「あいつより うまいはずだが なぜ売れぬ」
42歳まで脚光を浴びることがなかった大女優、森光子が売れない時代に詠んだ句である。
森さんの本葬が12月7日、東京都港区の青山葬儀所で営まれ、石井ふく子、東山紀之ら芸能関係者やファン約2300人が、「日本のお母さん」として広く愛された国民的女優との別れを惜しんだ。
「とにかく貪欲に芸を学んでいた。ジャニーズに興味をもったのも、人気の秘密が知りたかったからです」(ファン)
森さんが大事にした「感謝」と「愛」が花言葉の花々をデザインした祭壇には、優しくほほ笑む遺影が掲げられる。モニターには2017回演じた舞台「放浪記」の映像などが映し出された。

続きを読む

野田佳彦首相(民主党代表)は、大阪のJR吹田駅前の商店街での演説で、太陽の党と合流してできた日本維新の会を「ふたまたの大蛇(おろち)だ」とこきおろした。
かつて脱原発色を出していた橋下徹と、明確な進原発の石原慎太郎の合流への「ふたまた」批判は、言い得て妙である。“暴走老人”石原慎太郎は「原発の問題は白黒で決まる問題ではない。止めたら電気料金があがり、倒産する企業が続出する」と言っている。

しかし「ふたまた」は、野田佳彦の重複立候補をも想起させる。野田は、小選挙区と比例南関東ブロックに重複立候補している。地元の小選挙区で落選しても、比例で復活できる、というわけだ。歴代の現職首相は、2000年の森喜朗以外は重複立候補を辞退している。現職首相が、地元での当選を勝ち取れないはずがない、と普通は考えるからだ。

続きを読む

2010年の総選挙以後、「民主化」したミャンマーで国民の生活を変えた要素の1つは、インターネットの普及だ。それまで民主化勢力が中心に主義主張を訴えるインターネットメディアをミャンマー国内で見ることはできなかったが、「民主化」後は一部が解禁された。また、富裕層を中心に、自宅でインターネットを見る環境が整いつつある。

この流れに乗ったミャンマー人の義妹は、数カ月前にiPadを入手した。いままで海外への連絡に、電話と郵送の手紙でしかできなかったのに、2~3カ月間でインターネット電話の使い方をマスターし、Facebookを始めた。義妹の環境の変化は、鎖国から開国した国を見るかのようだ。

続きを読む

「業界に限らず、多彩な人と親交があった。誰からも愛されるお茶目な性格でした」(スポーツ紙記者)
幅広い芸で知られ、歌舞伎を海外にも広めた歌舞伎俳優の中村勘三郎(なかむら・かんざぶろう、本名・波野哲明=なみの・のりあき)さんが12月5日午前2時33分、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)のため、都内の病院で死去した。57歳だった。

「今年の6月中旬に、初期の食道がんが発見されたことを告白して、7月27日に手術を行った。その後は、舞台復帰に向け療養に努めていたが、8月中旬にARDSを発症してしまった。先月下旬から徐々に病状が悪化。そのまま帰らぬ人となった。最後まで舞台のことを心配していました。生粋の歌舞伎役者だと思う」(歌舞伎関係者)

続きを読む

衆院選では、自民党が政権奪回する、という予測がもっぱらだ。
脱原発=「命」よりも景気=「金」のほうが、大事だとでもいうのだろうか。
沈黙していた「棄権党」が、今こそ立ち上がって、状況を変えてほしい。
脱原発したら、より景気が冷え込むなどというのも、推進派のウソだ。
原発に関わる雇用が失われ、立地地域の景気には影響が出るだろうが、本当の意味での地域復興を考えるべきなのだ。

本当のことが言えない状態でも、原発に関する論議は進んできた。
今や、さすがに「原発はCO2 を出さないクリーンなエネルギー」だという主張は影を潜めた。どう考えても、CO2より放射能のほうが危険だ。
原発推進派は、本音を口に出すようになった。野田政権も「安全保障」という言葉を使った。日本維新の会の代表の石原慎太郎は、原子力技術を保有することは、核武装のオプションをもつ上で不可欠だ、と語った。

これは原子力を手にしたいと願ったときからの、国の本音だったのだろう。それを「クリーンなエネルギー」などというウソで、リスクを地方に押しつけてきた。事故を起こして子どもたちに放射能を浴びせておいて、よくも今さら、そんな本音が言えるものだ。

続きを読む

サッカーの元日本代表で、来季Jリーグ2部(J2)に降格する札幌のFW中山雅史(45)が4日に札幌市内で記者会見し、「今季限りで第一線を退く」と述べ、現役引退を表明した。
シーズンごとに得点力に磨きをかけ、98年には36得点で得点王と最優秀選手に。磐田の年間リーグ優勝3度に大きく貢献した。発言やパフォーマンスで、旺盛なサービス精神も発揮。同世代の三浦知良(現横浜C)とともに日本サッカーの人気と実力の向上に貢献した。

続きを読む

12月2日に起きた、信じられないような事故。山梨県の中央自動車道の笹子(ささご)トンネルで天井のコンクリート板が崩落。9人が死亡、2人が怪我をした。
この事故を受けて4日、山梨県警は、トンネルを管理する中日本高速道路の本社(名古屋市)、八王子支社(東京都)や保守点検を担当する大月保全・サービスセンター(山梨県大月市)など計6カ所に家宅捜索に入り、資料を押収した。

このニュースを聞いて、「おやっ」と思った人々も多いのではないか。
笹子トンネルの事故も痛ましいが、フクシマの人々の暮らしを根こそぎ奪い、双葉病院の患者ら50名の命を奪い、今後、どのような健康被害を生み出すか分からない、福島第一原発事故を引き起こした、東京電力は、いまだに家宅捜索されていない。

続きを読む

本日公示される、衆院選。
なんと言っても、注目の候補は、山本太郎だ。
講演や言論で脱原発を訴えるだけでなく、身を挺して現場に姿を現していたのが、山本太郎だ。
その思いを山本氏は、『タブーなき原発事故調書 超A級戦犯完全リスト』でのインタビューで、「同じ想いを持った人たちの近くに行きたい」と語っている。
「今はひとり」という新党を立ち上げ、まずは一人で闘うという。杉並の東京8区からの出馬し、石原伸晃氏と対決する。

続きを読む

政治や社会のことを、仕事では考えることが多いので、気の置けない仲間と会った時くらいは、関係のないこと、映画や文学、音楽、あるいは身の回りの些細な出来事を話したいと思う。だが、最近はどうしても、政治のことを話したくなってしまう。
いわゆる第三極で混迷している衆院選に向けた動きだが、今からはっきりしているのは「棄権党」が、最も勢力を伸ばすだろう、ということだ。
今、どんなにいいことを言っている政党があったとしても、「だって3年前も信じて、結局のところ騙されたじゃない」という声が、目の前にある現実だ。
国民の政治不信は今、絶頂に達している。

続きを読む

最近、日本企業がミャンマー(ビルマ)に経済進出するというマスコミ報道が過熱している。テレビや新聞では、軍人主導の政権が民主化したことや、豊富な資源、親日的な国民性をアピールする。こうした報道によって、ミャンマーに興味を持つ日本人が増えてきた。

ところが、実際にミャンマーに行ってみると、マスコミ報道が作り出すイメージと異なる場面が、かなりある。ここでは、ミャンマー人と結婚した日本人の私が、2012年9月、旧首都ヤンゴンでミャンマー人家族とともに生活した経験から、かの国の民主化の実態を探りたいと思う。

続きを読む

« 次の記事を読む前の記事を読む »