昨年は「デジタル鹿砦社通信」のご拝読、ありがとうございました。
まだまだ皆様方のご期待に応えられていませんが、
本年は、皆様方のご期待に応えるように、
これまで以上にラジカルに展開したいと思っております。
メディアが本来の使命を忘れ死滅していこうとしていく中で、
ささやかながら私たちは一致して、
さらに<タブーなき言論>を突き進んでいく所存です。
本年も、旧年に倍するご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。
2016年1月1日
「デジタル鹿砦社通信」編集部/執筆者一同
忘年会たけなわの季節だ。「いやいや1年間あれこれありましたが、ご苦労様でございました」と労い合うこの習慣、強制されるのでなければ私は嫌いではない。
実は鹿砦社も毎年関係者を集め忘年会を開いている。文字通りの「鹿砦社大忘年会」である。今年は12月14日東京、東京編集室近くの水道橋で行われ80余名が結集した。司会進行は例年通り『紙の爆弾』で鈴木邦男の対談をプロデュースしている椎野礼仁さん。松岡社長の挨拶、マッドアマノさんの乾杯の音頭で歓談が始まった。
『紙の爆弾』や『NO NUKES voice』への寄稿者や出版関連の社長さん、編集者、ライターらに交じって「プリズンコンサート」で有名なPaix2(ぺぺ)をはじめ、芸能関係者の姿も。敢えて名を秘すが「サプライズゲスト」の社会派お笑いコンビが登場するや、忘年会は一気にフィーバー! また、脱原発や救援活動など社会運動関係者の姿も多い。
◆『紙の爆弾』創刊10周年、「言論・出版弾圧」から復活10周年だった鹿砦社の2015年
しかしこの忘年会の特徴は、なんといっても鹿砦社が参加者を無料で招待することだ(今年もご馳走様でした、鹿砦社の皆さま)! こんな太っ腹で大丈夫なのだろうか、と参加者が気を遣っている様子が一向にないのがまた鹿砦社の招待客らしい(何を隠そう私自身もそうだけど)。鹿砦社が10年前の壊滅的打撃から回復の兆しが見えた頃から支援してくれた方々への1年に1度の恩返しの意味でこの「大忘年会は」始まったという。
今年は鹿砦社にとって、月刊『紙の爆弾』創刊10周年。まさに悪夢だった「言論・出版弾圧」から10周年の記念すべき年だった。東京と本社のある甲子園で各10周年の記念イベントが行われ、そこにも鹿砦社の再起を祝う多くの人びとが集まった。
名誉毀損での松岡社長逮捕・勾留という致命傷に近い「弾圧」を受けながら10年後にこの姿で復活どころか、弾圧前を超える勢いで走り続ける鹿砦社の姿を想像できた人は少なかっただろうし、それを実現した松岡社長や中川編集長をはじめとする鹿砦社の皆さんの奮闘は察して余りある。
◆雑誌の原点──様々な立場、意見の人びとを紹介し、議論を喚起する媒体
そんなメモリアルな年にふさわしいというべきか、「ちょっとした事件」が忘年会を前に起こっていた。脱原発雑誌『NO NUKES voice』第6号は「脱原発と反戦・反安保─世代を超えて」を特集したが、そこでは安保法制反対運動を担った方々の生の声に加えて松岡社長自身による8頁に及ぶ「解題 現代の学生運動──私の体験に照らして」が掲載された。「解題」を読んで私はこれは賛否両論の大きな議論に発展するに違いないと直感した。
その予感通り、「解題」を含め『NO NUKES voice』第6号は壮絶な大論議を巻き起こし、特にネット上では相当の議論が交錯した。「雑誌」は本来、様々な立場、意見の人びとを紹介し、議論を喚起するのが社会的に期待される役割だろう。その役割を果たせる雑誌が減少している証左を図らずも証明することとなったのが『NO NUKES voice』第6号が巻き起こした大論議である。初めて買った方が大いに共鳴し、30冊まとめて購入し、仲間に配布したという知らせもあったという。
発行元としては大いに歓迎すべき闊達な議論が沸き起こったのだけれども、かといって雑誌を世に出せば「はい、それでおしまいよ」というほど出版や社会運動の世界は優しい場所ではない。詳細は省くが、この間、友好関係にあった反原連(首都圏反原発連合)から突然の絶縁声明が出されたのだ。
『NO NUKES voice』第6号ではほとんど直接的な反原連批判がなされているわけでもなく、また松岡社長の反原連への入れ込みようは傍で見ていてもハラハラするほどで、資金支援も相当してきたそうだ。なのに……。この過程の中で「老害」「内政干渉」などと詰られ鹿砦社は多少なりとも傷を負ったことも事実ではある。しかし、そんなことは、かの「弾圧」の経験に比べればこれっぽっちのかすり傷ですらない。むしろ前を向かせてくれるエネルギーでしかないと私は思う。
「前を向く」、そして「走り続ける」。どんな議論でも引き受ける。厄介であっても結構。いやむしろ社会の欺瞞を暴き、誰もがそれに口を閉ざすのであれば、敢えて「火中の栗を拾う」のが鹿砦社の使命と言ったら言い過ぎか。「虎穴に入らざれば虎児を得ず」を実践し手に入れた貴重な「虎児」は脱原発だけにとどまらない大議論であり、今日の閉塞した言論状況への挑戦状ですらあったといえよう。
忘年会では長年脱原発に取り組む「たんぽぽ舎」の柳田真さん、またわざわざ仙台から駆けつけてくださった、同誌で連載されているFM放送のプロデューサー・納谷正基さんからのスピーチで前述の議論へのそれぞれの立場からの言及があった。不肖私もご指名を受けたので思うところを偽りなく述べた。皆が同じ意見、感想ではない。それでいいじゃないか。参加者には言論や社会運動における多様性の重要さを再度認識させられる、楽しくも考える場面もある貴重な時間となったのではないだろうか。
◆年に一度の大盤振る舞いの宴は怒涛の二次会へと!
