『紙の爆弾』12月号、本日11月7日発売! 執拗に自公政権追及! 「士農工商ルポライター稼業」問題も継続的に議論! 冤罪問題も! 鹿砦社代表 松岡利康

『紙の爆弾』12月号、11月7日発売!菅首相は「令和のヒトラー」

月刊『紙の爆弾』12月号が本日発売になりました。このかん『紙の爆弾』は、執拗な自公政権追及で部数を伸ばしてきました。今月号もさらに鋭く追及の矢を放ちます。小さくても存在感のある雑誌を自認する『紙の爆弾』ですが、号を重ね創刊15年余り経ちました。『紙の爆弾』は、ご存知のように創刊直後に「名誉毀損」に名を借りた出版弾圧を食らいました。この壊滅的危機を皆様方のご支援で乗り切り現在に至っているわけですが、「ペシャンコにされてもへこたれないぞ」という気概は衰えていないつもりです。

また、本誌の継続的企画として冤罪問題があります。今月号は、労働者の町・釜ケ崎に根づき、仲間と共に不正を追及している尾崎美代子さんが「神戸質店事件」を採り上げています。詳しくは記事をお読みいただきたいですが、一審無罪が、新たな証拠もないのに控訴審でなんと無期懲役に、そして最高裁もこれを追認し確定しています。怖い裁判です。

さらに、先月号から始まった「士農工商ルポライター稼業」についての検証作業、今月号も6ページを割き行っています。今月号は松岡に加え黒藪哲哉さんに寄稿いただきました。本誌を紐解いてお読みいただきたいですが、誤解しないでいただきたいのは、私たちは解放同盟と敵対するものではなく、共同作業として〈差別とは何か?〉について公開で議論していく中から問題の在り処を探究する所存だということです。幸いに解放同盟の方も寛容の心を持って対応していただいています。半年、1年と議論をしていく過程で問題の〈本質〉を抉り出し、ゆくゆくは共同声明としてまとめたいと願っています。

「士農工商ルポライター稼業」問題も継続的に議論検証していきます!

◎このコロナ禍で、当社も売上減を余儀なくされています。この機会に定期購読で本誌を支えてください。1年分(12号)=6600円を郵便振替(01100-9-48334 口座名=株式会社鹿砦社)でご送金ください。1号お得です。今、お申し込みくだされば、特製ブックカバーに加え、魂の書家・龍一郎揮毫の「2021鹿砦社カレンダー」を贈呈いたします。

本日11月7日発売!『紙の爆弾』12月号!

◎『紙の爆弾』12月号 https://www.kaminobakudan.com/

新型コロナウイルスの問題から、次の生き方を再考する〈3〉 小林蓮実

前回前々回と、新型コロナウイルスに関し、検査数の増加は可能であり、治療薬やワクチンというものは利権構造にまみれやすいということを述べた。

◆その後のワクチンに関する政治の動向

8月、日本政府はイギリスの製薬大手「アストラゼネカ」から6000万人分以上の供給を受けることで基本合意し、うち1500万人分については2021年3月までの供給を目指している(「ワクチン開発に成功した場合、日本に1.2億回分、うち3000万回分は2021年3月までに供給する基本合意」との厚労省資料もある。おそらくファイザー同様6000万人分=1人2回接種で1億2000万回分)。

 

イギリス国内でオックスフォード大学と共同で開発を進めるなか、臨床試験(治験)の被験者の女性1人に副作用が疑われる深刻な症状が確認されたことなどにより、世界各地の臨床試験は9月6日に中断された。だが、安全だと判断されて9月12日以降にイギリスで再開され、10月2日には日本でも再開したと発表された。この「アストラゼネカ」、アメリカのバイオ製薬「ノババックス」と提携する武田薬品工業、第一三共、塩野義製薬、アンジェス、KMバイオロジクスの6社が、ワクチンの生産体制を整備し、厚生労働省はこの6社に対して総額最大約900億円の助成を決定。インフルエンザワクチンを接種しないが、コロナのワクチンについては検討するという人も膨大な数にのぼるだろう。製薬会社にとっては、またとないチャンス。だからこそ、ワクチン関連の報道はチェックし続けたいところだ。

