『季節』2026年秋号巻頭言 第二次熊本地震、千葉大水害が教える原発の危険性に気づき、さらに反(脱)原発の声を高らかに挙げよう!

季節編集委員会

かくもこの世には人間に止めることのできない自然災害が多いのか──。

この夏、私たちを震撼させたのは、まず十年の時を越えて再び襲った第二次熊本地震、そしてこの後に起きた千葉大水害でした。

まずは、亡くなられた皆様にお悔やみ申し上げ、また被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

一見原発とは関係ないように思えますが、よくよく考えると、これらが原発関連施設のある地域で起きたら、もっと大変な事態になっていたでしょう。熊本地震でのイオンや製紙工場での出来事が原発立地地域で起き、さらに原発関連施設で起きていたら、福島で起きたことが再来したでしょう。あまり大きく報じられていませんが、千葉水害でも、放射性物質が流出したとのこと、この影響はないのでしょうか。

実は被災地・熊本は筆者の故郷です。十年前、そして今回と、知人、友人、縁者らの安否確認に追われました。それでも、いささか不謹慎な物言いでしょうが、原発がなかったことによる、正直どこか「安心感」がありました。これが、原発関連施設がある地域だったらどうでしょうか? 二度も大地震が襲った熊本に原発がなかっただけでも不幸中の幸いでした。有明海や不知火海に原発がなかっただけでも後片付けや復旧作業に専念できます。福島の場合、放射能への防御服を着ないと作業はできませんでした。この猛暑のさなか、それがどれほどの後片付けや復旧作業にとって「重荷」になるかは言うまでもありません。

日本は、ひと際自然災害が多い国です。自然の猛威は、ある日突然やってきます。人間に、これを予想し、抗う力はありません。予想でき抗う力があったなら、犠牲者は出なかったはずです。

であるならば、単純な話です、原発再稼働、特に老朽原発の再稼働を断固阻止し、即時廃炉へ向かうべきです。新規原発建設など論外です。

お陰様で本誌は創刊12年を迎えました。毎号発行に伴う財政的やり繰りは大変です。しかし、本誌が持つ〈大義〉はあるはずです。唯一の反(脱)原発情報誌であり、反(脱)原発に微力ながら声を挙げ続ける本誌の発行継続に皆様の力をお貸しください。

2026年猛暑、悲嘆に暮れながら──

季節編集委員会

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉情報誌
季節2026年秋号
『NO NUKES voice』改題 通巻47号
紙の爆弾2026年10月増刊
2026年9月11日発行
A5判 132頁 定価880円(税込み)

《グラビア》原発マフィアに抗うアジアの人々
(佐藤大介=ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン)

《報告》樋口英明(元福井地裁裁判長)
 AIと原発

《特集》ファシズムと原発は一体で進む

《報告》小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
 改めて『原発と戦争を推し進める愚かな国、日本』

《報告》七沢 潔(ジャーナリスト)
 原発とサッカーと「苔の一念」 珠洲原発の歴史に学ぶ 

《講演》井戸謙一(弁護士)
 浜岡原発不正問題と原発訴訟

《対談》樋口英明(元福井地裁裁判長)×井戸謙一(元金沢地裁裁判長)
 原発を止めた二人の裁判長が語る 人生・司法・原発訴訟[前編]

《講演》水戸喜世子(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表)
 「子ども脱被ばく裁判」の10年
 子どもたちを被ばくから守るために

《報告》後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
 「原発は滅び行く恐竜である」
 熊本地震と浜岡耐震データ偽装からみた原子力産業の現状

《報告》山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
 反省なき原子力拡大路線の構造分析
「今後の原子力政策の方向性と行動指針」を批判する

《報告》佐藤大介(ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン事務局)
 アジアの原発と民衆の闘い
 韓国・台湾・インド・フィリピン


《報告》木村英昭(ジャーナリスト)
[新連載]原発タイムライン〈1〉
 欧州で原発活用の動きが鮮明に

《報告》高野 聡(原子力資料情報室研究員)
 南鳥島での地層処分に潜む問題と植民地主義

《報告》小坂勝弥(核のごみキャンペーン関西)
 「核のごみ」処分地選定のその前に

《報告》山崎隆敏(元越前市議)
 使用済み核燃料をめぐる矛盾と桎梏

《報告》中野宏典(弁護士)
 シン・安全神話
 原発再稼働のために裁判所が生み出した三種の神器

《報告》福島敦子(大飯原発差止京都訴訟原告・世話人)
 3・11 私の15年
 奪われた故郷と、子どもの未来を守り抜く連帯の記録

《インタビュー》河野康弘(ジャズピアニスト)
 3・11 私の15年
 原発はすぐに中止できます!!

《対談》二木啓孝(元日刊ゲンダイ編集長)×板坂 剛(作家/舞踊家)
 大衆心理の不確かな実態[前編]

《報告》原田弘三(翻訳者)
「脱炭素伝道師」江守正多氏の低劣な原発擁護論

《報告》再稼働阻止全国ネットワーク
「全国交流会」で再稼働阻止の議論
《全国交流会》青山晴江(再稼働阻止全国ネットワーク)
《北海道》佐藤英行(岩内原発問題研究会)
《福島》黒田節子(チェルノブイリ法日本版をつくる郡山の会)
《福島》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
《東海第二》披田信一郎(東海第二の再稼働を止める会)
《浜岡原発》沖 基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
《関西電力》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
《中国電力》芦原康江(さよなら島根原発ネットワーク)
《四国電力》名出真一(伊方から原発をなくす会)
《九州電力》鳥原良子(川内原発建設反対連絡協議会会長)
《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク事務局)
《本の発掘⑤》天野恵一(再稼働阻止全国ネットワーク)

《反原発川柳》乱鬼龍選

amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0HBWF57W7/

『季節』2026年秋号をお届けするにあたって ―― 総力で本誌『季節』発行を継続し、一貫して続く政府による棄民政策、東電の開き直り、なしくずし的に忘れ去られている福島の現状に抗って行きましょう! 