そうしたことなどを松岡社長に聞いてみた──。
「今年は昨年の2倍ほどの皆様にお集まりいただき嬉しかったですね。毎年これに合わせ頑張り、それなりの出費は見込んでいるのですが、今年は50万円余り掛かりました(苦笑)。年に一度の大盤振る舞いで、皆様方に喜んでいただき、また来年頑張っていただけるのであれば安いものです。田所さんも言われるように、今年は内憂外患、ちょっとシンドいことがなかったわけでもありませんが、10年前に逮捕され半年以上も勾留されて、10年前の今頃は神戸・六甲の山の上の”別荘”でのた打ち回っていたことを想起すると全然軽いものです。今年、情況を察して、こんなにお集まりいただいたんじゃないでしょうが、皆様方から叱咤激励賜り、私たちの気持ちを察していただいたことに感謝いたします」
しかし、反原連による絶縁声明については、「脱原発運動のために泥仕合はしたくないので今は敢えて何も語りません。ミサオさんらにも面子や意地があったのでしょうから、恨んだり憎んだりしてはいません」と語るのみだ。
それにしても多彩な業界からの80名の参集は並みでは味わえない「勢い」を感じさせられて余りある。
でもそれだけでは終わらないのが鹿砦社忘年会の恐ろしさだ。場所を四谷に移して、なんと2次会も希望者は無料でご招待! それだけじゃーないぞ。もう終わったから告白するけども、松岡社長の長年の”悪友”たる板坂剛氏が編集し上田治躬氏が撮影を担った「占」(うらな)≪嬢王様の時代≫の主人公である「占」さんが二次会には登場。松岡社長があの噂の「全裸タロット占い」のターゲットとなった。いいのか! 今時こんなことをしていて! 気の小さい私は万が一警察に踏み込まれたら……と気が気でなく会場の鍵を閉めてドアのノブを握り占めていた。
怖いものはないのか?と聞いてみたくなる図太さと怒涛の勢いを見せつけられた「鹿砦社大忘年会」であった。残念ながら読者の皆様へは事後報告しかできないが、来年もまた盛大な忘年会をご報告したい。
恐るべし、限界なしの鹿砦社である。
▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。
◎2015年再考(1)「シャルリー・エブド」襲撃事件と表現の自由、力学の軋み
◎2015年再考(2)橋下ファシズム台頭の起源──TV×維新×虚言の愚劣な結託
◎笑止千万「軽減税率」!議論すべきは消費税引き上げの「ぼったくり」税制だ!
◎挙句の果ての「1億総活躍」──狂気、矛盾、悪意、恫喝づくしの安倍暴走政権
◎隣のクルド人──「国を持たぬ民」が日本社会で暮らすということ
この夏は熱かった。11月も後半になり記憶が薄れかけている向きもあろうが、安保法案をめぐる抗議行動は国会周辺だけでなく全国で多彩に闘われ、そこではこれまで少なかった若者の姿があった。その中心としてメディアの寵児にのし上がった感すらある「SEALDs」。中心メンバーの奥田愛基さんは国会でも発言するなど多くの注目をあつめた。「本当に止める」、「民主主義ってなんだ」といたフレーズがネット上でも飛び交い、大きな話題となった。
だからこそ、本日11月25日発売の『NO NUKES voice』(NNV)第6号の特集は「脱原発と反戦・反安保」だ。
◆菅直人元首相の「告白」から見えてくるマスメディアが伝えてこなかった真実
まず、特集の頭を飾るのは、当時首相であった菅直人さんの激白だ。「いまこそ、私の話を聞いてほしい なぜ、あの時、情報が正しく伝わらなかったのか?」は、反原発運動に長年携わってきた槌田敦さん(物理学者)が聞き手となることにより、他媒体では決して実現できない踏み込んだ事実をいくつも掘り起こしている。首相官邸内でどのような思案がめぐらされたのか、情報は正確に伝わっていたのか、最高責任者として事故直後福島に飛ぶ決意をした理由とは……。息をのむような事実がこのインタビューでは明らかにされている。
少しだけ種明かしをすれば、「菅インタビュー」は今日のマスメディアが重要な事柄を全くと言っても過言でないほど「伝えていない」ことを示す証拠を読者に提供してくれる。
◆「SEALDs」奥田愛基に鹿砦社松岡社長が挑む激論生録インタビュー!
「SEALDs」奥田さんへのインタビューは発行人である松岡社長自らが敢行した。このインタビューは「提灯持ち」視点からのそれではない。よってこれまで他のメディア(一部右派メディアを除く)で紹介されたのとは全くことなる角度から遠慮なく疑問がぶつけられており、「SEALDs」現象が一体何だったのかを理解するためには必読だ。
同時にやはり松岡社長自ら斬り込んだミサオ・レッド・ウルフさんへのインタビューも「激論」と表現しても過言ではないだろう。「反原連」の指導者として、これまでもNNVに登場したミサオ・レッド・ウルフさんへの松岡直撃は予定調和と対極に位置する。反・脱原発運動が今後進むべき道筋、3・11後これまで歩んできた道程を振り返り、成果と問題点を浮かび上がらせる示唆に富んでいる。「反原連」支持者、「反原連」に違和感を抱く方双方にとって読み逃すことが出来ない。
◆「SEALDs」現象と対を成す「ハンスト実行委員会」の学生たちの座談会実現!
若者の活躍では「ハンスト」を戦術に闘った「ハンスト実行委員会」の座談会は内容において「SEALDs」現象とは一線を画す「硬派」のそれと言えよう。僅か10数人のメンバーが4人のハンスト実行者を支え、最長149時間のハンストを戦い抜いた学生たちが見据える未来は「現状肯定」ではなかった。「SEALDs」現象との対比は必ずや読者に強い刺激となるだろう。
◆鹿砦社が執念で実現した武黒一郎=元東電副社長のおっかけスクープルポ!
そして、鹿砦社といえば名物「直撃取材」だ。今回のターゲットは元東電副社長で検察審議会により強制起訴が決定した「武黒一郎」だ。我が取材班の執念は果たして実ったのか……。捕捉した! 武黒の変わり果てた姿を長時間の張り込みの末に自宅で激写に成功!武黒と取材班のやりとりも執念のなせる技。NNV取材班の執念恐るべしである。
◆上野千鶴子さん、鎌仲ひとみさんの熱きインタビュー、各地の運動報告もますます充実!
他にも社会学者の上野千鶴子さん、映画監督の鎌仲ひとみさんなど熱きインタビューが盛りだくさんだ。そして、特集を締めるのは今号で編集長を降りる松岡社長による「解題 現代の学生運動―私の経験に照らして」である。自ら「SEALDs」や「ハンスト実行委員会」に接触し、語った松岡社長にとって「学生運動」は他者のそれではなく、現在の彼を規定している一部である。自らの経験とこんにちの「学生運動」を解析し若い世代へ送る辛口のエール。この文章は「ヘサヨ」、「ブサヨ」といった語彙を持つ方々からはたいそうな顰蹙を買うであろうし、賛否両論激論を喚起すること必至だ。
運動報告では経産省前テント広場裁判「被告」の淵上太郎さんが東京高裁の不当判決を糾弾し、高木久美子さん(笑顔でつながろ会代表)、本間龍さん(元博報堂)、渋谷三七十さん(ライター)、納谷正基さん(『高校生進路情報番組ラジオ・キャンパス』パーソナリティー)、中村通孝さん/松浦寛さん(FB9条の会)など全国各地の情報が満載だ。
雑誌は「総力特集」、「全力取材」をキャッチコピーに多用するが、NNV6号は誇張抜きに取材班が「総力」を挙げた濃密な報告と思想と行動が詰め込まれている。今すぐ書店へ! (田所敏夫)
タブーなき総力取材!「脱原発」×「反戦」の共同戦線雑誌
『NO NUKES voice (ノーニュークスヴォイス)』 第6号
11月25日発売!
●主な内容●
秋山理央(映像ディレクター、フォトジャーナリスト)
ALL STOOD STILL Vol. 6『冬ニモマケズ』
[報告]淵上太郎さん(経産省前テントひろば裁判「被告」)
経産省前テント裁判控訴審 東京高裁不当判決に抗議する!
[報告]本誌特別取材班
福島原発事故A級戦犯=武黒一郎(東電元フェロー=副社長)を直撃!
