またも恫喝訴訟かと耳を疑う案件はまだまだ世の中にごまんとある。
日本経済新聞社と同社の喜多恒雄社長は2012年9月に恫喝訴訟を行った。事実無根の見出し・記事により、名誉を著しく傷つけられたとして、週刊文春を発行する文藝春秋社などに対して、合計1億5400万円の損害賠償の支払いと、謝罪広告の掲載を求める訴訟を東京地裁に起こしたのだ。
これとは別に女性デスクも文芸春秋に1815万円の損害賠償などを求めて提訴。2つの訴訟の審理は併合された。

請求額は、日経が1億2100万円、喜多社長が3300万円。記事の対象は、2012年7月11日発売の7月19日号でタイトルは「スクープ撮! 日経新聞 喜多恒雄社長と美人デスクのただならぬ関係」というもの。

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子供の頃はウォークマンが憧れの機器だった。今となっては、カセットテープなんて随分不便なものだったと思ってしまうが、それが普通の時代においては、その環境での楽しみもあった。まずテープに録音する曲順を考える。これが楽しい。私が本格的に音楽を聴くようになった80年代終わり頃には、既にCDがレコードにとって代わっていた。CDの曲順そのままにテープに入れるのもいいが、テープの長さの都合もあるし、好きじゃない曲を前の方に入れると早送りする手間が増える。特にテープの1曲目のヘビーローテーション率はものすごく高くなるので、相当に好きな曲を入れる必要もある。CDもテープも好きなだけ買えなかった中学生ぐらいまでは、レンタルしたCDをどのようにテープに割り振るかが、大変重要なのだ。

高校に入って、CDウォークマンを買った。といってもソニーの製品ではなかったので、正確には「ポータブルCDプレイヤー」だ。いちいちテープにダビングしなくても、その日の気分でCD2,3枚カバンに詰めて、CD音質を通学中に聴ける。片道40分ばかりの電車通学が楽しくてしょうがなかった。学校よりも、行き帰りにイヤホンで音楽を聴くために、通学をしていたような記憶すらある。

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笑っていいともの最終回は、久しぶりに笑った。ビートたけしが表彰状を読み上げると言いつつ、悪いことばかり言って随分笑わせてもらった。これだけ笑ったのはいつ以来だろう。

笑いにも人によって好みがあるから、たけしのような笑いの取り方を毛嫌いする人がいるのも理解できる。私のような天邪鬼は、もうテレビ画面の向こうでちょっと面白い話をされたぐらいでは、ちっとも笑えなくなってしまった。会話で最も盛り上がるのは人の悪口であるし、人が隠そうとすること、汚点となっているところをあえてネタにするのは、お笑いの常套手段だ。だからお笑いが他の芸能より一段下に見られていたというのもある。しかし今はそんな毒気の微塵も無いバラエティ番組ばかりだ。だからテレビはつまらなくなった。

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「島唄」や「風になりたい」などの名曲を世に送り出した、THE BOOMが、年内で解散すると発表された。
筆者は昨年、ボーカルの宮沢和史さんと、お会いするという幸運に恵まれた。
『島唄よ、風になれ! 「琉球の風」と東濱弘憲』(鹿砦社)に収録するインタビューのためである。

以前から、宮沢さんの楽曲には親しんでいて、ソロやGANGA ZUMBAのアルバムも聴いていた。
ソロアルバムに入っている「ゲバラとエビータのためのタンゴ」では、こんなことが歌われている。

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多くの生物学者が、現代は大量絶滅期であると見ている。判っている限りでも、およそ5億5000万年前には大量絶滅が起こっており、以来幾度か地球上の生物の大半が絶滅する事例が発生している。三葉虫やアンモナイト、恐竜といった地球上に大繁栄していた生物が、ある時期を境に突如として死に絶えてしまう。わずかながら生き延びていたことも確認されているが、その紀代を代表する生物は、もれなくその座から姿を消していく。

理由は様々な説が提唱されている。多くは地殻の変動や気候の変化が原因と考えられる。巨大な隕石が地球に激突したために、大幅な気候の変化があったというのが、恐竜絶滅の説として有名だ。

現代が大量絶滅期にあるというのは、生物学の素人である私でも信じることができる。人間という生き物による森林伐採、大気汚染、水質汚染は言うまでもない。毎年、絶滅危惧種が増え続けているが、殆どが人間による乱獲、捕食、または他生物の生活圏の侵食によるものだ。既に絶滅した種も多い。このままいけば、22世紀頃には今いる生物の半数が地上から消える、と語る学者もいる。

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安倍晋三総理は、『笑っていいとも』 に出演したさい、神経質にならないようにしていると言ったが、それは彼の持病である潰瘍性大腸炎にとって重要なことである。気持ちの状態が胃腸の調子に響くことは言うまでもなく常識であり、消化器系の病気には神経質になることがもっとも良くないので、重い病気では精神安定剤を処方されることがある。

