『NO NUKES voice』衝撃8号本日発売! 【特集】分断される福島

福島〈反原発〉のローザ・ルクセンブルク、佐藤幸子さん(撮影=大宮浩平)
NNV08号表紙の人は〈脱原発〉大熊町議の木幡ますみさん(撮影=大宮浩平)

『NO NUKES voice』第8号がいよいよ本日25日発売となった。熊本を襲った前例のない長期間にわたる地震の被害は読者の皆さんも心を痛められていることだろう。阪神大震災の時もそうだった。関東、東海地方には大地震の到来が予想されていたが、まさか神戸を中心に壊滅的な大地震が来ると予想できた市民は皆無に近かったし、熊本の人びともそうだろう。気象庁はついに今後の予想について「わかりません」と発言するに至っている。

しかし、不幸ではあるが、もし川内原発が熊本の地震の影響で過酷事故を起こしていたら、被災者の方々の生活はさらに語り尽せない悲劇に覆われていたのではないか。5年前の福島では、防護服を着た人間がマスクもつけない子供達の被曝線量を測っていたおぞましい姿が蘇る。

〈メディアの危機〉の前線で抗い続けるTBS「報道特集」キャスターの金平茂紀さん

◆【特集】分断される福島――権利のための闘争

今号も本誌は福島に足を運び、現地の人びとの声を頂いた。【特集】分断される福島──権利のための闘争では大熊町議会議員に当選された木幡ますみさん。政府のあやふやな説明、官僚の逃げ腰を許さずに最前線で怒りをぶつける姿が印象的な佐藤幸子さん。ご自身国政選挙に出馬することにより被災地の問題を全国に問いかけた木田節子さん。南相馬市の汚染地帯に住みながらも新しい運動の模索を続ける國分富夫さん。どなたからも悲惨な現実と格闘する穏やかながらのっぴきならない、現実に直面する人の凄みが伝わってくる。諦めと忘却を「時間」という武器を用いて待ち受ける政府や東電に対する揺るぎのない闘いの意思は健在だ。

〈学〉の世界で闘い続ける京大「熊取六人衆」の今中哲二さん

◆金平茂紀さん、今中哲二さん、中嶌哲演さん──必読の3大インタビュー

TBSテレビ報道特集でおなじみの金平茂紀さんはテレビ人の中では原発問題に詳しい屈指の人だろう。金平氏が語るテレビ報道の現状はいかなるものか。本誌だけへの告白が注目だ。

今中哲二(元京都大学原子炉実験所・助教)さんからは事故が起きてしまった今日の闘う戦術について原子力の専門家の立場から語って頂いた。

中嶌哲演さんは名刹、明通寺の住職でありながら福井県の反原発運動の先頭で闘い続ける哲学を仏教者の立場から伺った。

いずれも反原発の世界では欠くことの出来ない個性と知性が織りなす3大インタビューは誇張なく全国民必読だ。

◆爆弾対談! 『世に倦む日日』田中宏和さん×松岡利康本誌発行人

そして、『NO NUKES voice』は広範な多様性を認めあう運動や思想を指向する。その結果として現在避けて通れない問題が所謂「反原連」による一方的な断絶宣言から生じた問題である。

反原連の中心人物はその後「反差別」運動へとウイングを広げるが、ここでもやはり「排除の論理」を横行させ数々の問題を引き越こしている。昨年あたかも何か新しい学生の運動のように登場した「シールズ」は彼らがお膳立てした学生のタレント部隊に過ぎないこと、そして彼らの主張が実は「憲法9条2項」改憲であることは重大な問題であるにもかかわらず、これまでのところ主要メディアでは一切報じられていない。

その問題性を人気ブログ『世に倦む日日』を主宰する田中宏和さんと本誌発行人の松岡利康とが激論! 文字通り内容は「爆弾対談」となった。反原連―しばき隊―シールズに通底する暗部を余すところなく暴き出す。

「しばき隊は黒百人組!」と喝破した松岡利康本誌発行人
顔出しOKで爆弾対談に臨んでくれた「世に倦む日日」主宰の田中宏和さん

「爆弾対談」に加えて松岡論考「再び反原連への異議申し立て!―人の思いや好意には真摯に答えよ!異論を排除しない自由な運動への願い」。この題名はやや無いものねだりの感もぬぐえないが、果たして松岡氏の意図は如何に。

◆執念のおっかけ直撃取材は〈シニア右翼の女神〉櫻井よしこ氏!

そして、暫く鳴りを潜めていた「鹿砦社名物」直撃取材、今回は「あの」櫻井よしこ氏を自宅前で取材に成功!しかも櫻井氏は質問にも答え始めたため予想外の展開となった。逮捕一歩手前で敢行された取材班の成果にもご注目を!

執念で実現した〈シニア右翼の女神〉櫻井よしこ氏の自宅前直撃取材!
岩波新書『原発プロパガンダ』が話題の本間龍さんによる連載報告も衝撃的!

その他全国からの運動報告も満載だが、すべてを紹介することが出来ない。少なくとも前号『NO NUKES voice』7号発刊後からこの間、高浜原発再稼働時の事故による緊急停止、大津地裁における運転差し止めの仮処分決定。再度の言及になるが、熊本を中心とする例のない長期間に及ぶ大地震、そして5月17日には関東地方でも震度5弱の地震と、文字通り日本列島は激震常態が続いている。

地震の制御が出来ない以上、人災を最小限に食い止める=原発全機即廃炉しか日本列島住民に未来はないことを私たちは何度でも訴える。抗うことなしに花など咲きはしない。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。
    
   
   

『NO NUKES voice』08号【特集】分断される福島──権利のための闘争
5月26日発売!「世に倦む日日」田中宏和『SEALDsの真実――SEALDsとしばき隊の分析と解剖』

いまこそ論争を! 『NO NUKES voice』8号と『SEALDsの真実』が今週刊行!