[特集]脱原発と反戦・反安保―世代を超えて
[インタビュー]菅直人さん(元内閣総理大臣)
いまこそ、私の話を聞いてほしい なぜ、あの時、情報が正しく伝わらなかったのか?
[インタビュー]上野千鶴子さん(社会学者)
知っていたのに 何もしなかった私も 共犯者だった
[インタビュー]鎌仲ひとみさん(映像作家)
映画と一緒に旅しながら民主主義のエクササイズ続ける
[インタビュー]Misao Redwolf さん(首都圏反原発連合)
再び脱原発のコールの爆発を!──今後の超党派市民運動の行方
[提案]佐藤雅彦さん(ジャーナリスト)
うたの広場
[インタビュー]奥田愛基さん(「SEALDs」メンバー)
デモするたびにパクられてたら 俺、国会行ってないすよ
[座談会]学生ハンスト実行委員会
私たちは直接行動で状況を切り開こうとした
[報告]松岡利康(本誌発行人)
解題 現代の学生運動―私の体験に照らして
[報告]高木久美子さん(笑顔つながろ会代表)
3・11 放射能汚染に負けない! 笑顔でつながり、みんなで立ち上がろう!
[報告]本間龍さん(元博報堂社員、作家)
原発プロパガンダとは何か?(第四回) 福島民報・福島民友(三)
[報告]渋谷三七十さん(ライター)
地獄への道案内は罪! もはやつける薬がない「原発推進メディア」を斬る!
[報告]納谷正基さん(『高校生進路情報番組ラジオ・キャンパス』パーソナリティ)
反原発に向けた想いを次世代に継いでいきたい(5)
このシリーズの連載を始めた真の意味を、そろそろ打ち明ける時がきた……
[運動情報]中村通孝さん/松浦寛さん(FB憲法九条の会)
原発をゼロにしてから死ぬのが、大人の責任だと思う
ほか
すっかり秋真っ盛り。TPPは妥結、23人目のノーベル賞受賞者誕生、ラグビーはW杯で未曾有の2勝、阪神は終盤で例年通り凋落と目出度いのやら、怪しいのやら見極めにくい日替わりの新聞の見出しは横目で眺めていればよい。
今、あまり知られてはいないかもしれないけれども、書店では1つの「事件」が進行している。何を隠そう、鹿砦社が全力を傾注し季刊で発行している『NO NUKES voice』5号が俄然注目を浴び読者が拡大しているのだ。
例えば、さる9月23日代々木公園で「さようなら原発 さようなら戦争全国集会」が数万人の結集で行われたが、鹿砦社は盟友「たんぽぽ舎」ブースを拠点に『NO NUKES voice』宣伝チラシ配り闘争を貫徹した。その数1500枚。集会参加者のほとんどが快く受け取って下さり、「知ってますよ!買ってるよ」との声も多数頂いた。
◆デモの先頭で横断幕を持った板坂氏と松岡社長が渋谷の街を練り歩く!
松岡社長以下鹿砦社の街宣行動はチラシ配り闘争貫徹で勝利を見たのだが、状況はそれだけでは許してはくれなかった。なんとデモのほとんど先頭で横断幕を持って歩いてくれとの要請が!
勿論デモ程度に怯えるヤワな我々ではない。しかも何故か「あの」板坂剛氏が赤い心に赤いシャツを纏い隊列に加るのだという。板坂氏はデモ開始前に「渋谷で大暴動を引き起こす!」と不敵な宣言を小声で発する。皇室ポルノ事件で『噂の真相』を震撼させて以来、この人行くところにはなにかが起きる。果たしてどんなデモになるのだろうか・・・。
(渋谷は大混乱に陥った。数万の人民がデモ隊に合流し「安倍打倒」を連呼し、スクランブル交差点では渦巻きデモが唸りをあげ、渋谷界隈は完全な「解放区」となった)
という夢を見たが、どこまでが事実でどこからが妄想か区別がつかない。そうだ写真が残っている。どうやら「渋谷大暴動」は夢の中だけだったようだ。デモは成功裏に無事終了した。しかしデモの先頭で横断幕を持つ松岡社長の姿に違和感を覚えるのは私だけであろうか(これって彼の言う『焼香デモ』じゃないの・・・?)。
◆沖縄の書店では岩波『世界』の横に『NO NUKES voice』が並べられていた!
しかしもう一つの写真がある。読者から提供を受けたこの写真は、先月沖縄の大手書店で撮影されたものだ。
よく見てほしい。岩波の『世界』の横に『NO NUKES voice』が並べられている。この事実に「ヤマトンチュ」は震撼しなければならない。反原発の視座から「福島―沖縄犠牲のシステム」を特集した同号が、このように闘いの最前線、沖縄で「世界」の隣に平積みされているのだ。私は「『世界』の横に並んでるぞ!」と浮かれているのではない。戦いにおいて「権威」など何の役にも立ちはしない。最前線に位置する人びとが持ち合わせる繊細な感性こそが本質を射抜くのだ。それを証明しているのが沖縄における『NO NUKES voice』5号に向けられる視線である。
反原発を語るにあたり、反戦争、反差別は当然すぎる前提であって、それらを排除したいわゆる「シングルイシュー」的取り組みなど何の力も持ちえないことは、賢明な読者諸氏には語るまでもないだろう。
単視座に陥ることなく、そして「タブーなき」視点から『NO NUKES voice』は問いを、戦線拡大を訴え続ける。
▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。
◎安保法採決直後に若者弾圧!ハンスト学生への「不当ガサ入れ」現場報告
◎原発・基地・戦争=「犠牲のシステム」を解体せよ!「NO NUKES voice」05号発売!
◎フジサンケイ「育鵬社」公民・歴史教科書の採択拡大で子供の臣民化がはじまる
◎橋下「維新の党」離党の茶番──マスコミが取り上げなければ橋下は終わる
酷暑は峠をこえたようですが、近い日本の将来を重大に左右する「安保関連法案」の審議が連日参議院で行われています。
また、さる11日には九州電力川内原発1号機が多くの人の反対にもかかわらず再稼働されてしましました。川内原発再稼働を待っていたように桜島周辺地下のマグマが地上に向かって動き出し、桜島には警戒情報レベル「4」が史上初めて出されました。桜島と川内原発の直線距離は50キロです。火山に詳しい専門家は「桜島で最大級の噴火が起こった場合、関西地方でも5センチ程度の火山灰が積もるかもしれない」と警告をしています。
はるかに離れた関西で5センチならば、至近距離の川内原発には一体どのくらいの火山灰が降り注ぐのでしょうか。また、川内原発では運転開始後、排水系統に異常が発生し、九州電力は出力を上げる予定を当初の計画から延期しています。
本当に原発は不安だらけです。
だから黙ってはいられない!
昨年鹿砦社が発刊した「NO NUKES voice」の第5号(創刊一周年記念特別号)が出来上がりました。
脱原発・反原発を中心に「採算を度外視しても」(編集長)も果たさなければならない役割を指向してきた同誌ですが、今号は間違いなく日本の言論界で脱原発・反原発の「エポックメーキング」となる怒涛の迫力です。
◆総力特集「福島―沖縄 犠牲のシステム」は渾身の6本立て50ページ!