厚生労働省は、10月2日に新型コロナウイルスのワクチンの接種費用を全員無料にする方針を厚生科学審議会の分科会に提示して了承されたことを受け、10月下旬に召集予定の臨時国会にこの無料化の件を含む予防接種法改正案を提出することとなった。

◆「任意」と「強制」

そしてここで、新型コロナウイルスをきかっけとして話題にのぼった、「任意」と「強制」に関し、改めて確認しておきたい。

最近も、航空関連で同様の話題があった。たとえば沖縄の那覇空港や離島8空港では、唾液採取による抗原検査やサーモグラフィーによる体温測定が実施されている。ただし、これらは法令上、任意のため、時間的制約のある人などは協力に応じていない。航空機内などでは、マスク着用をきっかけとしたトラブルが相次ぐ。北海道の釧路空港から関西空港に向かうピーチ・アビエーション機内、北海道の奥尻空港から函館空港に向かう北海道エアシステム(HAC)機内でトラブルとなり、乗客が降ろされている。実際、機内での感染は伝播しにくいという専門家もいる。

接触確認アプリ「COCOA」、ダウンロードも陽性の人の登録も強制ではない。

『Bloomberg』によれば、「香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は1日、700万人余りの香港市民に新型コロナウイルスの無料検査への参加を呼び掛けた。今回の大規模検査は任意だが、希望者の事前登録が低水準にとどまっている」「労働組合の香港金融業職工総会は、中国の方正証券が香港の従業員に政府実施の新型コロナ検査を受けるよう圧力をかけていると批判した」「希望者のみを対象としている検査であり、従業員のニーズと意思に基づき検査を受けるかどうかは自由であるべきだと主張した」とのことだ。

ワクチンもまた、近年の「自己責任論」を振りかざすため、そして国の責任逃れのために、任意のものとして扱われるだろう。

ちなみに、物事を強制すると、刑法上の強要罪(刑法223条)や暴行罪(208条)に該当する可能性があるようだ。

ただし5月、兵庫県加西市の西村和平市長が「新型コロナウイルス感染症対策基金」を立ちあげて予算が立てられ、特別定額給付金を寄付するよう市の約600人の正規職員などに呼びかけられた際のように、任意としながらも強制だと受け取られるような内容だった例もある。

この社会に特有の任意と強制に対するスタンスについては、歴史・哲学、そして自由や基本的人権の文脈でも調べたが、なかなか決定的な背景にたどり着くことはできなかった。そのような特定の1つのものがあるというわけでは、やはりない。

たとえば国土学の専門家である大石久和氏は、『ニッポン放送』で、「日本では日常の利便性が優先されるのに対して、日本以外の国では安全保障が優先されます。これは、『ある約束を全員が守らなければ全員が死んでしまう』という経験、紛争死(紛争による大量虐殺)を繰り返し経験してきた人々と、自然災害で死んでいった日本人の経験の差(違い)によるものです」「日本人はそういう強制を非常に嫌う国民なのです。先ほど話しましたが、日本人には強制されることで命が守られたという経験がないのです。我々はそういう違いを持った国民であり、民族」と言う。

「海外の世界地図をみれば日本列島は端にあり、まさに文化などの吹きだまりであることがわかる」という話を耳にしたことがある。そのようななか、外からくるものをゆるやかに受け入れて独自に「調理」し続けるような性質が、強制や決定よりも任意や合意を優先することも考え得る。

