《本間龍05》 電通自殺──若い命を仕事で奪う「軍隊体質」に反省改善の気配なし

MX出演中止事件についてもう少し書こうと思っていたら、10月7日の夕方、電通に勤めていた24歳の新入女子社員が昨年自殺し、しかもそれが過労死だったと認定されたというニュースが飛び込んで来た。

朝日新聞2016年10月8日付記事

さすがに死亡案件だけあってメディア各社も無視するわけにはいかず、新聞・テレビでかなり大きく取り上げられた。翌日、朝日新聞は一面でこれを報じた。

検索すればかなりの記事が見つかるので、事件の詳細は割愛するが、衝撃的だったのは2015年4月入社、10月本採用になったばかりの女性新入社員に過大な量の業務を背負わせ、その年の12月25日のクリスマスに投身自殺に追いやった、という凄まじいまでのブラック企業ぶりであった。

ANN=テレビ朝日系列2016年10月7日付報道より

◆1991年の電通社員自殺事件との類似点

電通や博報堂ではその重労働ゆえに毎年のように自殺者が出るが、中でも電通の場合は1991年にも新入社員が自殺し、遺族が10年近くかけて最高裁まで争い、過労死を認定させた事件があった。入社1年4ヶ月の男性社員が激務と社内パワハラの犠牲になって自殺したのだが、当時電通は遺族側からの和解要求を拒否し続け、裁判でも徹底的に争った末に敗訴した。

これは「電通事件」として日本の人権裁判史上、また過労死事件などの判例として必ず紹介されるほど有名な事件である。そして電通は敗訴後に過労死を防ぐための社内基準を新たに決めたなどとしていたが、今回それは何の役にも立っていないことが露呈した。

ANN=テレビ朝日系列2016年10月7日付報道より

男女の違いはあるが、91年と今回の事件には類似点が多い。まずは大学を卒業したばかりの新入社員であったのに、恒常的な残業過多の部署に配属されたこと。そしてその配属中に自分の担当得意先が増え、業務量がさらに増加したこと。

ANN=テレビ朝日系列2016年10月7日付報道より

そして本来は新入社員に気を遣うべき周囲や上司が、しばしばパワハラ的な言動を繰り返して本人を追い込んでいたこと、などである。91年当時も電通は残業における「月別上限時間」(60~80時間)が設けていたが、実際は名ばかりのもので、男性は月に140時間もの残業をこなしていた。今回の女性の案件でも、労基署は最高130時間もの残業があったことを認めている。凄まじいばかりの長時間労働である。

ANN=テレビ朝日系列2016年10月7日付報道より

今回の事件で女性が配属されたのは、9月末に不正請求事件が明らかになったデジタル広告(インターネット)部門であったことが注目された。朝日新聞の記事では、2015年10月になってから所属部署の人員が14人から6人に減った上で、担当得意先が増えたとある。これは9月の記者会見での「デジタル部門の人員が常に不足していた」との説明と符合する。

彼女の個別具体的な職務内容は明らかにされていないが、担当部署と時期からして、不正な書類作成に関わっていた可能性も有り得る。激務なのに人員を減らしたのは、03号(「電通不正請求問題 2つの重要な視点」 )でも書いたように、「儲からない部門」は社内評価も低いため、どんどん人員を削っていったと考えられる。人員を減らして業務も縮小するというのならまだ分かるが、営業収益を上げるために無理矢理人を減らした上で業務量は増大させるなど、およそ全く合理的でないことをやっていた。そしてそのあげくが、今回の女子社員の自殺を生んだのだ。

ANN=テレビ朝日系列2016年10月7日付報道より

◆軍隊のような上下関係を強制する企業体質に反省なし

彼女は東大文学部の卒業で、いわゆるコネ入社ではなかったようだ。電通は「コネ通」と呼ばれるほどコネ入社が多いのだが、当然そういう連中の多くは能力が低いため、いきなり難易度の高い部署には配属されない。逆に新卒で本当に優秀な者は、最初から激務の中に放り込まれる。即応性や順応性、業務処理能力が高いと判断されるからだ。これは博報堂でも同じで、東大卒だからと言って特に大事にされはしない。大事なのは激務の中を走りながらそつなく仕事をこなしていける能力であり、大学名や男女差などは関係ない。つまり彼女は本当に優秀だったがゆえに期待され、細かいチェック能力が必要で激務のデジタル部門に配属されたと考えられる。

しかし、そうやって配属された彼女を、担当部署はきちんと育てられなかった。電通は新入社員に富士登山をやらせたり、部内や得意先との飲み会の企画なども新入社員にやらせている。

毎日新聞2016年10月8日付記事

深夜残業の後でも飲み会を実施、そこも新入社員は必ず出席しなければならないという、まるで軍隊のような上下関係を強制する体質の会社であり、今回もそうした中で上司によるパワハラもあったようだ。そうした内情や、1年も経たずに過労死が認められたのは、彼女自身が残したツイッターがあったからだった。そのいくつかを転載する。

私は2015年12月25日に彼女が亡くなるまでの、約半年分のツイートを読んだが、確かに10月以降は業務が激増し、心身の余裕を失っていった様子が伺えて、読んでいて非常に辛いものがあった。希望に燃えて入社してきた若人をすり潰し、自殺まで追いやった電通の責任は大変重い。

◆ワタミ過労死では徹底糾弾し、電通過労死では沈黙するマスメディア

しかし同社はこれまでこの事件に関し正式な発表や謝罪もしていないし、同社のHPにさえ何ら経緯を載せていない。そしていつもの通り、メディア各社は第一報だけとりあえず報じたが、その後の追及は全くしていない。ワタミの同様の事件の際はあれだけ同社を糾弾しまくったメディア(例えば産経新聞2015年12月26日付記事「検証・ワタミ過労自殺和解(上)」)が、電通に対しては沈黙している。内部は反省せず、外部も強く批判しない。だからいつまで経っても、電通はまともな会社にならないのだ。


◎[参考動画]「死にたい」と家族に・・・電通社員の女性が過労死(ANN=テレビ朝日2016年10月7日)


◎[参考動画]電通新入社員の自殺 長時間勤務の「労災」(NNN=日本テレビ2016年10月7日)

▼本間龍(ほんま りゅう)
1962年生まれ。著述家。博報堂で約18年間営業を担当し2006年に退職。著書に『原発プロパガンダ』(岩波新書2016年)『原発広告』(亜紀書房2013年)『電通と原発報道』(亜紀書房2012年)など。2015年2月より鹿砦社の脱原発雑誌『NO NUKES voice』にて「原発プロパガンダとは何か?」を連載中。

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東電は「改革」でなく「解体」を──そこから初めてはじまる廃炉支援

