前原国家戦略相「年内に解散」発言の波紋

野田佳彦首相が「近いうちに信を問う」としている衆院解散の時期について、前原誠司国家戦略担当相は10月21日のフジテレビ「新報道2001」で「私の感覚で言うと、年明けに解散したら『近いうち』じゃない。首相は約束を絶対に守る人だ」と述べ、年内に踏み切るべきだとの考えを示した。野党側からは「発言は重い」(安倍晋三自民党総裁)などと歓迎の声が上がる一方で、民主党の安住淳幹事長代行は不快感を示し、政府・与党の足並みの乱れが著しい。

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PC遠隔操作誤認逮捕事件に思う、警察の謝罪のありかた

パソコンの遠隔捜査による犯行予告事件をめぐり、警察庁の片桐裕長官が全国各地で誤認逮捕された4人の人たちへの謝罪を検討していると述べたのは今月18日のことだった。すると実際、その翌日以降、今回誤認逮捕を引き起こした三重県警、神奈川県警、警視庁、大阪府警が誤認逮捕被害者たちに相次いで謝罪していった。

報道でこの経緯に触れ、警察は相変わらず、世論ばかり気にするなあ・・・・・・と思ったのは、筆者だけではないはずだ。それもそうだろう。警察が無実の市民を誤認逮捕した例など、全国各地に数え切れないほどあるのだ。にも関わらず、今回のようにわざわざ警察庁長官が誤認逮捕を事実上認めた上、謝罪の意向を表明し、その通りに全国各地の警察が次々に誤認逮捕被害者に謝罪するというのは異例である。今回の4件の誤認逮捕が大きく報道され、世間の注目を集めたからこそ、警察は今回に限って、誤認逮捕を反省するポーズを社会にアピールしたとみるのが自然だろう。

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『仁義なき映画列伝』【ブックレビュー】

50歳になった時に、1カ月かけて沖縄を旅した。与那国、石垣、西表、竹富、鳩間、黒島、波照間、本島、久高島、伊江島を訪れた。
50歳が若者のような旅をする、というのがコンセプトの本の出版を考えていた。ゲストハウスや民宿に泊り、農園での農作業まで手伝った。
しかし、50歳になった時に、大変な年齢になってしまった、と思ったのだが、少し経ってみると、50歳というのは普通の年齢であることが分かる。
企画は、お蔵入りになった。

この時に、沖縄に関する、あらゆる本、映画を見た。
最も沖縄を捉えていると感じたのが、深作欣二監督『博徒外人部隊』。任侠映画である。
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エアギター選手権に見る、地方活性化のヒント

8月にフィンランドに行ったのは、エアギター世界選手権のファイナルステージを見るためだった。
計画を立て始めたのは、今年の春頃。なにしろ、世界選手権のファイナルステージなのであるから、まずはチケットを手に入れないことには話にならない、と思った。
日本でも手に入る、と最初聞いたので、チケットぴあを始め各種チケットセンターで検索したが、見つからない。
フィンランド大使館の観光局に電話するが、いつも留守電だ。
フィンランドのエアギター世界選手権事務局にメールするが、返事は来ない。
これが、フィンランド流なのだな、と思った。すでに旅は始まっていた。

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Paix2(ぺぺ)が千人規模の大ホールでライブ

ゆったりとしたバイオリンの調べに、チェロとビオラが重なる。ドラムがリズムを刻み始めると、ピアノ、エレキベース、エレキギターがサウンドを重ねていく。
Paix2(ぺぺ)の2人がステージに姿を現し、「ふるさと発あなたへ」を歌い出す。
2人を応援してきた者にとっては、万感の思いがこみ上げる瞬間だ。

客席千人の「かつしかシンフォニーヒルズ」で、Paix2のライブが10月18日、行われた。
今まで見てきたライブは、もっと小さな会場。バックサウンドは、録音された音に、まなみさんが弾くギターと、めぐみさんが吹くフルートが加わる、といった感じ。

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追悼・若松孝二監督

「三里塚? 負けた闘いだろ」
自慢するつもりもなく、20代の頃、三里塚に住み着いて空港反対運動をしていたことを私が言うと、若松孝二はそう言って笑った。
その時、パレスチナについての詩を書いてきた若者がいた。
「君はパレスチナに行ったことがあるのか? 死体の山を見てきてから書けよ!」
やはり、若松孝二はそう言って笑った。
「反原発デモ、やるなら命をかけてやれ。デモってそう言うものだ。ちゃらちゃらするな。権力になめられる」
最近は、そんなことも言っていた。

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今、何かとホットな沖縄を往く(2)

オスプレイの配備に揺れる沖縄。
普天間第二小学校で出会った、主婦は言う。
「子どもの安全を考えたら、事故を頻発しているオスプレイの導入に反対するのは、当たり前でしょう」

そんな折、またしても米兵による女性への暴行事件が起きた。
沖縄では、2カ月前に女性が襲われる事件が起きたばかりで、相次ぐ事件に県民の怒りは頂点に達している。
「沖縄の人を何と思っているんでしょう。本当に惨めですね、悲しいですよ」「また繰り返されたかと思って、非常に怒りを感じますね」と沖縄の人々は語り合っている。
沸き上がる県民の怒りの声。

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また無罪証拠が出てきた東電OL殺害事件とよく似た下関の殺人事件

今月29日から始まる東電OL殺害事件の再審をめぐり、無実を訴え続けてきたゴビンダ・プラサド・マイナリ氏に有利な事実がまた1つ新たに明らかになったようだ。今月10日から11日にかけ、各マスコミが一斉に報じたところによれば、殺害された被害女性の手の爪からゴビンダ氏とは別の第三者のDNAが検出され、このDNAの型が被害女性の体内に残っていた体液のものと一致したという。これにより、再審でも有罪を主張する方針だった東京高検がついに方針を変え、無罪判決を求めることを検討し始めたそうだ。

この事件については、すでに事件現場のアパート室内や被害女性の体からゴビンダ氏とは別の第三者の体液や陰毛が色々見つかっていることが繰り返し報じられてきた。もはや日本全国でゴビンダ氏をクロだと考えているのは検察庁だけではないかと思える状況だったが、その検察もここまで決定的な無罪証拠が出てきたことにより、ついに白旗をあげざるをえなくなったということだろう。

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『タブーなき原発事故調書』、3ページにわたって『アサヒ芸能』をページジャック

先週に引き続き、今週の『アサヒ芸能』(10月25日号)でも『タブーなき原発事故調書 超A級戦犯完全リスト 』が3ページに渡って紹介されている。

「事故の『A級戦犯26人』を断罪『原発発禁本』の戦慄内容を公開する!」のタイトルのもと、「いまだウソを垂れ流す御用学者は許せないッ」と大文字のキャッチコピーが躍る。

先週の東電幹部らに続き、今号では原発の安全神話を振りまいた御用学者に関する記述を紹介している。
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今、何かとホットな沖縄を往く(1)

沖縄に行って驚くのは、あれほどあふれていた中国人観光客が激減していることだ。
おもろ町では、いつも中国本土から「プラダ」や「シャネル」などの高級品を目当てにしたセレブが買い物にやってくる「デューティ・マーケット」でも売り上げが減っている。

「中国からの旅行客は、前年比べで4割くらい減っているのではないでしょうか。8月は台風の影響で打撃を受けたし、何より尖閣問題で中国人たちが沖縄への旅行客をキャンセルしていますから」(旅行代理店)

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