コカイン所持で逮捕された高部あいが狙っている「韓国での再デビュー」

都内のマンションでコカインを所持していたとして、麻薬取締法違反(所持)で逮捕された女優でグラビアアイドルの高部あいが「韓国での再デビュー」を狙っているという。

「実は影で動いているのは、AV界や格闘技に顔が利く元写真集のコーディネーターA氏です。一時期、韓国の芸能界でモデルプロダクションを経営補佐し、韓国映画業界にも顔が利く人物。高部を整形させて名前を変えて、韓国映画のオーディションを受けさせるというウルトラCの方向でひそかに動いています。国内ではもう、再デビューの目はありませんからね」(芸能ジャーナリスト)

高部あい主演『女子高生ゾンビ』(2010年GPミュージアム)

すでに高部あいは、大手事務所を解雇され、タレント活動ができない状態だが、引退の話はいっこうに出ていない。
「やはりあのキュートなルックスと、記者の質問にもすぐに頭を回転させてこたえる賢さは捨てがたく、“海外なら成功する”と確信したA氏が、顔面整形後、高部あいのプロフィールと動画をもって、コネクションがある韓国芸能界に持ち込む予定です。前もって有力者に話をしたら、感触はかなりいいそうです。すでに別の芸名をどうするか検討中のようです」(同)

高部周辺に聞いてみると、もはや本人は日本に未練はないようだ。
「逮捕直後に、ありもしないSEX流出画像がネット上にアップされていたり、まったく根も葉もない男関係のニュースが流れたので、本人はもはやうんざりしているようです。はっきりいって日本にはなにも残すことはないようですね」(同)

高部がコカインを入手したルートは、「六本木ルート」とも呼ばれ、あたかも「芸能界を汚染するドラッグ」の全容が判明するかのような報道も見られた。
「そんな単純に解明できるルートじゃありませんよ。まあ警察に、ルートを吐露してしまって、闇社会から追われて海外への脱出を狙っている、とみるのが自然かもしれませんね」

いずれにせよ、高部あいの逮捕で、再び警察内部では、芸能人の取締りを強化しているという。
「このところ、歌手のディナーショーなんかは私服警官が内偵で来ているという話ですからね。もしかしたら、もうすでに、大物芸能人を数人マークしているという話もあります」(同)

さて、「海外高飛び」を狙う高部が残した「芸能人への薬物疑惑」はしばらく続きそうだ。(鈴木雅久)

◎福山雅治はマスコミを煙にまくのが天才的に上手かった!
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《脱法芸能45》吉松育美VS谷口元一裁判(5)『週刊新潮』記事と谷口氏の影響力

吉松育美写真集「Hollywood Debut」より(2013年IY GLOBAL, LLC)

吉松育美対谷口元一裁判の証人尋問の様子を続ける。吉松さんの訴訟代理人である西川紀男弁護士による吉松さんへの質問が続く。

西川紀男弁護士 『週刊新潮』についてお聞きしたい。『週刊新潮』があなたの佐賀のテレビとか、妨害したということはありましたか?

吉松育美 ありました。

西川紀男弁護士 『週刊新潮』による妨害は、谷口さんの影響があったといえるのでしょうか?

吉松育美 まず、『週刊新潮』の記事を見てみると、谷口さんが依頼した探偵の報告書がそのまま出ています。

西川紀男弁護士 先ほどの甲34号証の写真を見ますと、11枚の写真に世界核兵器解体基金という募金箱があるという内容を『週刊新潮』が全部、使っているんですね。それから、谷口さんが1ヶ月ぐらい前に週刊誌の記事の内容を知っていたということもあったとおっしゃいましたね。

(ここで、谷口氏の代理人より、「異議、本人はそのようなことを言っていません」という申し立てがあった)

――(国際文化協会の)平山さんの陳述書の中で2013年10月2日に会ったと言ってますね。その時に「(吉松さんのスキャンダルが)マスコミに出るよ」という話がありますが、その記事というのはいつごろ出たんですか。

吉松育美 11月14日発売の『週刊新潮』で出ました。

西川紀男弁護士 今、育美さんがおっしゃった『週刊新潮』の記事というのは、甲第14号証ということですね? これが133ページの11月14日発売の『週刊新潮』の記事。

吉松育美 これをもってどうして谷口さんが裏で動いた『週刊新潮』が出たのかといいますと、先ほどのミス・インターナショナル、国際文化協会の平山さんの陳述書の中で、谷口氏は11月14日発売の『週刊新潮』が出る1ヶ月も前、10月2日に面会をしています。面会の内容は谷口さんが、マスコミに私と谷口さんとマット・テイラーの事件を取り扱う上で、もしかしたら国際文化協会や吉松育美さんの名前が出るかもしれません、ご迷惑をおかけしますという内容で平山さんに接触しています。
つまり、谷口さんが(『週刊新潮』の記事の内容を)把握していたということ、谷口さんが話していた内容の記事、そのものが『週刊新潮』に1ヶ月後に出たので、その時点で『週刊新潮』の記事を把握していたということになります。しかし、谷口さんは週刊誌の人間でもなければ、まったく関係のない外部の人間であり、そこまでの情報を把握できるということは、つまり週刊誌の記者、または週刊誌ととても身近な存在である、影響を与えることができる存在であるということが容易に想像できます。

西川紀男弁護士 IYグローバル、つまり、あなたの会社に対する谷口さんのももろもろの行為、あるいは近所における探偵と称する者の行為については陳述書であなたがおっしゃっているとおりということですね。

吉松育美 異議ありません。

(これより、弁護士が西川洋司弁護士に交代して、いくつか補足質問を始めたが、その中から1つだけ抜粋する)

西川洋司弁護士 ミスジャパン時代に中国からの帰国が遅れたということですが、この点は文化協会は納得されていましたか?