10月8日の京都新聞朝刊一面は、ある意味壮観であった。トップに「東電再建 他電力と提携―改革委初会合 廃炉支援へ検討―」の見出し。リードでは「経済産業省は5日、東京電力ホールディングスの経営問題の決着を目指す有識者による『東電改革・1F(福島第一原発)問題委員会』の初会合を開き、経営改革と福島第一原発の廃炉費用支援の本格的検討に着手した。再建には原発や送配電事業で他の地域の大手電力との提携が不可欠との方向性を示し、収益改善には柏崎刈羽原発の再稼働が焦点になるとした。支援費用が増大して電気料金に上乗せさせられ、国民負担となる懸念がある」そうだ。

◆黒字決算で政府に12兆円支援を要請する犯罪企業・東京電力

まず指摘したい。何故に犯罪企業「東京電力」の経営改善を経産省が慮ってやらなければならないのだ。経営などという話をしている場合か。国は廃炉と除染で東電支援に約9兆円援助の枠組みを既に作っているが(時事通信2016年7月28日付)、それでは足らずに「さらに3兆余分に援助してくれ」と駄々をこねているのが東電だ。

しかも、東電は単年度では黒字決算を出しているというのだから、この収支はどう考えればいいのだ。複雑に考える必要はない。「東電の経営改善」などと誤った目標を設定するから議論が間違うのだ。東電の総資産を処分し、それでも足りない分は現役・退職した元役員から私有財産を没収し、さらに不足すれば歴代の経済産業大臣、文部科学大臣さらには、旧科学技術庁長官とそれぞれ省庁の事務次官経験者の資材も没収するのだ。

なにゆえ、被害者である国民が犯罪企業の再建に頭をひねり、血税をつぎ込む必要があるのだ。税金を払っている人の属性は、東電と関係がある、無しに関わらず、またどの地域に居住しているかも関係ない。法人税からか、所得税からか、消費税から捻出されるのか内訳なんか分かりはしない(もっとも最近の国家予算の構成を鑑みればその大半は国債に依拠していると考えるのが妥当だろう)。

◆「東電改革は福島復興の基礎」ではない

それにしても原発を4機爆発させておいて、どうして国から9兆円も援助がもらえるのか。非常に単純だがこんな例が他にあるだろうか。改革委の委員長伊藤邦雄一橋大学大学院特任教授は「東電改革は福島復興の基礎であり、電力改革のさきがけとなる」と述べたそうだ。何をとぼけたことを言っているのだ。東電は精算させるべきだ。そしてその資産を全て被災者の保障に宛て、東電社員は全員福島に移住させ、現場で作業員として、基準線量ギリギリまで廃炉作業に従事させるべきだ。

この日の会合のポイントとして、
・原子力や送配部門での大手電力との提携
・再稼働を目指している柏崎刈羽原発(新潟県)の運営の在り方の見直し
・電気料金に廃炉費用を上乗せし国民が負担する案を検討

とまとめがある。一々反論するのも馬鹿らしくなるが、「有識者」どもは本気でこんなことを議論している。「有識者」、「知識人」、「専門家」という肩書は全て疑ってかからなければない。悲しくも言葉が内容を裏切る時代を象徴した、笑うに笑えない悲喜劇だ。そしてこの会合にはオブザーバーとして東電の広瀬社長も出席している。面の皮が鋼鉄のようでなければ東電の社長は勤まらないようだが、広瀬の頭の中はどうなっているのだろう。

冷静に計算しても、東電がこれから存続し続ける可能性はない。何故ならば今議論されているのは当面必要な(それにしても途方もなく巨額だ)金の算段だけだが、廃炉作業はこの先人類的な尺度で言えばほぼ「永遠」に続くからだ。その前に国債を擦りまくり、残高が遂に1千兆円を超え(赤ちゃんからお年寄りまで一人当たり826万円)たこの国の財政は早晩破綻する。デフォルトは間もなくやってくる。そうなれば「国」の形は今のままで残りはしない。「有識者」と呼ばれる愚者どもの議論に騙されてはならない。

◆行政は「事故が起きたら」という犯罪的前提に何故こだわるのか?

その記事の横には「『美浜事故』ならセシウム汚染は──県予測 琵琶湖の魚基準値1.65倍」と地方らしい視点からの視野の狭い報告が掲載されている。再稼働させてはならない老朽原発「美浜原発」が事故を起こしたら琵琶湖はどの位汚染されるか。その設問自体、思考が劣化し尽した役人の愚にもつかない馬鹿げた作業だという認識がこの試算を伝える京都新聞の記者にはないようだ。

行政は「事故が起きたら」という犯罪的前提に何故こだわるのだろうか。この記事の下には図ったように「美浜3号機審査合格 稼働は相当先 規制委員長見通し」の記事が下支えをしている。紙面構成を考えた上でのことであろうが、この日の京都新聞一面がトータルで伝えてくれるのは、「こと原発問題に関する限り、この国のエスタブリッシュメントや、行政、報道に知性はない」という現実だ。

どれほどの破綻に直面しようと、確実な破局が目の前にあろうと、少し賢い小学生なら騙せない程度の虚構で突っ走ろうとする。その姿は第二次大戦中から敗戦に至るまで、全く理性を失い「神国日本」を信じ(信じさせられ)た、あの光景と二重写しのように思える。

理性無き時代、知性無き時代は益々加速している。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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大阪・都島区現金輸送車襲撃事件──獄中から主張する「知られざる冤罪」

ひと昔前に比べると、テレビや新聞で冤罪の話題が取り上げられる機会が増えているが、それでもまだ「知られざる冤罪」は数多い。私がその1つかもしれないと思っているのが、10月5日で発生から15年を迎えた大阪市都島区の現金輸送車襲撃事件だ。この事件の犯人とされる男は、「ある事情」からマスコミで頻繁に取り上げられた有名人だが、現在も獄中で冤罪を訴え続けている。

中村に無期懲役判決を宣告した大阪地裁

◆冤罪を訴えているのは「警察庁長官狙撃犯」

大阪市都島区の三井住友銀行都島支店(現在は都島出張所)の駐車場で、男性警備員(当時53)が左下腿部(ヒザから足首までの部分)を銃撃される事件が起きたのは2001年10月5日の午前10時半頃だった。犯人は、男性警備員が現金輸送車から下ろし、行内に運び込もうとしていた現金500万円入りのジュラルミンケースを奪って逃走。撃たれた男性警備員は生命に別条はなかったものの、全治まで1年5カ月も要した重傷だった。

そんな大事件の捜査は思いのほか難航したが、容疑者は意外なところから浮上した。2002年11月、名古屋市のUFJ銀行押切支店の駐車場で、現金輸送車から現金を行内に運んでいた2人の警備員が銃撃されるという類似事件が発生。1人は両足に銃弾を受けて重傷を負ったが、無傷で済んだもう1人の警備員が勇敢にも犯人の男をその場で取り押さえ、現行犯逮捕した。そして警察がこの男を調べたところ、実は大阪市都島区の事件にも関与している疑いが浮上したのである。

男の名は、中村泰(ひろし)という。逮捕当時72歳。事件モノのノンフィクションに関心を持つ人ならすぐにピンときただろうが、歴史的未解決事件の1つである警察庁長官狙撃事件の「真犯人」とめされる男だ。

