検察官「ちょっと注意しときますけども、被害者の女の子はね、あなたにさらわれて、相当な精神的な痛手をこうむっているんですよ」
被告人「はい」
検察官「そういう方々はね、あなたがなぜ、こういうことをしたのかが聞きたいんですよ」
被告人「はい」
検察官「それを聞いて、自分がこんな理不尽な犯罪の被害に遭ったことが納得できるのか、できないのか、そこから立ち直りが始まるんですよ」
被告人「はい」
検察官「そういうことは理解していますか」
被告人「はい。もちろん、理解した上で、その……」
検察官「自分がやろうとしたことをきちんとここで話そうと考えていますか」
被告人「はい」
去る9月19日、広島地裁であった、ある刑事裁判の被告人質問。男性検察官が反対尋問の途中で突如、被告人が嘘をついていると決めつけたようなことを言い、とがめるように詰問し始めた。被告人は、小玉智裕氏(21)。昨年9月、広島市内で小学6年生の女の子をナイフで脅して旅行カバンに閉じ込め、タクシーに乗車して連れ去ろうとしたが、運転手に犯行がばれて捕まった大学生(当時)である。
知名定男と夏川りみの歌う「十九の春」が、熊本の空に響く。
東京法務局訟務部付けの保木本正樹検事が山口地検の三席検事だった2011年5月、殺人などの容疑で逮捕された在日韓国人の男性・湖山(本名・許)忠志氏(29)に対する取り調べ中に「韓国人・朝鮮人は下等な人種」などの民族差別発言をしたという疑惑について、筆者は過去、当欄で3度に渡ってレポートした。この保木本検事の疑惑について、筆者が最高検の監察指導部に情報提供し、調査することなどを求めたところ、9月24日付けで受理された。