『季節』編集長 小島卓
株式会社鹿砦社代表取締役 松岡利康

わが国唯一の反(脱)原発情報誌『季節』を支持・支援されるすべての皆様! いつも『季節』に特段のご協力、ご支援、有り難うございます。

本誌『季節』2026秋号をお届けいたします。今号も、多くの方々にご寄稿、ご協力を賜り無事発行できました。有り難うございました。

◆12年前の本誌創刊当時の暑い夏を思い出す

本誌今号は、創刊から12年になります。『紙の爆弾』が21年ですから、まだまだですが、思い返せば、まだ福島原発事故の衝撃の余韻が残り国会や官邸前などでも多くの人々が抗議の声を挙げていた2014年8月、本誌(当時の誌名『NO NUKES voice』)は産声を挙げました。以来、12年発行を継続してまいりました。創刊時の編集長は松岡、発行人を兼任していました。当初編集長を予定していた人物は直前で意見の対立が生じ降りました。「もうアカンかな」と思っていた矢先、創刊を相談していた「たんぽぽ舎」共同代表の柳田真さんから突然松岡に電話があり「こういう雑誌はないので、協力するからぜひやって欲しい」ということで創刊に至りました。当時は資金的にも余裕があり、他に類似の雑誌はないので1年以内に黒字になるだろうという甘い見通しでした(80年代、小島が神戸時代から知っている松岡の人生、いつも見通しが甘いものでした)。国会や官邸前から人が去り、また政府や東電も棄民政策を採り、年々、福島の現状は忘れ去られていきました。

これまで続けて来れたのは、松岡の福島原発事故に対する怒り、近い将来同種の事故が起きることへの危機感がありました。そして、松岡のこの想いを理解してくれ創刊1年後から編集長を務めてくれている小島卓、また創刊号より寄稿されている小出裕章さん(創刊号には小出さんのほか今中哲二さん、神田香織さんらの名があります)はじめ寄稿者の皆様方、読者、会員、社債引受者の皆様方らのご支援、サポートによることは言うまでもありません。

◆本誌に関わってくださる小出裕章さんらの熱い心をわがものとし、本誌の貴重な存在意義を忘れずに、更に拡販して行きましょう!

本誌は、小出裕章さんのように創刊号から関わってくださっている方はますます筆致が鋭くなり、号を重ねるごとに新たな書き手も増え、内容も充実してきており、わが国唯一の反(脱)原発雑誌として在り続けています。手前味噌ながら貴重な存在だと自負します。

本誌は、12年前に松岡の発意で創刊しましたが、特段強い決意があったわけでもなく、他分野でヒットが続き資金的にも余裕があり、原発事故への怒りと共に、原発問題に多くの人が関心を持つのに定期刊行物がないのはおかしいではないかという素朴な発想からで、上記したように、1年以内に黒字化し、ゆくゆくは隔月刊にしたいとさえ甘く見通していました。

以来12年、1年以内に黒字化など夢のまた夢で、ずっと赤字でした。それでも他分野で稼げれば、この利益を注ぎ込めるわけですが、これを壊したのは新型コロナでした。出版業界でも、多くの書店が閉店し、本社の近くのショッピングモールに在ったA書店は、かつてライバルだったK書店に看板替えしました。

では、ネット書店や電子書籍はどうか? これらもコロナ前と変わりはなく苦戦しています。営業的に、もっとやり方はあるのかもしれませんが……。

それでも、愚直に続けていれば、多くの助け舟が現われ、想定外の幸運もあるものですが、こうした厚意や幸運を活かし切れていないのも大いなる反省点です。

また、寄稿される皆様方、本誌を支持・支援される皆様方にも拡販をお願いする次第です。隠れた読者は絶対にいるはずです。ぜひぜひ、友人、知人などへの拡販をよろしくお願い申し上げます。

発行している期間が『紙の爆弾』より短いですが、『季節』の定期購読は『紙の爆弾』の3分の1にも及びません。何としても『紙の爆弾』ぐらいには拡販したいものです。よくありますが、グループや組織内での回し読みは絶対にやめていただき、1人=1冊、身銭をきって購読することが基本です。この点、よろしくご理解お願いいたします。今すぐ書店に走ろう! あるいはパソコンに向かいネット書店に注文しよう! 
 
今夏は熊本地震、千葉、北陸、そしてつい最近は名古屋などでの洪水といった大きな自然災害に襲われました。末筆になりますが、被害に遭われた皆様には衷心よりお見舞い申し上げます。

残暑厳しき折り、くれぐれもご自愛ください。

2026年9月11日

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉情報誌
季節2026年秋号
『NO NUKES voice』改題 通巻47号
紙の爆弾2026年10月増刊
2026年9月11日発行
A5判 132頁 定価880円(税込み)

《グラビア》原発マフィアに抗うアジアの人々
(佐藤大介=ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン)

《報告》樋口英明(元福井地裁裁判長)
 AIと原発

《特集》ファシズムと原発は一体で進む

《報告》小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
 改めて『原発と戦争を推し進める愚かな国、日本』

《報告》七沢 潔(ジャーナリスト)
 原発とサッカーと「苔の一念」 珠洲原発の歴史に学ぶ 

《講演》井戸謙一(弁護士)
 浜岡原発不正問題と原発訴訟

《対談》樋口英明(元福井地裁裁判長)×井戸謙一(元金沢地裁裁判長)
 原発を止めた二人の裁判長が語る 人生・司法・原発訴訟[前編]

