽く一瞥してから鞄に1000万円の現金を詰め込んで帰っていったという。

それ以来、山下氏とA氏2人の消息が途絶えた。笠岡氏が四方に問い合わせたが、2人の行方を知る者はいなかった。

「まさか、俺の時のように(引用者注:笠岡氏は周防社長と決裂して以降、何度も命を狙われたという)逆ギレした周防がヒットマンを雇って、山下とA氏の二人を殺したのではないか、と勘ぐったが、その可能性がないとは言えん。
 水野美紀との愛憎劇の末に逆上し、半狂乱の周防が、『水野を殺してくれ』と、真剣に俺に頼んだ、あの凄まじく嫉妬深い周防のことだ。俺には内密に殺し屋を雇ったかもしれんが、すでに10年の時が流れとるし、いずれ真実が分かるやろう」

当時、笠岡氏は周防社長の用心棒であり、山下氏の独断専行を止める役目を負っていた。周防社長が約束を守り、水野に仕事を与えていれば、山下氏もおかしなことは考えなかったはずだが、華やかな芸能界に幻惑され、自らの破滅を招いたのかもしれない。

笠岡氏は次のように述べている。

「山下も芸能ビジネスに食い込んで、かなり舞い上がっとった面が多分にある。動いていた若い衆を食わさなならんし、周防の芸能利権を奪おうと躍起になって墓穴を掘ったのか。華やかな舞台の裏には、毒々しい利権争いのさっきが満ち溢れとる。それが芸能世界の恐ろしいとこや」

これまでに述べてきた山下氏のケースは何も特別なことではない。

芸能界でバーニングプロダクションが台頭したのは80年代のことだが、それから現在に至るまで山下氏のように芸能界で周防社長に挑戦し、姿を消していった者は大勢いる。ところが、そのほとんどは報道もされず、闇に葬り去られてきた。

最近になって公正取引委員会が芸能界の悪しき慣習に乗り出すなど新しい動きも出てきているが、芸能界の古い常識を疑わない周防社長のような重鎮が力を持っている限り、業界の体質を改めるのは容易ではないだろう。(了)

追記:本稿掲載直前に筆者が笠岡氏に改めて確認したところ、周防社長と敵対した西脇組の山下氏は存命が確認されているとのことだった。


◎[参考動画]CM KOSE ルシェリ 唐沢寿明 水野美紀(117cmVol1 2011/7/10公開)

◎大日本新政会笠岡総裁から届いたバーニング周防社長をめぐる芸能界秘話〈1〉

▼ 星野陽平(ほしの ようへい)
フリーライター。1976年生まれ、東京都出身。早稻田大学商学部卒業。著書に『芸能人はなぜ干されるのか?』(鹿砦社)、編著に『実録!株式市場のカラクリ』(イースト・プレス)などがある。近著は『芸能人に投資は必要か?』(鹿砦社)https://www.amazon.co.jp/gp/product/4846312690 著者ツイッター https://twitter.com/YOHEI_HOSHINO?lang=ja

星野陽平『芸能人に投資は必要か? アイドル奴隷契約の実態』奴隷契約、独立妨害とトラブル、暴力団との関係とブラックな世界―著者は公正取引委員会で講演、その報告書で著者の意見を認め、芸能界独占禁止法違反を明記! 芸能界の闇を照らす渾身の書!
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日韓問題の深層

ゆるぎない確信があるわけではない。情報源は、マスメディアと知人からの個人筋をもとに、わたしが感覚的に推測するだけだ。歴史の勉強も人並みにしていない知識からの予感が外れる可能性が大きいであろう。だが敢えてわたしの直感を書こうと思う。

不確かな未来予想は好きではない。わたしは、この国が2030年にはおそらくいまの形では残存しない、と考えていることを本通信で何度か明らかにしてきた。そちらの予想にはかなりの自信を持っている。ここでは述べないが数々の根拠があるからである。

◆一周遅れの「統一」へ

韓国とこの国の関係が険悪になっている。中途を飛ばしていきなり結論を述べよう。

《韓国と朝鮮(水面下では米国・中国にも通告。両国の内諾を得、日本は無視)は、具体的な時期は見通せないものの、「統一」に向けて合意をした》

冷戦時代には、国境を接して同じ民族が分断国家にされていた。世界的にその影響が顕著だったのは東・西ドイツだろう。「ベルリンの壁崩壊」により統一をみたドイツと、同様の悲劇がなぜ朝鮮半島では放置されてきたのであろうか。

ソビエト社会主義共和国連邦、最後の最高権力者、ミハエル・ゴルバチョフは、東ドイツの最高権力者、ホーネッカーから相談を受け、実質的な東西ドイツ「統一」を認める許可を出した、と何度も語っている。

冷戦の処理もやはり欧州が優先されたのか。ベルリンの壁崩壊から四半世紀以上が過ぎ、東西ドイツの統一と比較すれば、またしてもアジアの悲劇は後回しにされたのか。との斜めからの分析もこじつけには聞こえない。「歴史は相変わらず欧州優先なのかと」(東西冷戦終了後に欧州で発生したユーゴスラビアなどの内戦から目を離すわけにはいかないが)。アジアは世界の秩序整理のなかで、欧州の問題が片付いた後にしか、気を回してもらえないのか(欧州、アジア格差もさることながら、アフリカにおける実効的な植民地支配が終わらない現実は、さらに悲劇的である)。

◆民主派の系譜

軍政の時代が終わり、民政に移管しても韓国の保守勢力は日本の保守反動勢力と戦前以来の気脈を通じていた。李承晩、朴正熙、李明博、朴槿恵らはその系列の大統領だ。ときに、「反日的」カードを切ることがあっても、日本占領時代からの性癖が抜けず、財閥優先の経済政策と近親者優遇の悪癖が続いており、日韓の保守反動地下水脈の利益の軌道は、つねに表には出なくとも一致を見ていたのである。重要なことは「韓国の保守勢力は心の中では『日本が嫌い』だが、自分の利益のためには、日本の利権と手を繋ぐのに躊躇しない」点である。

他方、文在寅大統領は、金大中、廬武鉉と続く民主派の系譜にある人物だ。10親等までの親戚づきあいを拒否できない、儒教習慣が、いまだに残る韓国では、革新的な指導者であっても、賄賂や近親者優遇から無縁でいることは、日本とは比較にならぬくらいに難しい。廬武鉉氏の自死もそのような件に絡む自責が理由だった。

韓国の民主派勢力は幅が広い。左翼勢力も変動は激しいものの、必ず一定の力を保持している。ローソクデモで朴槿恵を大統領の座から引き摺り下ろした主役には、梨花女子大学の女子学生の力だった。彼女たちは日頃、学生運動の戦士ではない。ファッションには、かなり神経もお金も使う。ボーイフレンド選びにも、熱心である。だが、ここぞというときには反政府行動に身を投じることをいとわない。なぜか。韓国の民族史も理由になろうが、彼女たちは「親の背中」を見て育っているのだ。当然ながら、日本には残念ながら梨花女子大と学風が匹敵する大学はない。

◆世襲議員の「澱」

1965年に不平等条約である「日韓条約」が締結されると、この国の中では大韓民国だけが朝鮮半島における、合法的な主権国家であるとの態度が示される。しかし、それは国際社会の中にあって、圧倒的に異端な規定であった。日本は、国際法上正当と主張する「日韓併合条約」を大韓帝国に締結させているのだ。「日韓併合条約」の強制的締結前、数年の歴史を日本の受験生のほとんどは、知らない。否、受験生だけでなくわたしたちはおしなべて日本が朝鮮半島を侵略した歴史の詳細をほとんど知らない。そして「日韓併合条約」と「日韓条約」の決定的矛盾をこの国の学者、報道は問題にしようとはしない。しかし、「侵略」された側の韓国・朝鮮のひとびとは、苦難の歴史を義務教育から教えられる。