◆現在は岐阜刑務所に服役中

中村は名古屋市の現金輸送車襲撃事件の容疑で逮捕されて以降、獄中にいながら様々な報道関係者と接触し、自分が警察庁長官狙撃事件の犯人だと訴えてきた。その訴えは非常に詳細かつ具体的で、事件に関する様々な事実関係とも整合するため、中村のことを「警察庁長官狙撃犯」だと信じている取材者は少なくない。かくいう私もその1人である。

しかし、大阪市の現金輸送車襲撃事件については、中村は2004年6月にこの事件の容疑で再逮捕されて以降、一貫して無実を訴えてきた。裁判では、2007年3月に大阪地裁で無期懲役判決を受け、控訴、上告も棄却されて2008年6月に有罪が確定したのだが、今も岐阜刑務所で服役生活を送りながら、冤罪を訴え続けているのである。

私は中村と手紙のやりとりをするようになって、かれこれ4年ほどになるが、ある時、大阪の現金輸送車襲撃事件が冤罪だと裏づける有力な根拠は何かあるのかと手紙で尋ねたところ、中村からこんな答えが返ってきた(以下、引用は原文ママ)。

「警察庁長官を撃った男」(鹿島圭介著・新潮文庫)。長官狙撃事件の真相に肉迫した一冊

◆冤罪の根拠は「銃弾の腔旋痕」

〈詳細に述べると一冊の本を書くほどにもなるかと思われるくらい錯綜した複雑な経緯がありますので、とうていこの書状だけで意を尽くせるものではありません。しかし、あえて結論を申せば、検察官の提示した証拠と論旨にはすべて反論できますし(現に公判でもそうしてきましたが)、疑わしきは被告人の利益にという道理が通るならば当然無罪になるべきものなのです。

最も決定的なものは銃弾の腔旋痕(旋条痕ともいわれます)ですが、これについては日本で最も権威があると認められる鑑定者が最新の機器を用いて得た鑑定結果と大阪府警の科捜研から出された通常のそれとのいずれかを採択するかの問題に集約されるといえましょう。

裁判所は遺棄薬莢については科警研の鑑定結果を、使用銃弾には(大阪府警)科捜研のものを採用するというきわめてご都合主義的な措置をとりました。このような対応は目撃者についても同様で、肯定的な証言は受け入れ、否定的なそれは排除したのです。こういうやり方をすれば冤罪を作り上げるのは容易になりましょう〉(2014年1月14日付けの手紙)

私は手紙で、「日本で最も権威があると認められる鑑定者が最新の機器を用いて得た鑑定結果」とはどういうものなのかと再質問した。すると、中村は次のように回答してきた。

〈鑑定者は(全国警察の鑑定業務の総元締ともいえる)科警研の内山常雄技官(現在は退官)で、この人は確か日本人では唯一USAで最も権威がある銃器鑑定員の資格を取得しています。私は法廷で直接対決しましたが、その見識は(名古屋の事件で登場した)愛知県警科捜研の鑑定員などとは雲泥の差でした〉(2014年3月2日付けの手紙)

〈「最新の機器」の詳しい内容までは承知していませんが、全国でも科警研にしかないものだとは聞いています。だからこそ府警の鑑定結果がかなり大ざっぱなのに対して、科警研のそれは小数点下一位までの精細な数字が明示されているのだと思います〉(前同)

この中村の話だけで安易に冤罪だと決めつけるわけにもいかない。しかし私は、理路整然とした中村の主張には安易に否定したがい説得力があるように思えた。現在86歳になった中村は昨年、ガンの手術をするなど健康状態が良くないが、元気になってくれたら、この大阪の現金輸送車襲撃事件の真相も改めて詳細に語ってもらいたいと私は考えている。

▼片岡健(かたおか けん)
1971年生まれ、広島市在住。全国各地で新旧様々な事件を取材している。

 「絶望の牢獄から無実を叫ぶ ―冤罪死刑囚八人の書画集―」(片岡健編/鹿砦社)
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「嘘つき中年キャスター」長谷川豊人脈のパージに動き出したテレビ業界

人工透析に関するブログで、全レギュラー番組を降板することになったキャスター長谷川豊。「この際、長谷川人脈をテレビ業界から一掃しよう」という動きが強まっている。

長谷川豊公式ブログ『本気論 本音論』。以下、掲載図版は同ブログ2016年10月06日付「ありがとう」の文章より抜粋転載

「長谷川はとにかくテレビ局スタッフの噂話をそのまま記者に流すことでも知られる〝偽ネタ〟メーカーです。この噂を真に受けた女性記者が『SMAPが枕営業』、また『クマムシの佐藤大樹が居酒屋でレイプ』などの情報を流したり、若手記者が『大物俳優がドラッグ漬けになった』などの情報を夕刊紙にリークしたりと、もはや『嘘つき少年』ならぬ『嘘つき中年』です」(芸能記者)

 

長谷川は1999年にフジテレビに入社するが、2013年に「ニューヨーク滞在関連費用の不正使用があった」として降格処分を受け、アナウンサー職を解かれ、フリーとなった。

「このときのリベンジとばかりに、フジテレビにとって痛い予算編成の話や女子アナの秘密などを夕刊紙などに暴露。『バラいろダンディ』(TOKYO MX)ではメインキャスターとなったが、記者とのなにげない雑談をするふりをして情報をゲット、その当人の許可なく情報を確認することなく番組で流して『(番組で流すとは)聞いていない』としばしば記者たちと問題となった」(週刊誌記者)

 

いまとなっては「注目されたいがために、人工透析患者について過激発言をした」と見るむきもあるが、キー局情報番組のスタッフは「開き直って、かつて共演した文化人やタレントなど共演者たちの悪口を記者に暴露されてはかなわない。このさい、仲がよかったマスコミ人のリストを作って『局には出入り禁止予備軍』にしたほうがいいという話が広まっている。

 

「すでに、出演者たちのスキャンダルを話してくれとネットライターが接触している模様です。もう長谷川は『収入がゼロ』の状態になるわけです。顔を出さなくてもネタ提供だけで金をくれる連中のマリオネットになる可能性はおおいにある」(同)

面倒くさいのは、長谷川が「炎上商法」で知名度をあげる手法をとってきたことだ。2016年2月1日のブログにおいて、ベッキーの不倫騒動について冒頭から
「そもそも一番悪いのは…ダントツで川谷君の奥さんですからね?」
と断定してネットなどが炎上。急遽、この話については、ネットで糾弾されるやだんまりを決め込んだ。

 

「要するに話題になればなんでもあり、できちんとした哲学にもとづいて取材したり、発言していない。彼のとりまきの記者たちも『排除リスト』に入っていますよ。偽ネタで飯を食う連中がはびこる業界をクリーンにするにはいい機会ではないでしょうか」(放送作家)

長谷川の降板騒ぎでは、出演が予定されていたパネラーが待機していたのにもかかわらず、キャンセルの連絡が行かずに混乱した状況も生まれた。

 

「まあ、長谷川は2年後あたりに夕刊紙や雑誌の『あの人は今』に出て使命を終えるでしょう。あとは三流のアナウンス専門学校の講師か、顔がばれない会社で派遣社員でもやるか…でしょう」(同)

 

いずれにしても茨の道となる長谷川の人生。番組名どおりに「バラいろ」とはならないようだ。

※掲載図版はすべて長谷川豊公式ブログ『本気論 本音論』の2016年10月06日付「ありがとう」の文章より抜粋転載。

(伊東北斗)

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TITANS NEOS 20 本物は強い男を知っている!