《講演》水戸喜世子(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表)
 「子ども脱被ばく裁判」の10年
 子どもたちを被ばくから守るために

《報告》後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
 「原発は滅び行く恐竜である」
 熊本地震と浜岡耐震データ偽装からみた原子力産業の現状

《報告》山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
 反省なき原子力拡大路線の構造分析
「今後の原子力政策の方向性と行動指針」を批判する

《報告》佐藤大介(ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン事務局)
 アジアの原発と民衆の闘い
 韓国・台湾・インド・フィリピン


《報告》木村英昭(ジャーナリスト)
[新連載]原発タイムライン〈1〉
 欧州で原発活用の動きが鮮明に

《報告》高野 聡(原子力資料情報室研究員)
 南鳥島での地層処分に潜む問題と植民地主義

《報告》小坂勝弥(核のごみキャンペーン関西)
 「核のごみ」処分地選定のその前に

《報告》山崎隆敏(元越前市議)
 使用済み核燃料をめぐる矛盾と桎梏

《報告》中野宏典(弁護士)
 シン・安全神話
 原発再稼働のために裁判所が生み出した三種の神器

《報告》福島敦子(大飯原発差止京都訴訟原告・世話人)
 3・11 私の15年
 奪われた故郷と、子どもの未来を守り抜く連帯の記録

《インタビュー》河野康弘(ジャズピアニスト)
 3・11 私の15年
 原発はすぐに中止できます!!

《対談》二木啓孝(元日刊ゲンダイ編集長)×板坂 剛(作家/舞踊家)
 大衆心理の不確かな実態[前編]

《報告》原田弘三(翻訳者)
「脱炭素伝道師」江守正多氏の低劣な原発擁護論

《報告》再稼働阻止全国ネットワーク
「全国交流会」で再稼働阻止の議論
《全国交流会》青山晴江(再稼働阻止全国ネットワーク)
《北海道》佐藤英行(岩内原発問題研究会)
《福島》黒田節子(チェルノブイリ法日本版をつくる郡山の会)
《福島》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
《東海第二》披田信一郎(東海第二の再稼働を止める会)
《浜岡原発》沖 基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
《関西電力》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
《中国電力》芦原康江(さよなら島根原発ネットワーク)
《四国電力》名出真一(伊方から原発をなくす会)
《九州電力》鳥原良子(川内原発建設反対連絡協議会会長)
《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク事務局)
《本の発掘⑤》天野恵一(再稼働阻止全国ネットワーク)

《反原発川柳》乱鬼龍選

amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0HBWF57W7/
yodobashi.com https://www.yodobashi.com/product/100000009004287904/

7.28熊本地震をめぐる『紙の爆弾』10月号の注目記事 イオンモールで亡くなった女性従業員2名の親会社とそのエリート経営者を容赦なく弾劾した片岡亮さんのレポートは必読です!

鹿砦社代表 松岡利康

少し早いかもしれませんが、月刊『紙の爆弾』10月号(9月7日発売)の記事の一部を紹介させてください。

去る7月28日に起きた二度目の熊本地震については、私のふるさとでのことで、二度目ということや、イオンモールでの従業員の方々が阿鼻叫喚の地獄絵が同時的に報じられる中で亡くなられたことなどで、殊更胸が締め付けられる想いがしました。こうしたことで、広く募金を集めることにも積極的に協力することにしました。先に皆様方にも明らかにした通りです。

また、近く発売される『紙の爆弾』10月号でも2つの記事を掲載しています。特に片岡亮さんの記事は衝撃的なので、早めながら紹介する衝動に駆られました。この記事だけでも、今号の値打ちがあります。

くだんのイオンモールでは、幸いにお客さんは全員逃げ助かりましたが、一部店舗の従業員に犠牲者が出ました。いったんはモール外に逃げ、誰かの指示でモール内の店舗に戻り帰らぬ人となりました。明らかに人災です。

片岡さんの記事では、この責任を厳しく追及しています。ある店舗の親会社は、熊本では誰もが知る老舗企業グループです。現在の社長は東大を出てエリートコースまっしぐらの人物です。片岡さんはこれを容赦なく弾劾しています。当然です。人ひとりの命以上に勝るものはありません。沖縄・辺野古での事故もそうです(このことで勘違いの発言をして顰蹙を買った大馬鹿者がいますが)。

事故後すぐに社長自らが被害者家族の元に駆け付け、なによりも被害者側に真摯に寄り添うことが大事だということは言うまでもありません。片岡さんの記事の内容は、おそらく地元紙の熊本日日新聞、あるいは大手紙や通信社の熊本支局の記者らは知っているでしょうが、どのように配信したのでしょうか? 地元の有力企業(の関連会社)だからといって忖度してはいないか? だとしたら、メディア本来の使命を忘れているといえるでしょう。熊本には、おだやかなイメージの広告で有名な化粧品会社などタブーが幾つかありますが、同様です。

片岡さんの記事の一部を公開しますので、定期購読などされていない方は今すぐAmazonや鹿砦社通販部にご注文ください。『紙の爆弾』10月号は9月7日書店発売、定価800円です(安い!)。定期購読、会員の方々には去る2日に発送が済みました。取次会社にも搬入済みです。