吉松育美 はい。もともとこのアクシデントというのは、私が世界一になった後のことではなく、ミスジャパン時代のことです。また、ミスではないんですが、台風の影響で日本に帰国できなかった大変申し訳ありませんでしたということを当時の私が所属していた事務所の社長、仕事に関わったスポンサーの会長、じきじきに国際文化協会の会長にお会いして報告書も出して、話は丸く収まっているんです。なので、陳述書で(国際文化協会の)松永さんが主張しているような私の意思で仕事をやりたくないからといって、キャンセルしたという事実は一切ありません。

西川洋司弁護士 もし、文化協会が納得していなければ、世界大会に出場というのはどうなっていましたか?

吉松育美 本当に問題であれば、世界大会への出場すらできなかったと思います。

2015年11月20日付吉松育美さんFacebookより

以上で吉松さんへの主尋問(吉松さん側弁護士からの質問)は終了となった。次回より、反対尋問(谷口氏側弁護士からの質問)の様子を伝える。(続く)

○吉松育美さん公式サイト=http://ikumiyoshimatsu.com
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◎《脱法芸能41》「美の女王」吉松育美VSケイダッシュ谷口元一裁判(1)
◎《脱法芸能42》「美の女王」吉松育美VSケイダッシュ谷口元一裁判(2)
◎《脱法芸能43》「美の女王」吉松育美VSケイダッシュ谷口元一裁判(3)
◎《脱法芸能44》吉松育美VS谷口元一裁判(4)マット・テイラー氏とは何者か?
◎《脱法芸能45》吉松育美VS谷口元一裁判(5)『週刊新潮』記事と谷口氏の影響力

▼星野陽平(ほしの ようへい)
フリーライター。1976年生まれ、東京都出身。早稻田大学商学部卒業。著書に『芸能人はなぜ干されるのか?』(鹿砦社)、編著に『実録!株式市場のカラクリ』(イースト・プレス)などがある。

◎《脱法芸能36》宮根誠司──バーニングはなぜミヤネ独立を支援したのか?
◎《脱法芸能37》『あまちゃん』能年玲奈さえ干される「悪しき因習」の不条理
◎《脱法芸能38》音事協の違法性──芸能界が「独占禁止法違反」である根拠
◎《脱法芸能39》叶姉妹──芸能界に蔓延する「枕営業」という人身売買
◎《脱法芸能40》安室奈美恵「移籍劇」は芸能界決壊への「パンドラの箱」を開いたか?

芸能界の歪んだ「仕組み」を解き明かす!『芸能人はなぜ干されるのか?』

 

2015年再考(2)橋下ファシズム台頭の起源──TV×維新×虚言の愚劣な結託

-橋下徹公式HPより-

今年もこの男のはしゃぎ振りは相変わらずだった。おおさか維新の会の暫定代表を12月12日に辞任した橋下徹である。

今週18日の大阪市長任期満了と共に政界引退を表明している橋下が注目を浴び出したのはいつの頃からだろうかと振り返ってみと、おそらく日本テレビ系列の「行列のできる法律相談所」に出演し始めた2003年からであろう。それ以前にも関西ローカルのラジオ・テレビへの出演歴はあったが、島田紳助が司会の「行列のできる法律相談所」への出演が橋下勘違いの大きな転機になったと想像される。

◆やしきたかじん「そこまで言って委員会」の罪

さらに同年、「たかじんのそこまで言って委員会」にもレギュラーとして橋下は出演を始める。首都圏では放送されない「そこまで言って委員会」は「そこまで言ってはいけない」暴論が毎週飛び交う自民党・右翼翼賛番組だが、ここで更に橋下は「暴走」が許容されるメディア状況と「極論・暴論」がむしろ歓迎される時代背景に気が付く(「笑っていいとも」、「スーパーモーニング」など全国ネットでの番組にも曜日限定レギュラーで出演していたし、関西圏ではそれ以外にも多数のテレビ番組に出演していた)。故人ではあるが「やしきたかじん」が「関西ファシズム」伸長に果たした役割は計り知れないと言わなければならない。関西弁で庶民風の語り口をすれば、一見「反中央」、「反権威」と思わせる雰囲気を醸し出しながら、総体として現体制の補完、否更なる強化へと導引した罪は重い。政治などに口を出さずに歌を歌っていればよかったのだ。立派な歌い手だったのだから。


◎[参考動画]2008年放送「そこまで言って委員会」 脇博2015年11月22日に公開

これらテレビ出演目白押しであった「タレント弁護士」橋下の狙いは最初から政界進出にあったのだろう。質が悪いのは橋下が衆目を引き付ける「タレント」としてのスキルと法知識の専門家である「弁護士」資格を保持していたことだ。お気軽にテレビを眺める庶民にとっては、金髪で語りが滑らか、笑いも適度に誘う橋下があたかも身近な存在のように感じられたのか。橋下の腹にはテレビ出演が目白押しになった頃から「視聴者(庶民)はこの話法で騙せる」と確信めいたものが湧いていたに違ない。


◎[参考動画]橋下徹出演番組で水道橋博士が生送中にキレて番組降板? Ho AlexiaBelle 2013年06月21日に公開

「(府知事選出馬は)2万パーセントでも何パーセントでもありえない」と断言していた橋下はテレビで習得した鋭敏な感覚(自分のキャラクターであれば嘘を発言しても批判されない、むしろ驚きを持って共感を得ることが出来る)をまず実践する。

大阪を覆う橋下ファシズムの不幸な幕開けだ。

◆「維新」という名の復古主義

「維新」という古臭く復古主義者が好む名詞を自身の政治団体に冠したのは、橋下自身が復古主義者的性格を帯びている証だ。その橋下の政治的道具として使用便利なある本音が明かされたのが大阪府知事時代の過去の発言である。

「出生主義か、血統主義かをいろいろ考えるに当たっては、やはり天皇制が一番重要なポイントになってくると思います。日本国憲法の第一章のところ、一番最初のところに、国民の権利義務の前のところに天皇制というものをきちんと置いて、我々は天皇制をいただいているということは、やはりこれは血統主義なんだと、日本の国柄というものは血統主義なんだということを前提に我々の国家、日本というものは成り立っているんではないかというふうに考えます」(2010年2月26日大阪府議会での発言より)