まして、日常生活や業務の忙しさや大変さがあれば、どんなに気を使っても、それだけでは限界がある。とくに総理大臣は、色々な場所へ行ったり人と会ったりするため、毎日が分刻みのスケジュールである。

だから、同じ病気を体験した知人を複数知っているが、彼らが言うには、いくら進歩した治療薬を服用して症状が改善したとしても、安倍総理が精神科で薬を処方されてないとは考えられないそうだ。

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これって、音楽だけのライブでも楽しめる。舞台の端の洞窟のようなブースにうっすら見える、シンガーや弦楽奏者の姿を凝視しながら、そう思った。
シルク・ドゥ・ソレイユの公演「オーヴォ」が、お台場に建てられた巨大テントで行われている。
カナダのベサンポールで、大道芸から育った総合芸術が、どんなものだか見てみた。

「オーヴォ(OVO)」は、ポルトガル語で「卵」のこと。虫たちの世界を描いている。
体をひねらせて宙を舞うパフォーマーたち。その妙技の質は高い。
メンバーには、シドニー・オリンピックにイギリス代表として出場した、リー・ブレアリーもいる。
ジャンプで壁面を上ってコオロギを表現する。他のメンバーの動きも、彼に引けを取らない。

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「どこに逃げるんじゃ。前田、来い!」と怒鳴りながら、リングサイドに乱入。格闘家の前田日明(あきら)が主催した格闘技大会「THE OUTSIDER」を妨害し、威力業務妨害などの罪に問われた、金城旭被告の初公判が、3月27日、大阪地裁で開かれた。
ヤジを飛ばす人を集めるよう指示したという疑いに、「間違いない」と被告は認めた。

事件が起きたのは、昨年の9月8日、大阪市中央体育館。「THE OUTSIDER」で、第9試合が終わり、リング上で勝者をたたえる前田さんに向かって、客席からペットボトルが投げ込まれた。客席から男たちが次々と乱入。「調子のんなよ、コラ」などと言いながら、前田さんにつかみかかった。

男たちは、アマチュア格闘技団体「強者(つわもの)」の元関係者ら。「同じたこ焼き屋が隣に来たら、腹立つわな」との言い分で、挨拶もなしに大会を開いたという、歪んだ縄張り意識からの行動だった。

このような男たちは、何人いても前田日明に適うはずはなかった。だが、前田さんは鍛え抜かれた肉体に頼ろうとはせず、その場を落ち着かせようと、冷静沈着に振る舞った。
なぜ、そのような行動を取れたのか?
それは、『錯乱の時代を生き抜く思想、未来を切り拓く言葉  鈴木邦男ゼミin西宮報告集 Vol.3』(鹿砦社)を読めば分かる。
「鈴木邦男ゼミin西宮」で、前田日明は鈴木邦男と語っているのだ。

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当欄では、「冤罪疑惑」と「検事の取り調べ中の民族差別発言疑惑」を繰り返しお伝えしている2010年発生の下関女児殺害事件。一貫して無実を訴える被告人の湖山忠志氏(30)は一昨年7月に山口地裁(長倉哲夫裁判長)の裁判員裁判で懲役30年の判決を受け、今年1月に広島高裁(木口信之裁判長)で控訴を棄却されたが、現在も無罪への希望を捨てず、最高裁に上告中だ。

筆者はこの湖山氏の控訴審判決公判をスケジュールの都合で傍聴できなかったのだが、判決文が入手できたので、遅ればせながら判決内容に言及しておきたい。結論から言うと、事実関係を精査しているように見える体裁を取り繕っているものの、重要部分から目を背けた明白な不当判決だ。

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「スラップ訴訟反対 被害者支援の会」のホームページ管理人としては、見逃せないスラップ訴訟が起きた。
前田敦子ら女優8名らが所属するプロダクションおよび関連会社5社が加盟する一般社団法人日本音楽事業音楽協会が3月25日、無断で写真を合成・掲載されパブリシティ権を侵害されたとして『週刊実話』の発行元、日本ジャーナル出版などを相手どり、総額8800万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。
原告は他に篠原涼子(40)、国生さゆり(47)、綾瀬はるか(29)、石原さとみ(27)、深田恭子(31)、優香(33)。

訴状によると、同誌2013年11月21日号の記事 「勝手に品評!! 芸能界妄想オッパイグランプリ」で、「アーティストの写真に人格を 傷つけるような加工を施した」とのことだ。同誌編集部は「まだ訴状が届いていないのでコメントできません」としている。確かに、記事は妄想でタレントの裸を想像しているが、シャレで笑う度量はなかったのだろうか。

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