『紙の爆弾』2026年10月号
A5判 130頁 定価800円(税込み)
2026年9月7日発売

「飲食料品1%」のしょぼい減税でも迷走 財務省が主導する消費税減税反対論 植草一秀
ビル倒壊と瓦礫の謎 行方不明の墜落機体 実行犯にCIAスパイ…9.11 二十五年目の真相 浜田和幸
キューバを襲う米国によるエネルギー危機 経済封鎖という暗闇を武器にしてはならない セサル・ゴメス・チャコン
日本のSNS年齢規制はキエフの大門である 昼間たかし
2026年熊本地震に見た地方自治と緊急事態条項 足立昌勝
“加害者”を隠しきった裁判 優生思想を護持した日弁連とマスコミ 野田正彰
植草一秀インタビュー「冤罪の真実」後編 無罪の証拠を司法は無視 小泉・竹中批判封じ
「憲法より日米安保が最高法規」の現状を変えよ プーチン大統領択捉島訪問の意味 木村三浩
それでも進む完全自動化 イオンモール爆発の“人災”と“AI防災”のリスク 片岡亮
「使用者」はいても「労働者」はいない ひきこもり支援事業の“空白” 川田祐一
暴力的カウンター運動と「リンチ事件」「反差別運動」についての共産党見解への疑念 黒薮哲哉
LGBT問題の現在「女性スペース法案」の必要性 井上恵子
成年後見制度という宿痾?ある老齢薬剤師の手紙から 鈴木愼哉
サナエ流独裁の奥義 こうして絞め殺される“日本の議会制民主主義” 佐藤雅彦

〈連載〉
コイツらのゼニ儲け:西田健
「格差」を読む:中川淳一郎
シアワセのイイ気持ち道講座:東陽片岡
The NEWer WORLD ORDER:Kダブシャイン
「絶望ニッポン」の近未来史:西本頑司
芸能界 深層解剖

◎鹿砦社 https://www.kaminobakudan.com/

熊本地震に圧倒的な義援金をお寄せください!

鹿砦社代表 松岡利康

拝啓 今夏は猛暑より格段上の酷暑といわれますが、この暑さのさなか、私たちのふるさと熊本を再び大地震が襲いました。先の地震(2016年。第一次)からちょうど10年、ようやく復旧が一段落し次の段階へと進まんとする矢先、今回の大地震(第二次)が起きました。

私たちは、熊本市内に在る熊本学園大学(旧・熊本商科大学)付属高校同窓会=紫紺(しこん)会関西支部です。紫紺会関西支部は、熊本の本部公認支部で、また関西熊本県人会連絡協議会の一員でもあります。同連絡協議会は、関西在住の熊本県出身の主に高校などの同窓会46団体と個人で組織されており連携しています。今回のような災害への支援、あるいは、例えば先の甲子園の高校野球で全国に感動を与えた有明高校の活躍などを後押しするスポーツ大会応援といった、熊本出身者の親睦を図ると共に多彩な活動を行っています。

直近に起きた第二次熊本地震について、関西熊本県人会協議会・明珍(めいちん)会長からの義援金要請に私たち紫紺会関西支部も応じ、できうる限り義援金を募りたく、ここに皆様方に平にお願い申し上げる次第です。

二度も大地震に襲われた私たちのふるさと熊本、前回も義援金要請がありましたが、個人の裁量に委ね‟お茶を濁す”程度でしたが、イオンモールのように目の前で血の通った人たちが阿鼻叫喚の苦しみの中で亡くなられ、その苦しみをみずからの苦しみと捉え、最大限義援金を募ることにいたしました。

二度も大地震に襲われた私たちのふるさと熊本に、この炎天下のさなか片付けや復旧作業に追われるふるさとのみなさん、全国から駆け付けているボランティアのみなさんらの活動に少しでも連携し、義援金を募ります。お一人おひとりの浄財をお寄せください。集まった義援金は県人会本部に振り込み、本部で集約し熊本県に届けられます(総計金額は追って公表)。

振込先:肥後銀行 大阪支店 普通口座 1130757
口座名=紫紺会関西支部
締め切り:2026年10月9日(金)
連絡先:宮﨑(事務局長/義援金管理担当者)
toshirou_m212@yahoo.co.jp
松岡(支部長) 
matsuoka@rokusaisha.com TEL 0798-49-5302

紫紺会(熊本学園大学付属高校同窓会)関西支部
支部長 松岡利康  事務局長 宮﨑敏郎

敬具

写真は宮﨑撮影

《9月のことば》行き当たりばっちり

鹿砦社代表 松岡利康

《9月のことば》行き当たりばっちり(鹿砦社カレンダー2026より。龍一郎揮毫)

9月になりました。昔、『9月になれば』という映画がありましたが、9月になると、なぜかこの映画を思い出します。映画の内容とは異なりますが、暑い夏が過ぎ、9月になれば、少しは涼しくなり凌ぎやすくなって、仕事も捗り恋の展望も見えてくる ── 9月とはそんな季節のようです。

しかし、今夏、9月を前にして、熊本地震(第二次)、千葉豪雨、さらには福井豪雨など大きな自然災害が起き、厳しい暑さも続き、その後片付けや復旧作業で、夢も希望も展望なんて……。突然の自然の猛威に絶望感、脱力感に襲われます。ここでも、こんな自然災害の多い日本で、原発、特に老朽原発は大丈夫か!? 大丈夫なわけがありません。

今年も早3分の2が過ぎ、あと3分の1となりました。なんとか今年も四苦八苦しながら、月刊『紙の爆弾』も季刊『季節』も発行を継続でき、以前からは点数は減っていますが、書籍(紙爆増刊号)も刊行できてきています。苦しい中でも出版活動を継続できているのは、ひとえに読者や支持者、支援者の皆様方のサポートによります。