これは橋下が「国民」をどう考えるかについて見解を述べたものだ。憲法第一章で天皇に関する言及がなされていることは間違いなく、それが現行憲法の最大の問題だと私は考える。だが、憲法第一章は天皇の位置づけや権限を述べているが、たとえば第一章「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」は、文言通りに解釈すれば「国民の総意」がなければ「天皇は国民統合の象徴」足りえないとの解釈余地もある。それ以前に憲法前文が掲げる平和主義、国民主権との乖離が著しいのが第一章だ。

私如き素人が法律論を展開しようとしているのではない。確かに憲法第一章には天皇への言及は存在する。だが国民を定義するにあたり「出生主義」か「血統主義」かの二分法に議論を閉じ込め、その中で強引に天皇制の存在を根拠に「血統主義」だと結論付ける橋下の思考には「差別」に直結する短絡が垣間見られる。


◎[参考動画]橋下徹市長の街頭演説 橋下徹ちゃんねる激怒・論破 2015年4月12日に公開

◆橋下思想の基層──「差別を温存する優越意識」と「嘘を語ることは武器になる」という確信

『週刊朝日』2012年10月26日号

橋下の出自などから人物像を浮かび上がらせようとした佐野眞一は「週刊朝日」連載の中で、決定的なミスを犯した。出生に立ち返り、橋下像を浮かび上がらせようとの意図は伺えたが、被差別者への配慮が重大に欠落していたことは否めない。橋下がそれを見逃すはずはなく、結果朝日新聞出版の社長が辞任する事態にまで追い込まれた。

しかし、ここで読者諸氏に注視を促したいのは、橋下が紹介した通り「国民」の定義を述べるにあたり天皇制を引き合いに「血統主義」だと語っていることだ。国民の定義議論だけではなく、天皇制を根拠とする「血統主義」は天皇家、皇室と相反する「被差別」の立場におかれる人々の「血統」をも確定し、それが社会的選別の尺度になると懸念はないだろうか。橋下は「日本の国柄というものは血統主義なんだ」とまで踏み込んで発言している。これが橋下の本音であり根本なのだろうけれども、この解釈は民族だけでなく出自によるあらゆる差別温存を弁解する論法に与するものではないか。差別そのものではないのか。

私はこれまで何度も橋下の愚劣さ、虚構について言及してきた。そして今回橋下の根本には「差別を温存する優越意識」と「嘘を語ることは武器になる」との思考が常時備わっていることを再度指摘しておきたい。


◎[参考動画]田原総一朗『橋下さんの言っていることがサッパリわからない!』 n Yasu 2014年02月12日に公開

◆「現状打破」してくれる超人を求めることで台頭するファシズム

大阪府知事選挙を前に、
「(府知事選挙出馬は)2万パーセントでも何パーセントでもありえない」
と語った橋下。

大阪都構想の住民投票を前にした5月9日に、
「だって、住民の皆さんの考え方とか、住民の皆さんの気持ちをくむのが政治家の仕事なわけだから、ここまで5年間精力かけてやってきたことが、大阪市民の皆さんに否定されるということは、政治家としてまったく能力がないということ。早々とそんなら政治家辞めないと、危なくてしょうがない。運転能力のない者がハンドル握るようなもんでね、早く辞めなきゃダメですよ」
と住民投票が否決されれば政界引退を明言した橋下。

「引退するはず」だった橋下、「運転能力のない者がハンドル握る」状態が続く「大阪維新の会」に再度信任を与えてしまった大阪府民と市民(もっとも大阪知事、市長選挙は「安倍か橋下か」という不幸極まる選択を押し付けられた選挙だった)。

どこかに、「現状打破」してくれる超人がいないだろうか、と英雄や強い指導者の出現を待ち望む深層心理が相変わらず有権者にはありはしないだろうか。

現代の政界における「英雄待望論」はそっくりファシズムの足固めだ。「立派な」「強い」指導者など要らないし、いるはずがない。変えられるとしたらまず自分自身の内面を凝視しなおす事からだろう。反面教師橋下先生をもう一度しっかり見つめながら。


◎[参考動画]橋下徹市長vs 在特会・桜井誠会長 橋下徹ちゃんねる激怒・論破 2014年10月20日に公開

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

◎2015年再考(1)「シャルリー・エブド」襲撃事件と表現の自由、力学の軋み
◎大阪ダブル選挙──「安倍と橋下どっちを選ぶ?」の選択肢しかなかった不幸
◎挙句の果ての「1億総活躍」──狂気、矛盾、悪意、恫喝づくしの安倍暴走政権
◎隣のクルド人──「国を持たぬ民」が日本社会で暮らすということ

「脱原発」×「反戦」の共同戦線総力誌『NO NUKES voice』第6号!
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100人集まらなければ即、解散!──「わけありブラザーズ」の捨て身ライブ

炎上商法、大成功。2014年4月にデビューした「ワーケ」「アーリ」の二人組「わけありブラザーズ」が1STシングル「笑い飛ばせ」をひっさげて11月18日にインディーズデビューが決定した。11月15日は、先行して行うワンマンライブ(目黒ライブステーション)で大胆にも「100人集まらなければ即、解散」と捨て鉢な条件での船出を敢行。
「これは、かつて『モーニング娘。』の初期につんくが仕掛けた『サドンデス商法』の再現です。デビューシングルが○枚売れなければ即、解散などと『ASAYAN』(テレビ東京)でさんざん、『モーニング娘。』のメンバーたちが追い込まれた様子をリアルに視聴者に見せて同情票をかき集めた手法です」(芸能ジャーナリスト)