江幡ツインズ、今回出場の睦(むつき)は毎度のムエタイテクニシャンとの対戦で一進一退の苦戦する薄氷の勝利も5連勝、そのひとつ前の7月27日にはラジャダムナンスタジアムではTKO勝利し、経験を積み重ね、ムエタイ王座再挑戦を狙っています。

◎TITANS NEOS 20 / 9月18日(日)17:00~20:20
主催:TITANS事務局 / 認定:新日本キックボクシング協会

江幡睦の攻め続けたミドルキック、怯まなかったホントーンレック

◆54.0kg契約 5回戦

WKBA世界バンタム級チャンピオン.江幡睦(伊原/53.85kg)
VS
ホントーンレック・チョー・ファープリアンシー(タイ/53.7kg)
勝者:江幡睦 / 3-0 (48-47. 49-47. 49-47)

ホントーンレックは元・タイ国ムエスポーツ協会スーパーフライ級チャンピオンで、2年前に江幡ツインズ弟・塁と対戦し、接戦の判定負けを喫している33歳。侮れないベテラン相手に初回、江幡睦は左フックでダウンを奪うも、その後、一進一退の攻防。危ないヒジやハイキックも貰いかけ、またその逆に仕掛けるヒジや蹴りもあり、勢い衰えぬホントーンレックに手を焼き、互いに主導権を掴めないまま終了。

側転ハイキックで翻弄する作戦も、マットに手を付いては駄目とレフェリーに注意を受けることになるホントーンレック
渡辺の精神力で粘る勝負も小林の積極性に優れず引分けで雪辱成らず

◆69.0kg契約3回戦

日本ウェルター級チャンピオン.渡辺健司(伊原稲城/68.9kg)
.VS
小林準(RIKIX/69.0kg)
引分け / 0-0 (29-29. 29-29. 29-29)

渡辺は昨年12月に敗れた相手と再戦も、勝ちは拾えず。しぶとさ、粘りは一級品ながら36戦して13回目の引分け。

強い斗吾が見られた一発で仕留めたボディブローで悶絶

◆73.0kg契約3回戦

日本ミドル級チャンピオン.斗吾(伊原/73.0kg)
.VS
ペットウボン・ソー・ボーロークラビー(タイ/72.65kg)
勝者:斗吾 / KO 1R 2:36 / カウント中のタオル投入

斗吾がボディブロー一発で悶絶の久々のKO勝利。

90kg超えの戦い、天田ヒロミここにあり。倒すか倒されるか、我慢比べの打ち合いを制す

◆ヘビー級3回戦

天田ヒロミ(天田F&BS/92.5kg)
.VS
マウロ・エレーラ(アルゼンチン/98.5kg)
勝者:天田ヒロミ / 判定2-0 (29-28. 29-29. 30-29)

我慢比べの打ち合いの戦いをスタミナ勝負の僅差で粘り、勝利を導いたのは天田ヒロミ。

◆64.0kg契約3回戦

石井達也(藤本/64.0kg) vs 春樹(横須賀太賀/64.0kg)
勝者:春樹 / TKO 2R 2:03 / ドクター勧告によりレフェリーストップ

怪我で休養が続いていた石井達也が、春樹のバックハンドブローでダウン。足元フラつくダメージと、顔面カットによりドクターチェック、そのままレフェリーストップとなりました。更なる上位を目指していた中での敗戦は痛いところでしょう。春樹は日本タイトル戦線へ再浮上成功。

まさかのダウンを奪って「やった~」という表情の春樹、元チャンピオンを倒す波乱の結末
好戦的で打ち合った中でのHIROYUKIのローキック

◆54.0kg契約3回戦

HIROYUKI(藤本/54.0kg)vsジョッキーレック・ケーウセン(タイ/53.85kg)
勝者:HIROYUKI /判定 3-0 (30-29. 30-28. 30-29)

HIROYUKIは2年前に敗れた相手に雪辱。先手を打って試合をコントロール。反撃されても、たじろがずヒジでカットさせる攻勢も見せて結果は僅差ながら、成長の見えた勝利。

◆ミドル級3回戦

日本ミドル級1位.今野顕彰(市原/72.57kg)vs2位.本田聖典(伊原新潟/72.3kg)
勝者:今野顕彰 / TKO 1R 1:17

今野がヒジで本田の額をカットし、あっけなくドクター勧告によりレフェリーストップ

他、6試合は割愛します。

HIROYUKIの飛び蹴り。リズムに乗れば大胆な技も躊躇なくこなせる図太さを持つ
伊原ジムメイトとは若い絆のチーム

◆江幡ツインズ──本当の伝説の始まり

TITANS NEOSが第20回目を迎え、やがて10年が経つことに時の速さを感じます。2007年9月に江幡ツインズがデビューし、満9周年。2013年3月には睦が先に殿堂ラジャダムナン王座挑戦、9月のTITANS NEOS.16ではツインズでラジャダムナン王座に挑戦。2015年3月には睦が3度目の挑戦。あと一歩までいった試合もありつつ、獲れそうで獲れないのがムエタイ王座。首相撲の技術とポイント重点の置かれ方、そしてタイ選手の本場二大殿堂タイトルが懸かった時は他の試合にはない本気度が増し、勝って得るものの大きさ、負けて失うものの大きさがそこにあります。

他の価値の低い試合ではこれが逆になり、“勝って得るもの無し、負けて失うもの無し”では世界の称号が懸かっていても、計量を大幅にオーバーして来る選手もいるほど真剣度の違いを感じることがあります。と言っても普通に強いのがムエタイボクサー。タイトルが懸かろうと懸かるまいと、元チャンピオンやランカー、地方チャンピオンなど強いタイ選手に挑む江幡ツインズも向上心と集中力は生半可なものではないでしょう。

「新しい伝説を起こします」と、かつてマイクで語った江幡ツインズにとって目指すは再度のラジャダムナンスタジアム王座であり、現状ではこの道しかありません。これを兄弟で獲り、それから先が本当の伝説の始まりでしょう。

石井宏樹が引退して以降は、江幡ツインズが新日本キックのエース格であることは変わりない中、梅野源治が10月23日にディファ有明でのREBELS興行でタイ・ラジャダムナン系ライト級王座挑戦する同じ日に、江幡塁は新日本キックMAGNUM.42で、5月29日にタイ・ラジャダムナンスタジアムで判定で敗れた相手のセーンピチット・STDトランスポートと雪辱戦を行ないます。ノンタイトル戦ですが、日本のエース格争いでは負けられない、密度の濃さの戦いでしょう。