思い返せば、私(たち)の出版活動は行きあたりばったりだったな。時に行きあたりばっちりヒットすることはありましたが、長い出版活動のうち、どれほどだったでしょうか。浮き沈みが激しい出版人生でした。

私事ながら、今月75歳を迎え、いわゆる後期高齢者となります。人生最後の大きな曲がり角です。もっと違う形で迎えたかったですが、人生最終コーナーになって、新型コロナ襲来によって躓いてしまいました。

でも、皆様のサポートで、まだ生かされています。勝負はまだ終わっていません。必ず勝機を掴み人生3度目の大逆転を狙っています。老骨に鞭打ち、しぶとく“がまだし”(熊本の方言で「頑張る」の意味)ていこう、と思う昨今です。

◎このたびの熊本地震について、さすがに二度ともなると、私たち熊本出身者としては県人会(関西熊本県人会連絡協議会)本部からの呼びかけに応じ、関係の強い高校の同窓会を通して義援金を募ることになりました。近々公表いたしますので、ぜひご協力お願いいたします。

日々報じられる、現地で“がまだし”ておられる方々、ボランティアの方々に励まされ、私たちも頑張っていこう!

『紙の爆弾』9月号に寄せて

『紙の爆弾』編集長 中川志大

9月号では、高市早苗首相のアメリカ時代の経歴詐称疑惑と、高市政権のアメリカ追従政治の関係を考察。執筆者の浜田和幸氏は、高市氏が松下政経塾を卒業後、米下院議員の事務所に籍を置いていた(9カ月間)のと同時期に渡米しワシントンで勤務しており、現地の高市氏をよく知る人物です。

その高市政権の元で、「円弱」がさらに極まりつつあります。彼女が政治の師と仰ぐ安倍晋三元首相は「円が300円になったらトヨタの車が3分の1で売れる。日本への旅行費も3分の1になる。あっという間に経済回復していくという考えはどうか」と述べましたが、「失われた35年」の果て、物価高による生活苦が人災であることを、この発言が証明しています。高市政権のウクライナ・中国・イラン等海外情勢への対応がそれに拍車をかけてトヨタも減産。7月号で元外交官の孫崎享氏が指摘したように、この外交姿勢は師匠である安倍元首相が中国やロシアと一定の安定的関係を維持したのとは真逆でした。前号で「戦後最悪の宰相」としたゆえんです。円安で「ホクホク」しているのは誰か?というのは、重要な現状分析といえます。

そんな中でも国会では、延長してまで皇室・国旗・改憲策動・自維一体と、今の国民生活に寄与しない法案ばかりが成立。高市首相は「睡眠時間ゼロで頑張っている」とアピールしておけば、適当にごまかせるという姿勢です。なお「寝ずに書類を読んでいる」は、まさに前述の孫崎氏のレポートが言及したところ。「外交官の経験からいえば、高市首相の政治スタイルの問題は、ペーパーを読むことばかりを重視している点」「政治の実態を踏まえず首相の肩書きだけで政府を運営しているように見えることが、国民にとって大きな問題につながる」と述べていました。

それでも、マスコミ報道とは違うところで社会を前に進める活動が進んでいます。山田正彦・元農水相は農薬・化学肥料に頼らない有機農業が世界で大きく広がっていることを指摘。日本はまだ遅れているものの、地域ごとの取り組みにより急速な進展を見せています。また山田氏は、体内の残留農薬はデトックスが可能であることも、データとともに示しました。残留農薬といえば、主に輸入農作物のポストハーベスト農薬(収穫後、品質維持等のための農薬)の危険性を最初に指摘すべきですが、その対処としては地産地消の促進が考えられます。山田氏の分析は、ここからさらに踏み込んだものといえます。今国会で再び改悪された種苗法・新育苗法についても、弁護士として種子法廃止違憲訴訟を闘う山田氏が、タネを守る地域の取り組みを紹介。「食料安全保障」と「食の安全」を考える全ての人に、ぜひお読みいただきたい内容です。

そして、長期身柄拘束によって自白を迫る「人質司法」の問題を、村岡啓一弁護士が解説。同記事は、日本の司法の特殊性を指摘するだけでなく、「なぜ推定無罪の原則に反して、未決の被疑者が手錠・腰縄で拘束されるのか?」「推定無罪の被疑者がなぜ強圧的な取調べを受忍しなければならないのか?」といった、根本的な問いから始まります。そして、日本国憲法のありようにも迫ります。

ほか9月号では、再審請求に向け活動を続ける植草一秀氏の、「3つの植草冤罪事件」の真実に前号に続き斬り込みました。静岡県沼津市の「ごみ焼却炉訴訟」で下された“行政利権”を崩壊させる画期的判決も必読記事のひとつです。精神科医・野田正彰氏は、精神病が死に至る病でないにもかかわらず、年間2万4000人が精神病院で亡くなる「日本の精神医療」と「精神科医」の“異常性”を解説。今月号も独自の切り口で真実を追求します。
『紙の爆弾』は全国の書店で発売中です。ぜひご一読ください。

