DUELから後楽園ジャンブルへ、工藤叶雅が先陣を切る勝利!

堀田春樹

メインイベンター古林けいごは須貝孔喜を一発ヒットで完封TKO。
後楽園ジャンブルへ、注目の新人対決は工藤叶雅が僅差で出場権獲得。

◎DUEL.38 / 4月19日(日)GENスポーツパレス17:30~19:55
主催:VALLELYジム / 認定:ニュージャパンキックボクシング連盟

戦績はプログラムを参照にこの日の結果を加えています。

◆第9試合 63.5㎏契約3回戦

古林けいご殿(龍拳會青葉台支部/ 63.3kg)4戦3勝1敗
        VS
須貝孔喜(VALLELY/ 63.5kg)9戦3勝6敗
勝者:古林けいご殿 / TKO 1ラウンド 2分40秒
主審:スイット・サエリム・ランボー

須貝孔喜はローキックからハイキック、古林は素早くパンチで距離を詰めていく。接近すると首相撲に移るが、古林がヒザ蹴りで攻勢を強め、パンチの攻防に移ると古林のパンチ一発で須貝はノックダウン、立ち上がろうとするが、足元覚束ない状態でレフェリーストップとなった。

古林けいごの右ストレートヒット、先手必勝の戦略で優った

米田貴志会長は、「須貝はタイミングでパンチ貰った感じですけど、ここに向けて一生懸命にやって来た中で、次にどう繋げていけるか、須貝自身がどんな風に反省して改善するかに今後の成長があると思います。」というコメント。

勝者と敗者の明暗。古林けいごは笑顔でツーショット

◆第8試合 スーパーフェザー級3回戦

山本龍平(拳粋会宮越道場/20歳/ 58.75kg)6戦3勝(3KO)3敗
        VS
工藤叶雅(VALLELY/19歳/ 58.65kg)3戦2勝1敗
勝者:工藤叶雅 / 判定0-2
主審:児島真人
副審:中山29-29. ランボー29-30. 宮沢29-30

9月27日(日)の後楽園ジャンブル(KORAKUEN JAMBULL)出場権懸けたこの試合が実質のメインイベントでした。

初回、パンチとローキックで距離を計り詰めに掛かる両者。更に後ろ蹴りで牽制する山本龍平。スピーディーな攻防は互角。

第2ラウンドも山本は後ろ蹴りを加えてプレッシャーを掛けていくが、工藤も冷静に躱す。展開は互角も工藤のヒザ蹴りがやや有効か。ポイントは工藤に流れた模様。

際どい僅差ながら勝利を掴んだ工藤叶雅。運命を分けたのは蹴りのインパクトか

ラストラウンドも多彩に攻めた両者は互角の展開。延長戦も考えたであろう両陣営だったが、微妙な採点は僅差で工藤が制し出場権獲得。

後楽園ジャンブル撮影クルーのインタビューに応える工藤でしたが、わずか3戦目で注目の存在となりました。後楽園ジャンブル初戦で勝てば、より一層の注目度となるでしょう。

小林米仁統括主任より後楽園ジャンブル出場権を授与された工藤叶雅

工藤叶雅はインタビューでは小さい声ながら丁寧に応えていました。坂上顕二氏が工藤と並びインタビューに応えていましたが、VALLELYジムの米田貴志会長も加わるべきと思いました。工藤叶雅を育て、日々の様子を見て多くを知っているのは米田会長だからである。

工藤叶雅は試合については「めちゃめちゃキツかったです。」と言い、
後楽園ジャンブル出場については、「ニュージャパンキックボクシング連盟選手代表として強いところをお見せするつもりです。一番目立つように頑張ります。」と抱負を語りました。

米田貴志会長は、「工藤は3戦目でしたけど、練習どおりの動きが出来たかと思います。最後まで結果は分からなかったし延長戦まで考えましたけど、頑張って勝ってくれました。」とコメント。

インタビューに応える工藤叶雅とNJKF坂上顕二代表

◆第7試合 スーパーフェザー級3回戦

森本直哉(無所属/ 58.7kg)35戦14勝(5KO)20敗1NC
        VS
Ryu(クローバー/ 58.6kg)8戦3勝(2KO)4敗1分
勝者:森本直哉 / 判定3-0
主審:スイット・サエリム・ランボー
副審:中山30-28. 児島29-28. 宮沢30-28