伝説を起こすという点ではプロモーターとして、小野寺力氏のKNOCK OUTイベント発表がありました。新しい道を切り開き、そこではテレビ放映での毎週レギュラー放送がある中で、契約選手らのメインイベント争奪戦が巻き起こりそうですが、新日本キックでの江幡ツインズとして新しい伝説を起こすことは、ラジャダムナン王座奪取、現地での防衛、2階級制覇、ルンピニー王座との統一、本物の強い男がファンの期待に応える道は、ここまで挑めれば一般マスメディアも注目することでしょう。また江幡ツインズだけではない若い世代も育ってきているので気を抜けない、次なる新日本キックのエース格争いも話題になってきます。

新日本キックボクシング協会次回興行は10月23日(日)後楽園ホール夜の部(17:00~)に於いてMAGNUM.42の開催で、ムエタイ王座を目指す江幡塁、重森陽太、緑川創、勝次らが出場。その中、緑川創は現役ラジャダムナン系ウェルター級2位と対戦。続いて、11月6日(日)ディファ有明(16:00~)に於いてKICK Insist6が開催され、瀧澤博人がノンタイトル戦ながら、現役ラジャダムナン系スーパーバンタム級チャンピオンを迎える大一番となります。

[撮影・文]堀田春樹

▼堀田春樹(ほった・はるき)
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

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《本間龍04》 放送コードは電通タブー MXテレビ「ニュース女子」出演中止の内幕

電通に関する記事を書いていたら、まさしくその影響力を体験するような出来事に遭遇した。10月1日、TOKYO MXテレビ(東京メトロポリタンテレビジョン)で毎週月曜夜22時から放映中の「ニュース女子」という番組の制作会社から、同番組へのゲスト出演依頼があった。

TOKYO MXテレビ

この番組は毎回保守色の強い論客(大学教授、作家等)を4、5人揃え、3本程度の時事ネタを若い女性タレントに解説するというニュースバラエティ番組だ。一応ゴールデンタイムの放送であり、MXとしても力を入れている番組のようだ。今回は東京都の豊洲問題、ビットコイン、そして電通の不正請求問題を取り上げたいとのことだった。

DHCシアター『ニュース女子』

◆企画から制作まで外注で行われるテレビ番組制作の仕組み

ここで簡単に番組制作の仕組みを説明すると、現在の民放番組の殆どは、外注制作会社(プロダクション)によって作られている。番組を作る膨大な機材やスタッフを社内で抱えることが難しいためで、「○○テレビの番組」などと言っても、内実は制作会社が企画・制作した番組をテレビ局が電波に乗せているに過ぎない。テレビ局側は内容チェックと局の名義を貸しているだけで、実際の現場の殆どは制作会社に任せきりなのだ。この「ニュース女子」もまったく同様で、連絡をしてきた制作会社が番組の企画や人選を一手に引き受けているのだった。

とはいえ厳しく電通批判をする私にとって、最も電通の影響力が強いテレビ局への出演可能性は限りなく低いから、私は連絡をくれた制作会社のディレクター氏に「私なんか出して、本当に大丈夫?」と何度も確認した。

『ニュース女子』出演者
『ニュース女子』出演者

それに対し、「電通の不正請求事件は記者会見まで開いて大きく報道されたので、それを扱うのは何の問題もありませんよ」との返答であり、「制作に関しては全てMXから一任されているので大丈夫」とのことだったので、それならばとゲスト出演を了承した。収録は10月6日、放映は10月10日とのことであった。

◆制作側も扱いの難しさを十分に分かっていた

送付されてきた企画書では、いきなり「不正請求」という言い方は厳しいので、「電通の噂、本当ですか」というタイトルで最近の電通の様々な問題(五輪エンブレム騒動、五輪招致裏金疑惑、不正請求問題等)を提示して、ゲスト出演する私に意見を求める、という形式だった。司会者やレギュラーコメンテータなどは著名人ばかりで日頃電通にお世話になっている人が多いから、ゲストの私に喋らせることによって「あれは本間の意見だから」という体裁を作ることができるという訳だ。

ディレクター氏はテレビで電通の諸問題を扱うことの難しさは十分に分かっているようで、噂程度ではもちろん取り上げられないが、今回は既に放送されたネタなので大丈夫と判断していたようだった。企画書や台本が送られて来たので、問題なく収録までいくかと思っていた。

『ニュース女子』MCは長谷川幸洋=東京・中日新聞論説副主幹

◆MX側が「電通の不正問題を放送することは不可」と一蹴

しかし、やはりことはそう簡単には運ばなかった。10月4日の夜になってディレクター氏から電話があり、出演中止を告げられた。制作会社が収録用の台本と番組内で使用するフリップ案を局に提出したところ、しばらくして放送を中止するようにとの命令がMX編成局からあったという。

その理由としては、とにかく「電通ネタは放送するな」とのことであり、ゲストの私の出演拒否ということではなく、「電通のネタは放送できない」というものだった。ディレクターは「既に9月23日に各局で記者会見の模様が報道されたので問題ないのではないか」と食い下がったが、「電通の不正問題を放送することは不可」と一蹴されたという。

MXの態度自体は、ある程度予想されたことだったので私は特に驚かなかった。ディレクター氏の落胆や謝意は電話を通してよく理解できたし、放送中止は制作会社の雇用者たるMXの意向なので、彼には何ら責任はない。

私は今まで電通の威光にひれ伏すメディアの実態を随分聞いてきたが、遂に自分自身でそれを体験することになったのだ。それにしてもこの「電通のニュースは絶対に流すな」という見事なまでの自主規制は、まさしく現在のメディアの電通に対する盲従ぶりを示す好例ではないだろうか。

ライブドアニュース2016年3月31日付記事

◆「自主規制」の岩盤はとてつもなく厚かった

東京MXは関東ローカルのテレビ局で規模も小さく、それゆえに比較的自由な番組制作が出来るという評判だった。ところが最近はジャーナリストの上杉隆氏が出演番組を一方的に降板させられる事件も起き、その影にはやはり電通の存在があると囁かれている。

私の件は、ニュースを扱うとはいえ、ほとんどワイドショー的な番組であり、しかもたった一回限りなので可能ではないかと思ったが、やはり「自主規制」の岩盤はとてつもなく厚かったというべきなのだろう。

◆テレビが沈黙してもネットの流れは止まらない

出演中止を受け、早速この件をツイート発信したところ、2日間で3500リツイートを越えた。これは相当な数であり、ツイッターのインプレッション(ユーザーが当該ツイートを見た回数)は約30万回にもなるから、かなり大きな数字だ。