河野太郎が外相に指名されるとは思わなかった。彼の父河野洋平は「河野談話」を残した人物であるし、河野太郎も平議員のときは、福島第一原発事故後、毎日放送の「種蒔きジャーナル」に出演して「僕は確信的な反原発です。自民党の中にもそう思っている人は結構いると思います」と無責任な発言をしていた。

所詮世襲議員とは、「澱」が溜まっていくもので、くそ生意気に河野太郎は「外相専用機が欲しい」だの、今般の韓国との間での関係悪化では、あろうことか駐日韓国大使を呼びつけて「無礼だ!」とまで調子に乗った。

いいか。河野太郎。一度吐いた言葉は戻らないんだよ。

安倍を中心とする、歴史修正主義者と、与野党含め根源的な政権批判すらなくなった「大政翼賛会」状態で、「歴史を知らない」日本人の多くは、やはり「歴史を知らない」マスコミが作り上げる「反韓国」世論に、簡単に便乗させられる。朝日新聞も、読売新聞も、なんとか民主党も、だれもが「韓国批判」が正義であるかのように、羞恥心を失い馬鹿なことばかりを発信する。

わたしは、極めて不愉快だ。そしてひとつだけ「反韓国」の論調を先導する、
あるいはそれに領導される、無知なひとびとに問いたい。

「あなたはこれまでに、いったい、何人の韓国人と腹を割って話をしたことがありますか? そこまでの関係ではなくても、韓国人や朝鮮の人が歴史的に、日本をどう見ているかを知っていますか。そしてそれが事実であることを」

反日有理。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

田所敏夫『大暗黒時代の大学──消える大学自治と学問の自由』(鹿砦社LIBRARY 007)
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日韓はもはや敵対国関係に どう収拾するつもりだ安倍晋三!

◆安全保障レベルでも手切れの日韓

ついに韓国文政権が、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄すると宣言した(8月22日)。この措置によって、わが国は対北朝鮮のミサイル情報が得られなくなる可能性がある。日韓は安全保障レベルでも、同盟国・友好国ではなくなったのである。いまや両国の観光産業は疲弊し、民間交流も途絶えがちだ。どうしてこんなことになったのか?

相手が「反日と反共」「容共と反日」の「分断国家」とはいえ、そうであるがゆえに揉めれば泥沼化するのはわかっていたはずだ。張本人は安倍晋三、そのひとである。安倍晋三の脅してみたい「感情」から発した韓国イジメが、いよいよわが国の安全をおびやかすところまでやってきたのだ。この男に国政をまかせたままでいいのだろうか?

もちろん最大の原因は、大統領が代わるたびに前大統領が殺されるか投獄されるという、ひとつの国家のなかに「保守反共」と「容共親北」政権が入れ替わり、反日という国是を統治原理にする韓国に起因するものだ。それはしかし、日帝支配36年の「恨」が生んだ二重の分断国家なのである。いわば大日本帝国の侵略行為がつくった国であり、その国民性なのである。


◎[参考動画]韓国 GSOMIA破棄を発表(ANNnewsCH 2019/8/22公開)

◆「謝罪」をもって、宗主国としての「権威」をしめせ!

たとえば自由をもとめる動乱を余儀なくされている香港の民衆は、ユニオンジャックを掲げて民主化をもとめている。かくあるべきはずの宗主国の「権威」と「正義」が、朝鮮半島においては「反日」エネルギーとしてしか横溢していないのだ。そんな韓国国民の「反日」と「恨」をも了解の上で、日本の民間人たちは「友好関係」を築こうとしてきた。その多くは中高生であり、民間ボランティアである。そしてビジネスマンたちだった。

ところが、わが安倍総理においては韓国の政権交代の展望も政治工作もないまま、事実上の「禁輸措置」をもって経済戦争に突入してしまったのである。落としどころもない、その意味では無策の経済戦争である。たとえば朴槿恵政権時には、二階幹事長が独自の政治外交をして従軍慰安婦問題への「謝罪」を約するなど、まだしもチャンネルが確保されていた。ところが安倍政権には、まったく何もないのだ。


◎[参考動画]河野大臣が談話「見誤った対応 断固抗議」(ANNnewsCH 2019/8/22公開)

◆韓国はふたつの国家である

ソウル発の時事電によると、韓国の調査機関リアルメーターが8月7日に発表した世論調査では、8月24日に期限を迎える日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)について、延長せずに「破棄すべきだ」との回答が47.7%に達し、反対の39.3%を上回っていたという。

調査によると、文在寅大統領を支える革新系の与党「共に民主党」の支持者のうち、破棄賛成が70.8%、反対15.6%。一方、保守系の最大野党「自由韓国党」支持者では賛成14.6%、反対76.5%で、与野党の支持者の間で延長の是非をめぐる意識のずれが鮮明になっていた。このように韓国はふたつの国家なのである。そうであればこそ、安倍総理は文政権を倒すために今回の「禁輸措置」に踏み切ったのであろう。だが、それを担保するものは何なのか?


◎[参考動画][NEWS IN-DEPTH] Korea withdraws from GSOMIA amid trade tensions with Japan(ARIRANG NEWS 2019/8/22公開)

◆何だって報復手段になるのだ

世耕弘成経産相は22日の閣議後の記者会見で、日本が対韓輸出管理を厳格化したことへの事実上の対抗措置として、韓国政府が日本産食品などの放射性物質の検査強化を発表したことについて、「(日本の措置は安全保障上)国際的に認められた措置であり、他の分野に波及させるのは好ましくない」と述べ、韓国側を批判したという。現在の情勢の下では、ほとんど寝言にしか聞こえないコメントだ。

これほど政治をわかっていない人物が、経産大臣を務めているのだ。小学校の学級会ではあるまいし、このかんの徴用工→禁輸措置(ホワイト国除外)→WTO提訴およびGSOMIA破棄、そして放射税物質の検査強化という、一連の流れが読めないのなら政治家失格である。国家と国家が外交戦を展開しているのに、「それは本題とは違うんだ」とか、そもそも成り立つはずがないではないか。そればかりではない。

◆ふたたび文化鎖国への道

韓国のミスコリア運営本部は8月5日、11月に日本で開かれる国際コンテスト「ミス・インターナショナル世界大会」への不参加を発表している。「日本の『経済報復』に対して全国民が不買運動などを行っている時期に、日本で開かれる大会に参加することはできない」という理由だ。

主催する国際文化協会(東京)によると、世界大会は日本企業の協賛で行われ、韓国代表も毎年参加していた。大会期間中に日本国内の観光ツアーや文化体験なども含まれており、韓国のミスコリア運営本部は「日本文化や日本ブランドの広報役を義務的に行うことになる」ことも不参加の理由に挙げたという。つまり韓国は、ふたたびの文化鎖国に踏み切ろうというのだ。軍事的な手段に至っていないとはいえ、(経済)戦争なのだから何でもする。いまや可能な範囲で、総力戦が始まっているのだ。

「日本外し」の動きはスポーツ分野にも及ぶ。ソウル市は10月に予定する「ソウルマラソン大会」の協賛企業から、スポーツ用品大手ミズノの韓国法人の除外を決定したと発表。市は決定理由を「市民感情を考慮した」などとする。市によると、大会ではミズノが提供する大会記念Tシャツが参加者に配布される予定だったという。このうえ韓国が、本気で東京オリンピックをボイコットしたら、安倍晋三の名は外交をわかっていなかった無能宰相として名をとどめるであろう。


◎[参考動画]South Korea-Japan trade war tensions flare(South China Morning Post 2019/08/21公開)