『NO NUKES voice』08号【特集】分断される福島──権利のための闘争

鹿砦社の総反撃がいよいよ開始される。熊本の大地震を目の当たりにしながら、川内原発の運転を停止しない、原発マフィアどもに、反原発運動の仮面を被りながら、その実、警察権力と手を携え、ひたすら「排除の論理」で唯我独尊に陥った「反原連」へ、そして、「反原連」を出自とする、リンチ事件が専ら噂のしばき隊、その子分で「9条改憲」を持論とする「シールズ」の諸君へ!

◆25日(水)、『NO NUKES voice』第8号発売開始!

第一段は今週25日(水)発売の『NO NUKES voice』第8号である。第一線で闘ってきたジャーナリスト、研究者、市民運動家にご登場頂き、各持ち場での持論を展開して頂く。三者三様の立場から我々が学ぶべきものに限りがないことを、改めて認識させられる。

また、福島に寄り添う気持ちを忘れないためにも、今号も現地福島に取材班が足を運んだ。過酷な現実と向き合いながらも、将来を切り開こうとする揺るぎない意思をご紹介する。決して楽観論のみでは語れない福島の現実を私たちは直視してゆこうと考える。

田中宏和『SEALDsの真実――SEALDsとしばき隊の分析と解剖』

◆27日(金)、「世に倦む日日」田中宏和さんの『SEALDsの真実』発売開始!

そして27日の金曜日(場所によってはそれよりも早く)には「世に倦む日日」主宰、田中宏和さんによる『SEALDsの真実』がいよいよ書店に並ぶ。アマゾンで告知した直後、一時は人気第一位を記録した注目の問題作だ。

奥田愛基がすぐにTwitterで鹿砦社に対して侮蔑的な書き込みをしたことからも明らかなように、本書の出版については「シールズ」に関わった人々がかなりナーバスになっているようだ。しかし、心配は不要である。本書は「シールズ」に対して正面からの問題提起を行うものであり、彼らの庇護者である「しばき隊」が常套手段として用いる、恫喝、罵声浴びせ、身分明かしなどといった卑怯な手法は、当然の事ながら一切用いられてはいない。あくまでも社会科学的に「シールズ現象」とその背景についての考察が加えられた、学術書に過ぎない。しかしながら、であるからこそ、実は彼らにとっては痛撃となる可能性は低くないだろう。ツイッターの140文字空間にだけ、生息場所を持っている窮屈な言論に慣れ切った御仁には少々難解であるかもしれないが、それこそ「勉強」の為に、是非とも「シールズ」のメンバーには一読をお勧めするし、反論があれば是非有益な議論を交わしたいものである。

しばらく、大人しくしている間に、随分と座視できない〈事件〉が立て続けに起こっているようだ。その中に〈犯罪〉まで含まれているというから事は穏やかではない。

◆雑誌と書籍の使命は闊達な言論を喚起することだ!

『NO NUKES voice』8号は(毎号そうではあるが)編集部が総力を挙げ、やや危険と思われる水域にも敢えて足を踏み込んでいる。そのくらいの危険を冒すことなしに闊達な言論を喚起することはできないであろうし、雑誌を提供する者の最低限の義務だと私たちは考える。原則はゆるぎない。原発全機即廃炉を目指し、読者諸氏からの叱咤を期待する。

『NO NUKES voice』は決して不偏中立ではない。科学と人道に立脚しながら、非人間的存在である「原発」とそれが包含する「差別構造」を常に視野に入れながら敵を撃つ。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

『NO NUKES voice』08号【特集】分断される福島──権利のための闘争
5月27日発売!「世に倦む日日」田中宏和『SEALDsの真実――SEALDsとしばき隊の分析と解剖』

「紙の爆弾」2016年4月号の記事について、お詫びと訂正

「紙の爆弾」(発行・株式会社エスエル出版会 発売・鹿砦社)について、お詫びと訂正

「紙の爆弾」2016年4月号の記事『音楽配信ダウンロード数偽装疑惑 「スペースシャワー」が起こされた「未払い訴訟」』におきまして、下記の通り訂正させていただきます。

◆91ページ 2段5行目
誤 二三〇〇万円
正 約二三〇〇万円

◆91ページ 2段見出し
誤 「廃盤商品」なのに配信・レンタルされた
正 全国販売契約したCDが突如廃盤に

◆93ページ 1段18行目
誤 代理人弁護士の野村晋明さん
正 代理人弁護士の野村晋右さん

以上、関係各位、および読者の皆様にお詫びいたします。

2016年3月8日
「紙の爆弾」編集部/株式会社エスエル出版会

タブーなきスキャンダルマガジン『紙の爆弾』7日発売!

気鋭の憲法学者、木村草太氏の白熱講義!──第5回「前田日明ゼミin西宮」

2月28日(日)、前田日明ゼミ in 西宮(第5回)がゲストに木村草太首都大学東京准教授を迎え、「憲法と日米安全保障の重大問題~メディアが伝えない重大問題」をテーマにノボテル甲子園で約100名参加の中、行われた。

木村草太=首都大学東京准教授を迎えての第5回前田日明ゼミin西宮(2016年2月28日開催)

春めいた晴天の中、定刻通りに14:00松岡社長の挨拶から会は始まった。事前に配布されていたタイムスケジュールでは木村氏、前田氏それぞれ30分ずつ講演の後休憩をはさんで両氏の対談、と告知されていたが木村氏が聴衆へ配布する極めて詳細なレジュメをご用意頂いたなどの事情から冒頭1時間程度木村氏が講演を行った後に、前田氏との討論に入るという形式で会は進行した。

◆一体あの「安保法案」は何であったのか?