目黒の会場には、開場1時間前からファンがならび、見事に122名の来客を数えて、解散を回避した。会場から人がこぼれそうな熱気がステージに伝わる。喜びの中、レパートリーの『口内炎と知覚過敏』から演奏を開始、歌詞を「やめたくねえ」と言い換えたりして爆笑をとった。


◎2015.11.15「わけありブラザーズ」インディーズデビュー告知

しかし、「何がなんだからわからないのに誘われて来た」という客も大量にいたのは確か。ライブ終了後、観客数の122名が発表されると、割れんばかりの歓声が上がった。

ファンの男性に「ちょっと買い物に目黒へ行こう」と誘われて、ついでに彼女をライブ会場に強引に連れてきたというA氏は「楽曲がすばらしいし、MCもおもしろい二人組です。やめてほしくないのに彼女を引きずりこみました」と笑う。また、「ラグビー観戦に行こう」と誘われたが来てみたら「わけありブラザーズ」のライブで、そんなあけすけなウソで連れて来られた大学生の男性は「まるでどこかのカルト団体のような強引さです。まあ、楽しいライブだったからいいですけど」と苦笑いだ。 まさに演奏するほうが「わけあり」なら観客も「わけあり」だ。

音楽関係の人気ブロガーも招待されていたという。
「このバンドは、日常の矛盾や生活上の不満を音楽にのせるのが上手だ。ドラマの主題歌に決まったりすれば一気にブレイクするだろう」(音楽評論ブロガー)と音楽性の評判は上々だ。

さあ、『わけありブラザーズ』希代の道化師か、それとも時代を席巻するバンドなのか。とりあえず、熱狂的なファンは「音楽的にしっかりしているので、武道館や後楽園ドームのライブも狙える実力派です」(最前列にいた女性)と語る。
しかし同時に、人数合わせで呼ばれたのか、「一応、アリバイ的に見に来たよ」とばかりに、開始してすぐに5人が帰ったのもまた事実。大挙した観客のうち、何人が純粋なファンなのかは、おそらく2回目のライブにはっきりするだろう。

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、著述業、落語の原作、官能小説、AV寸評、広告製作とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論!」の管理人。

◎禁煙ファシズムに抗う劇場版「MOZU」の喫煙シーン
◎愛国的な韓国人や日本のネトウヨが卒倒しそうな韓国艦「テ・ジョヨン」の姿
◎川崎中1殺害事件の基層──関東連合を彷彿させる首都圏郊外「半グレ」文化
◎国勢調査の裏で跋扈する名簿屋ビジネス──芸能人の個人情報を高値で売買?

スクープ!武黒一郎=元東電フェローを直撃! 話題の『NO NUKES voice』第6号絶賛発売中!

 

ボクサー転向物語(1)ボクシングからキックボクシングに転向した名選手たち

「隣の芝生は青く見える」そんなキャッチフレーズがよく似合うスポーツ界の競技転向はよく聞く話です。ひとつの競技で引退勧告を受けたり、挫折したり、誘いを受けたり、止むを得ず転向を余儀なくされる場合など理由は様々でしょう。

ボクシングからキックボクシングに転向した選手も、またその逆のパターンも、過去多くの転向者がいました。昭和40年代にはキックボクシングのテレビ放映で「国際式ボクシングの経験のある〇〇選手……」という表現も多く使われました。そこで2週に渡り、それらの名選手を振り返り紹介します。今週はボクシングからキックボクシングに転向して活躍した名選手たちです。

2001.11.9 田中信一

高山勝義(木村→目黒)はプロボクシングで1966年(昭和41年)3月1日、22歳で世界フライ級王座決定戦に出場し、接戦の判定負けという経験を持つ実績も豊富な名選手でした。1970年に引退後、1972年9月のキックデビュー戦は引分け、4戦目で後の日本バンタム級チャンピオンとなる樫尾茂(目黒→大拳)には敗れ初黒星が付き、その後もパンチの強さで勝ち抜くも日本王座にはあと一歩届かなかった選手でした。

西城正三(協栄→東洋パブリック)は1968年(昭和43年)21歳でWBA世界フェザー級王座を奪取し、6度目の防衛戦に敗れてまもなく、キック転向は大きな話題と注目を浴びました。デビュー後順調な連勝も、1973年3月、全日本ライト級チャンピオン.藤原敏男(目白)には圧倒される内容で棄権敗北して引退。この一戦は暴動寸前の決着でかなり有名な試合でした。

金沢和良(アベ→東洋パブリック)も1971年(昭和46年)10月に24歳でWBC世界フェザー級王座挑戦し、チャンピオンのルーベン・オリバレス(メキシコ)との壮絶な試合は有名ですが、キックでは大きな実績はなく引退。その後はお寺の住職となって新たな話題となる転向でした。

田中信一(新和川上→山木)は23歳で「田中小兵太」のリングネームで1988年(昭和63年)7月、日本バンタム級タイトル獲得、2度目の防衛戦で敗れこの年の暮れ引退。キック転向後は「山木小兵太」や本名の田中信一で活躍し2001年11月、王座決定戦で吉岡篤史(武勇会)に判定勝利で第10代MA日本バンタム級チャンピオンとなりました。

2014.12.13 渡辺信久(日本キックボクシング連盟代表理事)

タイトル歴はありませんが、現在、日本キックボクシング連盟代表理事の渡辺信久(東邦→協同)氏は1966年(昭和41年)20歳の時、ボクシング試合でのダメージ蓄積から右眼網膜剥離を患って引退勧告を受け、その後、リングへの未練を残してキックボクサーとして転身。1968年12月デビュー後、8戦目でタイ人選手との対戦でまたも右眼を、ヒジ打ちによってダメージを受け右眼失明。今度ばかりは医者も「このままでは両目失明に至る」との宣告を受け、引退を余儀なくされました。1970年2月、若くして引退ながら翌月には24歳で渡辺ジムを設立、自らの夢を託し14人ものチャンピオンを育てました。