◆戦争と核武装を廃棄させ、南北統一をリードせよ

左派政権であれ右派政権であれ、韓国人の本音は日本を圧倒したいのだ。そうであれば、核熱戦争を回避する南北統一でわが国を圧倒させてやればいいではないか。それが極東戦争の回避につながり、朝鮮半島の非核化を実現するのであれば、宗主国としての度量をしめすことになるはずだ。

すでに文在寅大統領は「北朝鮮との経済協力で平和経済が実現すれば、一気に日本の優位に追い付くことができる」「経済強国として新しい未来を開いていく」と発言している(8月5日)。韓国でも現実離れしているとして真意を疑う見方が強いとはいえ、「日本経済が韓国よりも優位にあるのは経済規模と内需市場だ」「今回のことで平和経済が切実であることを再確認できた」と率直に述べ、いわばわが国を範としながら南北統一を展望しているのだ。宗主国として、手を差し延べればいいではないか。圧倒されればいいではないか。

何の展望もなく、腹立ちまぎれに経済戦争を仕掛けて、その落としどころもわからない。それがわが安倍政権なのだ。この事態を「子どもっぽすぎる」(山本太郎)というのは、至極当然のことである。

▼横山茂彦(よこやま しげひこ)
著述業、雑誌編集者。近著に『ガンになりにくい食生活』(鹿砦社ライブラリー)『男組の時代――番長たちが元気だった季節』(明月堂書店)など。

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安倍晋三までの62人を全網羅!! 総理大臣を知れば日本がわかる!!『歴代内閣総理大臣のお仕事 政権掌握と失墜の97代150年のダイナミズム』

私の内なるタイとムエタイ〈61〉タイで三日坊主! Part.53 想い出の地と藤川さんからの手紙

ニーモンに出掛ける比丘達が用意されたトゥクトゥクで向かう

◆最後のワット・ミーチャイ・ター

ビエンチャンからノンカイに戻るとナンマラタナさんと一緒に再びワット・ミーチャイ・ターの門を潜った。もう慣れた寺の雰囲気。堂々と入って行くと、クティの玄関前を掃いていたバーレーくんと出くわした。「オッ、来たか!」と早速私のカメラバッグを奪って以前の倉庫部屋へ運ばれてしまう。

「オイ、精密機械だからソッと持て!」と言う間も無く、それよりも「2階の和尚さんの部屋がいいんだが」と言う前に、バーレーくんは「和尚さんは留守で今日は帰らないよ」と言う。それは仕方無いが、まあ倉庫部屋でも問題は無い。ナンマラタナさんは「明日の朝出発してバンコクに帰る」と言い、ノンカイ駅へ列車の切符を買いに出掛けた。

ここではバーレーくんが、はしゃいで「ペン回しが出来るようになったぞ!」とやって見せる。以前、英語を教えていたネイトさんが何気なく右手で指を弾いて手の甲でペンを1回転させて再び持つ、単純な遊びだが、「オオ、何だそれ、どうやってるんだ!」と興味津々だったバーレーくん。ほんの3分ほどでコツを掴みつつあったが、探究心があり、「こいつは覚えるの早いぞ」と思ったし、「学校で自慢するだろうなあ」とも思っていた。若いキーリーという比丘やネーン達も興味津々に加わって来て賑やかなもんだ。今やバーレーくんが先生だ。私はこれより10年前に職場で教わったが、不器用で何年経っても出来ない。

キーリーくんの部屋。大人しいが明るく真面目な比丘だった
三輪自転車で出掛けるキーリーくん

翌朝、ナンマラタナさんは、予定通り、皆が托鉢に行っている間に早々とバンコクへ向けて引き上げて行かれた。ワット・チェンウェーで出会ってからずっと見て来たが、物静かで藤川さんのような高笑いもせず、修行僧と言うに相応しい比丘だった。

そこへ入れ替わるようにプラマート和尚さんが帰って来た。再びワイをして「もう少しだけここに居させてください」とお願いするとそこは問題無く了承して頂いた。

ここでも最後に尋ねてみた一番候補のこの寺での再出家の可能性。
やる訳にはいかない立場とは思うもこの問い掛けに、
「再出家は出来るよ。還俗も出来るよ。でももっとタイ語を勉強してからにしなさい。」

優しい言い方で、唯一許可してくれた比丘であるプラマート和尚さんではあったが、遠回しには好ましくないから諦めさせようとするニュアンスが含まれている対応であったかとは感じられた。

市場で出会ったTシャツ屋の兄ちゃんに住所を書いて貰う

◆想い出の地

旅の最後の想い出に、一人でノンカイの街を歩き市場にも出掛けると、屋台ではオバチャンが「美味しいか? 美味しかったらまたおいで!」と声掛けてくれたり、サパーンミタパープの近くでTシャツ屋をやっているという、ちょっと怪しい雰囲気の兄ちゃん2人に、「一緒に飯食おうよ!」と勧められてテーブルについてみた。「心のいい日本人に会ったことがある」という彼らが奢ってくれたが、彼らも心のいい奴らだった。私も心いい人で居て、心いいタイ人に繋がなければと思う。こんな人達ばかりではないけれど。

バンコクでもこういう屋台では何度も訪れると、声掛けられたことがよくあった。こんな地元の人との触れ合いが楽しい。そんな和気藹々とした中、メコン河から見える対岸のラオスを眺めていると、ビエンチャンの街が思い出される。また行きたいな。来年また行こうかな。寺の皆や信者さんの綺麗なお姉さんに会いに。オカマのオジサンは要らんが。

そんな想いに耽りながら、今はもう比丘ではない。藤川さんもいない。修行の成果は何も無いが、髪も伸びたし、そろそろ社会復帰しようと思う時期に来ていた。

ビエンチャンの街、古い車、自転車の庶民

◆藤川さんへ御礼の手紙を書く

三日ほど滞在した後、夜行列車でバンコクに帰ると、アナンさんに「何だ、再出家しなかったのか?」とからかわれた。「お願いして歩いたけど、まずタイ語覚えなさいって、やるのは無理だったよ!」と笑ってやり過ごす。

でも将来的には藤川さんと同じ道を歩むかもしれない。そんな気持ちが少しは沸いてきたノンカイ・ビエンチャンの再訪問だった。

そして数日後、ネイトさんとカンボジアに行った藤川さんは、おそらくもうワット・タムケーウに帰っているだろうと思う3月下旬、手紙を書いてみた。

出家に誘ってくれたこと、ラオスまで旅できたこと、無事に還俗できたこと、修行とは言えぬ日々でムカつく日々でもあったが、いろいろ忠告してくれたこと、感謝の気持ちを書き、宛名だけ貶して「ジジイへ」と書いた。

もう会うことも無いだろうが、最後のけじめの礼状をポストに投函した。返事など来ないだろう。私も頼りない出家で藤川さんから見れば失望したろうし、今後もネイトさんみたいな弟子が現れたら受け入れて旅すればいい。私のことはやがて忘れるだろう。

コンビニエンスストア(?)が立ち並ぶビエンチャンの街
メコン河沿いの道、今も歩いてみたくなる

◆次の悪企みか!