多くの人々が電通に関する情報に敏感になっているのにどのメディアも沈黙しているから、逆に私のような無名の者の告発でさえあっという間に拡散され、増幅される。多くの人々が「メディアの電通に対する自主規制」に気づきはじめており、もはやこの流れは止まらないだろう。

▼本間龍(ほんま・りゅう)
1962年生まれ。著述家。博報堂で約18年間営業を担当し2006年に退職。著書に『原発プロパガンダ』(岩波新書2016年)『原発広告』(亜紀書房2013年)『電通と原発報道』(亜紀書房2012年)など。2015年2月より鹿砦社の脱原発雑誌『NO NUKES voice』にて「原発プロパガンダとは何か?」を連載中。

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「もちもちクィーン」渡辺直美お勧め「もっちぃもっちぃ」人気の秘密

9月12日(月)13時、池袋サンシャイン噴水広場にて、株式会社タカラトミーアーツ主催「ディズニーキャラクターもっちぃもっちぃ」シリーズのぬいぐるみ10万個突破記念イベントが行われた。

今年4月の発売以来、1日800個以上売れている大人気の商品である。このぬいぐるみは、見て楽しむだけでなく、思わず何度でも触りたくなる。そして、ずっと抱きしめていたくなる。これまでのぬいぐるみにはあまりなかった”体験する”という付加価値の提案をコンセプトにしている。ぬいぐるみ好きな筆者は、とても興味を持って取材を開始した。

ミッキーマウス、ミニーマウス、くまのプーさんなどディズニーのお馴染みのキャラクターの面々が顔を揃えている。他のぬいぐるみと何が違うのだろうか。史上最高の触り心地を追求したというこの商品は、とにかく今までにない柔らかい触感である。例えて言えば、マシュマロのような感じである。こだわりは、中の綿にある。通常のぬいぐるみに使われている綿の13分の1から6分の1の超極細繊維を使っている。また、外側の生地も伸縮性の高いものを採用することで、より一層柔らかい触り心地を実現させた。

◆くまのプーさんになりきって登場した「もちもちクィーン」渡辺直美

さて、イベントのゲストに登場したのは、インスタグラムで人気ナンバー1のお笑い芸人、渡辺直美だ。もっちぃもっちぃのイメージにぴったりということで「もちもちクィーン」に選ばれたという。確かに、体型といい、人気者という点で納得する。くまのプーさんになりきって登場した渡辺直美は、全身黄色のワンピースを身にまとい頭には、くまのプーさんの小さいぬいぐるみを4個つけていた。ビヨンセの「crazy ln love」の曲に乗り愛嬌たっぷりのダンスで観客を釘付けにした。

 

タカラトミーアーツの社長より世界にひとつしかない本人の顔で作られたもっちぃもっちぃのぬいぐるみをプレゼントされ大喜びだった。続いて、150センチの大きなくまのプーさんのぬいぐるみがソファーに座り登場した。「こんな素敵なぬいぐるみが家に居たら淋しくないですね」と抱きしめながら笑顔で話していた。

イベント終了後、ぬいぐるみ購入者と写真撮影ができるサービスも行われた。撮影後の女性にインタビューを試みた。てっきり、渡辺直美のファンかと思いきや「もっちぃもっちぃのぬいぐるみを今日初めて知り、思わず可愛かったのでくまのプーさんを買いました。渡辺直美さんとも握手できて嬉しかったです」と答えてくれた。

 

◆「ぬい撮り」にはまる人たち

最近では「ぬい撮り」がブームとなっているのをご存知だろうか。これは自分のお気に入りのぬいぐるみを旅行や、飲食店などあらゆる場所に同行させ、景色などと一緒に写真撮影を楽しむ。ぬいぐるみがあたかも人間のように動いているようで可愛いと、ぬい撮りにはまる人が増えている。

さらには、ぬいぐるみの旅行代理店が登場した。自分愛用のぬいぐるみを宅配便で送り、旅行先の風景をバックにぬいぐるみたちが旅を楽しむ。写真を撮影したら、facebookにアップされる。ぬいぐるみの持ち主には、リアルタイムでその様子を見て、自分もその場に参加しているような気分を味わうことができる。

 

その目的は多種多様で、病気や、障がいがあって旅行ができない方、日本の文化に興味のある海外の方、家族や友人に楽しいサプライズを仕掛けたい方などがいるという。また、オランダの研究グループが、ぬいぐるみには、精神状態を落ち着かせ、癒しをもたらす効果があると分かったと発表している。

ストレス社会の現代において、これからもぬいぐるみの癒し効果を求める人が増えていくことだろう。実際にこのもっちぃもっちぃのぬいぐるみを触ってみると、その柔らかい感触に病みつきになり、くまのプーさんをむぎゅと抱きしめていた。癒されてみたい方はぜひ一度お試しあれ。

取材・文/林雅子 プロデュース/ハイセーヤスダ

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター/NEWSIDER Tokyo)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、書籍企画立案&編集&執筆、著述業、漫画原作、官能小説、AV寸評、広告製作(コピーライティング含む)とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。

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発生17年 警視庁が未解決のまま放置する目黒区「バラバラ殺人」事件

重大な未解決事件でありながら、警察が継続的に捜査している様子が見受けられない事件は案外少なくない。10月1日で発生から17年を迎えた東京都目黒区の「バラバラ殺人」事件もその1つだ。事件は今、一体どうなっているのか。

猟奇的バラバラ事件の舞台となった目黒不動尊瀧泉寺

◆見つかった遺体の断片は計30以上

サツマイモを日本全国に広めた江戸時代の蘭学者・青木昆陽の墓があることで有名な目黒区の目黒不動尊(瀧泉寺)の駐車場で、男性の「下腹部」が見つかったのは1999年10月1日のことだった。見つかった下腹部は鋭利な刃物で切り取られていたが、周辺に血痕は確認されず、何者かが別の場所から持ち込んだものと推定された。

警視庁が殺人・死体遺棄事件とみて、捜査に乗り出したところ、翌日までに目黒不動尊の境内の植え込みの土中から手首や内臓など、新たに10以上の遺体の断片が見つかった。さらに目黒不動尊の約200メートル西方にある「都立林試の森公園」の雑木林からも、同じ男性のものとみられる足の骨や背中が見つかった。発見された遺体の断片は計30を超えたといい、あまりに異常な猟奇的事件だった。

頭部は結局見つからずじまいだったが、ほどなく指紋などから遺体の身元は判明する。被害者は生衛群さん、当時37歳。豊島区南大塚で電気部品の販売業を営んでいた中国人の男性だった。遺体が見つかる数日前から行方がわからなくなっていたという。

「林試の森公園」でも足の骨や背中が見つかった

◆事件直後に「重要参考人」が浮上していたが・・・

この猟奇的事件は結局、現在に至るまで未解決なのだが、実は事件発覚直後、1人の男性が「重要参考人」として、捜査線上に浮上していた。その男性は現場の近くに住む40代の中国人A氏で、被害者の生衛群さんに借金の返済を求めていたという。