1983.9.18 稲毛忠治

ボクシングからキック転向し、開花したのは稲毛忠治(千葉=キック/デビュー当時は全日本系)。1971年(昭和46年)3月、19歳デビューで打たれ強くて倒れないオールラウンドプレーヤーで、売り出し中の富山勝治(目黒)に迫る急成長で、1973年(昭和48年)1月に一度は引き分けるも1975年1月には富山を1ラウンドKOで東洋ウェルター級王座を奪取しました。

他には、当時、全国的に名前の広まった乗富悦司(ミカド→目黒)をはじめ、無名どころまで、まだまだあると思いますが、一応の区切りとし、次週はキックからボクシングへの転向編です。

[撮影・文]堀田春樹

▼堀田春樹(ほった・はるき)
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない。」

◎強くなるためにタイへ行く!日本キックボクサー「ムエタイ修行」今昔物語
◎大塚隼人が引退し、ムエタイ王者がリングに上がった11.15「Kick Insist 5」
◎ルール変更の紆余曲折から辿る日本キックボクシング界の栄枯盛衰クロニクル

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《脱法芸能44》吉松育美VS谷口元一裁判(4)マット・テイラー氏とは何者か?

前回までにお伝えした吉松育美対谷口元一裁判の証人尋問でたびたび登場するマット・テイラーという人物について説明をしたい。

◆「川田亜子さんの死の謎を知るアメリカ人」として紹介されたテイラー氏

吉松育美写真集「Hollywood Debut」(2013年IY GLOBAL, LLC)

そもそも、テイラー氏が日本のマスコミで注目されたのは、2008年5月に元TBSアナウンサー、川田亜子さんが練炭自殺した事件だった。テイラー氏は、川田さんの「最後の恋人」とされ、川田さんの死の謎を知るアメリカ人として紹介された。

報道志望だった川田さんは2007年11月ごろ、世界核兵器解体基金という財団の代表を務め、核兵器廃絶を訴える平和活動家だったテイラー氏と知り合い、意気投合したという。当時、テイラー氏は核廃絶を祈る日本人僧侶らを追ったドキュメンタリー映画『GATE』の監督として製作を進めていたが、川田さんもこれにボランティアスタッフとして関わり、試写会の司会を務めたいと希望していたが、それが叶うことはなかった。

◆谷口氏に約1億円の損害賠償を請求する裁判を起こしたテイラー氏

川田さんは、2007年3月にTBSを退職し、大手芸能事務所ケイダッシュ所属のフリーアナウンサーとなったが、筆者がテイラー氏に取材したところ、そのきっかけとなったのが谷口氏との関係だったという。

川田さんを見初めた谷口氏はケイダッシュへの移籍を求め、川田さんもこれを受け入れた。交際を始めた2人はやがて婚約し、パリに旅行に行った。この時の旅行で谷口氏は自分の秘密を打ち明けた。これを聞いた川田さんは、谷口氏に強い不信感を持ち、婚約を破棄し、別れようとしていたという。

その後、川田さんはテイラー氏と知り合い、深い関係になっていった。だが、谷口氏は2人を許さなかった。

雑誌に川田さんのスキャンダル記事が掲載され、テイラー氏が製作を進めていた映画にも妨害があったという。

そして、2008年5月25日、川田さんは港区海岸の路上に駐車してあった車の中で倒れているところを発見され、死亡が確認された。

川田さんの死後、テイラー氏は、「川田さんの自殺事件の真相を明らかにする」として谷口氏に約1億円の損害賠償を請求する裁判を起こした。

テイラー氏は、谷口氏が「テイラーは詐欺師だ」と触れ回った結果、公開が中止に至ったと主張していたが、谷口氏は逆に「テイラー氏は、ロシアの核兵器解体現場を撮影させると約束し、1000万円を受け取ったのに、撮影は実現しなかった」として反訴した。テイラー氏は、谷口氏か返還を求めた1000万円について「NGOの趣旨に賛同した谷口からの贈与である」と主張したが、結局、この裁判でテイラー氏は敗訴し、1000万円の支払いが命じられた。

◆吉松さんのトラブルの背景に見え隠れする谷口氏とテイラー氏の対立

その後、吉松さんと谷口氏の間にトラブルが発生すると、谷口氏は吉松さんと近いテイラー氏に対してプレッシャーをかけようとしたのだろうか、先述した裁判で生じた債権が回収できていないとしてテイラー氏に対して破産を申し立てたのだった。

この時、テイラー氏は谷口氏に分割での支払いを申し出て、話はまとまりかけたが、2013年3月、谷口氏は土壇場になって1000万円の返還に加え「吉松育美の個人保証と権利」を条件とすることを提案した。テイラー氏は「吉松さんはこの件と関係がない」として、谷口氏からの提案を拒否して破産を受け入れると主張。すると、谷口氏は一転して破産申立自体を取り下げたのだった。

以上述べたように、吉松さんと谷口氏のトラブルの背景には、自殺した川田亜子さんをめぐる谷口氏とテイラー氏の対立があったのである。

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◎《脱法芸能41》「美の女王」吉松育美VSケイダッシュ谷口元一裁判(1)
◎《脱法芸能42》「美の女王」吉松育美VSケイダッシュ谷口元一裁判(2)
◎《脱法芸能43》「美の女王」吉松育美VSケイダッシュ谷口元一裁判(3)
◎《脱法芸能44》吉松育美VS谷口元一裁判(4)マット・テイラー氏とは何者か?

