社長が夜逃げ! あるIT企業社員の手記 (7)

そんなこともあって余計なことに気をとられてか、私の給料の件は棚上げにされていた。土方さんは話せる人だと思ったので、退職を考えていること、次の職場の目安も付けていることを伝えた。

翌日、それを土方さんから聞いた社長がいつになく必死な顔で飛んできた。
「戸次さん、辞めないでください。今辞められると、収支の管理も広告営業もわかる人がいなくなります」
本当にこの社長は、まったく経営状況を理解していないのだ。毎月の業務内容を報告書にまとめて渡しているのに、ろくに目も通さず気がつくと私の机に戻ってきている。
「給料は倍出します。それでも辞めるというなら源泉徴収票も離職票も出しません」
それは困る。次に勤めようとしている会社は、円満退社を条件にしている。社長がゴネて書類出さないなんて言い張ったら、円満退社どころじゃない。

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『小沢一郎、復活。』【ブックレビュー】

ゾンビのように蘇った、安倍晋三。民主党は衰退し、第3極もバラバラになるばかり。
もしかしたら、安倍政権は久々の長期政権になるかもしれない。そうなると、中国や韓国との関係は冷え切ったまま、ひたすらアメリカの属国化の道を進む、という悪夢が予想される。
ここで、法廷で無罪を勝ちとった小沢一郎の、本格的な復活が期待されるところだ。

『小沢一郎、復活。』(鹿砦社)の中で、元参議院議員の平野貞夫は、「『小沢』と聞いただけで、『詳しくは知らないが、どうせウラで何か悪いことをしているに違いない』『とにかく怪しいから悪者だろう』と曖昧なイメージ」が跋扈している、と指摘している。
「小沢一郎を嵌めた検察を許すな」と、平野氏は喝破している。
小沢一郎を「悪」のイメージに染め上げたことだけで、検察の目論見通りなのかもしれない。

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冤罪被害者の手紙力

冤罪事件について書かれた本や雑誌の記事を読んでいると、冤罪被害者の書いた手紙がしばしば引用されている。それらを読んで思うのが、世論を動かして無罪を勝ち取る人や、支援の輪が広がっている人は多くの場合、人の心を動かすような手紙を書いている、ということだ。

たとえば、戦後の混乱期に山口県で起きた有名冤罪事件「八海事件」の阿藤周平氏。3人の仲間と共に身に覚えのない強盗殺人罪で逮捕・起訴されたのち、主犯格とされて一、二審で死刑判決を受けながら、最終的に無罪判決を勝ち取った人物だ。弁護人の正木ひろし氏がこの事件の冤罪性を告発し、裁判の流れに影響を与えるベストセラーとなった「裁判官 人の命は権力で奪えるものか」(光文社)の冒頭では、この阿藤氏が上告中に広島拘置所から、まだ弁護人選任前で一面識もなかった正木氏に宛てた手紙が引用されている。

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嘉田由紀子知事、言葉の耐えられない軽さ

「いったい、嘉田由紀子知事は何をどうしたかったのかさっぱりわからない。小沢一郎氏に政治生命を賭けた以上、今さら愚痴を言っても仕方がないだろう」(全国紙政治部記者)
滋賀県の嘉田由紀子知事が、小沢一郎衆院議員の驚くべき“大風呂敷”を明らかにした。1月13日に大津市で開かれた後援会の新年会で、「日本未来の党」の結党について、小沢氏から「あなたが出てくれたら(衆院選で候補者が)100人通る」と説得されて決断したと明らかにした。

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ミャンマーの『民主化』は本当か!? ヤンゴンで生活してみた 7

ミャンマーの高速道路には、サービスエリアが数件しかない。そのかわり、走行途中でお手洗いに行きたい場合は、道路脇に公衆トイレがある。
竹でできた電話ボックスのようなものが、秩序なく草むらに立っている。ドアを開くと、和式トイレらしき設備が備え付けてあるだけだ。もちろん水洗トイレではない。トイレットペーパーや、この国で用を足した後に使用する、トイレ用シャワーも付いていない。
タイ、マレーシア、インド、中国などアジア圏のトイレを数多く見て来たが、ミャンマーの高速道路脇のトイレは、はっきり言って、アジアの中でも、かなり良くない部類に入る。
そして、それさえ見あたらなくて、道路に面した草原の中で用を足す人々も多い。