『産経新聞』によれば、「『日本国憲法に国家緊急権が規定されていないことが背景にある』と指摘するのは、大和大の岩田温准教授(政治学)だ」「戦前の大日本帝国憲法には国家緊急権の規定があったが、現行憲法には存在しない。戦争の反省から国家の暴走を防ぐ意識が働いたとされる。このため日本では戦後、大災害など有事の際は個別の法律を新設、改正して対応してきた経緯がある」「岩田氏は『立憲主義の観点から私権制限には慎重な判断が必要』とした上で、『憲法を守るより、国民を守る政治的判断がより重要となる局面はあり得る。これを機に、憲法に例外的な緊急事態条項を設ける議論をすべきだ』と訴える」「一方、『憲法を変えずとも強い措置は可能』との考えを示すのは東京都立大の木村草太教授(憲法)。科学的根拠があって基本的人権に配慮した感染症対策は、現行憲法は禁じていないとし、木村氏は『憲法上の個人の権利と統治機構のルールを守った上で法整備し、行動規制すればいい。改憲論議と結びつけるのは違う』と論じた」とのことだ。

国家・権力をコントロールするための憲法。それは、制限を受けずに自らの意思に従って行動するさまざまな「自由」を保障する。だが、解釈改憲から現在にいたるまでの民主主義や立憲主義が脅かされるような問題が生じ、3・11もあって、私たちは自分の頭で現在・未来のリスクや可能性を考え、判断しなければならない場面が増えたようにすら感じる。そして現在のこの社会の、権力の問題や成熟の度合いに対する疑問をかんがみれば、やはり個人的にはどうせ国家が責任を負うとも考えにくく、ならば強制でなく任意であり続けたほうがよい面は多いのではないかと考えてしまう。とにかくそれ以前の問題が多すぎる。

たとえばスイスでは直接民主制が発展しており、「スイスでは最終的な決定権を握るのは国民だ。それは憲法改正時だけでなく、新法制定時も同じ。スイスの政治制度で最も重要な柱の一つである国民の拒否権「レファレンダム」は政治家にとって厄介で、立法プロセスが複雑になる要因でもある。だが、国民がいつでも拒否権を行使できるからこそ、持続的かつ幅広く支持された解決策が生み出されている」(『SWI』)というような記事もある。

戦後、政治・経済的にアメリカの「51番目の州」となっている日本社会では、到底なしえない。真の独立と民主化を私たちの手で実現させないかぎり。この程度のボリュームで語り尽くせるテーマではないが、この社会では、新型コロナウイルスに関しても、政府の要請をほぼ受け入れてきたのかもしれない。ぬるま湯のなか、運のよさと、現場や個人の志とで乗り切り続けようとしている。

飲食店などが都の「要請に応じない」と問題視するという話題もあった。これは、後日、補償のテーマで引き続き取り上げたい。

次回以降も、あまり話を戻しすぎないようにしつつ、医療従事者の感染、問題の深刻度、併発と原発被害との比較、対策と公衆衛生学、情報開示、補償と財政などについて引き続き、触れたい。そして、原発、台風、コロナなどの問題を総合的に考えた際、導き出される人類の次の生き方についてまで、書き進めていきたいと考えている。

◎新型コロナウイルスの問題から、次の生き方を再考する 〈1〉 〈2〉 〈3〉

▼小林 蓮実(こばやし・はすみ)

フリーライター、労働・女性運動等アクティビスト。月刊『紙の爆弾』10月号「【ALS嘱託殺人事件】日本ALS協会・岸川忠彦さんインタビュー ALS患者に『決断』を迫る社会の圧力」、11月号「『総活躍』の裏で進行した労働者の使い捨て」、『現代用語の基礎知識 増刊NEWS版』に「従軍慰安婦問題」「嫌韓と親韓」など。

月刊『紙の爆弾』2020年11月号【特集】安倍政治という「負の遺産」他

大菩薩峠異聞 ── 福ちゃん荘、赤軍派、浩宮(現天皇) 鹿砦社代表 松岡利康

「大菩薩峠」を知っていますか? 古く(戦前)は中里介山の長編時代小説のタイトルで、今ではほとんど読まれていないのではないでしょうか。私たちの世代では、51年前の1969年のきょう11月5日、赤軍派が首相官邸襲撃―占拠を目指し軍事訓練のために「福ちゃん荘」に集結したところを、事前に情報を入手した警察に53名全員逮捕された事件としてつとに有名です。赤軍派内に入り込んだスパイによってリークされたともささやかれています。このあたりのことは、最新刊の『一九七〇年 端境期の時代』で高部務さんが書いていますのでご一読ください。