▼星野陽平(ほしの ようへい)
フリーライター。1976年生まれ、東京都出身。早稻田大学商学部卒業。著書に『芸能人はなぜ干されるのか?』(鹿砦社)、編著に『実録!株式市場のカラクリ』(イースト・プレス)などがある。

◎《脱法芸能36》宮根誠司──バーニングはなぜミヤネ独立を支援したのか?
◎《脱法芸能37》『あまちゃん』能年玲奈さえ干される「悪しき因習」の不条理
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2015年再考(1)「シャルリー・エブド」襲撃事件と表現の自由、力学の軋み

2015年を振りかえってみようと思う。マスコミが毎年年末に年中行事として行う「今年の10大ニュース」のような凡庸な行為だが、自分の愚かさを振り返りつつこの1年を回顧する。


◎[参考動画]Charlie Hebdo: Paris terror attack kills 12? BBC News 2015/01/07 に公開

1月7日フランスの「シャルリー・エブド」が襲撃され、12名が死亡し20名以上が負傷する事件が起きた。あの事件は今年に起こっていたの?と錯覚を起こすほどはるか昔の出来事のように感じるのは11月13日に同じくフランス、パリで130人の犠牲者を出すことになる同時襲撃事件を目の当たりにして間がないからかもしれない。

「シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)」HPより

◆「表現の自由」がどこまで許されるのか?

「シャルリー・エブド」襲撃事件は年始にあって2015年、世界の注目がどこに注がれるのかを示唆するに充分過ぎる衝撃であった。報道機関への襲撃は「言論の自由への攻撃」と非難を浴びたし、「表現の自由」がどこまで許されるのかといった長年にわたる議論をさらに喚起する要因にもなった。

襲撃事件に国際社会が足並みをそろえて非難を表明し、「Je suis Charlie」(私はシャルリー)を公言する著名人が世界に溢れた。私は本コラム1月16日「『シャルリー・エブドと『反テロ』デモは真の弱者か』の中で、

「フランスのオランド大統領から『テロとの戦争』という言葉を聞くと彼が被害者には思えなくなる。この事件のそもそもの原因は『シャルリー・エブド』紙がイスラム教を揶揄するような風刺漫画を掲載したことだった。そして、同紙がイスラム教を揶揄する風刺漫画を掲載したのは、今回が初めてではない。2006年から断続的に同紙はイスラム教を挑発する内容の風刺漫画を掲載しており、その度に、フランス在住のイスラム教徒からデモなどの抗議行動を受けていた。フランス政府も『あまりイスラム教徒を刺激し過ぎないように』と2012年には自粛要請を行っている。

イスラム教風刺にかけて『シャルリー・エブド』は『確信犯』だったわけだ。その証拠に1月14日発売の事件後初の誌面にもまたもや『ムハマンド』の風刺が掲載されている。(中略)『シャルリー・エブド』は国際社会から『承認』されている。決して弱者ではない。私の杞憂であればよい。でも、そうでなければ同様の『テロ』事件は続発するだろう。」

と私見を述べた。「シャルリー・エブド」襲撃事件の被疑者とパリ、同時襲撃事件の被疑者はともにイスラム教徒ではあるが、後者は「IS」が組織的に計画、実行した事件であると見られているのに対し、「シャルリー・エブド」襲撃事件の被疑者は「IS」との関係を否定している者がいる。

◆被抑圧者と世界を支配する力学の軋みが惨事を引き起こした

この際、事件を起こしたグループが同一かそうでないかはあまり重要ではない。明確なことは抑圧者と被抑圧者の歴史、宗教観と世界を支配する力学の軋みがこの惨事を引き起こしたという点だ。そしてそのような視点に被害者及び被害者に与する世界の洞察が及んだかどうかではないだろうか。私はそうすることなしに同種の襲撃事件の再来を防ぐことは出来ないだろうと考えた。

「世界」や「正義」、「歴史」さらには「人間の命」は徹底的に不平等なものであることを2015年の年頭、我々に突き付けたのが「シャルリー・エブド」襲撃事件だった。人間は進歩するのか、理性は進化するのか、「正義」や「大義」といった言葉に対して新しく説得力溢れた意味付けがなされうるのか、が問われたがいずれも回答は無残なものだったと結論づけるしかない。

私たちが事件を知り、その背景に思いを巡らすとき、事件はマスメディアや強者によって予めバイアスのかかった誘導が行われる。だから「意味」の闘いに備えるには常時弱者や庶民が「徹底的に不平等な社会」を認識し考慮に入れておかないと混迷に陥る。

「世界中(もちろん日本でも)でキナ臭いことが起こるよ」との警鐘を鳴らしたのが1月7日の事件だった。そしてこの島国で、私たちはまた大きな後退を迫られた1年となったのはご承知の通りだ。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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禁煙ファシズムに抗う劇場版「MOZU」の喫煙シーン

迫力ある悪役を演じる北野武が加わったことで、好調に観客動員数を伸ばしている劇場版「MOZU」。主人公の西島秀俊がヘビースモーカーで「嫌悪感が走る」と嫌煙家たちの間で話題にのぼるも、これに反論した。

劇場版 MOZU

俳優の伊勢谷友介が、「タバコが嫌いなのを映画に当てつけてる」「無視していくべきだと思う」とコメントし、さらに「本当にどうでも良いと思ってる。そういう所やーやー言われても、無視していくべきだと思う」とまっこうから嫌煙の議論に反抗した。これに「よくやってくれた」とばかりに、愛煙家としては久しぶりに溜飲を下げている。とくに「喫煙派の演出家」が喫煙シーンを増やしそうだ。

「いやいや、伊勢谷は、映画とタバコをからめて『喫煙が悪い』とされる風潮に反論したので、別に喫煙を是認したわけではありません。それなのに、現場のディレクターたちは、これでタバコが似合う俳優たちがイキイキとできる。とくに悪役で食っている連中たちは、うれしがっていて、脚本上、タバコのシーンがじわじわ増えているのです」(ベテランの脚本家)

今や、刑事ドラマでも刑事たちは喫煙しない。かわりに楊枝をくわえていたり、ガムを噛んでいるのが通例だ。
「よくよく考えれば、本物の刑事たちも、警察が禁煙なのでそのほうが自然なのですが、遠藤憲一やオダギリジョーなどは、タバコを手にしたほうが絶対に絵になると演出家たちは考えていますよ。女性でも、何も指示しなくとも、小泉今日子や室井滋などは、アクが強い役をやると喫煙したがる。要するに喫煙する、しないは表現の自由だと思いいますよ」(都内のテレビ制作会社スタッフ)

