尖閣列島への香港の活動家の上陸。そして、韓国・李明博大統領は竹島に上陸、また天皇陛下の訪韓に触れ、謝罪を要求した。中国でも韓国でも、反日デモが巻き起こっている。
これらの動きに対抗するようにして、民主党の国会議員ら150名が尖閣沖で慰霊祭を行い、10人の地方議員が船から泳いで上陸した。

香港の活動家を送検せずに強制送還したことなどに対して、「毅然とした態度を取れ」といった声が巻き起こっている。
この事態を客観視した、当たり前の意見が見あたらない。
今、日本は、舐められているのである。

領土問題というが、人々が当たり前に生活していた国土を、福島第一原発事故という自らの過失によって、日本は破壊しているのだ。住めなくなったのは、原発から20キロ圏内だが、生活していくのに不安な地域、農業ができなくなった地域は広範に広がり、海でも漁ができない。

安全対策を怠っていたことが明らかだとはいえ、事故であるから、国際社会は当初これに同情してくれた。放射能は、世界中にまき散らされたにも関わらず。

福島第一原発は、いつ世界を巻き込む大惨事を引き起こすか分からない、いまだ不安定な状態にある。だが野田首相は「冷温停止状態」という新語を造り出し、「収束」したとウソをついた。
一旦、全原発の停止という状態が作り出されたにも関わらず、野田は「自分の責任で」と大飯原発を再稼働させた。
その下に活断層があると指摘されているのであり、大飯原発もまた、世界中に放射能をまき散らす事故を起こす可能性がある。それでも、停めないでいる。

フクシマを反省していないのが明らかであるから、舐められるのは当然だ。「ガンバレ日本」と、心から応援してくれる他国の人々も少なくなってしまったのではないか。もう同情する必要はなくなった、「義援金返せ」と思っている人さえいるだろう。

フクシマ、それに続く大飯原発の再稼働で、国際社会での日本の位置が、まるで変わってしまったことに気づかない人々が多いのが、不思議でならない。
世界に対して、「日本は唯一の被曝国」と言っても、もう呆れられるだけだ。
「フクシマは自曝だったし、反省もせずに自曝の元を動かしているのが日本じゃないか。放射能がよほど好きなんだろう」と笑われるだけだ。

日本が世界からの敬意を取り戻したいのなら、当たり前のことをすべきだ。
フクシマを反省し、大飯原発を停め、日本中にある使用済み核燃料をどうするかの議論を、直ちに始めるべきだろう。

(FY)