谷口元一氏の主尋問が続く。

池田尚弘弁護士 さあ、『週刊新潮』の記者について伺います。あなたは『週刊新潮』の記者に対して、吉松さんとテイラーさんのゴシップを書くように指示したことはありますか?

谷口元一 ありません。

池田尚弘弁護士 はい。あなたは『週刊新潮』の記者に対してこういった記事を書けとか、どういった記事を掲載させろという指示をする立場にありますか?

谷口元一 ないです。

池田尚弘弁護士 あなたは『週刊新潮』からテイラーさんのことについて取材を受けたことはありますか?

谷口元一 あります。

池田尚弘弁護士 はい。その記者の名前は覚えていますか?

谷口元一 川面(泰隆)さん。

池田尚弘弁護士 川面さん。乙1号証を示します。これは川面さんがあなたから取材を受けたということを書いた陳述書ですけど、この方で間違いないですね。

谷口元一 はい。

池田尚弘弁護士 取材された対象というのは、では、原告ではなく、テイラーさんということですか?

谷口元一 はい。

池田尚弘弁護士
 その川面さん、記者に対して、あなたは何か資料を見せたことはありますか?

谷口元一 裁判資料を。

池田尚弘弁護士 裁判資料を見せたということですね。原告吉松さんが言うには、平成25年12月2日に週刊新潮の記者が原告の出版イベントに現れたそうなんですが、このことについてあなたは何か知っていますか?

谷口元一 知りません。

池田尚弘弁護士 原告が言うには25年12月3日、『週刊新潮』の記者がサガテレビの「吉松育美の唐津くんちに恋して」という番組の生放送に現れたようなんですけど、そのことについてあなたは何か知っていますか?

谷口元一 知りません。

池田尚弘弁護士 平成25年11月7日、サガテレビの「かちかちワイド」といった原告が出演予定だった番組が突然、キャンセルになったようなんですが、このことについてあなたは何か知っていますか?

谷口元一 知りません。

池田尚弘弁護士 あなたは『週刊新潮』の記者に対して吉松さんのタレント活動を妨害するような取材活動を行うように指示したことはありますか?

谷口元一 ありません。

池田尚弘弁護士 あなたはテイラーさんに対して電話で「『週刊新潮』を動かすから」と言ったことはありますか?

谷口元一 ありません。

池田尚弘弁護士 覚えてますか?

谷口元一 覚えてません。

池田尚弘弁護士 はい。さあ、続いてミス・インターナショナルのことについて伺います。あなたは(ミス・インターナショナルの大会を運営する)国際文化協会の関係者に対して吉松さんをミス・インターナショナルの国際大会に出場させないよう働きかけたことはありますか?

谷口元一 ありません。

日本外国特派員協会での吉松育美さん記者会見(2013年12月16日公開)より

池田尚弘弁護士 あなたは国際文化協会の関係者と会ったことはありますか?

谷口元一 (ミス・インターナショナルの)メインスポンサーのミスパリの平山さんと会いました。

池田尚弘弁護士 国際文化協会の人間ではなく、そのメインスポンサーであったミスパリという会社の平山さんとお会いになったということですね。平山さんとはもとからの知り合いですか?

谷口元一 弊社関連タレントのイベント主催会社の人間が仕事をして……。

池田尚弘弁護士 そうすると、御社のタレントさんがミスパリという会社と仕事をしていたということですね。あなた自身は平山さん個人と会ったことがありますか?

谷口元一 ないです。

池田尚弘弁護士 今回の件で、国際文化協会の関係者である平山さんとお会いしたことはありますか?

谷口元一 はい。

池田尚弘弁護士 はい。その時にどういったことをお話されましたか?

谷口元一 以前から……『週刊新潮』から僕のところに取材依頼があったので、もし、それを受けるとするとご迷惑をかけるかもしれないという……。

池田尚弘弁護士 先ほど言ったようにテイラーさんのことについて取材があったと、なので、もしかすると、いろんな名前が出てご迷惑をおかけするかもしれないと、いうお話をされたということですね?

谷口元一 はい。

池田尚弘弁護士 あなたと平山さんとの会話の中で原告吉松さんがミス・インターナショナル世界大会に出場するかどうかそういうことについて話し合ったことはありますか?

谷口元一 ありません。

池田尚弘弁護士 そもそもあなたはミス・インターナショナル世界大会がいつ開かれるか知っていましたか?

谷口元一 知りません。

池田尚弘弁護士 あなたが調査会社に依頼したマット・テイラーさんの住所を調べてくれと(中略)当時、マットさんの動産執行をしようとしたけれども、住所が分からなかった、だから、その住所を調べてくれと、いうことで調査をしたということですね。

谷口元一 はい。

池田尚弘弁護士 マットさんを調査したのは、一度だけですか?

谷口元一 二度です。

池田尚弘弁護士 はい。なぜ2回も調査をされたのですか?

谷口元一 弁護士さんからこれだけの資料では裁判所が首を振らないということだったので、もう一度……。

池田尚弘弁護士 はい。その時の資料を示します。乙3号証と4号証。2回目の調査を行なったのがこちらですね。で、1回目で特定された家にマットさんが出入りしているということですね。さあ、調査の結果、動産執行は行われましたか?

谷口元一 はい。

池田尚弘弁護士 あなたはテイラーさんの家に原告吉松さんも一緒にいるということを初めから知っていましたか?

谷口元一 知りませんでした。

池田尚弘弁護士 いつ知りましたか?

谷口元一 調査報告書の段階で。

池田尚弘弁護士 この調査報告書にその目的となっている家にテイラーさんのほかに原告吉松さんも一緒に写っていたということで知ったということですね。あなたは調査会社にそれでは初めから原告吉松さんに嫌がらせをするように指示をして2人を調査させたということはありますか?

谷口元一 ないです。

池田尚弘弁護士 今、調査が2回行われたと言って、その日付が平成25年8月29日と9月30日。このことについてお話しましたが、これとは別に平成25年9月6日に原告が言うには、男性1人が原告の住居周辺をウロウロしていたと言っていますが、そのことについてあなたは何か知っていますか?

谷口元一 知りません。(続く)


◎[参考動画]日本外国特派員協会での吉松育美さん記者会見(日本外国特派員協会2013年12月16日公開)

▼星野陽平(ほしの ようへい)
フリーライター。1976年生まれ、東京都出身。早稻田大学商学部卒業。著書に『芸能人はなぜ干されるのか?』(鹿砦社)、編著に『実録!株式市場のカラクリ』(イースト・プレス)などがある。

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