かつて、宮崎駿の引退作のアニメ「風立ちぬ」の喫煙シーンが多いことにクレームがついたのが記憶が新しいが、そのときのクレームは、「病人の前で喫煙している」「学生にタバコを勧めている」の2点が問題となった。

「確かに、テレビシリーズでも映画でも、西島はよく喫煙している。だがこのシリーズに限っては、喫煙シーンは不気味な犯人が得体のしれない目的のために動いている不気味さを描くのに不可欠だと見るのが正しい」(同)

制作したTBSに「タバコのクレームは何件来ていますか」と聞くと「喫煙シーンが多くて不愉快だという意見はいただいていますが、件数は掌握してません」とのこと。

確かに、喫煙するしない、は映画の本質ではない。制作したTBSもそんな枝葉末節なことは「煙にまきたい」というところだろう。

▼ハイセーヤスダ(編集者&ライター)
テレビ製作会社、編集プロダクション、出版社勤務を経て、現在に至る。週刊誌のデータマン、コンテンツ制作、著述業、落語の原作、官能小説、AV寸評、広告製作とマルチに活躍。座右の銘は「思いたったが吉日」。格闘技通信ブログ「拳論!」の管理人。
◎愛国的な韓国人や日本のネトウヨが卒倒しそうな韓国艦「テ・ジョヨン」の姿
◎川崎中1殺害事件の基層──関東連合を彷彿させる首都圏郊外「半グレ」文化
◎国勢調査の裏で跋扈する名簿屋ビジネス──芸能人の個人情報を高値で売買?

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《脱法芸能43》「美の女王」吉松育美VSケイダッシュ谷口元一裁判(3)

前回に引き続き、吉松育美対谷口元一裁判の証人尋問の模様をレポートする。

吉松育美さん記者会見動画より(日本外国特派員協会公式チャンネル2013年12月16日公開)

◆久光製薬との広告契約が合意直前で流れた原因

西川紀男弁護士 育美さんと久光製薬との広告契約についてのお話をお聞きしたいです。久光製薬とのCM出演の話は、育美さんと久光製薬の本社が同郷だということで出てきたんでしょうが、いつごろから?

吉松育美 私が世界一になったわりとすぐ後、2012年年末に、地元でパーティーがあったんですが、その時、久光製薬の中冨(博隆)会長から直々に「CMの話を考えているからね、よろしくね。こういう商品だから使ってみてね」と商品まで一緒に渡されて、CM出演を直接、依頼されました。

西川紀男弁護士 その話は結局だめになったんですよね? 原因は?

吉松育美 原因は谷口元一さんが妨害したからです。

西川紀男弁護士 どういう妨害ですか?

吉松育美 久光製薬や電通などに私の悪い噂を流しました。

西川紀男弁護士 甲第31号証を示します。ここに広告出演契約書とあります。それはいつごろ、渡されましたか?

吉松育美 これを渡されたのは、2013年の6月になります。

西川紀男弁護士 そういうドラフトが出てくるということは、交渉の進展というのはどの程度のものでしょうか?

吉松育美 このようなドラフトができあがっているというのは、つまり、ハンコ待ち、90%は交渉が成立していたということだと思います。

西川紀男弁護士 金額はいくらでしたか?

吉松育美 3000万から5000万円。

西川紀男弁護士 そういうことで、合意といってもいいですか?

吉松育美 はい。

西川紀男弁護士 久光製薬と電通、あなたたちとの話し合いがあって、2013年8月28日ごろ、だいたいダメなんだという結論が出ているんですよね。

吉松育美 私が知ったのは9月10日のミーティングです。久光製薬の方から、社内と電通で吉松育美さんのCMをやめようという意見が出てきたとのことでした。

西川紀男弁護士 久光としては何を一番恐れたのか?

吉松育美 それは谷口さんからの妨害を一番気にしていました。

西川紀男弁護士 妨害というのは?

吉松育美 私が久光さんと契約をした後、久光さんのイメージ、またはブランドイメージに影響するようなスキャンダルだったり、悪いことが起きるのではないかということを心配していました。

西川紀男弁護士 それはマットさんとあなたの関係を公にするということですね。別に何もないんでしょうが、そういう話が谷口さんからあった?

吉松育美 久光製薬の方からは直接そのような話は聞いていませんが、谷口さんはこれまで私の父親に対しても「(育美さんは)テイラーさんと同棲しています。探偵を雇ったので、写真もあります。ミス・インターナショナルを運営している国際文化協会の事務局にも育美さんとテイラーさんが同棲していることを示すスキャンダル記事があります。場合によっては、それを出すみたいな話が起きているんですよ」と国際文化協会の松永さんからも言われました。また、『週刊新潮』の記事の中にも私とテイラーさんが一緒に住んでいるかのような表現があったので、谷口さんの言う私のスキャンダルというのは、テイラー氏と同棲していることだと思います。

西川紀男弁護士 そういう同棲とかそういう事実はまったくないんですね?

吉松育美 まったくないです。

◆体調不良で辞退してくださいと国際文化協会の方から……

西川紀男弁護士 あなたは2012年のミス・インターナショナルだから、2013年の新しいミス・インターナショナルのクラウンプリンセスができれば、新しいミスに王冠やガウンを着せるという役目があなたにはあったわけですよね。それはあなたにとっては大変名誉なことなのに、それができなくなったということでよろしいですか?

吉松育美 (言葉に詰まって)ごめんなさい。悲しいことなので……。谷口さん本人からミス・インターナショナルのスポンサーであるミスパリの方にガンガン連絡が来ている。ケイダッシュの谷口さんが動いているとなると、今後、スキャンダルが2番手、3番手出るか分からない。だから、吉松さんは体調不良で辞退してくださいと国際文化協会の方から……。

西川紀男弁護士 体調不良を理由に休んでくれということを言われたということですね? あのヒラヤマさんとか、マツナガさんたちの陳述書の中には、育美さんの不誠実な対応があるとか、仕事をしなかったとかいうような文言が入っていますが、その点については?