安保法制参議院特別委員会の参考人として同法案に「反対」の意見表明をおこなった木村氏は明快ながら実に多くの要素が盛り込まれた6頁にわたるレジュメにそって、一体あの「安保法案」は何であったのか、また国会内で交わされた議論の中で注意を払うべき個所はどこにあるか、さらにはほとんど報道されることがない(したがって国民にほとんど知られていない)「付帯決議」の存在などを明らかにした。

憲法学専門の木村氏にとっては極めて初歩的な講義だったのであろうが、大学の講義のような雰囲気で進行される立て板に水のお話についていくのには、かなり頭が錆びついている私にとっては結構な集中力を必要とした。

「安保法制」の全体像を理解するため「武力行使と治安活動」の定義から始まり、国際法(国連憲章)は原則として「武力不行使原則」(2条4項)を定めていること。その例外として「集団安全保障措置」(憲章42条)が国連安保理決議を根拠に認められてはいるものの、国連安保理決議には内容が不明確な場合が多いという問題を孕むこと。「個別的自衛権」、「集団的自衛権の行使」要件などが詳述された。

この辺りの知識を昨年の議論以前に広く国民が知っていれば国会や特別委員会で首相や、防衛大臣、外務大臣から答弁された内容の多くに基礎的な誤りが多く含まれていたことに、もっと敏感な反応があったのではないかと考えさせられる内容だった。

◆安保法制は「違憲」もしくは「不要」

写真右から前田日明氏、木村草太氏、松岡利康鹿砦社代表

続いて日本国憲法が「武力行使」をどのように定めているか、そしてそれにはどのような議論があるかが紹介された。「武力行使」といえば「9条」がすぐ頭に浮かぶが国民の幸福追求権を定めた「13条」にも「武力行使」(とりわけ個別的自由権の議論)は深くかかわりがあると紹介された。

さらにそもそも憲法の原則は「組織法的な権限規定」であることが説明され、政府に負託された権限は「行政権」(国内統治作用のうち立法・司法を控除したものと「外交権」(外国の主権を尊重して関係を取り結ぶ権限)に限られることが明らかにされた。

その後、憲法から見た安保法制への数点の指摘の後、結論として「安保法制」はそもそもそれ以前イラク戦争に日本が派遣した行為に対する「反省」、「検証」が全くなされていないとの言及があった。

イラク戦争への自衛隊派遣については名古屋高裁が2009年4月17日に「航空自衛隊の活動の一部は違憲である」との判決がある。外務省は「イラクの大量破壊兵器が確認できなかったとの事実については、我が国としても厳粛に受け止める必要がある」とこっそりHPには掲載しているもののそれは4頁に過ぎない短い文章であることが木村氏により批判された。
「普通虐めで子供が自殺したら4頁の報告書で済ませるという事はないと思いますが、戦争に加担しておいて僅か4頁の検証は軽すぎるのではないか」。
まさにその通りだと首肯した。

そして安保法制の「法的」課題や、現実に「集団的自衛権」が違憲ではないかどうかを木村氏は解析し「違憲」もしくは「不要」と結論付けた。

次いで安保法制は成立してしまったものの国会答弁では横畑法制局長官や中谷防衛大臣、そして安倍首相本人から、かなり「武力行使」を困難にする言質が取れていること、及び元気・改革・次世代の三党が付帯決議と閣議決定を求めるよう与党に要請し、それが実現している(このことが殆ど報道されていないが大きな意味を持つ)ことが語られ講演は終了した。

前田日明氏と木村草太氏の白熱討論

◆前田日明氏と木村草太氏の白熱討論

休憩をはさんで前田氏との議論に移った。前田氏は終戦時以来のサンフランシスコ講和条約の不可思議さ、国連における旧枢軸国に対する「敵国条項」が未だに完全に撤廃されていない状況などから「改憲」などは無理であり、隠された問題の本質は他にあるとの説を展開し、それに関連して日本と同様敗戦国であったドイツでは憲法がどのようになっているのか、国際社会でドイツはどのように扱われているのかを木村氏に問うた。

木村氏は日・独の憲法(ドイツでは「基本法」と呼ばれた)の成り立ちの違いや政治制度の違いのポイントを挙げて解説し、日本とは相当な歴史的違いがあることが明らかにした。

対談の最後には司会松岡社長の指名で、この日聴衆として参加していた西宮ゼミ第一回のゲストでもあった鈴木邦男さんが感想を述べた。
「昔右翼をやっていた時は押し付けられた憲法を変えてしまえばそれですべてが解決すると思っていたが、最近の動きを見ると押し付けられたものであれ何であれ、戦争をしない憲法で闘うという木村さんの姿勢が大変印象的だった。憲法を変える必要はないでしょう」と語った。

本来は会場から集められた質問に木村氏、前田氏が回答する予定だったが、熱のこもった討論に予定時刻はあっという間に過ぎてしまい前田日明ゼミ第5回は終了した。

◆最終的には国民投票で可決されるのは難しい

第1回前田ゼミのゲストだった鈴木邦男氏も参加。「戦争をしない憲法で闘うという木村さんの姿勢が大変印象的だった」と語る

引き続き講師のお二人を含め希望者が懇親会に移った。どうでもよいことだが、木村草太氏は健啖家だった。多数の人から語りかけられ、それに答えながらも絶妙なタイミングで料理の並ぶカウンターへ何度も足を運びたくさん召し上がっていた。

歓談に忙しい合間を縫って私は1点だけ質問した。
「ここ数年の流れを見ると『改憲』が現実味を帯びてきたように思う。マスコミの加担は益々露骨で安倍政権の支持率が現在も5割近い。かつては考えられない現象が起こっている(森政権退陣前の支持率は3%を割っていた)。自民党も選挙で『改憲』を明言するようだが『改憲』の現実的可能性についいてはどうお考えになるか」。

これに対しての答えは「最終的には国民投票で可決されるのは難しいと考えるので『改憲』はないのではないかと考える」というお答えだった。

これまで様々なホストとゲストの組み合わせで5年に渡り行われて来た「西宮ゼミ」の中でもアカデミックな色合いがことさら強く、多くを学ぶことが出来た1日となった。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

◎『NO NUKES VOICE 』VOL.7本日発売!「反動」と決別し、再決起戦闘宣言!
◎高浜原発4号機一次冷却水漏れ事故から分かる原発再稼働の無理

『NO NUKES voice』Vol.7!福島原発事故から5年──その現実と社会運動の行方

いつも何度でも福島の声を!──『NO NUKES voice』第7号が2月25日発売開始!