そのわずか4日後、アナンさんが持って来てくれたのは藤川さんからの手紙だった。返事が来るとは驚いた。しかもこんな早く。嫌な予感がしたが、封を開けて、以前のとおり“字が下手だから”とタイプライターで打ってある、それでも誤字だらけで所々手書きの下手糞な文字が入っている手紙を開いてみると、「ジジイで悪かったなあ。まだ居ったんけえ~」と拍子抜けする笑える出だし。

そして以前のように朗らかな内容の中にも、「出家したことは、春樹の生涯の良い経験としていつまでも心に残ると思うよ。そしていつかあの経験が役に立つ時があると思う。やっぱり出家のチャンスを与えてくれたこの寺や、和尚、サイバーツして下さった皆さんに感謝する必要があると思うけど、幾らお金を積んでもチャンスが無ければ出家はそう簡単には出来ないと思う。そう考えればこの寺で出家したのも何かの縁。仏陀の言われる『この世の総ての現象には必ず因があり、それが何かの縁により、果となる。因なしに、また縁なしに果のあるものは絶対にない』ということだと思う。人がやらない経験をしたんやから、ここから更に自信を持って仕事を増やして行けや。またいい結果に繋がるぞ。」との励ましには愛情すら感じ、そんな文章の最後には、「6月に日本へ行くからまた面倒見てや!」

はあ? 人を散々貶しておいて勝手なこと言いやがって。また俺を利用しようという魂胆見え見え。誰がまたあんな遠い成田空港まで迎えに行くものか。東京に来たって誰も面倒見てくれる人は居ないだろう。ザマアミロ!と手紙は破って捨てたいところだが、相手が藤川ジジィだろうと可愛い女の子だろうと私は貰ったものは捨てない性格なのであった。

さて、ムエタイ選手の日本招聘手続き等があって滞在が長引き、4月半ばのタイの正月、ソンクラーン祭(水掛け祭り)が終わったら本当に帰国しようと思うが、その前にチャンリットさんに預けっぱなしの黄衣を何とかしなければならない。そして何の因果かソンクラーンに向けて、ある可愛そうな事故が起きてしまうのだった。

メコン河沿いでカメラを向けると恥ずかしがったビエンチャンの学生達

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]

フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

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仮処分に対する滋賀医大病院の異議申し立て却下される! 仮処分の判断を大津地裁の裁判官6名が岡本医師の主張を全面支持! 同時に本訴6回目の弁論行われる

8月22日15時30分から大津地裁で、滋賀医大附属病院泌尿器科の河内明宏、成田充弘 両医師が23名の患者さんに施術の実績がないことを伝えずに手術を行おうとした「説明義務違反」の損害賠償を求める裁判の6回目の弁論が開かれた。また前日21日大津地裁から、原告弁護団に「22日に債務者(滋賀医大)が申し立てた『異議』についての審尋結果を報告する」との連絡がはいり、急遽22日の午前中に債権者(岡本圭生医師)の弁護団が大津地裁に結果を受け取りに行ったところ、債務者(滋賀医大)の主張はすべて退けられ、5月20日に下された「決定」が引き続き維持された。

この裁判報告も6回目の期日を迎え、毎回似たような記事構成になり、読者の皆さんにも退屈される恐れがあるので、今回は同日のイベントを時系列とは逆にご報告する。

16時から弁護士会館で記者会見が行われた。

期日の説明を行う井戸弁護団長

井戸弁護団長がこの日法廷でのやり取りと、仮処分に関する説明を行った。

「午前中に保全異議についての決定が出ましたので、これについてご報告いたします。記者の方のお手元には決定の写しがあると思います。主文だけ見るとちょっとややこしい。いったいどうなっているのか、と印象を受けられたかもしれません。主文の1に書いてあることは、『7月1日から7月17日までの取り消しを求める部分を却下する』。(大学が)異議の申し立てをしたのが7月18日だったので、17日までの妨害禁止、もう過ぎたことについては、『異議の申し立てができません』そういう話です。そして第2項の7月18日から11月26日までの妨害禁止を命ずる部分を認可する』これは5月20日の大津地裁決定が、相当であるからそれを認める。滋賀医大側の異議の申し立ては認めない。そういう内容の決定です。
 理由については基本的に5月20日の決定と同じ考えに立っています。(この審尋を)構成した裁判官は仮処分決定のときと違います。いずれも大津地裁民事部の裁判官ですが、合議体は違う裁判官が構成しています。したがって大津地裁の6人の裁判官が、この仮処分を認めたと受け取って頂いてよいと思います。
 異議段階で新たに出た滋賀医大の主張に対しては、判断を示しています。1つは『岡本医師の被保全権利が特定されていない』。妨害禁止と言われても、滋賀医大としていったい何をしていいのか。何をしてはいけないのかということがわからないから、裁判所が『どこまで許されて、どこから許されないかわからないような明確ではない決定をすべきではない』という趣旨の主張です。これについては『6月まで岡本医師がしていたことを、同じ体制でやれ』と言っているだけで、特定されていないということはない。特定されている。問題ないんだという判断です。医療ユニットの内実は何なのかですか、となるわけです。
 1つは理屈の問題です。それから保全の必要性について、『7月1日以降、小線源治療はできないにしても、いままでの治療実績をまとめたり、研究活動はできるわけであって、6月間治療ができないにしても、岡本医師の教育研究活動をする権利を、制限するものではない』というのが滋賀医大の主張でしたが、小線源講座の特任教授として、どういう治療・研究活動をするのかは、岡本医師の広範な裁量に委ねられているのであり、6カ月治療をさせないでもよい、という理由は成り立たない、と明確に述べています。
 岡本医師側の主張を全面的に認めた決定である、とご理解いただいていいと思います。これに対して滋賀医大側がどうしてくるかですが、保全抗告の申し立てをしてくるか、これで断念して受け入れるか、どちらかです。しかし、大津地裁の6人の裁判官が同じ判断をしたということ。しかも5月20日付けの決定を踏まえた主張も、ことごとく退けられているわけですから、滋賀医大としてはこれを受け入れ、保全抗告をしないで今後11月26日まで、期限は切られていますが、小線源治療の実施に協力すべきであると思います。
 現在毎月の第一火曜日の小線源治療の治療枠については、岡本医師にさせないという態度をとっていますが、それも撤回して11月26日までは全面的に岡本医師の小線源治療に協力する。そういう姿勢を取るべきだと改めて強調したいと思います。
 それから本日の訴訟口頭弁論の結果を御報告いたします。準備書面は今回被告側から準備書面6が出てきました。あまり大した内容はないのですが、前回被告が使っていた「責任教授」という概念、小線源講座における責任教授が河内医師である。岡本医師は特任教授であり河内医師が責任教授であると主張していたので、『責任教授とは、なにに基づく概念なのか』とこちらが説明を求めました。それに対して『規則上定められた概念ではない。診療科や講座について、運営の責任を負う教授を指す事実上の表現である』と、なんら根拠のある概念ではないと説明をしてきました。
 そして被告側から証人尋問、本人尋問の申請がありました。従前原告側からは原告4名の本人尋問、岡本医師の証人尋問、それから塩田学長と松末病院長の証人尋問の申請をしておりました。今回被告側は被告河内・成田医師の本人尋問の申請、証人としては塩田学長、松末病院長、それから放射線科の河野医師、トミオカ氏(事務職員)、オカダユウサク(以前泌尿器科の教授)の申請をしてきました。裁判所はトミオカ、オカダ証人については必要がないと却下されました。その結果尋問をするのは、原告4人と被告の河内・成田医師、補助参加人である岡本医師。それ以外に河野、塩田、松末。10人の尋問をすることになりました。
 次回期日は10月8日11時30分に決まりましたが、次々回と次々々回が尋問の期日で、きょう証人の予定者の都合がわからないということで、正式には決まりませんでした。11月、12月、一番遅くても1月14日までに2期日取って、10人の尋問をすることが決まりました。ずいぶん先になるなと印象を受けられた方もおられるかもしれませんが、裁判所の実情からすれば、かなり熱心に前向きに、早く尋問をしようと臨まれたと思います。西岡裁判長は来年3月に転勤が決まっているそうですが3月までに判決を書くと法廷に名言されました。この事件に積極的に臨まれていると評価していいのではないか、と思います」

