もはや年中行事? 8・15左右対決

8月15日。終戦記念日の九段下交差点は、例年通り大荒れだった。

天皇制廃止論を掲げる新左翼団体の反天皇制運動連絡会(通称・反天連)が100~200人規模でデモ行進を行なった。在日本韓国YMCAを午後4時15分に出発して靖国神社から。主張は侵略戦争の象徴である靖国神社解体、昭和天皇の戦争責任追求といった反戦平和がテーマである。血まみれの昭和天皇の胸にナチスのハーケンクロイツが輝くプラカードが尊皇派を挑発する。

「靖国解体!戦争反対!安保いらない!基地はいらない!」

対して、在日特権を許さない市民の会(通称・在特会)やチャンネル桜をはじめとしたネット右翼(ネトウヨ)と呼ばれる500~1500人が抗議のカウンターデモを行なった。反日左翼が靖国神社に祀られた英霊と天皇陛下を冒涜することはけしからん、よりによって終戦記念日に破廉恥なモチーフを掲げて騒ぎ立てるとはもっての外だ、というのがおおまかな主張である。反日極左=朝鮮人という認識のもとで排外主義を叫ぶ。

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難民に税金を要求する、在日本ミャンマー大使館

アウン・サン・スー・チーさんは5月末から6月初めの6日間、タイを訪問した。軍事政権下で出国できなかったアウン・サン・スー・チーさんにとって、24年ぶりの国外訪問となった。
ミャンマーでは昨年の総選挙で、改革派と目される、テインセイン氏がミャンマー大統領に就任。軍政に終止符が打たれた形となった。アウン・サン・スー・チーさんとも協力しあうことで合意。ミャンマーでは、民主化が進んでいると思われている。

軍政下、国内で民主化を求めて活動をしていた人々は、投獄の恐れがあるため、多くが国外に亡命した。日本にも、そのようなミャンマー難民が数多くいる。
テインセイン大統領は、「海外にいるミャンマー人はミャンマーに帰ってきてください」とメディアを通じて発言している。しかしミャンマー国内では、民主化活動をした人に対する罰則法がすべて撤廃されていない。

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冤罪を作り出した検事の、身の処し方

元検事の市川寛さんのことは多くの方がご存知だろう。
市川さんは佐賀地検の三席検事だった11年ほど前、農協の組合長だった被疑者の男性を取り調べ中に「ぶち殺すぞ!」と恫喝するなどし、自白調書に署名させて起訴に持ち込んだ。しかしその後、良心の呵責に苦しんだ末、組合長の公判で自分の暴言を告白し、無罪判決が出ることに寄与。さらに弁護士に転身後、この事件を冤罪として取り上げたテレビ番組に実名顔出しで出演し、亡くなった組合長の親族に土下座して謝罪したことから一躍、全国的に有名になった。以来、「検事失格」という著書や講演などを通じて検事時代の経験を世に伝え、検察組織の問題を当事者の視点から体験的に語れる人物として注目を浴びている。

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大麻は未来の自然エネルギー?!大麻に触れて食べる祭

8月7~9日にかけて大麻草検証委員会主催の『まつりの祭り』という大麻の産業利用普及を促すイベントが、山梨県の西湖で開催された。

大麻、ということで、不健康なジャンキー集団による怪しい集会をイメージしていたが、すぐに誤解は払拭された。参加者の多くはオーガニック(有機農法)やロハス(健康と持続性を意識した生活)を実践する20~40歳代で、食事や環境問題について真剣に考えて生きる人が大半だった。また子供連れも多く和やかな雰囲気でイベントは進行する。

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官邸デモ、警察の規制はひどいか

毎週金曜日の官邸前デモは、衰えも見せずに続いている。原子力規制委員会委員長に、田中俊一が起用されていることにも、怒りが上がっている。田中は原発推進側であったのはもちろん、原子力委員会委員長代理であったのだから、福島第一原発の事故に直接責任のある立場だ。今まで通りのユルユルでナアナアの規制しかしない、と公言するに等しい、ふざけきった人事だ。
野田首相もデモの盛り上がりを無視することができず、代表者と会う日程を調整していると、伝えられている。

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第2の和歌山カレー事件にみる「事実は小説より奇なり」

「事実は小説より奇なり」というのは、たしかにその通りなのだろう。生きていると、「小説でもこんなことはないだろう」と感じるような不思議な出来事にしばしば遭遇するものだ。
しかし、筆者は冤罪事件を色々取材するようになってから、この言葉にある種の胡散臭さを感じるようになった。「小説より奇なり」と感じるような「事実」を見聞きしたら、まずはその「事実」が本当に事実なのか否かを疑うべきだと思うようになったのだ。

きっかけは、和歌山カレー事件だった。この事件は14年前の発生当初、「小説より奇なり」と感じるような「事実」がマスコミでずいぶん色々報じられていた。それはたとえば、こんな「事実」である。
この事件の犯人である女性は、事件以前、夫と共謀して様々な手口で保険金詐欺を繰り返していた。その中では、夫にも何度か死亡保険金目当てでヒ素を飲ませたことがあった。夫はそのせいで何度かヒ素中毒に陥って死にかけたが、それが妻の仕業とはまったく気づかず、妻のことを疑うことすらなかった。そして夫婦は騙し取った多額の保険金で一緒に贅沢な暮らしを続けていた・・・。

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言われなくなった、生涯学習

最近あまり使われなくなった言葉の一つに、「生涯学習」がある。今は、生涯を通じて何かを学んでいくのは、むしろ当たり前になったからだろう。大学も社会人に開放されるようになり、様々なカルチャースクールもできた。語学はスカイプで学べるし、インターネットでも様々な情報を得られる。

本を読む、という学習手段は昔からあったわけだが、かつては、学校を出て一定の地位を手に入れたら、もう勉強しない、という態度が一般的だったようだ。

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もう一つの『ヘイ・ジュード』

オリンピックの話題で盛り上がるということがほとんどない、私の近辺であるが、開幕式のフィナーレで、ポール・マッカートニーが『ヘイ・ジュード』を歌ったことは、ちょっとした話題になった。

チェコ語で歌われた、もう一つの『ヘイ・ジュード』のことを思い浮かべたからだ。
マルタ・クビショヴァー(Marta Kubi?ov?)が、チェコスロバキアで歌手デビューしたのは、1966年のことだ。

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『不幸なスター・有名人レコジャケ・厳選100人OTAKARAファイル』【ブックレビュー】

岡田有希子のヒット曲「くちびるNetwork」が、26年ぶりによみがえった。発売の3カ月後の1986年4月に、岡田はサンミュージックの屋上から投身自殺したのだ。13歳から18歳のメンバー10人のユニット「さんみゅ~(β)」(読み=サンミュー)がカバーして、8月4日にリリースされた。

岡田有希子の自殺は、今でも鮮烈な印象を残している。その前年に発表されたのは、死を暗示するかのような『哀しい予感』というシングル。そこに写っている、彼女の顔も哀しげだ。

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角海老に学べ! 小沢一郎よ

小沢一郎(70)率いる新党「国民の生活が第一」が入居した東京・永田町のオフィスビルの所有者が、ソープランド業界最大手「角海老グループ」の創始者、鈴木正雄氏(80)だったことが話題になっている。

鈴木正雄氏は、16歳から吉原の遊郭で車夫をやりながら金を貯め、1958年の売春防止法施行で遊郭がなくなると、ソープランドをつくってそれを広げていった。立志伝中の実業家だ。

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