『NO NUKES voice』第7号が2月25日発売される。まずは表紙に注目して欲しい。この看板に読者諸氏は見覚えがないだろうか。私も直接現地で見たことはない。けれども双葉町に建てられたこの残酷にも、あっけらかんとした「原子力明るい未来のエネルギー」は講演会のスライドなどで何度も目にしたことがある。それ以上に実際は見たことがないくせに目に焼き付いたような感覚すらある。誤った既視感だが。

いつも何度でも福島の声を!──『NO NUKES voice』第7号2月25日発売

この秀逸にして残酷な看板の標語に採用された大沼勇治さんが本号には登場する。大沼さんは採用されたこの「不幸」な運命をたどる標語の撤去に断固反対している。表紙で「原子力『制御できない』エネルギー」の「制御できない」部分を掲げているのは大沼さんご自身だ。

大沼さんの思いを私がここで紹介するのははばかられる。是非本号に凝縮された大沼さんの思いを直接お読みいただきたい。

ちなみに大沼さんは本業の傍ら国内外からの取材が絶えず、本号出版から3月まで大手メディアの取材予定が引きも切らないそうだ。その取材の中には不肖私が昨年横浜で講演を聴き、その感想を本誌で綴った辺見庸氏を含む共同通信の取材もあると聞いている。

『NO NUKES voice』は本号から編集長が松岡利康氏から小島卓氏へと変わった。編集長交代に際して両氏の間で「なによりも福島を中心とした被災地の声と共に歩む」方針が確認されている。大沼さんが巻頭を飾る『NO NUKES voice』第7号はその思いを体現している。

予め決められていた行程通りではあるが、本年4月1日から家庭向け電力の「自由化」が始まる。広瀬隆氏にはその意味と課題、さらには「新電力」選択の際の留意点などを示唆して頂いた。新電力には一時「脱原発派」の振りをしたソフトバンクなどが電力会社と利益分散を巧みに計算し参入している。要注意であるし焦ってはならなない。「原発退治」の絶好の機会を残念な形にしては意味がないので是非広瀬氏の論考にはご注目頂きたい。

若手政治学者の旗頭的存在、白井聡氏にはご存知鈴木邦男氏がお話を伺った。「永続敗戦論」の鮮烈なインパクトが印象的な白井氏。果たして「原発問題」をどう斬るか。

同じく大学で教鞭を取る下地真樹先生には「市民運動」を中心に語って頂いた。大阪府警に令状逮捕された下地先生には「筋金入り」のイメージを持つ方も少なくないかもしれないが、インタビューでは意外な展開と見解が明らかにされる。下地先生の立ち位置、考えも是非直接読みいただき、少々感嘆して頂こう。

そして本号でもまた炸裂した「松岡砲」!題して「さらば、反原連(首都圏反原発連合)!――わたしたちはなぜ反原連に絶縁されたのか」。「信義則」、「内部干渉」を理由に一方的に「絶縁」を宣言して来た「反原連」と鹿砦社(とりわけ松岡前編集長)の間には何があったのか?そしてなぜ『NO NUKES voice』は「反原連」を唾棄すべき団体と断じるに至ったのか。本稿も様々な反響を呼ぶことは必至であろう。「セクトを排する」はずが自ら最悪の「セクト主義」に堕落した「反原連」。一時は多大な支援を行っていた松岡前編集長の逆鱗は原発問題に興味のない方々にとっても一読の価値ありだ。

本号からグラビアページは「ある特殊な事情」により前担当者から大宮浩平氏へと引き継がれた。大宮氏は「警察が趣味、機動隊大好き」などという馬鹿ではない。早速活力溢れるカットを読者に提供することになった。さらに乞うご期待!

各地の運動報告では福島原発事故避難者の河村幸子さん。玄海原発のプルサーマル運転と闘う石丸初美さん。匿名報道の実践と原発反対を貫いた南海日日新聞の元記者近藤誠さんの逝去を悼む浅野健一さん。高浜原発再稼働直前集会や経産省テント前広場からの報告など全国からの肉声が届けられる。

連載では本間龍さん、渋谷三七十さん、納谷正基さんの常連陣のボルテージが上がる。前号まで連載に名を連ねていたいくつかの団体は姿が見えない。連載を打ち切り、本号から姿を消した団体、個人は「反原連」同様、鹿砦社並びに『NO NUKES voice』を「切り捨てた」方々と断じて頂いて構わない。

翻訳、論考が一流であることは周知だが、最近パロディーとくに「替え歌」で非凡な才を発揮し続ける佐藤雅彦氏は本誌上でのマッドアマノ氏的地位を確立しつつある。小倉利丸氏は「核と被曝社会をなくす世界社会フォーラム」への参加を呼びかける。

腐敗、堕落分子が一掃された『NO NUKES voice』第7号は前号までと明確に色合いを異にすることを確信する。しかしその評価は読者諸氏に委ねる。忌憚のないご意見、ご感想を頂ければ幸いである。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

2月25日発売!『NO NUKES voice』Vol.7!

「先頭で行動する政治学者」山口二郎氏を迎えて前田日明ゼミ第4回開催!

1月16日西宮市甲子園ノボテルで第4回の「前田日明ゼミ」がゲストに法政大学教授で政治学者の山口二郎氏を迎え80余名の参集のもと行われた。

松岡社長の挨拶に続き、山口氏の講演がはじまった。「おとなしくアカデミズムの世界で仕事するのは終わりかなと考え東京に移った」という山口氏は、この間、先頭に立って行動してきた学者である。

山口二郎氏

「天皇制と、戦争放棄が密接な関係にある憲法、天皇陛下の方が安倍総理より余程真っ当な歴史認識を持っている、無責任な支配の特徴、主観と客観の区別がつかない。かつての自民党には官僚出身の合理的政治家、地べたを這いずるように弱者を助けようとする政治家がいた。政治に蔓延する『反知性』主義、今年は闘いの年、自由は突然奪われるのではなくひたひたと圧迫や弾圧のレベルが上がってくる。民主主義をどう育てるか、私自身も野党結集を画策している。選挙に行かないとどうにもならない。安倍政治が本当にいいかどうか考えたら変わる。やればできる」(山口氏)