第5号のテーマは「福島―沖縄犠牲のシステム」。野球に例えれば、真正面ど真ん中への直球ストレート連投です。変化球は一切ありません。本文は東大の高橋哲哉先生と映画監督三上智恵さんの対談で幕を開けますが、この「対談」の緊張感と真剣勝負は読んでいても火花が散っていて、読者までがやけどをしそうです。目指すゴールは同じでも少し考えの異なるお二人。その妥協なき「討論」(闘論)は、どなたにとっても一読の価値ありです。思想を戦わすということの「凄み」を体験できる貴重な対談です。
そして、日本を代表するフォトジャーナリスト広河隆一さんのインタビューが続きます。チェルノブイリに50回以上の取材を重ね、福島第一原発事故翌日には福島に入り、原発近くでの取材を行った広河さん。お話のテーマは「加害者は必ず被害を隠す」です。チェルノブイリ原発事故で起こった事と福島事故後に起こったこと、その対比から見えてくる意外な共通点と相違点は現地で長年取材を重ね、あわせて救援運動にも積極的に関わった広河さんにしか語りえない内容でしょう。広河さんの奥行きの深い視点は、チェルノブイリから福島、そして沖縄へと広がります。沖縄に保養施設「球美(くみ)の里」を設立した広河さんの熱意が誌面から発露され、その意思と行動は読者を圧倒するでしょう。
次いで共に元知事である沖縄の大田昌秀さんと福島の佐藤栄佐久さんによる超大物対談です。お互いが意外なほどに福島、沖縄とのかかわりがあったことがお話の中で明らかになります。和やかな語り口ながら日本政府と闘って沖縄を背負った大田さんと、政府の原発政策に苦言を呈したために「冤罪」同然の弾圧を受けた佐藤さんの対談は「NO NUKES voice」だから実現できた夢の対談です。
◎[参考動画]衆院安保法制特別委員会─沖縄地方参考人会での大田昌秀元沖縄県知事の意見陳述 (2015年7月6日那覇市:10分)
◎[参考動画]佐藤栄佐久元福島県知事講演「原発問題と地方の論理」(2015年5月10日和歌山市:92分)
巻頭3本の特集記事だけでも、誇張なく「永久保存版」の価値ありです。その他沖縄からの視点で震災に向き合う蟻塚亮二さん(精神科医)や逆に茨城県から沖縄に自主避難した久保田美奈穂さんのお話は沖縄と福島(福島事故)を交互の視点で見直すのに最上の教材でしょう。GE(ゼネラル・エレクトリック)社の技術者として福島第一原発の建設に関わった名嘉幸照さんは沖縄のご出身です。「二つの故郷原発技術者の『福島』『沖縄』」を語って頂いています。文字通り「福島―沖縄 犠牲のシステム」に翻弄されたご自身の一代記です。
◆原発推進〈戦犯〉直撃取材は八木誠=関西電力社長兼電事連会長!
そして鹿砦社といえば、名物直撃取材です。今回は八木誠=関西電力社長兼電事連会長が「ターゲット」です。果たして戦果は如何に?
◆小出裕章さんの最新講義録から全国各地の脱原発報告まで総力網羅!
更に贅沢なことに、今年3月で京都大学原子炉実験所を定年退職された小出裕章さんの登場です。退職後唯一非常勤講師を引き受けた関西大学で行われた講義の1回分、90分を全文掲載! 大学生を相手に、いつになく熱を込めて語る迫力満点の小出さん。終盤の衝撃的な内容は本誌でしか目にすることが出来ないでしょう。
他にも注目記事が満載です。福島事故の避難者加藤凛さん、第三次原発賠償関西訴原告の石塚路世さん、トルコ現地で原発反対運動を取材・研究した森山拓也さんの各報告は、ほとんどの読者には初めての目にする内容ではないでしょうか。
本誌常連の元博報堂の本間龍さん、納谷正基さんには引き続き思いを語って頂いています。こちらも重鎮、経産省前テント広場の淵上太郎さんはテントひろばの物語に加えて、国から提訴され争っている裁判を東京高裁口頭弁論陳述書の要旨を紹介しながら解説していただきました。その他全国各地の運動情報も満載。細かくは紹介しきれません。
総ページ数は176頁。これまでの「NO NUKES voice」と厚みが違います。質も量もです。今この内容の雑誌を出せる出版社があるでしょうか。宝島?無理です。岩波書店?無理です。週刊金曜日?無理です。だから鹿砦社がやるのです!
僭越ながら、今、脱原発・反原発ではこれ以上の内容はない!と鹿砦社は自信をもって世にその評価を委ねます。巻頭秋山理央さんの写真から、編集後記まで緊張感が途切れることがありません。
秋の気配が感じられるようになりましたが、熱の充満した「NO NUKES voice」5号(創刊1周年記念号)は文字通り「必読」です。今すぐ書店へ! (伊藤太郎)
『NO NUKES voice vol.5』──『紙の爆弾』2015年9月号増刊
2015年08月25日発売 定価680円[本体630円+税]
A5判/176ページ(巻頭カラー8ページ+本文168ページ)
NO WAR! ?NO NUKES!
戦後70年の2015年夏、するな戦争!止めろ再稼働!
戦後70年の夏を迎えた日本は、4年ぶりの原発再稼働と安保法案成立に抗う「新たな闘い」が始まった。
福島の復興、復旧も進まない中での原発再稼働、沖縄が日米両政府の意向に翻弄され続けての「戦争法案」
そこに共通するものとは何か。「犠牲のシステム」としての福島と沖縄が孕む根本的問題を暴く!
総力特集「福島─沖縄 犠牲のシステム」では高橋哲哉・東大教授と、
映画『標的の村』、『戦場ぬ止み』で話題の三上智恵監督による対談、
世界の最前線から真実を伝えるフォトジャーナリスト広河隆一さん(DAYS JAPAN)が語る原発事故の実態、
大田昌秀元沖縄県知事と佐藤栄佐久元福島県知事による基地、原発立地県の「闘う知事」対談をお届けします。
また、本誌特別取材班による八木誠関電社長への直撃ルポや、
原発とメディアの「不適切な関係」を暴き続ける作家・本間龍さんの連載といった“トガった”トピックや、
川内原発再稼働反対をはじめとした全国の最新運動情報も掲載!
世代、地域を超えて「新たな脱原発情報ネットワーク」の構築を試みる『NO NUKES voice』にご期待ください!