当時から地元で暮らす男性はこの中国人男性A氏について、次のように話した。

「警察は私のところに色々話を聞きに来ましたけど、その中国人の男が犯人ということで間違いないと言っていましたよ。ただ、自白がとれなかったんで、逮捕できなかったみたいです。その人はもうこのへんには住んでいません。中国に帰ったんだろうと思います」

この地元男性の話は憶測交じりの内容で、鵜呑みにするのは危険だと思えた。そもそも、本当にA氏が犯人なら、自宅周辺に被害者のバラバラ死体をばらまいて回るように遺棄するだろうかという疑問もある。むしろ、この地元男性が言うように本当に警察が早い段階から中国人男性A氏を犯人と決めつけていたのなら、真犯人を取り逃していても不思議ではないように思われた。

目黒不動尊の境内の階段には、人の毛髪が大量に落ちていたという情報もある

◆情報提供を呼びかけない警視庁

警視庁はホームページで、様々な未解決事件に関する情報提供を呼び掛けている。だが、この目黒の「バラバラ殺人」事件に関する情報提供は一切呼びかけていない。この事実からは、警視庁がこの事件について、もはや捜査する意欲を有していないことが読み取れる。それはやはり、警視庁としては「重要参考人」とみていた中国人A氏のことを犯人だと結論づけているからだろうか。

いずれにせよ、異国の地で生命を落とし、遺体をバラバラにされて遺棄された中国人男性の無念は計り知れない。その魂は今も成仏できず、目黒不動尊の境内やその周辺で彷徨っているのではないか。

▼片岡健(かたおか けん)
1971年生まれ、広島市在住。全国各地で新旧様々な事件を取材している。

 「絶望の牢獄から無実を叫ぶ ―冤罪死刑囚八人の書画集―」(片岡健編/鹿砦社)
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《本間龍03》 電通不正請求問題──2つの重要な視点

フィナンシャルタイムズ2016年10月3日付記事

電通不正請求問題は9月23日夕に同社が記者会見した模様を新聞社や通信社が24日に報じて以来、広報やデジタルネタを扱うネットサイトではいくつか検証ページが立ち上がったものの、大手メディアはこの事件を全く報道していない。

雑誌メディアは発売日の関係でどうしてもタイムラグが生じるが、この問題の発生は約2ヶ月前のトヨタから電通への通報から始まっており、その間に多少情報は漏れていたから、取材時間は十分にあったはずなのに動きがないのだ。

そもそもトヨタが電通の不正を同社に糺し、被害が燎原の火のように広がっていった事実のリークは当初国内メディアに持ち込まれたが、どこも取り合わなかったので海外メディアに流れたと言われている。

フィナンシャルタイムズ2016年10月3日付記事

つまりその時点で大手メディアはこの事実を掴んでいたのであり、それを承知で報道を控えていたその体質に問題がある。

◆100社以上のスポンサーに不正請求を行っていたという事実

この電通問題には大きく分けて2つの重要な視点がある。まず一つは、国内最大手の広告代理店が100社以上のスポンサーに不正請求を行っていたという事実だ。この「不正請求」とは実態のない請求も含まれるから、そこに金銭のやり取りがあれば、それは「詐欺」を働いていたということになる。これは立派な犯罪行為で、刑法罰が科せられてもおかしくない事態だということだ。

発端となったトヨタは4~5年前まで遡って調査したとのことだから、他のスポンサーにもそれと同様の不正を働いていた可能性がある。

フィナンシャルタイムズ2016年10月3日付記事

それだけでもとんでもないことだが、さらに重大なのは、同社がそれをトヨタに指摘されるまで、そのままにしていたことだ。不正行為によって水増し請求をすることは詐欺と同義であり、同社は得意先に指摘されるまで詐欺行為を止めなかった、ということになる。

◆社員個人ではなく「会社ぐるみ」であったという事実

さらに悪質なのは、長期にわたって100社以上のスポンサーに不正請求を行っていたのは、一部社員の仕業ではないといういうことだ。そこまで広範囲のスポンサーが対象ということは、担当する複数の営業部門と、実際に請求書を発行する経理部門までがグルになっていなければ到底不可能だからだ。

フィナンシャルタイムズ2016年10月3日付記事

だからこそこの犯罪は「会社ぐるみ」であったと言うべきなのであり、その全社的な遵法精神と自浄能力の欠如は強く指弾されなければならない。しかし、記者会見における同社幹部の言動は、とてもこの「犯罪行為」を重く受け止めているようには見えなかった。もしその重さを自覚しているのなら、「不適切請求と言いましたが、まあ不正です」などという脳天気な発言など有り得ないだろう。

2つ目の視点は、上記のようにこの問題の重要性を一向に報じない、大手メディアの体質だ。メディアが電通に対し異常なまでの自主規制をする構造については前回までに指摘した通りだが、この事件に関しても各社は記者会見を報じただけで、本日(この稿を執筆中の10月3日まで)独自取材による調査発表を行なっていない。

フィナンシャルタイムズ2016年10月3日付記事

記者会見ではトヨタ以外のスポンサー名は一切不明、その不正内容や請求期間も曖昧なままなのに、どこもこれを後追い取材しないというのは、極めて異常な事態である。いうなれば、9月24日の報道は23日の記者会見とそこで配られたペーパーを鵜呑みにした、「大本営発表」のようなものなのに、どこも詳細を調査しようとしないのだ。

フィナンシャルタイムズ2016年10月3日付記事

◆沈黙する国内メディア、気を吐く海外メディア

しかし、このように国内メディアが揃って沈黙を守る中、気を吐いているのが海外勢だ。中でもフィナンシャルタイムズは10月3日、自社のHPで大きく「電通、日本における表現の支配者」という強烈な見出しの記事を掲載した。正月の電通賀詞交換会に日本のトップ企業が参集する異様さから、ライバルの博報堂の2倍以上もある規模の大きさ、オリンピック開催まで請け負う実施力、国内メディアに対する発言力などについて、私を含め数人の広告関係者からオンレコの証言を紹介、批判的な記事を発表している。

FTは世界でよく知られた経済専門紙であり、各国の経済に大きな影響があると判断したニュースを全世界の読者に配信している。つまり、この電通という会社の特異性が日本の経済社会に負の影響を与え、ひいては広告分野での日本市場の閉鎖性を招いているという実態を世界に向けて紹介しているのだ。これは海外での取扱高が50%を超えている電通に「アンフェアな、何かおかしな企業」というレッテルを貼り付けるから、株価や今後の海外展開などで相当な痛手となるのではないか。

そしてFTが示したとおり、海外メディアは電通に全く遠慮しないので、これからも痛烈な記事を発表することが予想される。それはそれで大変結構だが、そのたびに、何も報じない国内メディアの異常さが鮮明になっていくという図式は本当に情けない。一企業の犯罪行為を報道できないメディアに、存在価値などあるのだろうか。この事件に関しては、今後も情報収集し、積極的に発言していきたい。

▼本間龍(ほんま・りゅう)
1962年生まれ。著述家。博報堂で約18年間営業を担当し2006年に退職。著書に『原発プロパガンダ』(岩波新書2016年)『原発広告』(亜紀書房2013年)『電通と原発報道』(亜紀書房2012年)など。2015年2月より鹿砦社の脱原発雑誌『NO NUKES voice』にて「原発プロパガンダとは何か?」を連載中。

  『NO NUKES voice』第9号 好評連載!本間龍さん「原発プロパガンダとは何か?」
  商業出版の限界を超えた問題作! 全マスコミ黙殺にもかかわらず版を重ねた禁断のベストセラーが大幅増補新版となって発売開始!