警察に急襲され逮捕される赤軍派のメンバー
「福ちゃん荘」の看板(当時と同じものという)

ここまでだったら、激動の時代・60年代後半の一エピソードにすぎないのでしょうが、その後、浩宮(徳仁親王。つまり現天皇。以下「浩宮」と記します)が皇太子時代の2002年9月12日、登山の途中に夫妻で休憩したというのです。このことは、今では消去されていますが、数年前まで「福ちゃん荘」のホームページにも掲載されていました。

普通に考えれば、こういう因縁のある事件があったことで、たとえ浩宮が提案しても、側近や宮内庁が止めるでしょう。よほど浩宮が強く押したのではないでしょうか。浩宮の意図がどこにあるのかわかりませんが、浩宮らしいエピソードです。

さらには、その後(2006年)、かの若松孝二監督は『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』で、この福ちゃん荘を使って撮影したというのです。

「福ちゃん荘」内(当時の新聞記事など掲示)
同上(若松孝二監督のサインを掲示)

あまり知られていないエピソードですが、コアなマニアには知っている人もいるらしく、実際に福ちゃん荘に行って、山荘内を撮影してネットに上げています。山荘内には当時の新聞記事や若松監督のサインも額に入れて飾ってあるというのです(「福ちゃん荘に行ってきた」〔『ちくわブログ』〕。画像も同ブログから転載させていただきました)。いつか行きたいですね。

赤軍派は、この事件以降、翌年の70年には「よど号」ハイジャック事件、連合赤軍による銃撃戦とリンチ殺人事件、M作戦(銀行襲撃)、さらにはテルアビブ空港銃撃事件、「国際根拠地」論に基づくパレスチナでのPFLPとの共闘等々、本気で多くの闘争・事件を起こしていきます。他党派、あるいはノンセクト諸グループ/個々人が本気でなかったなどと言うつもりはありませんが、過激度やスケールが違います。

70年に大学入学以降、足元の学生運動に関わりながら、そうした闘争・事件を見てきました。その想いは、『一九七〇年 端境期の時代』に注ぎ込みましたが、今、60年代後半から70年代はじめにかけての新左翼運動のラジカリズムの在処を検証、総括していかねばなりません。多くの先輩や同級生らがどんどん鬼籍に入っていく中で、私たちは私たちにできる仕方で語るべきだと考えています。ここ数年の『遙かなる一九七〇年代-京都』(品切れ)、『思い出そう! 一九六八年を!!』(品切れ)、『一九六九年 混沌と狂騒の時代』、そして今回の『一九七〇年 端境の時代』へ続くシリーズは、そうした私たちの営為のあらわれです。ぜひご一読お願いいたします。

[追記]11月3日、大阪での「10・8 山﨑博昭プロジェクト」のイベント(映画&トーク)でチラシを配布させていただきましたが、かの東大全共闘代表(当時)・山本義隆さんがみえられていて、ご挨拶し本書を贈呈いたしました。このシリーズは、これまで全て贈呈しています。

渾身の一冊!『一九七〇年 端境期の時代』(紙の爆弾12月号増刊)

冤罪王国・静岡をしのぐ裏冤罪王国・埼玉 ── 知られざる同県のヤバイ冤罪の実例

「冤罪王国」。冤罪問題に詳しい人たちの間で、静岡県はそう呼ばれている。世間的に冤罪と認識されている重大事件が多く存在するからだ。

たとえば、死刑判決を受けた人がその後、無罪判決を受けた例を挙げただけでも、島田事件や幸浦事件、二俣事件がある。死刑囚の袴田巌氏に対し、一度は再審開始の決定が出た袴田事件も静岡県の事件だ。こうした「実績」をみると、たしかに静岡県は「冤罪王国」と呼ばれるにふさわしい。

