昨年末、来日公演を行ったばかりで早くも再来日したポール・マッカートニー。ウイルス性炎症で緊急入院したというニュースを観た時は、酷く心配した。もう高齢であるし、入院となるとよからぬ不安を掻き立てるものだ。

幸いにも回復に向かっているとのことで、一安心だ。長いキャリアの中でほとんど公演を中止させたことがない、というポールだから、すぐにでも日程を再調整してくるだろう。何せ50年に渡りドラッグ中毒でありながら、ライブをやり続けたのだから(皮肉ではなく)大したものだ。そのドラッグも近年、すっぱり止めたと語っていた。年齢や健康的な理由ではなく「十分にやりつくした」からだという。さすがはポールだ。

「ウイルス性炎症」と報じられたことで、世間ではノロではないかとか色々憶測を呼んでいる。もしかしたらドラッグを止めたことで、体調不良に敏感になったのかもしれない。あるいは、ドラッグを持ち歩かなくなったことで「これで日本にも堂々と入国できる!」ということで来日回数を増やしているのか。そういえば先日、ボブ・ディランも来日公演を果たしている。ポールはディランにドラッグを教わったというから、
「ポール、ドラッグを止めたのなら日本でのライブを勧めるぜ」
「そうか、もう収監される心配はないんだな!」
なんてやり取りがあったかもしれない。
(ディランは随分前にドラッグを止めているとのこと)

それはさておき、体調が万全になったらまたすばらしいライブを観せてほしい。どういうわけか、ポールは反日、とネットではまことしやかに噂されている。誰が何を言おうが「嫌いなところへわざわざライブしに行かないよ」というポールの一言がすべてだ。それがたとえ、スモウ観たさの来日だったとしてもだ。スモウ好きなポールを観に行くだけのこと。もうドラッグで拘置所に入れられる心配もないし、看守や同房のヤクザにサインをねだられる心配もない。鰻が無かろうが牛丼屋が無くなろうが、ポールは困らない。

ライブ中止は残念だが、再開するのを待つ楽しみが出来たというのもある。別に武道館じゃなくてもいい。1席10万のライブは勘弁な、ポール!Save Us!back in the JAPAN!

(戸次義継)