山口二郎氏と前田日明氏

休憩をはさんでホストの前田氏との対談に移った。

前田氏が対談で訴えたことは、「小泉政権から始まった偽りのグローバルスタンダード」「安倍政権は経団連株を買っている」「学生の連中も安保法案に対いて頑張った。そこが日本政治を変えて行けるように期待している。次の選挙は18歳から選挙権が与えられるので注目している」ということだった。

これに対して、山口氏も強い危機感で反応した。
「日本はまとまった見解を米国にぶつけたことがない。それが出来る政治家を作り上げていかなければいけない」「選挙で下手をすると二大政党制は無くなってしまう」「政権奪取の意欲が民主党に薄れている」「自信喪失。新しい物を議論すればいいのに、おおさか維新と組みたいとか『集団的自衛家』一部容認など言い出せば国民への訴求はない」

前田氏はさらに「日本の美しさ、理念の破壊が90年代頃から進んでいる。日本人は自国のものでなくとも技術を磨きそれを改良していく美しい連鎖があったが、アメリカの『グローバルスタンダード』で潰されそうだ。そのきっかけを作ったのは小泉純一郎だ」と喝破する。

次いで両氏が最近の動向について意見を交わす。

山口 大人が若者に利用され搾取されている。マスコミの現場の人が頑張って視聴者が応援していく。

前田 はっと気づいたらおかしな時代になっているのではないか。安保法制はどうとも思わないけど憲法9条は絶対守るべきだと思う。自国は自国で守るべきだと。国として自衛をするんだったら自分は賛成。自衛隊法のような不備な法律では戦えない。でも安倍はアーミテージから言われたこを実行しているだけ。

丁々発止の議論がテンポよく行われた。次いで会場からの質問が出された。

質問者「日本へのアメリカの影響力具体的な行動を教えてください」

山口 「90年代から日米安保運用が変化してきた。実務的には既に様々な関係がある上に安保法制を上乗せするのはおかしいと言うのが言いたかったこと。でも米中には絶対戦争しない黙約がある。尖閣も棚上げて数十年前に戻すべきだと思う。これからISの地上戦にアメリカが進む時に日本はどう対処するかを考えておくべき。ISを軍事力で解決できるかという問いがある。下等生物は切っても、切ってもまた増殖する。アメリアの軍事力行使と距離をおいて考えていくべきだ」

前田 「東京オリンピックにおける『テロ』が怖いと思う。報道にも大きな問題があり一概にISが悪いとは言えない。アメリカの誤爆、誤射にも大きな原因がある。安倍首相はそこで何か起こったら『ほらこんな体制では危険だろ』といってさらに強化を図ろうと考えているのではないか」

と多岐にわたる話題展開され、あっという間に終了時間を迎えた。

「ゼミ」終了後はお二人の講師を交えて懇親会が行われた。時あたかも甘利経済再生担当大臣への1200万円の賄賂疑惑が沸き起こり、株価は連日暴落を続けている。
益々の混迷が明らかな2016年。鹿砦社主催の「西宮ゼミ」は今年も多様な価値をお届けし続けることだろう。

次回2月28日(日)には木村草太氏をゲストにお招きし手の開催が決定している。受講ご希望の方は早目のお申し込みを。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

◎第3回「前田日明ゼミin西宮」──田原総一朗氏を迎えて聴衆120人の大盛況!
◎第1回前田日明ゼミ開催!──新右翼鈴木邦男さんと「真の愛国者」を問う!

『紙の爆弾』!タブーなきラディカル・スキャンダル・マガジン

新年のご挨拶

昨年は「デジタル鹿砦社通信」のご拝読、ありがとうございました。

まだまだ皆様方のご期待に応えられていませんが、
本年は、皆様方のご期待に応えるように、
これまで以上にラジカルに展開したいと思っております。

メディアが本来の使命を忘れ死滅していこうとしていく中で、
ささやかながら私たちは一致して、
さらに<タブーなき言論>を突き進んでいく所存です。

本年も、旧年に倍するご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

2016年1月1日
「デジタル鹿砦社通信」編集部/執筆者一同

鹿砦社大忘年会の宴!「前へ!前へ!」と走り続け、どんな議論も引き受ける!!

忘年会たけなわの季節だ。「いやいや1年間あれこれありましたが、ご苦労様でございました」と労い合うこの習慣、強制されるのでなければ私は嫌いではない。

実は鹿砦社も毎年関係者を集め忘年会を開いている。文字通りの「鹿砦社大忘年会」である。今年は12月14日東京、東京編集室近くの水道橋で行われ80余名が結集した。司会進行は例年通り『紙の爆弾』で鈴木邦男の対談をプロデュースしている椎野礼仁さん。松岡社長の挨拶、マッドアマノさんの乾杯の音頭で歓談が始まった。

2015年鹿砦社大忘年会「もっと前へ!前へ!」(揮毫=龍一郎さん)

『紙の爆弾』や『NO NUKES voice』への寄稿者や出版関連の社長さん、編集者、ライターらに交じって「プリズンコンサート」で有名なPaix2(ぺぺ)をはじめ、芸能関係者の姿も。敢えて名を秘すが「サプライズゲスト」の社会派お笑いコンビが登場するや、忘年会は一気にフィーバー! また、脱原発や救援活動など社会運動関係者の姿も多い。

◆『紙の爆弾』創刊10周年、「言論・出版弾圧」から復活10周年だった鹿砦社の2015年

Paix2(ペペ)のお二人からのご挨拶

しかしこの忘年会の特徴は、なんといっても鹿砦社が参加者を無料で招待することだ(今年もご馳走様でした、鹿砦社の皆さま)! こんな太っ腹で大丈夫なのだろうか、と参加者が気を遣っている様子が一向にないのがまた鹿砦社の招待客らしい(何を隠そう私自身もそうだけど)。鹿砦社が10年前の壊滅的打撃から回復の兆しが見えた頃から支援してくれた方々への1年に1度の恩返しの意味でこの「大忘年会は」始まったという。

今年は鹿砦社にとって、月刊『紙の爆弾』創刊10周年。まさに悪夢だった「言論・出版弾圧」から10周年の記念すべき年だった。東京と本社のある甲子園で各10周年の記念イベントが行われ、そこにも鹿砦社の再起を祝う多くの人びとが集まった。
名誉毀損での松岡社長逮捕・勾留という致命傷に近い「弾圧」を受けながら10年後にこの姿で復活どころか、弾圧前を超える勢いで走り続ける鹿砦社の姿を想像できた人は少なかっただろうし、それを実現した松岡社長や中川編集長をはじめとする鹿砦社の皆さんの奮闘は察して余りある。

◆雑誌の原点──様々な立場、意見の人びとを紹介し、議論を喚起する媒体

「前へ!前へ!」と走り続け、どんな議論も引き受ける!!