【主な目次】
《表紙・巻頭グラビア》ALL STOOD STILL Vol.5 『ローカルアイテム─プラカードと横断幕』
秋山理央(フォトジャーナリスト)
《総力特集》福島─沖縄 犠牲のシステム
フクシマ─オキナワ「犠牲のシステム」を超える加害責任の共有
高橋哲哉さん(東大教授)vs三上智恵さん(映画監督)
加害者は必ず被害を隠す 原発事故の実態──チェルノブイリから福島へ
広河隆一さん(フォトジャーナリスト)
基地、原発─「闘う知事」は語る
大田昌秀さん(元沖縄県知事)vs佐藤栄佐久さん(元福島県知事)
《講義録》核と原子力、そして人間の幸福──科学者の目、科学者の願い
小出裕章さん(元京都大学原子炉実験所助教)
《各地の原発再稼働阻止活動情報》
東京での九電東京支社抗議をはじめ、川内、高浜、伊方、志賀、玄海の各原発をめぐる再稼働阻止運動レポート
《全国からのレポート》
本間龍さん(作家) 原発プロパガンダとは何か? 第三回 福島民報・福島民友(二)
山崎久隆さん(たんぽぽ舎) 巨大なリスクを抱えたままの福島第一原発の止まらない汚染
淵上太郎さん(経産省前テントひろば) 経産省前テントひろばの実態とは何か─東京高裁高等弁論陳述書要旨
松浦寛さん(FB憲法九条の会) 脱原発から護憲運動へ
首都圏反原発連合 MCAN activity now! 首都圏反原発連合中央放送誌面版
……and more!
2005年7月12日松岡社長逮捕から丸10年目となる12日、猛暑の中西宮のCafeインティラミで「鹿砦社弾圧10周年復活の集い」が約70人参集の中行われた。
ではまず中川志大「紙の爆弾」編集長挨拶から幕を開けると事前にの広報にはあったが、松岡社長の挨拶と当時の様子の復元から始まった(松岡社長、待ちきれなかったか?)。
「兵庫の良心メディア」サンテレビが松岡社長逮捕時よりニュースで取り上げ、保釈直後のインタビューを含め都合5回オンエアーされていたニュース映像が会場に流された。サンテレビ関係者も会場に詰めかける中放映されたニュース映像は決して松岡社長逮捕=悪人といった今日主流の大本営発表報道と異なり、「我々にとっても他人事ではない問題ですので今後も注目してゆきたいと思います」といった原則に立脚した見事な番組構成だった。
松尾社長は逮捕されて以来検察による取り調べ、「人質司法」の問題などにつき経験を踏まえて語り、今年自身が教壇に立った関西大学の講義で学生に逮捕された際に全裸にされた話をしたところ、非常に強い反応が返ってきた事をにも触れた。
◆この10年──「検察は何も変わっていません。むしろ悪くなっている」(青木理さん)
次いでメインゲストの青木理(元共同通信記者・ジャーナリスト)さんが「検察はこの10年で変わったのか」のテーマで鹿砦社事件を絡めながら検察の問題点を解き明かした。「一言でいえば検察は何も変わっていません。むしろ悪くなっている」と切り出した青木氏は「話が苦手なので」との謙遜とは裏腹に、これまで豊富な公安・検察関係者取材経験の体験談と現在進行中の問題につき多くの材料を提供して下さった。
中でも興味深かったのは、実質的に10年前の「松岡逮捕劇」、「鹿砦社弾圧」を指揮した大坪弘道氏と取材で接触したことがあり、大坪氏を「目立ちたがり屋」だと見抜いていたと看破したことだ。
大坪氏は「松岡逮捕」「鹿砦社弾圧」に次ぎ小室哲哉逮捕、そして厚労省の村木厚子氏逮捕と世間の注目を浴びる「話題性」の高い事件を手掛けるが、それは一種の「賭け」のようなものでもあり、案の定村木冤罪で破綻を来たし、最後は自分の逮捕にまで繋がってゆく。検察にとっては戦後最大の危機を招いた人物だった。
しかし、検察はその後この危機を「刑事訴訟法の改正、盗聴法の実質無限拡大、司法取引の導入」という強力な武器を手に入れようとする策動に出て、閣議決定までなされえている。検察のあり様は「益々悪辣化している」と青木氏は結んだ。青木氏のお話は1時間には満たない物だったが、この日のお話だけで新書が1冊出来上がる程、警察の取り調べ、冤罪、捜査手法の問題、取り調べ可視化の必要性と留意点など多岐にわたっていて、私的にも大変勉強になった。
◆「私に暴力ではなく言論の可能性を教えてくれたのは『鹿砦社』松岡社長でした」(鈴木邦男さん)
その後鹿砦社お目付け役鈴木邦男氏が登場し「鹿砦社弾圧時から比べても検察は悪化しているし、それをマスコミは止められなかった」との概観が述べられ、加えて鈴木氏と鹿砦社、松岡社長の長年にわたる親交が披露された。
鈴木氏は松岡社長逮捕直後発刊された「紙の爆弾」で「新右翼だった私に暴力ではなく言論の可能性を教えてくれたのは『鹿砦社』松岡社長でした。この鹿砦社で好きなことを書かせてもらい『言論の力』を知った」とコメントを寄せている。テレビを含め東京のメディアからっも引っ張りだこの鈴木氏の「鹿砦社」への思いが特別な物であることが再度確認された。
◆検事や裁判官を1年くらい刑務所に入れて『研修』させたらどうか?
その後青木氏と鈴木氏の対話となり話が弾んだが、最も印象深かったのは「これだけ問題だらけの司法のあり様の解決策として、検事や裁判官を1年くらい刑務所に入れて『研修』させたらどうか」と言う提案をお二方が行ったことだ。
その後この日の集まりに連帯のメッセージを寄せられた「たんぽぽ舎」と、同志社大学で松岡社長の先輩にあたるニューヨーク州立大学教授矢谷暢一郎氏からのメッセージが松岡社長により読み上げられた。どちらも普段はおとなしく紳士的な老境にある方々だが、メッセージの中身はアジテーションそのものだ。切れがいい。
◆「今日こうやって無事でいられるのもひとえに皆様のご支援の賜物と感謝いたします」(中川志大「紙の爆弾」編集長)
最後に「紙の爆弾」中川志大編集長から「あの時はまだ25歳でしたが私も取り調べを受け『もっと人の役に立つ仕事をしなさい』、『お前も逮捕しようと思えばとやれるんやぞ』と言われました。10年経ってこうやって活動して来れたのも今日こうやって無事でいられるのもひとえに皆様のご支援の賜物と感謝いたします。今後もよろしくお願いいたします」と挨拶があった。
ここで一部は終了し、同じ場所で懇親会を兼ねた2次会が行われた。参加者の内50名以上が懇親会にも引き続き参加し、松岡社長のご指名により、不肖私が懇親会の司会を勤めさせていただいた。
◆西宮冷蔵水谷社長の御厚意による二次会も50名参加の大盛況!
紹介が前後するが、この日はサンテレビニュースの中で識者談話を寄せ裁判の支援者でもあった浅野健一同志社大学社会学研究科教授(地位係争中)、西宮冷蔵社長水谷洋一氏、元宝塚市長渡部完氏、元兵庫県警飛松五男氏、サンテレビの方々等も参加していた。
懇親会では今年度から松岡社長が非常勤講師として教壇に立っている関西大学から新谷英治文学部教授、鹿砦社イベントでは欠かすことの出来ない定番となった力強い言葉を書いていただいている書家龍一郎氏などから連帯のメッセージを頂き場はさらに盛り上がった。と、そこで思わぬハプニングが!