第2ラウンドに森本直哉がパンチから軽く飛んだヒザ蹴りであっさりノックダウンを奪った。ラストラウンドも森本のヒザ蹴りが何度も出したが圧倒には至らない。Ryuも鼻血を流しながら踏ん張って蹴り返すも巻き返し成らず、森本直哉が判定勝利。

森本直哉が試合終了間際に見せたインパクトある胴回し回転蹴り

◆第6試合 スーパーウェルター級3回戦

村木太樹(京都野口/ 69.7kg)9戦1勝7敗1分
        VS
風成(エス/ 69.5kg)7戦4勝1敗1分1NC
勝者:風成 / 判定0-3
主審:宮沢誠
副審:中山27-30. 児島28-30. ランボー27-30

第2ラウンドに風成が村木をコーナーに詰めて右ストレートでノックダウン奪った。村木もパンチや蹴りで反撃を見せたが、風成が圧し返し判定勝利。

風成がパンチで攻勢を維持。KOにはもう一歩

◆第5試合 女子ミネルヴァ 57.0kg契約3回戦(2分制)

小澤聡子(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/ 57.0kg)44戦12勝28敗4分
VS
ミネルヴァ・スーパーバンタム級5位.谷岡菜穂子(GRABS/ 58.2kg)7戦5勝2敗
勝者:谷岡菜穂子 / 判定0-3
主審:中山宏美
副審:宮沢27-30. 児島28-30. ランボー27-30

蹴りとパンチの攻防の中、谷岡菜穂子の前蹴りが小澤聡子の顎をヒットや後ろ蹴りもヒットする攻勢。第2ラウンドも谷岡菜穂子が攻勢を続けるが、小澤も積極的に打ち返す踏ん張りを見せた。主導権支配するテクニック優った谷岡菜穂子が大差判定勝利した。

谷岡菜穂子が前蹴りで小澤聡子の顎をヒット。アグレッシブな攻めを見せた

◆第4試合 スーパーフェザー級3回戦

髙橋優(CORE/ 58.7kg)3戦2勝1敗
        VS
斉藤寛明(MWS/ 58.2kg)2戦1勝(1KO)1敗
勝者:髙橋優 / TKO 3ラウンド 1分4秒
主審:児島真人

初回、高橋が蹴りからパンチで距離感を掴んだ流れ。第2ラウンドもアグレッシブな展開を見せる両者、髙橋の的確なヒットが目立った。ラストラウンドには髙橋をコーナーに追い詰めた齋藤だったが、髙橋優が右ストレートカウンターでノックダウン奪い、斉藤寛明はカウント中にレフェリーストップとなった。

実力差あると言われた髙橋優の攻勢。的確なヒットが目立った

◆第3試合 スーパーライト級3回戦

小原将裕(拳粋会宮越道場/ 63.0kg)1戦1勝
        VS
遠近慎太郎(エス/ 63.1kg)2戦2敗
勝者:小原将裕 / 判定3-0 (29-27. 30-27. 30-27)
主審:スイット・サエリム・ランボー

開始早々から小原将裕の高いガードは遠近慎太郎にとってやり難い印象。蹴り合いと接近戦も互角の攻防が続く中、第3ラウンド終盤に小原がヒザ蹴りでノックダウンを奪って判定勝利。

◆第2試合 女子ミネルヴァ・アトム級3回戦(2分制)

坂田実優(FELLOW/ 46.02kg)17戦6勝9敗2分
        VS
豊嶋里美(TEAM OJ/ 45.85kg)14戦3勝9敗2分
勝者:坂田実優 / 判定3-0 (29-28. 29-28. 30-28)
主審:宮沢誠

女子にしては強いヒットが続く激しい攻防を制したのは坂田実優。

坂田実優のヒザ蹴りヒット。パンチも含め激しい攻防を制した

◆第1試合 女子ミネルヴァ・フライ級3回戦(2分制)

鍋倉凛音(習志野/ 50.6kg)5戦2勝(1KO)3敗
        VS
西野由希子(リバーサルジム横浜グランドスラム/ 50.3kg)1戦1敗
勝者:鍋倉凛音 / 判定2-0 (30-27. 30-28. 29-29)
主審:中山宏美

前蹴りが効果的だった鍋倉凛音が判定勝利。

◆オープニングファイト アマチュアEXPLOSION 45.0kg契約2回戦(90秒制)