真夏のようだった熊本「琉球の風2016~島から島へ」こんな時だからこそ元気を!

「琉球の風2016~島から島へ」が、10月2日(日)、熊本市北区のフードパル熊本で行われた。数日前までは熊本地方も温度が下がり、曇天がちだったそうだが、2日は午前中から強烈な太陽が照り付け、熱中症が懸念されるほどの「熱さ」の中、約2000人の聴衆を迎えて13:00から「さらに熱い」祭りが始まった。この日は沖縄から100名もツアーを組んで駆け付け、コンサート開催に先立ち義援金が熊本県に渡された。

今年の開催は当初5月15日が予定されていたが、4月14日に発生した熊本地震により、一時は中止せざるをえないのではないかと実行委員会でも判断に迷ったという。しかし「こんな時だからこそ元気を!」と前向きな延期が決まり10月2日を迎えることになった。

沖縄音楽の大御所、知名定男さんがプロデュースし、宇崎竜童さん、南こうせつさん、夏川りみさん、内田勘太郎(元・憂歌団)さん、かりゆし58、ネーネーズ、など16名(グループ)のミュージシャンが例年にも増して、熊本へ思いを託すステージを披露した。

知名定男さん

開演前に参加アーティストにお話を伺った。

◆「まず、中止にならなくてよかった」知名定男さん

――今年は地震があって延期になりました。でも、きょうはこんないい天気ですね。プロデューサーとして今のお気持ちを。

「まず、中止にならなくてよかったです。開催できることに対する感謝と喜びですよね。出演者も当初の出演者とスケジュールの都合で若干変わっていますが、南こうせつが出て来たリ、当初の予定と見劣りしないメンバーが揃いました。私も少しズルい呼びかけをしたので、『ギャラはでないよ』と(笑)。

夏川りみさん

震災後のイベントですからお客さんが入るかどうかも分からない。熊本支援のためと言葉では謳っていませんが、そういう気持ちで出演者には呼びかけました。開催にこぎつけられた、しかもこんな晴天でしょ。あとはステージ頑張るだけです」

◆「音楽で元気を伝えられたら」夏川りみさん

――5月開催の予定時から出演のご予定でしたが、地震があって中止か延期かという中できょう開催になりました。きょう、これから歌われるのを前にどのようなお気持ちですか。

「大変なことがあったからこそ音楽で皆さんに元気を伝えられたらいいなという気持ちは、たぶんここにいる皆さん同じだと思います。あと、できることになったと聞いた時に凄くうれしかったですね」

◆「自分がガッツを入れてこようと思って行ったら、逆にガッツ頂いてきた」宇崎竜童さん

宇崎竜童さん

――毎回特別出演でステージに上がられていますが、今年は大きな地震があって延期になりましたが、幸い晴天の下今日開催されます。今のお気持ちを。

「いつも知名が酔っ払って電話をしてくるんですよ。何を言っているのか趣旨がよくわかんない(笑)。呂律は回ってるんですけどね(笑)。延期にはなりましたが前回も呼ばれているし、熊本には沖縄の人がたくさん移り住んでるという事情も聴いていて、声が掛かったら無条件で知名プロデュースの仕事は出かけていくと決めているんです。地震のあとまた知名から電話があって、『中止にしようか延期にしようか無理矢理やるか、今考えているところだ』という話があって、きょうなんですね。でも、きょう歌う前に一度、阿木燿子と二人で被災地を訪問しようと思って、3カ所の公民館など被災されている方おられるところで40分くらい歌ってきたんです。そしたらなんか、みんなめっちゃ元気なんですよ。皆さん沈んでないんです。とても明るかったし普通にコンサートやった感じだったんです。自分がガッツを入れてこようと思って行ったら、逆にガッツ頂いてきたので、きょうはそのお返しのつもりでステージをやらせて頂きます」

◆「本土復帰した次の年にコザへ行ったのが最初だった」南こうせつさん

南こうせつさん

――今回5月であれば出演のご予定はなかったのですが、延期によりご参加頂けたことに特別の思いはおありになりましたか。

「知名さんから電話を頂いて『こういう変更になったんだけど』と聞いてその日なら行けると思って。昨日茨城でコンサートだったんですが飛んできました。前にも出たことはありますし、沖縄は定期的にコンサートに行っていますし、そういう関係ですね。本土復帰した次の年にコザ、今の沖縄市ですね、そこへ行ったのが最初だったんです。来月も沖縄でコンサートの予定があります。沖縄は戦後70年経って戦争体験者が段々亡くなっていって、それを引き継ぐ世代の我々がどういう位置づけをするのか、という重い課題を負っていますね」

宮沢和史さん

次いで敗戦から本土復帰、現在までの南さんによる「沖縄観」を力強く語って頂いたが、それはまた別の機会に紹介しよう。

◆「僕の方から実行委員会に『どんな形でもいいから歌わしてくれ』と」宮沢和史さん

――公式には休養でいらっしゃいますよね。去年は相当体がお辛そうでしたが。

「去年はきつかったですが今は元気ですよ。休養というか歌手活動はしないということですね。きょうは皆が元気になってくれればいいと思って、僕の方から実行委員会に、『どんな形でもいいから歌わしてくれ』とお願いしました」

◆「きょう歌えるありがたみ」かりゆし58

前川真悟さん(かりゆし58)

――今年は地震で開催時期がずれて、きょうを迎えましたが、きょうステージに立たれるにあたって去年とお気持ちに違いはありますか。

「毎回毎回ステージは違うんですけど、一回延期を決めた時に気が付いたんです。『あ、音楽は聴いてくれる人がいないと成り立たないんだ』って。きょう歌えるありがたみが前回とはちょっと違いますね」

◆宮沢和史さんの「島唄」で会場は最高潮に

このように例年にもまして各ミュージシャンの熱い思を胸に歌い上げた楽曲は、ステージで炸裂した。休養中の宮沢和史さんの登場にはひときわ大きな声援が上がり、知名定男さんが「絶対に歌わせますよ!」と煽ると会場は最高潮に盛り上がり、まさに絶唱「島唄」が披露された。

真夏並みの暑さであった空も夕方には涼しさが増し、「琉球の風2016」は爽やかに幕を閉じた。「琉球の風2016」に来られた熊本の被災者の方々にとっては必ずや元気と勇気を持ち帰って頂くイベントになったことだろう。

 

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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