「ガンバレ・負けるな 鹿砦社・松岡社長」と書かれたビラが会場に配布され始めた。文面には「激励&懇親二次会のご案内」とありこのビラは西宮冷蔵の水谷社長によるものだ。そこにはなんと参加者全員を無料で二次会に招待頂けるという腰を抜かすような案内が書かれている。水谷社長は「松岡社長は私にとって命の恩人です。今日ここに私があるのはひとえに松岡社長のお蔭です、その感謝の気持ちを少しでも表したいので皆さんどうぞふるってご参加を」と呼びかけられた。「タダ(無料)」と聞いて家に帰るような人は関西人ではない。したがって我々ほぼ全員が水谷社長のご馳走になることになった。水谷社長本当にありがとうございました。
昼間の猛暑も夕方には浜風が吹き始め過ごしやすくなっていた。「弾圧10周年」は正直もう少し緊張に満ちた堅苦しい会になるのではと予想していた。内容の充実振りは予想通りだったが、それ以上に鹿砦社・松岡社長を囲む人々の人間性とその多様さが優しい空間を醸し出した時間だった。
今更ながらではあるが、松岡社長をはじめ鹿砦社の皆さん、10年間本当にお疲れ様でした。まだまだこれからよろしくお願いいたします!
▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。
◎2005年7・12鹿砦社弾圧事件――関与した人たちのその後
◎7・12「名誉毀損」に名を借りた言論弾圧から10年──鹿砦社は復活した!朝日新聞、当社広告を拒否!
◎「松岡社長逮捕は当然」か?──関西大学「人間の尊厳のために」講義の白熱討論
◎〈生きた現実〉の直撃弾──鹿砦社松岡社長が自身の逮捕経験を「告白」講義
◎『噂の眞相』から『紙の爆弾』へと連なる反権力とスキャンダリズムの現在
タロット占いを全裸で行うファンタジーヌード写真集「占―うらな《嬢王様の時代》」(板坂剛編著 写真/上田治躬)が鹿砦社からついにリリースされた。
「占」(うらな)は、一部のファンから「嬢王様」と呼ばれた特別な存在で、その不思議な世界感を鬼才、板坂剛氏がテキストで描きこんでいく。
板坂はこうつづる。
「タロット・カードを手にする前に、《占》は全裸になる。頭の中を空っぽにして、神経を過激な状態にして、自らの予感を待つ。私の最奥部から、吹き上げて来る予感が、内臓を貫き、咽喉にまで。熱と快い痛みを伴って到達すると、《占》の手は、何枚のカードから一枚を選び出す。裏返しにされたカードの表には、確かに彼女の予感が描かれている。(中略)カードに身をまかせることで、《占》は孤独に陶酔する時を得るのだが、その時間が長ければ長いほど日常との距離はますます遠くなる。(以下略)」
このあと、さらにテキストはエロチックに展開していくのであるが、もったいないので、あとは買ってのお楽しみとしておこう。
さて、官能的な文章を書くのは実に難しい。
さんざんぱら、エロい原稿を実話雑誌に求められて来たが、私は実にエロい文章が下手だ。実は、板坂先生の領域には一生、辿りつかないだろう。
かつて、フランス書院の官能文庫大賞向けに僕が書き始めた原稿のエロいシーンはこうだ。
あとでさんざん、小説の「師匠」に直されて四苦八苦して「内外タイムス」に掲載されたのだが、恥をしのんで『一稿』を出せば、オフィスでの社内恋愛で、仕事ができる男性社員が美女を社長ととりあう物語で、最初に登場するエロいシーンはこうだった。28歳のときの原稿だ。まあ、もしチャンスがあればじっくりと「エロスの伝道師」、板坂先生の指導を仰ぎたいものだ。
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「悦楽の摩天楼」 2章――1
次の日の午後十時。最上階の二十五階にある社長室では、代表取締役の田尻雄大が、ビリヤードに興じていた。今夜の田尻は、機嫌がよくなかった。社内の〈秘密の宴〉や〈裏ボーナス制度〉などを探っているネズミがいると、名取から報告を受けたからだ。
田尻が興じているのは、ただのビリヤードではなく、六か所あるポケットでは、それぞれ全裸の女が九十度、開脚して球を待っていた。
《(株)システム・ガーディアン》の若き独裁者、田尻はもともとプログラマーでメカ・オタクだった。大学在学中からウイルスの駆除ソフトを研究していくうち、ついに日本でもトップクラスのセキュリティ会社に成長させた。
マスコミの寵児となった田尻の秘密。それは女子社員を性奴隷にするこの「儀式」だ。
田尻はうまくキューを捌いて、ジャンプ・ショットで九番のボールを、白くて引き締まった肌の女、大林彩加に向けて放つ。
球はバックスピンが掛かり、彩加の秘部を十回転以上こすった。スポットは傾斜しており、股間に向かって滑っていく。
重力に加えて球には、ある程度スピンを掛ければ半永久的にスピンが掛かる仕掛けがしてある。なおかつ球には感度が増すクリームが塗ってあった。
田尻はキューを球に押しつけた、グイッと球が彩加の奥へ入っていく。
「ああああ、擦れていますぅ」
ストレッチのごとく両脚を九十度開いた体勢の彩加は、白くて丸い尻をよじらせ、田尻を見つめた。
「いやらしい女だな」
ほかの五人の女は羨ましそうに田尻と彩加を見ている。
田尻は彩加を弄びつつも、秘書課長の蓬莱由紀に肉棒を銜えさせている。
田尻は、社内ではミス・クールと呼ばれる優秀なユーティリティ・スタッフの由紀が、田尻の前ではただの雌犬と化ける過程を楽しんでいた。
「ほらほら、もっと舌を使え」
田尻は由紀の髪を掴み、グイグイと自分に近づけていく。
「あっ、あっ、殿様。そんな……」
肉棒を深く銜えすぎて咽せる由紀を、まだ離さない。
ゴホッゴホッと喉を痙攣させて、白目を剥いて、由紀は倒れた。
「なんだよ、由紀。もう、おしまいか」
「そういえば、お前は、オークションの宴に出ていたな」
「おかげさまで、秘書課に配属されました」
直立不動で彩加が通った声で返事をした。
「秘書課は、他の女子社員に比べて、給与が一桁ちがう。なぜか、わかるか」
「はい。田尻社長専属の奴隷にさせていただけるからです」
田尻は大きく頷いた。やはり秘書課に配属されるまでに、名取を筆頭に子飼いの取締役連中にそれ相応の「調教」を受けてきたと見える。
田尻は全裸の彩加にエプロンをつけてやり、ワイシャツを脱いだ。
田尻は内線電話のボタンを押した。