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社長が夜逃げ! あるIT企業社員の手記 (6)

確かに社長は、例の開発が終わったら給料を上げると言っていたが、大失敗に終わったのでうやむやになっていた。それどころか、赤字をやり繰りしている中突然、事前連絡もなくアンナという女性社員を雇い、会社に連れて来た。馴染みのキャバクラから。金遣いは荒いが、行くのは結局キャバクラ程度なのだ。そこが小市民的というか、社長はどうも大成しなさそうな、そんな雰囲気がある。

アンナは何の仕事もできなかった。マスカラで目をくっきりさせ、顔をラメでキラキラさせて出社してきた。事務仕事で雇ったのにまともにPCを扱えない。それどころか、ネイルアートを施したやたらと長い爪で、まともにキーボードすら打てないのだ。歳は二十歳ぐらいで、デスクワークのイロハもわからない。そんなのが同じ給料で雇われたのだからたまったものではない。社長に散々文句言ったのだが、
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「ありうる体罰」とは何か?

昨年12月、大阪市立桜宮高校(都島区)の男子バスケットボール部主将だった2年の男子生徒(17)が、顧問の男性教諭(47)から「体罰」を受け自殺した問題から、橋下徹市長が15日、同校体育科などの入試中止を市教委に要請し、「受験を希望していた生徒たちに影響が出る」として波紋を呼んでいる。
桜宮高校バスケ部は伝統的にかなりの強豪で、自殺した男子生徒は負けて教師に平手打ちをされて悩んでいたという。
自殺する前日、練習試合中に両手で顔面を4、5回たたき、さらに頭を4、5回平手で殴ったと、教諭自身が語っている。

文部科学省の義家弘介政務官は15日午前大阪市役所を訪れ、市教委委員長らと面会して「安易に体罰という言葉が使われているが、これは継続的、日常的に行われた身体的、精神的暴力だ」と述べた。「そもそも体罰は法律で禁止されている」とことわったうえで、教育的な目的から、ミスをしたらコートを10周しろというのは「ありうる体罰」ではないかと指摘している。

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頼りにならない最高検監察指導部

最高検の「監察指導部」なるものをご存知だろうか。大阪地検特捜部検事による証拠改ざん事件などによって検察不信が高まる中、2011年7月に検察改革の一環として新設された部門だ。全国の検察庁職員の不正行為や違法行為の情報を内外から収集し、必要に応じて監察を行なっているというフレコミで、情報提供は電話や投書、メールで受け付けている。

ただ、これがどれほどアテになるかというと、マユツバものだ。
最高検が昨年4月に公表した統計によると、2011年7月8日から昨年2月22日まで同部に寄せられた通報は598件にのぼるが、監察が行われた件数は116件。そのうち、指導などの措置がとられたのはわずか2件だった。言いがかりのような通報も少なくないだろうが、それを踏まえても、600件近い通報がありながら具体的な措置を講じたのが2件だけでは、「本当にちゃんと監察しているのか」という疑念を抱かれても仕方ないだろう。

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久しぶりに届いた林眞須美さんからの手紙

先日、あの和歌山カレー事件の林眞須美さん(51)から久しぶりに手紙が届いた。この話に「おっ」と反応された方は、何らかの事情で林眞須美さんの現状をよくご存知か、あるいは死刑囚の処遇の実情に詳しい人だろう。
1998年に夏祭りのカレーにヒ素を混入させ、67人を死傷させるなどしたとして殺人罪などに問われ、2009年に死刑判決が確定した林さん。非常に筆まめな人で、彼女が冤罪ではないかと疑い、取材をしてきた筆者も以前はよく大阪拘置所の獄中から手紙をもらっていた。

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ミャンマーの『民主化』は本当か!? ヤンゴンで生活してみた 6

ミャンマー(ビルマ)を周遊旅行することにした。ミャンマーとの貿易業を行い、ミャンマーのことを執筆をするなら、日本の大手旅行会社が案内するような観光名所を訪れるのも必要だと思ったのだ。
ビジネスパートナーで、私が100万円を貸し付けたNと、その妻Pが、私と娘を案内してくれることになった。ちなみに、Nは、当シリーズ3(デジタル鹿砦社通信 2012年12月17日記事)で触れたプレッシャーに弱いビジネスマンで、Pは私に「夫にこれ以上仕事をさせないで」と主張してきた女性だ。

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