『紙の爆弾』編集長 中川志大

『紙の爆弾』2026年9月号
A5判 130頁 定価800円(税込み)
2026年8月7日発売

米政府が保有する「首相のカルテ」高市経歴詐称問題とアメリカ追従 浜田和幸
違憲・違法の「人質司法」がなぜ存在するのか 村岡啓一
「令状なし盗聴」にまで手を出した 高市政権が掌握する「情報」という巨大権力 足立昌勝
山田正彦元農水相インタビュー 日本を食の「退国」にしないために 食料自給率80%は可能である
「国力研究会」の本当の目的「中傷動画」が招いた自民党“高市おろし” 片岡亮
絶望へ導く日本精神医学はいかにしてつくられたか 野田正彰
「デジタル主権戦争」敗戦の先にあるもの 昼間たかし
植草一秀インタビュー「冤罪の真実」中編 小泉・竹中経済政策と三つの冤罪事件の闇
ウラジーミル・ジリノフスキー「不屈の愛国者」が訴えたもの 木村三浩
成年後見制度という宿痾?これが「改正」か? 質疑なき論戦の果てに 鈴木愼哉
相次ぐ神社仏閣の火災 その“背景”を考える 早見慶子
LGBT問題の現在⑧ LGBT思想と包括的性教育 益田早苗
高市早苗の「我が闘争」を中間総括する 佐藤雅彦
静岡県沼津市ごみ焼却炉訴訟の「画期的判決」 青木泰
高市売国傀儡茶番劇場暴走阻止イベント 真田信秋

〈連載〉
コイツらのゼニ儲け:西田健
「格差」を読む:中川淳一郎
シアワセのイイ気持ち道講座:東陽片岡
The NEWer WORLD ORDER:Kダブシャイン
「絶望ニッポン」の近未来史:西本頑司
芸能界 深層解剖

◎鹿砦社 https://www.kaminobakudan.com/

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0HC2VX1RH/

8月29日今野寿美雄さんを取り囲んでの「福島支援ライブ!」

尾﨑美代子

8月のイベントの告知です。もう、何かしてないと死んでしまうんじゃないかと思うくらい不安だから、次の予定を告知しておきます。

8月29日、福島県から来阪する今野寿美雄さんを取り囲んでの「福島支援ライブ!」投げ銭カンパは、その4日後に大阪地裁で判決が言い渡される原発賠償関西訴訟の原告団にカンパさせて頂きます。

出演者はヒデヨヴィチ・上杉、アカリトバリ、カオリンズ、そしてHANAMAMA&今野寿美雄です。

関西訴訟はじめ避難者の訴訟はどれも長く長く続いています。事故から15年ですものね、「どうなったのかな?」とつい忘れてしまった方もおられるかと思います。
判決日を前にみなさんと共にこの闘いがどういう意味を持つのか、考えていければと思います。

宜しくお願い致します。

▼尾﨑美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者X(はなままさん)https://x.com/hanamama58

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0GZZQWL9T/

「われわれの出版の目的は、一、二年で忘れ去られることのない本を作ることである」(クラウゼヴィッツ) われわれの出版の〈原点〉に立ち帰り、わが出版人生最終コーナーに差し掛かるにあたって

株式会社鹿砦社代表 松岡利康

鹿砦社の言論・出版活動を支持される皆様!

週明けに『紙の爆弾』最新号をお届けいたしますが、このかん少なからずの方々より、同誌がレベルアップしたとのお声をいただいております。これは創刊号以来編集長を任せた中川志大の経験と力によるものです。

実際、完成した同誌を見て、レベルアップしたとの過分な評価を喜びつつも、老婆心ながら、さらなる飛躍の余地はないか、昨年4月に創刊20周年を迎え東京と関西で皆様方に祝っていただき次の10年に向かって歩み始めましたが果たして創刊30周年は大丈夫か(その頃、おそらく私はいないか活動不能になっているでしょうから)、等々と日々思慮しているところです。

また、主に私が担当する分野の書籍についても、出版人生最終コーナー(9月で後期高齢者に。泣)に達した中で、のちのちに残るような本をどう作るか、考えあぐんでいます。

これまで何度か述べていますが、私が10年間のサラリーマン生活を辞め(直接的には会社整理のため)、みずからの資質、能力、経験などを一顧だにせず、まさに“清水の舞台”から飛び降りる覚悟で本格的に出版の世界に飛び込む際に、歴史家の小山弘健先生に教えていただいた、冒頭に挙げた、『戦争論』という畢生の書を著したクラウゼヴィッツの言葉をたびたび想起しています。「果たして私は、どれほど一、二年で忘れ去られることのない本を作ってきたのだろうか?」と。『戦争論』ほどの名著ではないにしても、のちのちに残る本を作りたい! と願いつつも、先が見えているので焦燥感に苛まれています。もっと早く小山先生に教えていただいたクラウゼヴィッツの言葉を真剣に、かつ真摯に考えて実行に移していればよかったな、と悔いが残ります。

今回、時々定期購読者や会員の皆様方にご提案している「特別セット直販」を新たにご提案させていただいています。このリストの本は、これまで私たちが出版してきた本の一部ですが、このほとんどは私が企画・編集したもので、果たして「一、二年で忘れ去られることのない本」があるのか、皆様、いかがでしょうか? 古い本も新しい本もあり、また左右硬軟雑多に渡りますが、お目に留まった本がございましたら、この機会にぜひ(何冊でも)ご購読お願いいたします。(詳しくは『紙の爆弾』8月号に同封している案内をご覧ください)

予想される猛暑を乗り越え、清々しい気分で秋を迎えましょう!