だが、筆者はこれまで様々な冤罪を取材してきて、この静岡県より恐ろしい「裏冤罪王国」があることに気づいた。それは埼玉県である。いわば「表の冤罪王国」である静岡県と比較しながら説明しよう。

さいたま地裁。重大事件の法廷で冤罪の疑いが浮上しながら放置されているケースが目立つ

◆冤罪が「発覚」しやすい土壌があることを窺わせる静岡県

先述したように静岡県では、世間的に冤罪と認識される重大な事件が多く存在する。だが、これは必ずしも悪いことだとは言い切れない。なぜなら、重大な冤罪が多く「発生」しているのではなく、多く「発覚」していることの表れだとも解釈できるからだ。

冤罪被害者の救済は、その事件が冤罪だと「発覚」するところから始まる。そして実際、静岡県には、重大な冤罪が多く「発生」しているのではなく、多く「発覚」している県なのではないかと窺わせる事実が散見される。

たとえば、幸浦事件。1948年に磐田郡幸浦町の自営業者一家4人が殺害されたこの事件は、男性4人が警察の拷問により虚偽の自白に追い込まれた。警察の筋書きでは、4人の自白により浜辺に埋められた被害者の遺体が見つかり、これが「秘密の暴露」にあたるとされていた。

しかし、実際には警察が浜辺から遺体を発見する前、遺体が埋められていた場所に目印の鉄棒が立てられていたことが住人の証言により判明した。それが、男性4人の自白が虚偽だとわかるきっかけの1つとなった。

また、1950年に静岡県二俣町で家族4人が殺害された二俣事件では、やはり容疑者の少年が警察の拷問により虚偽の自白に追い込まれた。この少年が一度は死刑判決を受けながら、無罪判決を勝ち取る過程では、捜査を手がけた山崎兵八刑事が読売新聞紙上で警察の拷問や供述調書の捏造を告発する事態が起きている。

このように住人や現職刑事の告発が冤罪発覚のきっかけになるのは、極めて異例だ。さらに袴田事件でも、静岡県民ではないが、死刑判決を起案した静岡地裁の裁判官・熊本典道氏が袴田氏のことを冤罪だと思っていたことを表明している。

こうして見ると、静岡県には、冤罪が発覚しやすい土壌があることも窺われ、冤罪と認識される重大事件が多く存在することを悪いとも言い切れないわけである。

◆冤罪の疑いが見過ごされた重大事件が最も目につく埼玉県

一方、筆者がこれまで数々の冤罪事件を取材してきた中、「冤罪の疑いが見過ごされた重大事件」が最も目につくのが埼玉県だ。

たとえば、90年代を代表する凶悪事件の1つで、園子温監督の映画「冷たい熱帯魚」のモデルにもなった埼玉愛犬家連続殺人事件。埼玉県熊谷市で犬猫のブリーダー業を営でんいた関根元、風間博子の元夫婦が、金銭トラブルになった客らを次々に殺害していたとして検挙され、いずれも死刑判決を受けた。

だが、風間のほうは殺人の容疑を一貫して否認し、冤罪を主張。現在も獄中から裁判のやり直しを求め続けている。そして実を言うと、取調べで風間の犯行を目撃したように証言していた男が、裁判ではこの証言を覆し、「博子は無罪だと思う」「博子は殺人事件も何もやっていない」と証言する異例の事態となっていたのだ。

しかし、このように裁判で風間が冤罪だと疑わせる事情が明るみに出ながら、あまり報道されず、このことは世間にほとんど知られていない。

また、1999年に話題になった本庄保険金殺人事件。埼玉県本庄市の金融業者・八木茂が債務者たちを愛人女性らと偽装結婚させたうえ、保険をかけて殺害していたとされ、死刑判決を受けた。