次いで岡本医師が見解を述べた。

厳しい表情で滋賀医大の不正を弾劾する岡本医師

「私が本学に抱いている基本的な不信感は、なにを目的に異議申し立てをおこなったかです。裁判所の時間を使い、エネルギーを使ってなにを求めているのか全く理解できません。お手元の資料にありますが6月25日に『本院における泌尿器科の小線源手術を7月から開始します』と書いてあります。ところが(泌尿器科による小線源手術は)行われていないのです。非常に由々しき問題です。
 このコメントの中には、私が治療継続していることも、一切触れられていない。つまり泌尿器科が7月から小線源治療を行うことは、1年半前からずっと言ってきたことです。仮処分に関係なくやろうとしていたのですが、実際患者さんは一人もいない。何人かそこにトラップされた患者さんたちは、私のところへ逃げてきています。話を聞くと私が並行して手術をしていることを全く説明されていない。国立病院がやれもしない、患者さんのいない計画を、いまでも世間に向けてはやっていることになっているわけです。
 もう一つは、もし我々が仮処分を打たなければ、何が起こっていたか。7月も8月も9月も患者がいないわけですから、小線源治療手術室、スタッフなにも使われないわけです。ただ手術室を空室にして、病院としての役割を果たさずに、ここにおられる仮処分後に治療を受けられた方々に、治療をさせない。これが病院にとって合理的である、管理の権利であるなどと主張していますが、言語道断です。
 このようなことを認めていたら国立病院は成り立たない。泌尿器科に患者がいて、私の治療とバッティングして手術ができない、そういう主張であれば理解できますが、実際に患者はいない。この状況で1週目の治療枠を(泌尿器科が)とって、9月に至っても手術室を使わずに患者さんの治療機会を流す(失わせる)。このようなことを院長がやっていること自体を社会は許してはいけないと思います。まったく合理性がないどころか、反社会的行為としか言いようがない。
 それから私に対するバッシングをいろいろな形でやっています。資料にある6月11日、前回の口頭弁論の期日です。この日に病院長名で『前立腺がんについて』がホームページに掲載されました。これを見ると国立がんセンターのロゴが出てきます(※この部分説明が詳細に及ぶので割愛。なお、本問題については6月28日付、黒藪哲也氏の報告を参照されたい)。「岡本の治療に来なくても他へ行ってもいい」といいたいのかもしれませんが、このような情報操作のようなものを、平気で書き出してきて病院のHPにわざわざ書く。なにを狙っているかと言えば、明らかに岡本メソッドの誹謗中傷だと思います。問題は、このような情報は患者さんの判断を混乱させることです。やっていることが幼稚・稚拙でこのようなことを国立大学病院の院長が旗を振ってやっててもいいのだろうか。倫理も教育も成立しないのではないかと危惧します」

と、滋賀医大による行為の不適切性と、理不尽さに対する強い弾劾が語られた。

そのあとに仮処分申し立て人のお二人と裁判原告のお一人が、感想を述べた。

昨年8月1日にはじまった、本裁判も1年を経過した。私は提訴時の記者会見に出席して以来、本問題を追いかけている。当初はメディアの関心が高くはなかったが、MBSが1時間ものドキュメンタリー番組を放送したり、この日もMBS、ABC、関西テレビなどのほかに10社以上の新聞記者が詰めかけていた。メディアの関心は確実に高まっている。一方滋賀医大病院の厚顔無恥ぶりは度合いを増すばかりだ。どのメディアがどんな質問をぶつけようが、滋賀医大は内容のある回答を返さない。私も数度にわたり滋賀医大の広報担当に質問をしたが、回答にならない答えばかりであった。

岡本医師の治療継続を求める、多くの患者さんの行動は、仮処分の勝利という史上初の画期的勝利を得た。私見ではあるが、本訴訟も初回からすべてを傍聴してきた感触から、原告勝利は動かないように予想する。しかし岡本医師が執刀できるタイムリミットが迫ってきているのは冷厳な事実である。滋賀医大の狙いはズバリ、時間切れによる逃げ切りだ。その証拠にこの日の法廷で証人尋問の日程調整を裁判長が提案した際、被告弁護士は、早い期日の候補日には「証人の都合がわからないので」と回答しながら、遅い期日の候補日を耳にするや「その日は大丈夫です」と口にしていた。

裁判前の集会

開廷前には恒例となった、大津駅前での患者会の集会には蒸し暑い中、約80名の方々が集まり力強い声を上げた。55席しかない傍聴席には当然入りきることができない人数だが、これも毎回のことである。22日も法廷撮影があった。MBSが法廷撮影を行うのは、これが3回目である。証人尋問の期日は未定であるが、2期日で10人をこなすため、11月後半から1月中盤までの3期日の候補を持ち帰り、調整することとなった。証人尋問まで日があくが、いよいよこの裁判は大詰めを迎える。

歴史的な仮処分勝利を得ながら、岡本医師の治療継続をどのように実現するのか。非常に困難であるが、患者会の皆さんの真剣な取り組みと、無私の行為に対して社会はいずれ「賞賛」の評価を下し、現在の滋賀医大執行部や不正に加担した人物には「歴史が有罪を宣告するだろう」。その「歴史」は思いのほか早いかもしれない。
 

大津地裁へ向かう患者会の皆さん

◎患者会のURL https://siga-kanjakai.syousengen.net/
◎ネット署名へもご協力を! http://ur0.link/OngR

《関連過去記事カテゴリー》
滋賀医科大学附属病院問題 http://www.rokusaisha.com/wp/?cat=68

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

月刊『紙の爆弾』9月号「れいわ躍進」で始まった“次の展開”
田所敏夫『大暗黒時代の大学──消える大学自治と学問の自由』(鹿砦社LIBRARY 007)

大日本新政会笠岡総裁から届いたバーニング周防社長をめぐる芸能界秘話〈1〉

「バーニング周防郁雄への最後警告(第3弾)
 神聖なる日本の芸能界を独断で食い物にする『やくざ芸能プロダクション・バーニング』周防郁雄(と、その関係者の数々の非道ぶりと、暴力団との癒着、未成年タレントへの強制的な淫行ワイセツセックス、麻薬の斡旋など数々の悪事を実名で追及する当サイト記事も『第三弾』となった」

こう始まる12枚つづりのFAXが先月、筆者のもとに送られた。送信主は右翼団体、大日本新政会の総裁、笠岡和雄氏だ。

笠岡氏は、2001年5月と10月に東京・赤坂にあるバーニングプロダクション事務所に銃弾が撃ち込まれるという事件があった際、同社の周防郁雄社長より、事態の収拾を依頼され、以降、周防社長の裏の仕事をたびたび請け負ってきた。だが、2人は11年ごろ金銭トラブルから決裂し、それをきっかけとして、笠岡氏は周防社長に対する抗議活動をブログや街宣車などで展開していた。

ブログは昨年、閉鎖してしまったが、先月、「未掲載の記事が見つかったから、FAXで送る」と笠岡氏より筆者に電話があった。筆者がFAXにざっと目を通すと、これまで明らかにされていなかった芸能界秘話がいくつも綴られており、資料的価値もあると考えられた。

現在、日本の芸能界は、NGT48や吉本興業の騒動やジャニーズ事務所に対する公正取引委員会の注意などが立て続けに起こり、変革の時を迎えているが、従来の芸能界がいかなるものであったのかを振り返る意味でも、笠岡氏のFAXをここで紹介したい。

記事では、まず、周防社長の異常な金銭感覚について触れられている。

笠岡氏は周防社長の用心棒を務めていた時、「成功すれば投資額の二倍の金を返済しますから」と、千葉の産廃事業への投資話を持ちかけられたことがあった。その言葉を信じた笠岡氏は15億円を都合し、「二倍なら30億円か!」と色めき立ったが、結局、事業は失敗し、大損害を被ることとなり、2人の関係は決裂してしまった。