そんなメモリアルな年にふさわしいというべきか、「ちょっとした事件」が忘年会を前に起こっていた。脱原発雑誌『NO NUKES voice』第6号は「脱原発と反戦・反安保─世代を超えて」を特集したが、そこでは安保法制反対運動を担った方々の生の声に加えて松岡社長自身による8頁に及ぶ「解題 現代の学生運動──私の体験に照らして」が掲載された。「解題」を読んで私はこれは賛否両論の大きな議論に発展するに違いないと直感した。

その予感通り、「解題」を含め『NO NUKES voice』第6号は壮絶な大論議を巻き起こし、特にネット上では相当の議論が交錯した。「雑誌」は本来、様々な立場、意見の人びとを紹介し、議論を喚起するのが社会的に期待される役割だろう。その役割を果たせる雑誌が減少している証左を図らずも証明することとなったのが『NO NUKES voice』第6号が巻き起こした大論議である。初めて買った方が大いに共鳴し、30冊まとめて購入し、仲間に配布したという知らせもあったという。

発行元としては大いに歓迎すべき闊達な議論が沸き起こったのだけれども、かといって雑誌を世に出せば「はい、それでおしまいよ」というほど出版や社会運動の世界は優しい場所ではない。詳細は省くが、この間、友好関係にあった反原連(首都圏反原発連合)から突然の絶縁声明が出されたのだ。

『NO NUKES voice』第6号ではほとんど直接的な反原連批判がなされているわけでもなく、また松岡社長の反原連への入れ込みようは傍で見ていてもハラハラするほどで、資金支援も相当してきたそうだ。なのに……。この過程の中で「老害」「内政干渉」などと詰られ鹿砦社は多少なりとも傷を負ったことも事実ではある。しかし、そんなことは、かの「弾圧」の経験に比べればこれっぽっちのかすり傷ですらない。むしろ前を向かせてくれるエネルギーでしかないと私は思う。

「前を向く」、そして「走り続ける」。どんな議論でも引き受ける。厄介であっても結構。いやむしろ社会の欺瞞を暴き、誰もがそれに口を閉ざすのであれば、敢えて「火中の栗を拾う」のが鹿砦社の使命と言ったら言い過ぎか。「虎穴に入らざれば虎児を得ず」を実践し手に入れた貴重な「虎児」は脱原発だけにとどまらない大議論であり、今日の閉塞した言論状況への挑戦状ですらあったといえよう。

忘年会では長年脱原発に取り組む「たんぽぽ舎」の柳田真さん、またわざわざ仙台から駆けつけてくださった、同誌で連載されているFM放送のプロデューサー・納谷正基さんからのスピーチで前述の議論へのそれぞれの立場からの言及があった。不肖私もご指名を受けたので思うところを偽りなく述べた。皆が同じ意見、感想ではない。それでいいじゃないか。参加者には言論や社会運動における多様性の重要さを再度認識させられる、楽しくも考える場面もある貴重な時間となったのではないだろうか。

◆年に一度の大盤振る舞いの宴は怒涛の二次会へと!

松岡利康=鹿砦社社長

そうしたことなどを松岡社長に聞いてみた──。

「今年は昨年の2倍ほどの皆様にお集まりいただき嬉しかったですね。毎年これに合わせ頑張り、それなりの出費は見込んでいるのですが、今年は50万円余り掛かりました(苦笑)。年に一度の大盤振る舞いで、皆様方に喜んでいただき、また来年頑張っていただけるのであれば安いものです。田所さんも言われるように、今年は内憂外患、ちょっとシンドいことがなかったわけでもありませんが、10年前に逮捕され半年以上も勾留されて、10年前の今頃は神戸・六甲の山の上の”別荘”でのた打ち回っていたことを想起すると全然軽いものです。今年、情況を察して、こんなにお集まりいただいたんじゃないでしょうが、皆様方から叱咤激励賜り、私たちの気持ちを察していただいたことに感謝いたします」

しかし、反原連による絶縁声明については、「脱原発運動のために泥仕合はしたくないので今は敢えて何も語りません。ミサオさんらにも面子や意地があったのでしょうから、恨んだり憎んだりしてはいません」と語るのみだ。

それにしても多彩な業界からの80名の参集は並みでは味わえない「勢い」を感じさせられて余りある。

でもそれだけでは終わらないのが鹿砦社忘年会の恐ろしさだ。場所を四谷に移して、なんと2次会も希望者は無料でご招待! それだけじゃーないぞ。もう終わったから告白するけども、松岡社長の長年の”悪友”たる板坂剛氏が編集し上田治躬氏が撮影を担った「占」(うらな)≪嬢王様の時代≫の主人公である「占」さんが二次会には登場。松岡社長があの噂の「全裸タロット占い」のターゲットとなった。いいのか! 今時こんなことをしていて! 気の小さい私は万が一警察に踏み込まれたら……と気が気でなく会場の鍵を閉めてドアのノブを握り占めていた。

怖いものはないのか?と聞いてみたくなる図太さと怒涛の勢いを見せつけられた「鹿砦社大忘年会」であった。残念ながら読者の皆様へは事後報告しかできないが、来年もまた盛大な忘年会をご報告したい。
恐るべし、限界なしの鹿砦社である。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

◎2015年再考(1)「シャルリー・エブド」襲撃事件と表現の自由、力学の軋み
◎2015年再考(2)橋下ファシズム台頭の起源──TV×維新×虚言の愚劣な結託
◎笑止千万「軽減税率」!議論すべきは消費税引き上げの「ぼったくり」税制だ!
◎挙句の果ての「1億総活躍」──狂気、矛盾、悪意、恫喝づくしの安倍暴走政権
◎隣のクルド人──「国を持たぬ民」が日本社会で暮らすということ

月刊『紙の爆弾』!タブーなきラディカル・スキャンダル・マガジン
「脱原発」×「反戦」の共同戦線総力誌『NO NUKES voice』第6号!

