「出かけないでください」と生活に干渉する、アンケート調査の精度はどうなのか?

新聞やテレビで用いられるアンケート結果には、実際の世論を反映しているのか? と疑問が持たれることも多い。
先日、日本リサーチセンターの調査員が、「ご協力のお願い」を投函していった。
それを見ると、日本リサーチセンターは、2012年7月には「五輪の東京招致について」というアンケートを行い、「賛成56.8%」という結果が、日本経済新聞、毎日新聞、読売新聞に掲載されたとのことだ。これまでに、「中国に対する意識調査」「政策の認知と広報に関する調査レポート」「数字は語る 子ども手当の使い道について」などの調査を行っている。

今回の調査内容は、「自動車についてのアンケート」だという。
「ご協力のお願い」が投函されていたのは土曜日だが、「明日、伺います」と調査員のメッセージが記されている。
かつては夜型の生活をしていた私だが、昼型の生活に変えた。
だが、土曜日だけは夜更かしし、日曜は朝寝をしている。それくらいは、庶民に許されたデフレ時代の贅沢だろう。朝寝にはお金はかからない。

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JR北海道に見る、革マル派とJR総連の来し方

「安全管理体制が機能していないことが明らかになった」
太田昭宏国交相は10月15日の閣議後会見で、9日から12日までの4日間、JR北海道に対して行った特別保安監査の結果について、そう述べた。
事故や不祥事、レール異常の放置など、トラブルが続発している、JR北海道。
原因の一つに現場のコミュニケーション不足が指摘されているが、その背景に労働組合どうしの確執がある。

JR北海道には、80%強が加盟するJR総連系のJR北海道労組(約5600人)、約8%のJR連合系のJR北労組(約550人)、約2%の国労北海道本部(約130人)と、3つの主要労組がある。
最大勢力のJR北海道労組は、2008年11月から導入されたアルコール検知器に対して、「前日に飲んでいなければやらなくていい」などと言って、組合幹部が率先して拒否し続けてきた事実がある。
組合幹部は組合員に対して、他労組と飲みに行くことや、結婚式に呼ぶことを禁じるだけでなく、他労組の組合員との会話を禁じて、業務伝達も困難になることも多かった。

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電子書籍による個人出版はどうなんだ!? 企業と揉めたライター奮戦記 20

岡田くんとは新宿駅で待ち合わせをし、ランチをとることとなった。
東京は全くわからないというので私が店を見つけ予約することにした。新宿には比較的良く行くので私が店の予約を取ることに関しては特に何も思わなかったが、徐々に彼が他人任せの性格だと知ると自分で予約しなかったのも納得できる。

岡田くんはランチをとりながら自分たちの会社のチームが行いたいプロジェクトを私に説明した。その話を簡単にまとめると個人出版からベストセラーを生み出そうというプロジェクトだ。そしてその大きなプロジェクトの枠組みの中に雑誌を作るというものがあった。岡田くんの会社がおかもとの名義で運営しているサイトから発信するWEBマガジンを作りたいという。そして、その制作を手伝ってほしいと言った。

WEBマガジンには連載作を何篇か入れてもらい、隔週で発行したい。連載後は話をまとめて一冊のkindle本として発売し、その後、岡田くんの働く会社は印刷所を持っているので紙の本でも発行したいと話す。すでにオンデマンドの印刷は行っているという話もしてくれた。最終目標はその本が書店に並びベストセラーになることだと語る。
「今日、但野さんと話して様子を見て上司に話そうと思うんですよね。今も、上司も交えて数名のチームでサイトの運営してるんですけど、もし上手く行きそうならさらに上の方に話持って行こうと思っています」と言った。

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ヒグマとの共生を考える、知床の人々

居酒屋などに、吠える熊のイラストともに「熊出没注意」と書いたポスターが、シャレで貼ってあるのを、ときたま見かけることがある。
知床の自然センターにも、まったく同じものが貼ってある(写真)。こちらはシャレでなく、本当にヒグマが出るのだ。
ヒグマは街にまで出てきて、学校の校庭に現れたり、民家に入り込んで食べ物をあさったりしているのは、時折ニュースなどで報じられている。

かつて、熊は人を恐れていた。
危険なのは、山中で不意に遭遇してしまい、熊が人に襲いかかることだった。
熊のいそうな山を歩く時は、ザックに鈴をつけて鳴らし、人がいることを知らせれば危険は少なかった。
だが今、熊は人を恐れなくなった。

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弁護士冬の時代なのに、「一般人が文句を言うな」という弁護士会の奢った態度

弁護士の不祥事が目立つようになり、この背景には、弁護士となっても生計を立てていけない人が増加している事情があると指摘されている。

そして日本各地の弁護士会には、懲戒請求が増加している。ところが、昔から各弁護士会は身内をかばってばかりで、なかなか懲戒しない。そこには勿論くだらない懲戒請求もある。橋下徹弁護士が関西ローカルの下品な番組でデタラメを言い煽ったものは論外だが、それ以外にも、自分の依頼を断ったというだけで懲戒請求する人などがいる。そこに付け込んで、弁護士会は懲戒請求を十把一絡げにしてしまう。

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東京地裁の「虚偽記者席」訴訟で不当なごまかし判決

当欄で経過をお伝えしてきた東京地裁の「虚偽記者席」問題をめぐる国家賠償請求訴訟で、東京地裁(山田明裁判長)は1日、原告のフリージャーナリスト・今井亮一さんの請求を棄却する判決を言い渡した。今井さんは控訴する意向。