そのように周防社長は、1億だろうと10億だろうと、簡単に人から借りる癖があったようである。記事では、1億5000万円を周防社長に貸し、危うく踏み倒されかかった男のエピソードが紹介されている。

「この男に周防を紹介して三年ほど経ったある日の昼下がりの事だ。東京のヤクザ事務所に、男が俺を訪ねてきた。かなり深刻な顔で『笠岡会長、申し訳ありません』と頭を下げるので、何だ!と問うと『実は内緒で周防に1億5千万円を貸してましたが、一向に返してもらえない』とぶちまける」

1億5000万円という大金を借りながら、周防社長は便箋に「1億5000万円借用」と書いただけで印鑑も押さなかったという。

周防社長といえば、「芸能界のドン」と呼ばれる大物だ。その男も周防社長を信用して大金を預けたのだろうが、「周防に何回も請求したんですがケンモホロロです。何とかなりませんか会長」と言う。

笠岡氏はすぐに周防社長を呼び出し、事務所で怒鳴りつけた。

「周防、お前、なにしとんじゃ。俺が紹介した人間から、了解も得ず勝手に金借りて放ったらかしか!おまえは誰にでも金を借りまくって、知らん顔とは、どんな神経しとるんじゃ!」

笠岡氏の剣幕に驚いた周防社長は、直ちに1億5000万円を返済し、その男は事業を再開できたという。

では、一体、周防社長はどうして人から大金を借り、返済の要求を無視していたのだろうか。笠岡氏は次のように考察している。

「あいつのあこぎさは、自分の身の安全を図るために『先ず相手に借金』することなんや。
 金を貸した側は、返済されんと困るから、何かと周防に便宜を図るわな。
(中略)
 周防は、いつもそうやって甘い餌をぶら下げて、アリ地獄のように相手をひきずり込んでゆく。
 他人様の持ち物を、ハイエナのごとく横取りして食い尽くす。ハイエナ周防の詐欺丸出しの錬金術に騙され続けて、最後はボロボロになって抵抗できんようにするわけや」

一般の社会では、借りた金をきっちり返すことで信用を築くが、芸能界では「貸した金が返ってこない」という恐怖心を与えることで相手を操るようなのだ。

周防社長は、そのような心理術を駆使することで「芸能界のドン」の地位を築いていったのだろう。

次に笠岡氏が俎上に載せているのは、周防社長の側近で、かつてK-1を主催していた格闘技プロデューサーの石井和義氏だ。

周防社長は元モーニング娘。メンバーとの淫行が盗撮され、笠岡氏がビデオの現物ネガの回収を請け負った。

その交渉を永田町にあるザ・キャピトルホテル東急で行った際、周防社長はビデオ回収の条件として笠岡氏に「謝礼1億円で」と申し出た。

再び、同ホテルでビデオの回収に成功した際、笠岡氏が周防社長に「おい1億円は?」と問いただすと、「会長まことに申し訳ない。来年になったら3億円払います」と釈明したという。

どちらの会合でも石井氏は立会人として同席しており、「回収の件はお願いします」と依頼し、ビデオの回収に成功すると、「ありがとうございます」と礼の言葉を述べていた。

ところが、謝礼の約束は果たされず、笠岡氏は腹の虫が収まらず、石井氏に不満をぶちまけている。

「言葉でハッキリ礼を言うたのなら周防に約束を守らさんかい! 立会人の石井和義よ。あれから何年経ったんだ。
 お前をまっとうな武道家として信用していたが、実はホラ吹き者か!
(中略)
 いや、金の問題よりも、先ず『無礼』を詫びに来るのが立会人と名乗った男としての最低の仁義とちがうか?それを俺は待っとる」

笠岡氏は続けて、回収した淫行ビデオで周防社長の相手だったのがモーニング娘。のメンバーだった石黒彩だと実名を明かしている。

さらにその数年後、京都でやはり元モーニング娘。の矢口真里と宝塚出身の女優、宮本真希の2人が周防社長とNHKのプロデューサーを接待した時のことを笠岡氏は回想している。

笠岡氏は矢口と宮本を周防とプロデューサーが宿泊するホテルに送ったが、翌日、その1人が東映の撮影所で周防社長が「ええか~ええか~」と言いながら「太い指でかき回すから痛いんです」と苦情を申し立てていたという。

当時、石黒、矢口、宮本の3人は皆未成年だったが、笠岡氏は「周防!お前は勃起の『塗り薬』と『媚薬』をいつも持ち歩いていたが、ロリコンのセックス中毒魔か?」と批判するのだった。(つづく)


◎[参考動画]タンポポ 1999年06月発売 飯田圭織-石黒彩-矢口真里(ken06169207 2010/11/12公開)

▼ 星野陽平(ほしの ようへい)
フリーライター。1976年生まれ、東京都出身。早稻田大学商学部卒業。著書に『芸能人はなぜ干されるのか?』(鹿砦社)、編著に『実録!株式市場のカラクリ』(イースト・プレス)などがある。近著は『芸能人に投資は必要か?』(鹿砦社)https://www.amazon.co.jp/gp/product/4846312690 著者ツイッター https://twitter.com/YOHEI_HOSHINO?lang=ja

星野陽平『芸能人に投資は必要か? アイドル奴隷契約の実態』奴隷契約、独立妨害とトラブル、暴力団との関係とブラックな世界―著者は公正取引委員会で講演、その報告書で著者の意見を認め、芸能界独占禁止法違反を明記! 芸能界の闇を照らす渾身の書!
芸能界の歪んだ「仕組み」を解き明かす! 星野陽平『増補新板 芸能人はなぜ干されるのか? 芸能界独占禁止法違反』在庫僅少お早めに!

好評の『紙の爆弾』9月号は参院選挙総括号! 安倍政権の終わりの始まり

『紙の爆弾』9月号が好評発売中だ。帰省中の時間の余ったひとときに、休みではない方は仕事中のリラックスタイムに、ぜひ一冊。マスメディアではわからない政界事情、政治情勢を把握するには、話題を追うばかりの週刊誌では足りない。

 
好評発売中!『紙の爆弾』9月号

というわけで、参院選挙後の政治再編が特集の大ネタである。

朝霞唯夫氏は、れいわ躍進によって始まる次の展開を、政治再編としてぶった切った。まず自民党は実質的に敗北したのであって、とくに改憲発議に必要な3分の2をうしなったことで、公明党の山口那津男の「憲法を改正する必要は今、どこにあるのかはっきりしません」という言葉をすっぱ抜いている。改憲をねらう安倍政治が行き詰った以上、秋の内閣改造で今回の「小敗北」を糊塗するしかない。

はたして朝霞氏が記事で予告したとおり、小泉進次郎への入閣要請が「結婚ご祝儀」として、このかん明らかになった。まことに慧眼である。初入閣が小泉進次郎にとって、試練になるのも当然のことだが、安倍にとっては政権批判を封じる一手となる。安倍は当面の敵を入閣することで封じ、小泉進次郎の人気を取り込むことで、政権の延命をはかろうとしているのだ。

小林蓮実氏は、れいわ新撰組の選挙に貼りついていた立場から、選挙運動の実態を伝えてくれる。今後とも、山本太郎が総理大臣になるまで、ともに闘ってほしい。大山友樹氏は、公明党・創価学会の得票数の低下、得票率の低下に助けられた「勝利」をあばいてくれた。組織力の低下とともに、れいわ新撰組への現役創価学会員・野原候補への衝撃がすさまじい。いずれ、執行部は憲法問題で追い詰められるとしている。もともと平和の党なのだから。