 

原発は菅直人×武黒、反戦はSEALDs×ハンスト学生の『NO NUKES voice』第6号!

この夏は熱かった。11月も後半になり記憶が薄れかけている向きもあろうが、安保法案をめぐる抗議行動は国会周辺だけでなく全国で多彩に闘われ、そこではこれまで少なかった若者の姿があった。その中心としてメディアの寵児にのし上がった感すらある「SEALDs」。中心メンバーの奥田愛基さんは国会でも発言するなど多くの注目をあつめた。「本当に止める」、「民主主義ってなんだ」といたフレーズがネット上でも飛び交い、大きな話題となった。

だからこそ、本日11月25日発売の『NO NUKES voice』(NNV)第6号の特集は「脱原発と反戦・反安保」だ。

◆菅直人元首相の「告白」から見えてくるマスメディアが伝えてこなかった真実

まず、特集の頭を飾るのは、当時首相であった菅直人さんの激白だ。「いまこそ、私の話を聞いてほしい なぜ、あの時、情報が正しく伝わらなかったのか?」は、反原発運動に長年携わってきた槌田敦さん(物理学者)が聞き手となることにより、他媒体では決して実現できない踏み込んだ事実をいくつも掘り起こしている。首相官邸内でどのような思案がめぐらされたのか、情報は正確に伝わっていたのか、最高責任者として事故直後福島に飛ぶ決意をした理由とは……。息をのむような事実がこのインタビューでは明らかにされている。

少しだけ種明かしをすれば、「菅インタビュー」は今日のマスメディアが重要な事柄を全くと言っても過言でないほど「伝えていない」ことを示す証拠を読者に提供してくれる。

◆「SEALDs」奥田愛基に鹿砦社松岡社長が挑む激論生録インタビュー!

「SEALDs」奥田さんへのインタビューは発行人である松岡社長自らが敢行した。このインタビューは「提灯持ち」視点からのそれではない。よってこれまで他のメディア(一部右派メディアを除く)で紹介されたのとは全くことなる角度から遠慮なく疑問がぶつけられており、「SEALDs」現象が一体何だったのかを理解するためには必読だ。

同時にやはり松岡社長自ら斬り込んだミサオ・レッド・ウルフさんへのインタビューも「激論」と表現しても過言ではないだろう。「反原連」の指導者として、これまでもNNVに登場したミサオ・レッド・ウルフさんへの松岡直撃は予定調和と対極に位置する。反・脱原発運動が今後進むべき道筋、3・11後これまで歩んできた道程を振り返り、成果と問題点を浮かび上がらせる示唆に富んでいる。「反原連」支持者、「反原連」に違和感を抱く方双方にとって読み逃すことが出来ない。

◆「SEALDs」現象と対を成す「ハンスト実行委員会」の学生たちの座談会実現!

若者の活躍では「ハンスト」を戦術に闘った「ハンスト実行委員会」の座談会は内容において「SEALDs」現象とは一線を画す「硬派」のそれと言えよう。僅か10数人のメンバーが4人のハンスト実行者を支え、最長149時間のハンストを戦い抜いた学生たちが見据える未来は「現状肯定」ではなかった。「SEALDs」現象との対比は必ずや読者に強い刺激となるだろう。

◆鹿砦社が執念で実現した武黒一郎=元東電副社長のおっかけスクープルポ!

そして、鹿砦社といえば名物「直撃取材」だ。今回のターゲットは元東電副社長で検察審議会により強制起訴が決定した「武黒一郎」だ。我が取材班の執念は果たして実ったのか……。捕捉した! 武黒の変わり果てた姿を長時間の張り込みの末に自宅で激写に成功!武黒と取材班のやりとりも執念のなせる技。NNV取材班の執念恐るべしである。

◆上野千鶴子さん、鎌仲ひとみさんの熱きインタビュー、各地の運動報告もますます充実!

他にも社会学者の上野千鶴子さん、映画監督の鎌仲ひとみさんなど熱きインタビューが盛りだくさんだ。そして、特集を締めるのは今号で編集長を降りる松岡社長による「解題 現代の学生運動―私の経験に照らして」である。自ら「SEALDs」や「ハンスト実行委員会」に接触し、語った松岡社長にとって「学生運動」は他者のそれではなく、現在の彼を規定している一部である。自らの経験とこんにちの「学生運動」を解析し若い世代へ送る辛口のエール。この文章は「ヘサヨ」、「ブサヨ」といった語彙を持つ方々からはたいそうな顰蹙を買うであろうし、賛否両論激論を喚起すること必至だ。

運動報告では経産省前テント広場裁判「被告」の淵上太郎さんが東京高裁の不当判決を糾弾し、高木久美子さん(笑顔でつながろ会代表)、本間龍さん(元博報堂)、渋谷三七十さん(ライター)、納谷正基さん(『高校生進路情報番組ラジオ・キャンパス』パーソナリティー)、中村通孝さん/松浦寛さん(FB9条の会)など全国各地の情報が満載だ。

雑誌は「総力特集」、「全力取材」をキャッチコピーに多用するが、NNV6号は誇張抜きに取材班が「総力」を挙げた濃密な報告と思想と行動が詰め込まれている。今すぐ書店へ! (田所敏夫)

タブーなき総力取材!「脱原発」×「反戦」の共同戦線雑誌
『NO NUKES voice (ノーニュークスヴォイス)』 第6号
11月25日発売!