西田結菜(伊原道場越谷)vs奥田愛來(kyoto SEIKENKAI)
引分け 0-1 (19-19. 19-20. 19-19)

西田蓮人の妹、結菜はアグレッシブな互角の展開で終わるも、あと一歩足らずの引分け。

《取材戦記》

今回のDUEL興行では新人戦の中、注目される試合が山本龍平vs工藤叶雅戦でした。

9月27日に後楽園ホールで行われる(株)東京ドーム主催の「後楽園ジャンブル」には、既存の団体等から選出された60.0kg級(下限は57.0kg)、デビュー10戦以内(現・元タイトル保持者は対象外)を対象に3回戦、ヒジ打ち有り・無し等の2つのルールにて全6試合を予定されている模様。出場選手は各団体・プロモーション興行の予選で決定される中、この日の試合の山本龍平vs工藤叶雅戦はニュージャパンキックボクシング連盟代表を決める試合となりました。9月の後楽園ジャンブル初戦は新人戦。その後は出場者交渉と時期を鑑みて各ランカー、各チャンピオンクラスへ進む模様です。

この日立会人の(株)東京ドーム統括主任の小林米仁氏は、「大会だけじゃなくて、いろいろな取り組みを通して、業界の環境整備をキチンとしていきたいと思っています。どこかの団体が“これやりますから集まってください”と言ってもなかなか集まることは難しいところで、そんな各団体にはそれぞれカラーがあって、そこを押し出していけるような環境整備ですね。」とコメント。

ニュージャパンキックボクシング連盟・坂上顕二代表は、「後楽園ジャンブル出場権争いはこんなに若手選手を盛り上げたかと思うところです。こういうことが励みになって若い子がドンドン伸びて行けばいいですね。」とコメント。

2年前に「東京ドームもキックボクシングに関心を持っています。」というプロボクシング関係者がいました。その流れがここに繋がって来たことになります。

昭和時代に、日本ナックモエ連盟代表(現・NKB代表)の渡邊信久代表が“後楽園ランキング”を提案したり、平成期の某・ジム会長は、「後楽園ホールは会場貸し出しだけでなく、格闘技のメッカと言われる日本の代表的な会場なんだから、キックボクシング団体を纏めることをやればいいのに!」という意見もありましたが、「こっち立てればあっち立たずの纏まらないキックボクシングに、厄介なとばっちり喰らう羽目になることはしないでしょう。」と言っていたところが現在、東京ドームシティーが動き出すとは時代も変わったものである。

90年代のK-1を観て育った世代が今大人になり、企業の中枢に立ち、物言える立場となってスポンサーとなったり、イベントを立ち上げる者が増えた時代になったかと思います。

東京ドームシティーが、タイの一昔前のルンピニースタジアム、ラジャダムナンスタジアム隆盛期のような一極集中するような発展に繋がれば関係者にとって喜ばしい限りでしょう。

と言っても「この顔触れではまた撤退や消滅となりますよ!」という悲観的意見もあって、採算合わなければとっとと去るといった過去の歴史・前例から見て、また3年ほど成り行きを見守る必要はあるでしょう。

期待を掛けるならば、(株)東京ドーム北原義一会長も、沢村忠から観て来た古くからのキックファンで「皆さんは余計なこと考えないで選手を沢山育ててください。こちらが選手を盛り上げますから!」と発表されたようで、任期の間に基礎固めをやらないと、会長交代すると他のスポーツや文化イベントに方針変わるということも有り得るので、ここは業界の総力を結集し、北原義一会長の期待に応える形で発展して欲しいものである。

NJKF以外の他興行ではあと3試合の60.0kg級出場者決定戦3回戦が予定されています(いずれも後楽園ホール)。

スック・ワンキントーン / 5月3日(日)
光流(teamS.R.K/24歳)vs神谷斗夢(SUNRISE/23歳) 

RISE.198 / 5月16日(土)
門脇碧泉(TARGET/22歳)vs岩永勝亮(OISHI/21歳) 

Bigbang.56 / 5月17日(日)
高岩拓(TRY HARD/21歳)vs大江昇成(team MIYABI/23歳) 

ニュージャパンキックボクシング連盟興行は前回予告と同様ですが、6月14日(日)に後楽園ホールに於いて、「CHALLENGER 14」が行われます。4月27日時点でまだカード未定です。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」