しかし、一貫して冤罪を訴えた八木を有罪とする証拠は事実上、共犯者とされる愛人女性らの自白だけ。しかも、女性らの自白供述は心理学鑑定により「連日続いた長期間の取調べにより植えつけられた虚偽の記憶に基づく可能性がある」と判定されていた。そして3人の愛人のうち1人は、服役後、「自白は嘘だった」として再審請求しており、冤罪の疑いは色濃く浮かび上がっている。

しかし、このこともほとんど報じられていないため、知る人は少ない。

そして最後に、1999年に埼玉県桶川市で起きた桶川ストーカー殺人事件。この事件については22日の記事で詳しく紹介したが、冤罪を訴える元消防士・小松武史が裁判でこの事件の「首謀者」とされ、有罪判決を受けたのは、実行犯の風俗店店長・久保田祥史が当初、「武史から被害者の殺害を依頼された」と証言したためだった。

ところが、久保田は裁判でこの証言を覆し、「本当は誰からも被害者の殺害は依頼されていない。自分が勝手に暴走してやったことだった」という“真相”を明かしているのだ。この証言も大きく報道されず、結局、世間にほとんど知られていない。

このように埼玉県では、重大事件で冤罪の疑いを抱かせる事実が判明しながら、そのことが知られないまま放置されているケースが目立つ。だから私は、埼玉県のことを、冤罪王国と呼ばれる静岡県より恐ろしい「裏冤罪王国」と呼ぶのである。

▼片岡健(かたおか けん)
全国各地で新旧様々な事件を取材している。創業した一人出版社リミアンドテッドから新刊『もう一つの重罪 桶川ストーカー殺人事件「実行犯」告白手記』(著者・久保田祥史)を発行。

月刊『紙の爆弾』2020年11月号【特集】安倍政治という「負の遺産」他
「絶望の牢獄から無実を叫ぶ ―冤罪死刑囚八人の書画集―」(片岡健編/鹿砦社)

総理代替わりと大阪都構想に見る「維新 VS れいわ新選組」 林 克明

安倍からす菅へ──。政治とメディアが動き始めている。

昨年10月からの消費増税とコロナショックで生活や社会の破壊が進む中で、政権(とりわけ菅政権)と日本維新の会の蜜月ぶりがはっきりしてきた。

日本学術会議の新会員任命拒否事件で、維新の会の生みの親・橋本徹氏が菅首相をさかんに擁護しているのは周知のとりだ。今や「菅義偉政権と維新」はセット。

この状況において、11月1日の「大阪市を廃止し特別区を設置することについての住民投票」(俗にいう大阪都構想)が焦点になっている。
 
大阪市廃止を批判する中で目立つのが「れいわ新選組」である。次期総選挙で大阪五区立候補予定者の大石あきこ氏をはじめ、山本太郎代表が大阪現地に乗り込み、大阪市を政令指定都市から特別区に格下げすることに反対運動を展開してきた。
 
結果は否決されたが、度重なる山本太郎氏の街頭演説などで世論が動いた可能性がある。今後は、大阪のみならず全国的に「維新VS新選組」が政治の核になる予感がする。維新的なるものVS新選組的なるもの、と置き換えてもいい。

◆山本太郎都知事選出馬で維新の勢力拡大阻止
 
その“予感”が強まったのは、新型コロナウイルスで緊急事態制限が発出されていた今年初夏。7月に予定されていた東京都知事選挙をめぐり様々な人々が水面下あるいは表に出て動いていた。

現職が強いことは自明であり、加えてコロナの影響で小池知事は連日連夜テレビに登場していたのだから、「何か事件」が起きない限り大量得票する可能性が高かった。

対する野党系の候補者として、宇都宮健児弁護士とれいわ新選組の山本太郎代表がリベラル派から期待されていた。

そして宇都宮氏が立候補を表明したのちに、ぎりぎりになって山本氏が出馬表明した。リベラル派分断という批判もおきたが、やはり「山本出馬」には重要な意味があったのではないか。

第一に、前年2019年夏の参院選で旋風を巻き起こした「れいわ新選組」の支持拡大が停滞し、その後大きな風は吹いていなかった。党代表の山本氏が都知事選に立候補しなければ、燃え上がった炎が自然沈下しかねないから政治的イベントが必要だった。