(7月2日記。別掲写真は小山弘健先生と遺稿『戦前日本マルクス主義と軍事科学』。『紙の爆弾』8月号に同封している文章から)

『紙の爆弾』2026年8月号
A5判 130頁 定価880円(税込み)
2026年7月7日発売

護憲のための理論武装「自衛隊明記」改憲で現実に起きること 伊藤真
選挙違反の政権が憲法を壊す 戦後最悪の宰相を生んだ日本政治の根本欠陥 門脇翔平
防衛費倍増で防衛産業は衰退する 日本の「防衛強化」は机上の空論 清谷信一
検察官が関与する政府案 再審法改正は「誰のため」か 足立昌勝
誰もが知っていて、語らない 米AI企業に主権を明け渡した日本 昼間たかし
巨人・阿部慎之助逮捕事件に見た児童相談所「虐待対応」の現実 たかさん
自民党議員が「中傷動画問題」に沈黙する理由 片岡亮
植草一秀インタビュー「冤罪の真実」前編 警察はなぜ冤罪を創作できるのか
世界を牛耳る超富裕層を倒す11の方法 エマニュエル・パストリッチ
米国新植民地主義を超克する極東の安全保障を確立せよ 木村三浩
LGBT問題の現在 転向療法禁止政策が抱える「観点差別」三浦俊彦
米中で相次ぐ科学者の死亡・失踪事件 早見慶子
成年後見制度という宿痾 高齢者よ高貴たれ、後期高齢者よ不屈たれ! 鈴木愼哉
痛快伝奇説話 吏犯之太子(りぼんのたいし) 本折竿長

〈連載〉
例の現場
NEWS レスQ
コイツらのゼニ儲け:西田健
「格差」を読む:中川淳一郎
シアワセのイイ気持ち道講座:東陽片岡
The NEWer WORLD ORDER:Kダブシャイン
「絶望ニッポン」の近未来史:西本頑司
芸能界 深層解剖

◎鹿砦社 https://www.kaminobakudan.com/

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0H6W3YJ7D/

『紙の爆弾』8月号に寄せて

『紙の爆弾』編集長 中川志大

高市早苗首相の中傷動画と、一連の本丸とみられるサナエトークンという問題について、世論・国会で炎上が続いています。サナエトークンが本来「自民コイン」を目指してモデルがつくられたこと、それがなぜ「サナエトークン」として失敗したのか、さらに「中傷動画」とサナエトークンの関係について、自民党関係者の証言をもとに解説した本誌7月号の片岡亮氏記事は、SNSで数十万のインプレッションを稼ぐほど注目されました。

一方、今月号の本誌記事が指摘しているように、これを大衆のガス抜きにしてはならない、という警戒心を持ち続ける必要を感じます。中傷動画問題は、なにより選挙違反に関わる問題であり、選挙違反でつくられた政権に正統性はない、まして憲法改正を議論する資格などない、というのがまず一点。さらに、そんな政権がなぜ生まれたのかを考える必要があります。「高市首相を見れば、小泉進次郎防衛大臣がましに見える。防衛大臣に据えたこと自体、保守層へのイメージ戦略の一環ではないか」という推測は、あながち外れていないのではないでしょうか。

同時に、憲法を変えさせないために、私たち自身が情報と理論を得る必要があります。護憲のための「理論武装」の方法を、伊藤塾塾長・伊藤真弁護士が解説。また防衛予算を倍増させても、まったく日本の産業に寄与しないどころか、かえって弱体化させてしまうことを、軍事ジャーナリストの清谷信一氏が解説しています。いずれの記事も、多くの方に読んでいただき、共有してほしい内容です。

もはや高市政権は駄目だ、というのは自明の事実といえます。なぜ、そんな首相が誕生したのかというのは、7月号で孫崎享氏が詳細に解説しているところですが、私たちは、そもそもルールを権力側に握られていることを認識することから、スタートする必要があります。それが、辺野古基地建設が止まらず、原発がなくならない理由でもあります。さらに、戦争と戦争煽りで海外の軍事企業が、感染症騒ぎで製薬会社が、個人情報を掌握してテック企業が設ける仕組みがあります。その仕組みに加担しないことを提言しているのが、本誌執筆者の共通項です。

さらに「超富裕層を倒す」と言い切った今月号のパストリッチ氏の指摘に、学ぶところは多いです。それはとても大変な作業で、かつ不祥事追及のように、わかりやすいものではなくとも、門脇翔平氏は、選挙制度を通して変革のために実際に動いている。植草一秀氏は、あるべき社会を提案しています。パストリッチ氏とは、あらためて議論を深めたいと思っています。

ほか8月号では、アメリカのAI企業に「デジタル主権」を明け渡した日本の現状、再審法改正が冤罪防止につながらない原因、加えて植草氏が実体験をひきつつ「警察はなぜ冤罪をつくるのか」に迫ります。マスコミ報道では触れられない児童相談所の実態、成年後見制度の法改正がスルーする同制度の根本的問題、米中で相次ぐ科学者の死亡・失踪事件など今月号も独自の視点からのレポートをお届けします。

『紙の爆弾』は全国の書店で発売中です。ぜひご一読ください。

『紙の爆弾』編集長 中川志大

『紙の爆弾』2026年8月号
A5判 130頁 定価880円(税込み)
2026年7月7日発売

護憲のための理論武装「自衛隊明記」改憲で現実に起きること 伊藤真
選挙違反の政権が憲法を壊す 戦後最悪の宰相を生んだ日本政治の根本欠陥 門脇翔平
防衛費倍増で防衛産業は衰退する 日本の「防衛強化」は机上の空論 清谷信一
検察官が関与する政府案 再審法改正は「誰のため」か 足立昌勝
誰もが知っていて、語らない 米AI企業に主権を明け渡した日本 昼間たかし
巨人・阿部慎之助逮捕事件に見た児童相談所「虐待対応」の現実 たかさん
自民党議員が「中傷動画問題」に沈黙する理由 片岡亮
植草一秀インタビュー「冤罪の真実」前編 警察はなぜ冤罪を創作できるのか
世界を牛耳る超富裕層を倒す11の方法 エマニュエル・パストリッチ
米国新植民地主義を超克する極東の安全保障を確立せよ 木村三浩
LGBT問題の現在 転向療法禁止政策が抱える「観点差別」三浦俊彦
米中で相次ぐ科学者の死亡・失踪事件 早見慶子
成年後見制度という宿痾 高齢者よ高貴たれ、後期高齢者よ不屈たれ! 鈴木愼哉
痛快伝奇説話 吏犯之太子(りぼんのたいし) 本折竿長