吉松育美 そういう事実はまったくありません。

西川紀男弁護士 中国から帰ってくるのが遅れて仕事ができなかったというようなことがあったようですけど、それはどういう原因なんですか?

吉松育美 ミス・ジャパン時代なんですけど、中国から日本に帰ってくる前に台風の影響で乗り継ぎが遅れてしまって、日本に帰国することが遅れたために、仕事をまっとうすることができませんでした。

西川紀男弁護士 私が先ほど、「同棲とかそういうことはないですね」とお伺いしたら、「ありません」と、あなたはきっぱりと否定した。ところが、谷口さんの方で調査されている行動調査報告書、甲第33号証、甲34号証、これらを示します。これを見ると、「一緒に家に帰ってくる」「9時以降は全然外に出なかった」という報告書なんです。ということは、ずっと2人がそこにいたということにはなりませんか。

吉松育美 なりません。まず、8月25日、探偵の方が調査を行ったことですが、9時以降もテイラー氏と私が同じ部屋で出てこなかったという報告がありますが、それは事実と異なります。

西川紀男弁護士 テイラーさんは出て行ったのですか?

吉松育美 はい。その日は、テイラーはレンタカーを借りていました。なので、私も一緒に帰宅し、レンタカーで私を降ろしてそのままその足でレンタカーを返しに行っています。なので、レシートを見ていただければ分かると思いますが、

西川紀男弁護士 今、おっしゃったレシートというのは、甲第35号証ということですね。そのレンタカーの実着日というのが8月25日日曜日8時44分ですね。8時44分にはレンタカーを返しに行っている。逆算すると、家には確実に8時44分前に出なければいけないので、その報告書というのは、デタラメな報告書です。(続く)

○吉松育美さん公式サイト=http://ikumiyoshimatsu.com
○吉松育美さんFacebook=https://www.facebook.com/yoshimatsuikumi?ref=hl
○吉松育美さんYouTube=http://www.youtube.com/user/yoshimatsuikumi


◎[参考動画]吉松育美さん記者会見(日本外国特派員協会=FCCJ公式チャンネル2013年12月16日公開)

◎《脱法芸能41》「美の女王」吉松育美VSケイダッシュ谷口元一裁判(1)
◎《脱法芸能42》「美の女王」吉松育美VSケイダッシュ谷口元一裁判(2)
◎《脱法芸能43》「美の女王」吉松育美VSケイダッシュ谷口元一裁判(3)

▼星野陽平(ほしの ようへい)
フリーライター。1976年生まれ、東京都出身。早稻田大学商学部卒業。著書に『芸能人はなぜ干されるのか?』(鹿砦社)、編著に『実録!株式市場のカラクリ』(イースト・プレス)などがある。

◎《脱法芸能36》宮根誠司──バーニングはなぜミヤネ独立を支援したのか?
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◎《脱法芸能40》安室奈美恵「移籍劇」は芸能界決壊への「パンドラの箱」を開いたか?

芸能界の歪んだ「仕組み」を綿密に解き明かしたタブーなき傑作ノンフィクション『芸能人はなぜ干されるのか?』(鹿砦社2014年5月13日刊)

 

流行語大賞トップテン入りで波にのる「とにかく明るい安村」のウラ事情

『2015ユーキャン新語・流行語大賞』(現代用語の基礎知識選)を逃したものの、トップテン入り。初の著書で、とにかく明るい安村が例の「全裸に見えそうな危険なポーズ」を撮った写真を集めた『安心してください、はいてますよ。』(とにかく明るい安村著・竹書房)に東京都の教育委員会から“イエローカード”が出そうだという情報が業界を駆け巡った。

とにかく明るい安村『安心してください、はいてますよ。 』(竹書房2015年11月30日)

「安心なんかできねーよ。小学生が全裸で公園でマネしてるって通報があったって話が都の教育委員会の間で出まわったんです。それであの安村が『教育界に睨まれていた』って情報が流行語大賞の直後に出まわりました」(芸能ジャーナリスト)
この本を巡って、小学生が学校でポーズをマネして脱ぎだしているというのは事実だ。都内の小学校教師は語る。

「授業にならない。体育の着替えなどで必ず『大丈夫です、はいてますよ』と脱ぎ出す生徒がいれば、クラスメイトの体操着を脱がせて『大丈夫ではありませんね。はいていません』などとちょっかいを出すいたずらが流行しています」

「安村の本が教育委員会に目をつけられているかも」という話の端緒はいくつかあるが、都市伝説かもしれない話として「ある父兄が東京都の教育委員会に安村の本を持ち込み、『これはちょっと子供の教育によろしくないのではないでしょうか』と、ほぼ全裸に見えるカットを教育委員会関係者に見せつつ語ったことがあげられる。

「安村の著書がお上、とりわけ教育関係者にうんぬんという話は、僕も知り合いの刑事から半信半疑で聞きました。こんなの、よくあるライバル出版社の揚げ足とりですよ。だれか、安村の本の利権を版元にとられておもしろくなかったか、あるいは安村がここまでブレイクしておもしろくないと思っている御仁か。いずれにせよひがみから始まった嫌がらせが、教育委員会への筋違いなタレコミになったにちがいありませんよ。よくある話です」(全国紙社会部記者)

バカバカしい噂がかけめぐっているが、とくに発売禁止の兆しはないと出版事情に詳しい猪野雅彦弁護士は言う。
「まあ、べつに全裸を奨励しているわけでもない。ネガキャンを展開するのはいいけど、逆効果だよね。でも売れれば勝ちじゃないのかな」

果たして、もっと売れて「安心してしまう」のは仕掛けた吉本興業と版元ばかり也となるや否か。(小林俊之)

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