笑っていいともの最終回は、久しぶりに笑った。ビートたけしが表彰状を読み上げると言いつつ、悪いことばかり言って随分笑わせてもらった。これだけ笑ったのはいつ以来だろう。
笑いにも人によって好みがあるから、たけしのような笑いの取り方を毛嫌いする人がいるのも理解できる。私のような天邪鬼は、もうテレビ画面の向こうでちょっと面白い話をされたぐらいでは、ちっとも笑えなくなってしまった。会話で最も盛り上がるのは人の悪口であるし、人が隠そうとすること、汚点となっているところをあえてネタにするのは、お笑いの常套手段だ。だからお笑いが他の芸能より一段下に見られていたというのもある。しかし今はそんな毒気の微塵も無いバラエティ番組ばかりだ。だからテレビはつまらなくなった。
これって、音楽だけのライブでも楽しめる。舞台の端の洞窟のようなブースにうっすら見える、シンガーや弦楽奏者の姿を凝視しながら、そう思った。
当欄では、「冤罪疑惑」と「検事の取り調べ中の民族差別発言疑惑」を繰り返しお伝えしている2010年発生の下関女児殺害事件。一貫して無実を訴える被告人の湖山忠志氏(30)は一昨年7月に山口地裁(長倉哲夫裁判長)の裁判員裁判で懲役30年の判決を受け、今年1月に広島高裁(木口信之裁判長)で控訴を棄却されたが、現在も無罪への希望を捨てず、最高裁に上告中だ。