1986年に福井市で女子中学生が殺害された事件の犯人とされ、懲役7年の判決が確定して服役後に再審請求をした前川彰司さんという男性が6日、一度は開いていた再審の扉を閉ざされた。名古屋高裁がこの日、高裁金沢支部が2011年に出した前川さんの再審開始決定について、検察の異議を認めて取り消した。
筆者はこの事件は詳しくないが、報道などによると、有罪の確たる証拠は何もなく、確定判決が有罪認定の拠り所にした知人たちの供述には随分怪しいところがあるという。それにそもそも、前川さんは福井地裁の第一審で無罪判決を受けながら逆転有罪とされた人で、取り消された再審開始決定でも「犯人であると認めるには合理的な疑いが生じている」と言われており、二度も「無罪」という司法判断を受けたに等しい人だ。それがいまだに「殺人犯」のレッテルを貼られていること自体、疑問を感じさせることである。新聞各社は6日の名古屋高裁の決定について、翌7日付けの朝刊で総じて批判的に報じたが、それらの記事はおおむね得心できるものだった。
筆者が冤罪の疑いを抱き、取材していた事件の被告人の男性が先月4日、最高裁に上告を棄却され、有罪が確定した。その男性は、森田繁成氏(44)。発生当初に大きく報じられた事件の被告人だから、名前をご記憶の方も少なくないだろう。
広島県の呉市で体を切断されるなどした猫の無残な死骸が公園や河川敷、路上などで見つかる事件が約1年に渡り、延々と発生し続けている。昨年3月に西惣付町で上半身だけの姿になった猫の死骸が見つかったのを皮切りに、同8月に1件、同10月に6件、同11月に2件、同12月に4件、今年1月に2件、同2月に5件……と遂に20件を突破。この間、この連続猫虐殺事件は地元マスコミのみならず、週刊誌やスポーツ紙でも次々に報じられ、全国的に関心を集める事案となっている。
「どうかマスコミの皆さん、皆さんも何度も過ちを犯してきたわけです、足利事件を含めて。報道のあり方も問われているんだから。警察がこれからも拘束したら犯罪だと言いましたが、いいですか、これから皆さんも同じように警察情報を垂れ流したら、皆さん自身の犯罪です! 犯罪報道の犯罪だと思う。だからどうか皆さん、自分の胸に手を当てて、自分はいったいどういうことでペンをにぎっているのか、考えてもらいたい」