「総務か。この部屋はアツい。二十四度にしろと注意しただろう」
女子社員たちは一同、例外なく緊張した面持ちだ。
「お前を解雇する。明日から、来なくていい」
田尻は、脱いだワイシャツを空中に投げた。女子社員がすぐに駆け寄り、ワイシャツを床から拾って畳む。丸太のような二の腕で彩加を抱き寄せた。田尻がビリヤード台の上に座る。ビリヤード台の上に座ったまま、正座している彩加を見下ろしている。
「しゃぶれ。中腰でだ」
正座のまま、腰を上げて屹立した肉棒を下から上に遡るようにして舐め上げていく。
彩加の脚が「く」の字に曲がり、白い脹ら脛が見えた。田尻は冷静に彩加のテクニックを確認するため、彩加の舌の動きに集中した。
舌先が肉棒のカリに移った。やわらかい舌の裏で時計回りに田尻の肉棒を包む。田尻はビリヤード上にあるキューを彩加の秘芯にあてがって、こすりつけた。
「あーん」
甘い声で反応した彩加に「感じるのか」と尋ねつつ、田尻はキューを真上から彩加に振り下ろす。
「んぐっ。ありがとうございます」
彩加が涙が頬を伝うのが見える。
由紀が目を覚まして起き上がった。直立不動で田尻と彩加の「儀式」を見つめている。
田尻はドンッと彩加を蹴って窓際に歩いていく。
「由紀、名取に伝えておくんだ。最近の宴は、ゆるいってな」
田尻は女社員からワイシャツを受け取った。
「車を回せ。帰る」
不機嫌に吐き捨てた田尻は、背広を着て出ていった。
「悦楽の摩天楼」準備原稿より
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どうだろうか、僕は板坂氏の才能には嫉妬する。恋い焦がれたエロい写真と文章が、今、鹿砦社からリリースされた写真集としてここにある。
ああ、そして僕はなんと才能に恵まれなかった。もしかしたら20代で「占」で出会えていたら、才能は開花したのだろうか、エロスの神様、教えて欲しい。
僕みたいな淡泊なエロスとちがい、板坂氏と撮影した上田氏、占で作る淫猥な空間は、確かに「エロスの粘り」というものが天地を満たすほどに展開されている。もし占と板坂氏が許せば、この占の世界をこのブログで…などと希望してしまう。
そうした意味で「占」も、安っぽい風俗嬢とは一線を画した不思議少女で魅力満載だが、板坂氏のエロいテキストも続きが見たいというのは、僕の本音である。
巷のくだらないヌード写真集やAVよりも、千倍倍エロい写真と、そのあたりの官能小説家よりも一万倍、エロいテキストをどうかこのフォトエッセイでご堪能あれ。
(小林俊之)
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◎写真集問い合わせ 鹿砦社 0798-49-5302
「紙の爆弾」を購読している全ての皆さん!「紙の爆弾」を読んでいなくても「検察」や「国」の横暴に危機感を抱く皆さん ! 特に関西地区在住の皆さんに訴えます。来る7月12日西宮で開催される「鹿砦社弾圧10周年復活への集い」へ圧倒的な参集を勝ち取りましょう!
10年前の7月12日、国家権力(検察)は敵意を剥き出しに鹿砦社に襲い掛かりました。当日朝日新聞1面に掲載された、松岡社長逮捕見込みを伝える検察のリーク記事から、神戸地検特捜による松岡社長逮捕勾留という前代未聞の弾圧は幕を開けました。
恥ずかしながら僕はその時、非正規の仕事をしていたので、疲れ果てて新聞を読むこともなく、鹿砦社への弾圧、松岡社長逮捕というこの大事件を知りませんでした。その後で詳しい事情を松岡社長から聞かされて、とんでもないことが起こっていたのだと知り、怒りが湧きました。そしてその当時、何も協力できなかったことを申し訳なく思いました。
でもどうでしょう皆さん。2005年から10年が経ち、鹿砦社は誰もが予想できなかった「復活」を遂げたのみならず、言論界では無視できない存在感を持つまでに「転生」しています。テレビや大手マスコミが政権の拡声器化する中、鹿砦社は一歩も原則を後退させることなく、この10年を闘い切ってきたと僕は思います。
季刊誌「NO NUKES voice」の発刊は鹿砦社から再度の「闘争宣言」と言ってもいいと思います。「脱(反)原発」に特化した雑誌の発刊は会社としての収益などと全く関係なく、ひたすら「こんなもの許せるか!」という怒りと過去無意識であった反省から発案されたものだと思います。僕はこういう雑誌を発行してくれる鹿砦社の本社が東京でなくて甲子園の横にあることに嬉しさを感じます。
◎[参考動画]鈴木邦男さん(一水会)の発言(杉並脱原発集会、2012.2.19)
◆青木理さん、鈴木邦男さんと共に「表現の自由」、「言論の自由」を考える
7月12日にはジャーナリストで公安や検察に詳しい青木理さんがゲストです。鹿砦社の「守護神」鈴木邦男さんも駆けつけてくださるそうです。言論弾圧を受けた松岡社長は事件後「酷い記事を書くからあそこはやられても仕方がないと言う人がいますが、やがて弾圧がそう言っている人達にも広がる可能性があることを考えてください」と繰り返し発言していました。松岡さんの予想は残念ながら外れました。多数の大手メディアは「弾圧」を受ける前に「自主規制」により、自ら言論・報道機関としての「死」を選択してしまったのです。
◎[参考動画]2012年6月30日国公法弾圧事件シンポジウム──最高裁は「表現の自由」を守れるか:青木理さん(約22分)
言論が死滅しつつある「焼野原」の中で僕たちはもう一度、「表現の自由」、「言論の自由」を考え確認しましょう!
今国会では戦争をするための法案が審議されています。鹿砦社弾圧10年後に「国民総弾圧・統制」と言うべき法案が審議されているのは不幸な偶然と言うべきでしょうか。
そんなものは絶対に許さない! 弾圧を跳ね除け、言論だけでなく国民生活への総弾圧=戦争が画策されている今こそ、断固とした言論による闘争を強化しようではありませんか。
再度7・12皆さんの集結を呼びかけます!
(伊藤太郎)
◎[参考動画]2005年12月16日「ムハハ no たかじん」ゲスト:鈴木邦男(約38分)
◎松岡利康-2005年7・12鹿砦社弾圧事件――関与した人たちのその後
◎松岡利康-7・12「名誉毀損」に名を借りた言論弾圧から10年──鹿砦社は復活した! 朝日新聞、当社広告を拒否!