訴状などによると、今井さんは2011年5月から2012年9月にかけて東京地裁(多和田隆史裁判長)で、東京高裁警備員の頭を殴るなどしたとして公務執行妨害などの容疑で逮捕、起訴された大髙正二さん(72)という男性に対する計13回の公判を取材。大髙さんは無実を主張しており、事件前から裁判所に批判的な活動をしていたこともあって、一部で冤罪疑惑が囁かれていた(結果、懲役1年2月の実刑判決を受け、現在は東京高裁に控訴中)。そんな事件の公判で、東京地裁は毎回5席の傍聴席に「報道記者席」とプリントされた白いカバーをかけ、司法記者クラブに所属しない今井さんら一般の傍聴希望者を頑なに座らせないようにした。しかし実際には、「報道記者席」は5席中4~5席がいつも無人状態で、不審に思った今井さんが調べたところ、そもそも記者クラブ側から東京地裁に記者席の用意を一度も要求していないことなどが判明。そこで、今井さんは今年1月、同地裁に「虚偽記者席」で傍聴を妨害されるなどしたとして、国に損害賠償金1万円の支払いなどを求める訴訟を提起し、この日までに3回の口頭弁論が開かれていた。

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それはうつ病の典型的な症状です

インターネットの質問サイトや個人ブログを見ていると、心の病を抱えている人が多くいることに気付かされる。メンタルヘルスのカテゴリが作られ、連日多数悩みが投稿されているのだ。感情が制御できない人、鬱状態を隠して出社している人や、薬が合っているのか、自分は病気なのか、医者の言うことは正しいのか…… 心が不安定な分、悩みが尽きないのだろう。インターネットの情報をそのまま鵜呑みにするのは危険だが、毎日数十件もの多種多様な書き込みすべてが作り話とは考えにくい。

私も一時期、仕事のストレスで精神疾患にかかってしまい、毎週通院していたことがある。自分が「精神病」と認めたくなかったので、病院に行くのには強い抵抗があった。通院してみると、今まで知らなかった世界がそこにはあった。

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宮崎駿監督『風立ちぬ』の失敗は、「堀越二郎」役の声優

航空技術者として、七試艦上戦闘機、九試単座戦闘機、零式艦上戦闘機の設計などを手掛けた、堀越二郎の生涯を描いた宮崎駿の引退作『風立ちぬ』。
「空を飛ぶ」夢に生涯をかけた堀越二郎の執念の設計が、零戦の開発に結びついていく。「空を飛ぶ」夢が戦争の武器となっていく航空機についての堀越の苦悩が、悪夢となって描かれている。工学的にも緻密に飛行機が描かれており、航空学の授業を受けているような気分にもなる。飛行シーンは痛快のひと言で、やはり「空を飛ぶ」表現をさせたら、宮崎監督に叶うアニメーターは世界にはいないだろう。

だが、堀越役として起用された映画監督、庵野秀明の声がまったく素人丸出しであった。西島秀俊や瀧本美織、西村雅彦、大竹しのぶら創意工夫あふれる声優陣の中で、まったく感情の抑揚がなく、主役の声優に力量がないせいで、なぜ航空技術者をめざし、なぜ奈穂子にプロポーズしたのかというバックボーンへの説得力がまったく感じられない。庵野は「棒読み」の声優であった。言うまでもなく、庵野は役者ではなく、映画監督だ。宮崎監督や鈴木プロデューサーは、本気で主役にド素人を配する博打が成功すると思ったのだろうか。

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マツダ出身の広島県議会議員が、公費で海外のマツダを視察

国会や地方議会で、度々問題になる海外視察。そのほとんどが何カ所かの視察対象を見て回るものの、他は観光やゴルフである場合が多く、それが公費で行われている。
広島県議会が10月4日の本会議で決めた、県議3人の海外視察はさらに驚きだ。
メキシコで建設中のマツダの工場や、マツダの販売統括会社を訪ねるというのだが、視察する県議のうち2人は、マツダ労働組合の組織内議員なのだ。

11月8~15日の8日間、メキシコと米国に視察に出かけるのは、芝清(東広島市)、西村克典(安芸区)、東保幸(広島市安佐北区)の3名。任期中に1人1回、90万円を限度に県費負担を認める海外視察制度が使われる。

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電子書籍による個人出版はどうなんだ!? 企業と揉めたライター奮戦記 19

その問題には第2の会社が絡んでくる。連載の冒頭に書いた2社と揉めたという2社目である。
ブックレビューをいくつかのサイトで掲載してもらっていた4月後半頃だ。あるサイトで比較的大きく掲載してもらった。そのサイトに掲載されるのは始めてのことだったのとかなり大きめに取り上げてもらえたので、Twitterのダイレクトメールにてお礼を送った。こういうお礼や掲載の告知依頼などは、豊穣出版が行っても良いものだが榛野氏は「こういうのは著者が連絡した方が仲良くなりやすいんです」と言いつつ全くやる気が無かったので自分で行っていた。お金が入る、入らないに関わらず多くの人に読んでもらうことが単純に嬉しいという思いは榛野氏と上手く行かないながらも変わらなかった。お礼を送った数日後、サイトの管理者である『おかもと』と名乗る人物から返事が来た。そのダイレクトメールはお礼に対するお礼という感じであり特に返事はしなかった。

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