浅野健一氏は、公安警察とメディアによる「安倍自民党勝利」が「創作」されたと指弾する。今回の選挙で顕著だったのが警察によるヤジ封じであった。大音量で演説を妨害するのならともかく、いっさいの批判を封じるやり方は独裁国家のものである。その公安警察の街頭ヤジを封殺する「警護」はメディアでも報じられたが、そのメディア自体がキシャクラブをテコに安倍応援団にまわった。とくに、れいわ新撰組をブラウン管からパージすることで、政権の意に沿おうとした。しかしその目論見は、れいわの躍進によって覆されたというべきであろう。

◆メディアの政権賛美こそ、民主主義の危機である

平岡裕児氏は「2000万円不足問題」はフェイクであり、今回の報告書は金融業界の要請にほかならないと喝破する。横田一氏は秋田県民の選択、すなわちイージスアショアを焦点にした参院選で、配備に反対する野党統一候補が自民現職を破った壮挙をレポート。巨像をアリが倒した原因を、安倍のフェイク演説にあると指摘する。

政治のフェイクを見破るほど、選挙民は成熟しているというべきであろう。問題なのは、政治離れを促進するメディアの安倍政権賛美と忖度、そして政権の顔色をうかがうメディアの体質にある。井上静氏は、ハンセン病国賠訴訟の政府側控訴断念を、安倍総理の「司法の政治利用」として批判する。NHKが安倍政権に忖度しつつ、参院選挙前の政権評価にうごいたのは紛れもない事実だ。韓国に対する「禁輸措置」とともに、これら選挙用のメディア政策があったにもかかわらず、国民が安倍にNO!を突きつけたことは明記されるべきだろう。

以上は選挙特集のうちに数えられるが、紙爆ならではの芸能ネタも健在である。本誌芸能取材班は「ジャニーズ・吉本興業・ビートたけし“事件”で見えた芸能界の真相」をレポート。片岡亮氏は「芸能人と反社」の現在をレポートしている。とくに暴力団幹部の誕生会への潜入取材は白眉である。最大の問題は、反社と手を切れない吉本興業に安倍総理が肩入れをし、あまつさえ「クールジャパン関連事業」として、100億円規模の資金調達が行われようとしていることだ。

ほかに、西山ゆう子氏の「本当に殺してないのか? 『殺処分ゼロ』の嘘と動物愛護の現実」、本誌編集部による「役員総入れ替え『エフエム東京』の内紛劇」は」スクープである。FM東京およびMXで、いま何が起きているのか? 佐藤雅彦氏の「偽史倭人伝」は、「トランプのババ抜き、安倍のスッポン抜き」日米外交のバカさ加減を喝破する。

マッド・アマノ氏の「世界を裏から見てみよう」は、大評判の映画「新聞記者」をテーマに。この「新聞記者」は、昼時のランチの場で、あるいは夕方の居酒屋で、サラリーマンたちの話題トップだ。西本頑司氏の連載「権力者たちのバトルロワイヤル」は第三回「株式会社化する世界」。巨大ITメジャーによる国家買いである。

足立昌勝氏は、刑務所医療の実態を暴露する。死刑制度をめぐる新たな動きは拙稿、8月31日に開催される「死刑をなくそう市民会議」の設立集会とその背景にある運動のうごき、および死刑問題議連について簡単なレポート。水野厚男氏は、小6社会科教科書の「天皇への敬愛の念」教化をもくろむ、文部省のうごきを批判する。主要教科書三社の記述を分析する。読み応え満載の「紙と爆弾」9月号をよろしく!

▼横山茂彦(よこやま しげひこ)
著述業、雑誌編集者。近著に『ガンになりにくい食生活』(鹿砦社ライブラリー)『男組の時代――番長たちが元気だった季節』(明月堂書店)など。

月刊『紙の爆弾』9月号「れいわ躍進」で始まった“次の展開”
安倍晋三までの62人を全網羅!! 総理大臣を知れば日本がわかる!!『歴代内閣総理大臣のお仕事 政権掌握と失墜の97代150年のダイナミズム』

あおり運転男の捜査で活躍のドラレコ、もしも「あの事件」の頃もあれば・・・

常磐自動車道で悪質な「あおり運転」を行い、被害男性の車を停めさせて殴りつけた男が指名手配の末、ついに逮捕された。この男を追い込んだのが、テレビとインターネットで公開されたドライブレコーダーの動画だ。

私はこの事件に関する報道を見ながら、四半世紀以上前に起きた「あの事件」のことを思い返していた。

◆茨城県警を早期の事件解決へと駆り立てたドラレコの動画

高速道路で蛇行し、真ん中の車線で後続の車を停止させたうえ、運転席の窓を開けさせて、運転手の男性を力いっぱい殴りつける――。

被害男性の車のドライブレコーダーに録画されていたこの動画は、テレビとインターネットで公開され、容疑者の男の凶暴性は世間を震撼させた。

そんな事件は発生9日目、容疑者の男が大阪市内のマンション近くで警察に身柄確保され、ひと段落ついたが、ここに至るまでにドライブレコーダーの動画が大きな役割を果たしたことに異論はないだろう。

この動画は今回、犯行状況の証拠化や、容疑者の特定に役立っただけにとどまらない。世間にインパクトを与え、ひいては、現場を管轄する茨城県警に少しでも早く事件を解決しなければならないという使命感を抱かせた。だからこそ、茨城県警は容疑者を指名手配するなど意欲的な捜査を展開し、それが早期の容疑者検挙につながったのだ。

そんな一連の流れを報道で見つつ、私が思い返した「あの事件」とは、いわゆる「飯塚事件」のことだ。

◆ドラレコの活躍に思い返す飯塚事件

1992年2月、福岡県飯塚市で小1の女児2人が朝の登校中に失踪し、学校から数十キロ離れた峠道沿いの山林で遺体となって見つかった「飯塚事件」では、2年後、失踪現場の近くで暮らしていた男性・久間三千年さん(当時54)が逮捕された。久間さんは一貫して無実を訴えながら、2006年に最高裁で死刑が確定、2008年に死刑執行されるに至った。

だが、有罪の決め手となった警察庁科警研のDNA型鑑定が当時はまだ技術的に稚拙だったことが次第に知れ渡り、今では冤罪を疑う声が非常に増えている。久間さんの遺族も無実を信じ、再審(裁判のやり直し)を請求している状況だ。

では、私がなぜ、あおり運転事件の経緯を見つつ、飯塚事件のことを思い返したのか。

それは、飯塚事件の頃にドライブレコーダーが今くらい普及していれば、久間さんは容疑者として検挙されず、別の人物が真犯人として検挙されていたのではないかと思えるからだ。

◆ドラレコがあれば「真犯人」が検挙されていた可能性も

飯塚事件は、DNA型鑑定のことばかりが注目されがちだが、久間さんの裁判では、ある目撃証言も有罪の有力な根拠とされている。しかし、この目撃証言も疑わしいものだった。

その目撃証言の主は、急カーブが相次ぐ峠道を車で下に向かって走りながら、路上に停車していた「久間さんの車と酷似する車」を目撃したかのように供述していた。その車の停車場所は、道路脇の山林に被害者たちの衣服やランドセルが捨てられていたあたりだったため、この目撃証言は久間さんの裁判で、有罪の有力な根拠とされたのだ。

しかし、この目撃証言の主は、わずか10秒程度すれ違っただけに過ぎないその車やそのかたわらにいた「不審な男」のことを不自然なほど詳細に供述していた。案の定というべきか、再審請求後、弁護側に鑑定を依頼された供述心理学者もこの目撃証言は信用できないと結論づけている。かくいう私もこの目撃証言はまったく信用できないと思うから、飯塚事件が起きた頃、ドライブレコーダーが今くらい普及していれば・・・と、つい思ってしまうのだ。