朝日新聞広告掲載拒否に関連して、この事件に関与した人たちのその後を想起してみました。
まずは神戸地検にリークしてもらって“官製スクープ”で紙面を大きく飾った平賀拓哉記者。当時彼は27歳、その後、2010年、大阪地検特捜部による厚労省郵便不正事件の取材チームに入り、証拠改竄で当時の大坪弘道大阪地検特捜部長を逮捕・失職に追い込み、これは新聞協会賞を受けています。
この大坪検事が神戸地検特別刑事部長に就任して最初の事件が鹿砦社弾圧事件ですが、この時、平賀記者は神戸地検からリークしてもらい“官製スクープ”をものにするわけです。こういうことを、三井環氏によれば「風を吹かせる」というそうですが、平賀記者にリークしたのが、大坪検事か、それとも主任検事の宮本健志検事か判りませんが、いずれにしろリークしてもらった神戸地検特別刑事部のトップが大坪検事でした。
その5年後、平賀記者は大坪検事を追い落とす朝日の取材チームの一員となります。因果なものです。
大坪検事は鹿砦社弾圧の後、大阪地検特捜部長に昇り詰めますが、上記したように、厚労省郵便不正事件証拠改竄に連座し、東京地検と並び検察の雄、大阪地検特捜部長が逮捕・失職に追い込まれるという前代未聞の事件に巻き込まれます。
鹿砦社弾圧事件を指揮したのは大坪検事ですが、その直下の主任検事が宮本健志検事で鹿砦社の地元の甲子園出身です。
宮本検事は2005年7月12日当日、神戸地検に連行された私に直接手錠を掛け、取調を行った検事です。
その後、宮本検事は徳島地検次席検事に栄転し、その際、深夜に泥酔し一般市民の車を傷つけ平検事に降格、戒告処分を受けています。車の持ち主が示談に応じなかったならば懲戒免職ものです。なんとか検事の身分は守ったものの、その後、当時大坪検事が居た京都地検に平検事として赴任しています。
さらに、私をブタ箱送りにした大手パチスロ会社「アルゼ」(現ユニバーサルエンターテインメント)はフィリピンカジノ建設について汚職が報じられて、FBIなどの捜査がいまだに続いているといいますし国税も入っているそうです。これをスクープしたのが、これまた朝日、そしてロイターでした。「ユニバーサル」は朝日、ロイターを訴え、私たちの時とは桁違いの熾烈な裁判闘争が続いています。さらに巨額の株主請求訴訟も起こされています。早晩、なんらかの“結論”が出るものと思います。
平賀記者はともかく、私をハメた人たちには不幸が続きました。「マツオカの呪いか、鹿砦社の祟りか」と揶揄される所以です(苦笑)。「因果応報」――古人もよく言ったもので、人をハメた者は、いつかはみずからもハメられるということです。
先の私の逮捕記事と併せ、画像でアップした3つの新聞記事をご一覧ください。
(鹿砦社 松岡利康)
去る4月7日に月刊『紙の爆弾』は創刊10周年を迎え、東京ではライターさんはじめ90名ほどの方々にお集まりいただき、盛況裡に祝っていただきました。
また、同誌創刊直後に突然なされた、「名誉毀損」に名を借りた言論弾圧からも、この7月12日で10年を迎えます。この10年は筆舌に尽くし難い苦闘の日々でしたが、皆様方のご支援により地獄から這い上がり復活することができました。私たちはまず、このことを皆様方にご報告すると共に、同日弾圧の舞台となった西宮に集まり共に今後の前進を誓い合いたく思います(別途HPイベント案内参照)。
2005年7月12日早朝、後に厚労省郵便不正事件証拠隠滅に連座し逮捕・失職するに至る大坪弘道検事に指揮された神戸地検特別刑事部の一群が私の自宅を急襲、本社・東京支社への大掛かりな家宅捜索を行い、私を神戸地検に任意同行し、神戸地検に到着するや逮捕しました。その後、神戸拘置所に移送、全裸にされ尻の穴や性器まで入念にチェックされるという“儀式”(これを、今春からおおせつかった大学の講義で話すと学生諸君は大きな衝撃を受けたようです)を経て独房へ、自らの逮捕を、その日の早朝、一面トップにでかでかと載った朝日新聞で知りましたが、拘置所で流されたラジオでも聴きました。
家宅捜索や捜査は続き、大手取次会社3社、関西の大手書店3社、製本所、倉庫会社、株主会社、取引会社などにも及び大掛かりなものでした。なかでもショックだったのは、日頃「表現の自由」「言論・出版の自由」を口にする大手取次会社や大手書店が、いとも簡単に検察の要求に応じ、関係資料を提出したことでした。
否認しましたので半年余り(192日間)の長期勾留を強いられ、そのうち半分が接見禁止となり、業務上の指示など外部との交通ができなくなりました。否認したら長期勾留も当たり前ということを「人質司法」というそうですが、裁判所が「人権の砦」とか「憲法の番人」とかいうのであれば、「司法改革」は、先の“儀式”とか、こういうところから改めるべきではないでしょうか。
ここまでやられても、一部に「鹿砦社だから仕方がない」とか「これは言論弾圧ではない」とか言われ悔しい想いもしました。会社も壊滅的打撃を蒙り、誰もが見放したと思いますが、ここはどっこい、悪運の強さでは人後に落ちない鹿砦社、“徳俵”に足を残し多くの皆様方のご支援で生き延びることができました。
弾圧から5年ほどで、見通しが明るくなり、その間、本社事務所も倉庫としていたワンルームの学生アパートに蟄居していましたが、2010年9月、甲子園に帰って来ることができ、本社事務所も再開できました。もう甲子園に帰って来ることはできないと思っていましたので、本当に嬉しかったです。
月日の経つのは速いもので、あれから10年、『紙の爆弾』はいまだに続いていますし、鹿砦社は今一番元気な出版社といわれます。ありがたいことです。
この事件の一審判決文に「表現の自由に名を借りた言葉の暴力」という一節がありますが、私に言わせれば、社会的犯罪企業・検察・司法一体となった弾圧は、「名誉毀損に名を借りた言論弾圧」の何物でもありません。
この10年のいろいろなことが走馬灯のように想起され、いささか感傷的になりますが、運良く生き延び復活したことを、ご支援いただいた皆様方と共に喜び合いたいと考え、7月12日、復活の集いを開くことにしました。多くの皆様方のご参集をお願い申し上げます。
ご参加希望の方は鹿砦社本社(電話0798-49-5302、メールアドレスfukumoto@rokusaisha.com)あてご連絡ください。もうかなりの方々の参加申し込みがありますので、お早めにお願いします。先着50名の方に、7・12直後の混乱の中で発行された『紙の爆弾』2005年9月号を進呈いたします。併せて、1部終了後の懇親会ご参加の方はその旨お伝えください。
◆朝日新聞、当社広告を拒否! 検察リークで“スクープ”したくせに恥を知れ!
私たち鹿砦社は奇跡の復活を果たしました。この証として、鹿砦社弾圧を1面トップででかでかと“スクープ”した朝日新聞(大阪本社版)に半5段のスペースで、くだんの7・12に広告(別途画像参照)を掲載すべく早目に(2カ月ほど前に)代理店を通して申し込みました。なんとか掲載するために、料金も朝日広告局が提示した300万円ほどをそのまま呑みました。
ところが、「書籍広告ではない」「(私の逮捕)記事を使えない」等々の理由で掲載を拒否したのです。
この記事は、「朝日新聞」のロゴの左側に掲載されましたので、そのままロゴも入れ画像にして貼り込んで掲載を申し込んだのですが、このロゴも使えないというのです。この記事の画像なしには、今回の広告の意味がありません。
この記事の当事者中の当事者は私松岡ですし鹿砦社です。朝日は、私や鹿砦社をネタに官製記事を作ったくせに何を言ってるんですか!? それに、神戸地検からリークしてもらい、さらにそれを隠して甘言を弄し、私から資料を提供され持ち帰ったのは、当時神戸司法記者クラブにいた朝日の平賀拓哉記者(05年7月12日の記事は平賀記者の署名入りなので顕名にする)だったことを忘れてはいませんか? 恥を知れと言いたいところです。
(鹿砦社 松岡利康)
◎〈生きた現実〉の直撃弾──鹿砦社松岡社長が自身の逮捕経験を「告白」講義
◎「松岡社長逮捕は当然」か?──関西大学「人間の尊厳のために」講義の白熱討論