第二は、“維新勢力”の拡大阻止である。宇都宮候補に投票するのは、立憲民主支持の中のリベラル派や共産党支持層など、ある程度限られている。

無党派層を一定程度引き付けられるのは山本太郎だった。維新の会も無党派票をある程度取り込める。前年の参院選で日本維新の会から立候補した音喜多駿氏が当選。東京で初の議席獲得となった。

維新としては、ホップからステップを狙って小野泰輔氏を擁立したことだろう。立候補を表明する少し前、テレビ各局は維新の吉村洋文大阪府知事をさかんに持ち上げ、ブームを作ろうとしていた。その波に乗って小野氏が当選しないまでも順位をどこまで上げるかが最大のポイントだった。

ブームに乗った維新だから、仮に山本太郎代表が立候補しなければ、小池氏につづく第2位についた可能性もなくはないのだ。

そうなれば、東京都知事選というよりも、国政において与党勢力・右派勢力が一気に拡大し、リベラル派による挽回はきわめて困難になる。

結果は、(1)小池、(2)宇都宮、(3)山本、(4)小野、となった。東京都知事選という最大の首長選での4位は明らかに敗北であり、山本票より下回った事実は重い。山本票との差は約4万票で大差とは言えないが、勝つか負けるかは政治的に重大だ。これにより、春先からの維新勢力拡大にブレーキがかかったのである。

この結果をもたらしたのは、山本太郎出馬だろう。筆者は、現職の小池VSその他候補よりも、あるいは宇都宮と山本のどちらが得票数が多いかよりも「維新VS新選組」の結果に注目していた。

なぜなら、今後は維新か新選組かどちらに向かうかで日本は大きく変わる可能性があると考えるからである。

◆1869年体制と新自由主義勢力の行方

この原稿で二つの政党の略称である「維新」と「新選組」を取り上げるのは、明治維新に至る1860年代に実在した尊王攘夷派(維新勢力)と新撰組と同じ名称だからである。それは偶然なのか、それとも必然なのか。

言うまでもなく、戊辰戦争という内戦で江戸公儀(江戸幕府)を倒し明治維新を成就させたのが尊王攘夷派である。彼らを「維新勢力」と呼んで差し支えないだろう

これに最も激しく敵対したのは、江戸公儀を守る新撰組であったのは言うまでもない。彼らを現在の政党名で使用されている漢字になおし「新選組」と呼ぼう。

1869(明治2)年に戊辰戦争に勝利した明治維新勢力が、その思想や文化、機構などを根底に残し2020年の現在まで続いている。昔とは大幅に変わったとは言え、「維新勢力」が日本を統治している。

現在の日本維新の会は、「改革」「既得権打破」と口では言うが、いま権力を握っている支配層のシステムや思想を改革するどころか強化している。とりわけ新自由主義政策の拡大にやっきだ。

それに思想やシステム全般にノーを突き付けているのが「新選組」ではないか。まるで1860年代の政治闘争が再現されたかのようだ。

象徴的なのは、いわゆる大阪都構想をめぐる「日本維新の会(大阪維新の会)VSれいわ新選組」の対決だ。

11月1日投票の住民投票「大阪市を廃止し特別区を設置することについての住民投票」が告示された10月12日、山本太郎・れいわ新選組代表が反対の街頭演説を行っていたとき、大阪府警が妨害した事件があった。


◎[参考動画]大阪府警が山本太郎氏の街頭演説を中止させようとしたときのYouTube映像

大阪府警に力を及ぼせるのは与党である大阪維新の会である。

大阪市廃止を叫ぶ「維新」と全面対決する「新選組」。この間の両勢力の行動を見ている、150年以上前は主に京都市内で刃を交わしていた維新勢力と新撰組の闘争が大阪市内で再現されたかのようだ。