ありていに言えば、目撃証言の主の車にドライブレコーダーが備え付けられていれば、久間さんとは別の真犯人や、真犯人の車が撮影されていた可能性があると私は考えている。また、久間さん自身の車にドライブレコーダーが備え付けられていれば、久間さんは事件に無関係であることが証明された可能性があるとも思う。タラレバの話をしても仕方がないが、そういう話をしたくなるのは、私がこの事件を冤罪だと確信しているからだ。

この10月で、久間さんの遺族が再審請求をしてから、ちょうど10年になる。再審請求の可否は現在、最高裁で審理されているが、少しでも早く公正な判断が下されて欲しい。

このあたりで「久間さんの車と酷似する車」が目撃されたことになっているが・・・

▼片岡健(かたおか けん)
全国各地で新旧様々な事件を取材している。著書『平成監獄面会記』が漫画化された『マンガ「獄中面会物語」』(著・塚原洋一/笠倉出版社)が8月22日発売。

月刊『紙の爆弾』9月号「れいわ躍進」で始まった“次の展開”
「絶望の牢獄から無実を叫ぶ ―冤罪死刑囚八人の書画集―」(片岡健編/鹿砦社)

N国党と山本太郎新党の同時抬頭が孕む、危険な二大政党制時代への道

不良と秀才がともに人気者になる。いまは知らぬが30年ほど前の中学・高校ではよく見られた現象である。わたしは不良でも秀才でもないから、いつも傍観者であった。いま『NHKから国民を守る党』の立花孝志と『××○○組』党首の山本太郎氏の言動を見ていると、その程度が本質だろうと感じる。

◆極右勢力再編の触媒の役割を果たすN国党

『NHKから国民を守る党』の立花隆じゃなかった、立花孝志氏はかつて自身を『Youtuber政治家』と称したことがあった。非常に的確に自己分析ができている。が、加えて『極右』であることも正直に告白すべきだったろう。

立花氏と直接話を交わしたのは1度切りだが、彼のネット上での「活躍」(?)は何度も目にしていた。若者は新聞はおろかテレビにすら興味をを失い、インターネットが最も身近な情報源となっているこんにちにおいて、立花氏の半分危険なNHKをターゲットとした、集金人撃退や電話での激怒シーンに留飲を下げた視聴者も少なくなかったのではないか。

ところが、『NHKをぶっ壊す!』だけが主たるマニフェストであった、立花氏率いる『NHKから国民を守る党』は議員会館の個室にテレビがあることを知ると「法律で定められているから『契約』は結ぶ、が受診料は払わない」と宣言。しかし数日もおかずに、理屈が全く理解できないが「8割の受信料は払う」と、さっさと敗北・白旗を上げてしまった。

その代わりなのかどうかは知らないけれども「北方領土返還のためには、戦争しかない」との本音を発露し、維新から除名された丸山穂高衆院議員議員に急接近したり、もう役割を終えたと思われ、多くの人々が忘れていた渡辺喜美氏に「みんなの党」再興を促し統一会派を組むに至った。渡辺喜美氏は橋下徹氏を熱心に応援したファシストであり、自民党の極右路線の中で存在が希薄化していたが、思わぬ触媒により息を吹き返した。

このように『NHKから国民を守る党』は選挙前に立花氏が述べていた通り「理念もありませんし、大きくなりすぎると怖いから党は解散します」が妥当であったのが、いまや「NHK」との対決ではなく、某タレントに攻撃目標を変えながら、政界では極右勢力再編の触媒の役割を果たしている。

非常にたちが悪い。


◎[参考動画]放送法4条違反をしているテレビ局に出演しているマツコ・デラックスに対するデモ行為は今後も続けて参ります(立花孝志 2019/8/16公開)

◆山本太郎氏人気に危険な米国型2大政党誕生の萌芽をみる

一方、山本太郎氏が立党した『××○○組』(天皇制を肯定しないわたしには、あまりにも破廉恥すぎるから、その党名を記すことができない)は、選挙後一気に注目を集め、勢いが収まる気配はない。三流評論家で極右の三橋貴明氏の番組に出たのは、選挙前だったようだが、その後もいわゆる、「MMT」(Modern Monetary Theory=大きな政府、財政出動、自国通貨で国債を吸っている限り破綻はしない)にすがりたい、三橋氏同様の低レベルな藤井聡氏、はては「チャンネル桜」からも一定の評価を得ている。

広範な支持はいいだろう。山本太郎氏が掲げる「消費税廃止」、「累進税率の引き上げ」、「法人税の引き上げ」にはわたしも全く異論はない(彼が主張する前からこのことは主張してきた)。ところが三橋氏は「アベノミクス」賞賛者であり、藤井氏も、最近に至るまで「消費税廃止論」を聞いたことはない。ましてやチャンネル桜が、政策の一部とはいえ山本太郎を応援するなど想像できなかった。


◎[参考動画]【三橋貴明×山本太郎】Part1 絶対にTVでカットされる国債の真実(「新」経世済民新聞 三橋貴明 公式チャンネル 2019/3/18公開)

山本太郎氏は自身を「オポチュニスト」と語っているそうだが、三橋貴明氏や藤井聡氏。差別者の集まりチャンネル桜は山本太郎氏どころの「オポチュニスト」ではない。80年代消費税導入の前に内容は同じだが「売上税」との名称で政府が導入を強行しようとした時期があった。時はバブルのまっただなか。わたしの通う大学の前の通りには、政治に無関心な学生も「売上税絶対反対!」、「売り上げ税 右も左も 絶対反対」といった具合で、「自分が買うものに3%の言われなき税金がかけられることへの」健全な反対があったことが記憶にある。

それ以降は予想通り。あれよあれよというまに、次々と税率が上がり、近く消費税は10%に増税されることがきまっているらしい。この天下一の悪税は税率が上がるほど逆進性が強まる。山本太郎氏の指摘する通りだ。だから「究極的には消費税の廃止」を求める山本氏が立党した政党の「消費税」に対する姿勢に異論はまったくない。

けれども、財政出動はいいが、5兆円を超えた軍事費の削減、や自衛隊の存置についての議論はまったく彼の口から聞かれない。だから三橋氏や藤井氏、チャンネル桜といったいかがわしい連中が、安心して『××○○組』の政策を部分的にせよ評価できるのだ。思い返してほしい。山本太郎氏は園遊会でアキヒトに手紙を手渡した人であることを。そして、これまで一度も公然の場で天皇制批判をおこなったことのない人であることを。


◎[参考動画]【直言極言】戦後日本のなれの果て、山本太郎の皇室軽視について(SakuraSoTV 2013/11/1公開)

6年前、無所属で参院選に出馬したとき、彼の周りには「政治の素人」だけではなく、新左翼(組織された、あるいはノンセクトの)が付きっ切りで応援していた。

日韓問題について質問を受け、「ようは国益の問題だと思うんですよね。日韓の間には6兆円の貿易がある。インバウンドでたくさん観光客も来ている。それをチャラにしちゃうのかっていう視点がないですよね」

もうたくさんだ。!

「国益」、「経済」?あなたの口からそういう言葉が発せられるのは、いよいよ末期症状だ。末期症状とは『××○○組』を核にして次期総選挙もしくは参院選で、米国のように極めて危険な2大政党(かつての民主党とは違う)が誕生する萌芽ををわたしはみるのだ。

山本太郎氏は日韓の歴史を知っている。河野洋平の不肖の息子河野太郎外相よりも、朝鮮半島民衆の抗日史を知っている。その彼が「国益」を口にする。稲川淳二の怪談よりも背筋が冷える。


◎[参考動画]山本代表生出演“天下取り”への勝算は(ANNnewsCH 2019/8/3公開)

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

月刊『紙の爆弾』9月号「れいわ躍進」で始まった“次の展開”
田所敏夫『大暗黒時代の大学──消える大学自治と学問の自由』(鹿砦社LIBRARY 007)