原発に関する映画を数多く撮っている、鎌仲ひとみ監督の『内部被ばくを生き抜く』を見に行った。大田区産業プラザ内の会議室が、上映会場だった。
パソコンで再生したDVDをスクリーンに映す、という上映で、画面の端にマウスポインターがずっとかぶったままだったのが気になったが、内容的には、きわめて貴重なものだった。
広島の被爆者を診察し続けてきた肥田舜太郎さん、チェルノブイリやイラクで医療支援を続ける鎌田實さん(諏訪中央病院名誉院長)、福島で除染に取り組む児玉龍彦さん(東京大アイソトープ総合センター長)、チェルノブイリの小児科医師スモルニコワ・バレンチナさんのインタビューを中心に映画は作られているが、その内容は傾聴に値するもので、参加者が10名程度だったのは、残念だった。
もしも被告人が取調べで自白に追い込まれていたら、一体どれほどデタラメな自白調書が出来上がっていただろうか――。被告人が一貫して無実を訴えている冤罪事件を取材していると、そんなふうに考えさせられることがある。
「飯塚事件はDNA鑑定だけで有罪、無罪が決まったわけではないので、DNA鑑定がどうなろうと有罪認定は揺るがない」。そんなデマがいまだに流布しているようである。