〈連載〉
例の現場
NEWS レスQ
コイツらのゼニ儲け:西田健
「格差」を読む:中川淳一郎
シアワセのイイ気持ち道講座:東陽片岡
The NEWer WORLD ORDER:Kダブシャイン
「絶望ニッポン」の近未来史:西本頑司
芸能界 深層解剖

◎鹿砦社 https://www.kaminobakudan.com/

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0H6W3YJ7D/

高市早苗首相の最大の嘘

孫崎享(紙の爆弾2026年7月号掲載)

「高市早苗首相は嘘つきである」ということが、にわかに大きな話題となっています。筆頭は、本人が語ってきた「米国連邦議会立法調査官」という経歴が事実ではなく、コングレッショナル・フェロー(研修生)どころかインターンにすぎなかったことでしょう。過去の雑誌のインタビューで、アメリカの下院議員の事務所に入る時に、「自分は軍事問題の権威だって嘘を書いたの」と自慢げに告白したことも明らかになっています。

政治家としても、総務相時代の放送法解釈変更問題をめぐる行政文書について「もし捏造でなければ大臣も議員も辞職する」と国会で発言しながら辞めなかったことや、旧統一教会との関係についても論理矛盾が指摘されています。

そのような中で、国民に対する「最大の嘘」といえるのが、「安倍晋三元首相の継承者である」という、彼女が掲げる根本的な政治理念です。

◆安倍外交と高市外交

高市首相は常々、安倍首相を「政治の師」と語り、仕事始めの1月5日に伊勢神宮を参拝した時には、遺影を胸に抱えた姿も話題になりました。ただ、その遺影が安っぽいクリアファイルに入れられていたことが物議をかもしています。

それでも、彼女は〝安倍後継〞を自身の軸としたことによって非常に明確な政治的立場を示し、自民党内で信頼を得て、国民からも支持を得る基盤となりました。
 しかし、実際に高市首相が行なってきた政治を見ると、疑問に思わざるをえません。

安倍元首相が2020年8月に辞任するまで、もっとも重視していた政治テーマの一つが外交です。中でも対ロシアに力を入れていたことは、首相として27回もプーチン大統領と直接会談を行なったことから明らかです。

辞任後の2022年2月24日、ロシアがウクライナに侵攻して戦争が始まりました。その時にまず安倍氏が何を言ったかということから、分析を始めてみたいと思います。

日本では、このウクライナ戦争は「ロシアが悪い」の一辺倒であるためにあまり注目されなかったのですが、開戦3日後の2月27日、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」に出演した安倍氏は、次のように述べています。

「プーチンの意図はNATO(北大西洋条約機構)の拡大、それがウクライナに拡大するということは絶対に許さない、東部2州の論理でいえば、かつてボスニア・ヘルツェゴビナやコソボが分離・独立した際には西側が擁護したではないか。その西側の論理をプーチンが使おうとしているではないか」

「米ロ関係を語る時に(プーチン大統領は)基本的に米国に不信感を持っている。NATOを拡大しないことになっているのにどんどん拡大している。ポーランドにTHAADミサイルまで配備した。プーチンとしては領土的野心ということではなくて、ロシアの防衛、安全の確保という観点から行動を起こしていることと思います」

もちろん、安倍元首相を再評価しようというのではありません。しかし、彼がどう思っていたかを正確に把握する必要があると思います。

さらに興味深いことに、英「エコノミスト」が同年5月に安倍氏のインタビュー記事を掲載し、7月8日の安倍氏暗殺直後にも再掲しました。その中で安倍氏はこう述べました。

「侵略前、彼ら(ロシア)がウクライナを包囲していたとき、戦争を回避することは可能だったかもしれません。ゼレンスキー(ウクライナ大統領)が、彼の国がNATOに加盟しないことを約束し、東部の2州に高度な自治権を与えることは可能でした」

つまり、安倍氏は一方的にロシアを糾弾するのではなく、ロシアの言い分も我々は理解すべきだというポジションをとったわけです。

一方、高市首相はどうだったか。当時、自民党の政調会長だった彼女は、安倍氏が2月27日にフジテレビで発言した翌日の自民党役員会で、次のように発言しています。

「ロシアによるウクライナ侵攻に関し、今回の暴挙が高い代償を伴うことを国際社会と結束して示すことが必要です。昨日、(岸田文雄)総理が発表した制裁措置は大きな一歩です。あわせて、ウクライナに対する支援も表明していただき感謝申し上げます」

さらに、関連会合でも「国際社会と連携して対露制裁をとことん強めるべき」と強調しました。

したがって、「私は安倍元首相の一番の継承者」と自称する高市首相が、安倍氏の主張を完全否定するような、真逆の立場をとったのです。

いったいなぜなのか。ことは安倍氏の存命中です。高市氏に対し、安倍氏以上に影響を与える者がいたのかという疑問がわきます。ところが当時を見渡すと、安倍氏以上に力を持っている政治家は日本にいません。では、安倍氏が言ったことを覆せる政治家が、どこかにいたのか。

ここから先はhttps://note.com/famous_ruff900/n/nea422070d5da

月刊「紙の爆弾」4月号から一部記事を公開。独自視点のレポートや人気連載の詰まった「紙の爆弾」は全国書店で発売中です(毎月7日発売。定価800円)。書店でもぜひチェックしてください。最新号の記事タイトル一覧はホームページをご覧ください。