●主な内容●
秋山理央(映像ディレクター、フォトジャーナリスト)
ALL STOOD STILL Vol. 6『冬ニモマケズ』
[報告]淵上太郎さん(経産省前テントひろば裁判「被告」)
経産省前テント裁判控訴審 東京高裁不当判決に抗議する!
[報告]本誌特別取材班
福島原発事故A級戦犯=武黒一郎(東電元フェロー=副社長)を直撃!

[特集]脱原発と反戦・反安保―世代を超えて
[インタビュー]菅直人さん(元内閣総理大臣)
いまこそ、私の話を聞いてほしい なぜ、あの時、情報が正しく伝わらなかったのか?
[インタビュー]上野千鶴子さん(社会学者)
知っていたのに 何もしなかった私も 共犯者だった
[インタビュー]鎌仲ひとみさん(映像作家)
映画と一緒に旅しながら民主主義のエクササイズ続ける
[インタビュー]Misao Redwolf さん(首都圏反原発連合)
再び脱原発のコールの爆発を!──今後の超党派市民運動の行方
[提案]佐藤雅彦さん(ジャーナリスト)
うたの広場
[インタビュー]奥田愛基さん(「SEALDs」メンバー)
デモするたびにパクられてたら 俺、国会行ってないすよ
[座談会]学生ハンスト実行委員会
私たちは直接行動で状況を切り開こうとした
[報告]松岡利康(本誌発行人)
解題 現代の学生運動―私の体験に照らして
[報告]高木久美子さん(笑顔つながろ会代表)
3・11 放射能汚染に負けない! 笑顔でつながり、みんなで立ち上がろう!
[報告]本間龍さん(元博報堂社員、作家)
原発プロパガンダとは何か?(第四回) 福島民報・福島民友(三)
[報告]渋谷三七十さん(ライター)
地獄への道案内は罪! もはやつける薬がない「原発推進メディア」を斬る!
[報告]納谷正基さん(『高校生進路情報番組ラジオ・キャンパス』パーソナリティ)
反原発に向けた想いを次世代に継いでいきたい(5)
このシリーズの連載を始めた真の意味を、そろそろ打ち明ける時がきた……
[運動情報]中村通孝さん/松浦寛さん(FB憲法九条の会)
原発をゼロにしてから死ぬのが、大人の責任だと思う
ほか

NO NUKES! NO WAR! 板坂剛と松岡社長がデモの先頭で「反原発×反戦」を叫ぶ!

すっかり秋真っ盛り。TPPは妥結、23人目のノーベル賞受賞者誕生、ラグビーはW杯で未曾有の2勝、阪神は終盤で例年通り凋落と目出度いのやら、怪しいのやら見極めにくい日替わりの新聞の見出しは横目で眺めていればよい。

今、あまり知られてはいないかもしれないけれども、書店では1つの「事件」が進行している。何を隠そう、鹿砦社が全力を傾注し季刊で発行している『NO NUKES voice』5号が俄然注目を浴び読者が拡大しているのだ。

例えば、さる9月23日代々木公園で「さようなら原発 さようなら戦争全国集会」が数万人の結集で行われたが、鹿砦社は盟友「たんぽぽ舎」ブースを拠点に『NO NUKES voice』宣伝チラシ配り闘争を貫徹した。その数1500枚。集会参加者のほとんどが快く受け取って下さり、「知ってますよ!買ってるよ」との声も多数頂いた。

◆デモの先頭で横断幕を持った板坂氏と松岡社長が渋谷の街を練り歩く!

松岡社長以下鹿砦社の街宣行動はチラシ配り闘争貫徹で勝利を見たのだが、状況はそれだけでは許してはくれなかった。なんとデモのほとんど先頭で横断幕を持って歩いてくれとの要請が!

勿論デモ程度に怯えるヤワな我々ではない。しかも何故か「あの」板坂剛氏が赤い心に赤いシャツを纏い隊列に加るのだという。板坂氏はデモ開始前に「渋谷で大暴動を引き起こす!」と不敵な宣言を小声で発する。皇室ポルノ事件で『噂の真相』を震撼させて以来、この人行くところにはなにかが起きる。果たしてどんなデモになるのだろうか・・・。



(渋谷は大混乱に陥った。数万の人民がデモ隊に合流し「安倍打倒」を連呼し、スクランブル交差点では渦巻きデモが唸りをあげ、渋谷界隈は完全な「解放区」となった)

という夢を見たが、どこまでが事実でどこからが妄想か区別がつかない。そうだ写真が残っている。どうやら「渋谷大暴動」は夢の中だけだったようだ。デモは成功裏に無事終了した。しかしデモの先頭で横断幕を持つ松岡社長の姿に違和感を覚えるのは私だけであろうか(これって彼の言う『焼香デモ』じゃないの・・・?)。

◆沖縄の書店では岩波『世界』の横に『NO NUKES voice』が並べられていた!

しかしもう一つの写真がある。読者から提供を受けたこの写真は、先月沖縄の大手書店で撮影されたものだ。

よく見てほしい。岩波の『世界』の横に『NO NUKES voice』が並べられている。この事実に「ヤマトンチュ」は震撼しなければならない。反原発の視座から「福島―沖縄犠牲のシステム」を特集した同号が、このように闘いの最前線、沖縄で「世界」の隣に平積みされているのだ。私は「『世界』の横に並んでるぞ!」と浮かれているのではない。戦いにおいて「権威」など何の役にも立ちはしない。最前線に位置する人びとが持ち合わせる繊細な感性こそが本質を射抜くのだ。それを証明しているのが沖縄における『NO NUKES voice』5号に向けられる視線である。

反原発を語るにあたり、反戦争、反差別は当然すぎる前提であって、それらを排除したいわゆる「シングルイシュー」的取り組みなど何の力も持ちえないことは、賢明な読者諸氏には語るまでもないだろう。

単視座に陥ることなく、そして「タブーなき」視点から『NO NUKES voice』は問いを、戦線拡大を訴え続ける。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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◎橋下「維新の党」離党の茶番──マスコミが取り上げなければ橋下は終わる

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「裸の王様」安倍晋三!安保法成立でさらに高まる批判
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など、
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するな戦争!止めろ再稼働!『NO NUKES voice vol.5』創刊1周年記念特別号!