TM Networkの木根尚登氏が代表曲「Get Wild」でギターを弾いておらず、現B’zの松本孝弘氏が弾いていたというニュースが舞い込んできた。

これがアイドルの口パク発覚であれば、バッシングは避けられない事態だが、木根氏に対しては多少の批判はあるものの、殆ど叩かれることも無いままになっている。何故だろうか。

理由はいくつも考えられるが、TM Network自体はまだ活動しているものの、一度活動終了したこともあり既に過去のグループとみられていること、木根氏自身の人の好さは知られており、批判にさらされるタイプの人物ではないこと、TMファンであれば元から周知の事実だったことなどが考えられる。

木根氏はギター担当ではあるが、元々エレキギターは弾けなかった。本人が語る通りだが、初期の頃のアルバムよりエレキギター担当とはどこにも書いていない。メンバーとしてのクレジット以外はChorus、Pianoと書いてある場合もあるが、ギターと表記される時はAcoustic Guitarとなっている。Electric Guitarのクレジットには佐橋佳幸、鳥山雄司といった名前と並んで松本孝弘という名前も見える。

ディープなファンは1つの曲のパート担当者にまでチェックを入れる。そのため早くから木根氏がエレキギター担当ではないことを知っていた。松本氏のギターが並じゃないことも既に知っていたから、後にB’zでヒット曲を多数送り出しても「あの松本さんだからね」といった反応だった。

木根氏はアコスティックギター担当だが、打ち込み系がメインのデジタルサウンドのグループだから、TM Networkにはアコギ自体使っていない曲も多い。するとレコーディング自体に木根氏が参加していないことも多々あったと思われる。エレキギターでさえも使っていない曲が多いので、あまり重要ではないというのもある。

TM以前はピアノ、キーボード奏者としてバンドをやっていた木根氏だったが、小室哲哉氏に誘われTM Networkを結成した。当初は「ナゾの中国人」というよくわからない扱いで、レコードジャケットにもその姿はなく、しかも専門外のギターを担当することになった。松本氏がB’z結成後は必死にエレキギターを覚え、「挿入歌作って」「イエスタディみたいな曲作って」という小室氏の要望に奮闘しながら、必死に作曲をこなしていたという。やはり木根氏無しにはTM Networkは成り立たないだろう。

彼の作曲したバラードはファンの間では高く評価されているが、数多く出ているベストアルバムに収録されることは殆ど無い。

(戸次義継)