2020年の今は日本刀を振り回すわけではないが、意味的には通じるものがある。大阪の住民投票の結果の如何にかかわらず、維新VS新選組の構図は深まっていくだろう。

▼林 克明(はやし・まさあき)
ジャーナリスト。チェチェン戦争のルポ『カフカスの小さな国』で第3回小学館ノンフィクション賞優秀賞、『ジャーナリストの誕生』で第9回週刊金曜日ルポルタージュ大賞受賞。最近は労働問題、国賠訴訟、新党結成の動きなどを取材している。『秘密保護法 社会はどう変わるのか』(共著、集英社新書)、『ブラック大学早稲田』(同時代社)、『トヨタの闇』(共著、ちくま文庫)、写真集『チェチェン 屈せざる人々』(岩波書店)、『不当逮捕─築地警察交通取締りの罠」(同時代社)ほか。林克明twitter

月刊『紙の爆弾』2020年11月号【特集】安倍政治という「負の遺産」他
〈原発なき社会〉を求めて『NO NUKES voice』Vol.25

渾身の一冊! 『一九七〇年 端境期の時代』(紙の爆弾12月号増刊)、本日11月2日発売! 鹿砦社代表 松岡利康

現代史の端境期〈1970年〉とはどのような時代だったのでしょうか。個人的には、この年、私は大学に入学し、九州・熊本から京都に出て来ました。大学に入る、まさにその直前、大阪万博が開幕し、「よど号」ハイジャック事件が起こりました。70年安保の年ですが、前年の安保決戦で新左翼勢力は敗北し、全般的に「カンパニア闘争」に終始したといわれます(が、それでもかなりの数の学生や反戦労働者が逮捕されました。今だったら「武装闘争」の部類でしょう)。

大阪万博
「よど号」ハイジャック事件

また、同時に、水俣病闘争や反公害闘争が、それまでになく盛り上がってきた年でもありました。

いわゆる「内ゲバ」も、中核派が革マル派学生を殺し、革マル側も報復し、以後、血で血を洗う中核vs革マル戦争が始まった年です。

そうして、11月25日、作家・三島由紀夫が市谷・防衛庁に立てこもり決起し自決します。

6・23安保自動延長に抗議するデモ
三島由紀夫蹶起

私は私で、これまで見たことのない人たちと出会い、カルチャーショックを受けました。京都の大学に入らなければ、また違った人生だったことでしょう。

こうしたこともあり、本誌は、東京で発行される出版物と違い、同志社色の濃いものになっています。私の人脈から同大OB4人(中川、高橋、若林、中島)に寄稿いただきましたが、これだけでも東京発のものとは色合いが違っています。

昨年、『一九六九年 混沌と狂騒の時代』を出し、『一九七〇年~』は、この流れにありますが、『一九六九年~』よりも40数ページ増えていて、想像以上に苦戦しました。

私自身の体験や見知ったことを基に企画を立案しましたが、1970年の雰囲気を醸し出していると自負します。一人でも多くの方にお読みいただきたい、渾身の一冊です。発行部数も9700部と、この種の出版物としては多い部数です。今すぐ書店に走ってください!

渾身の一冊!『一九七〇年 端境期の時代』(紙の爆弾12月号増刊)、本日11月2日発売!

《11月のことば》 無心 鹿砦社代表 松岡利康

《11月のことば》無心(鹿砦社カレンダー2020より/龍一郎・揮毫)

今年のカレンダーもあと2枚を残すのみとなりました。──

今年は、年頭から新型コロナウィルスが一気に蔓延し、まさに無心でなんとしても生き延びることに必死で過ごしてきました。

当社も、一時はデスペレートな気分になりましたが、なんとか持ち直してきました。売上減には違いがありませんが、売上80パーセント、90パーセント減という小売業や飲食業などに比べればまだマシです。諸経費や広告を削減し、保険を一部解約し、さらに私の報酬を半減したりして、売上減を最大限カバーしてきました。社員ファーストで、雇用を守り社員の給料には触らないことを優先して、この急場をしのいできました。さらに、取引先には支払いの遅れがないようにし、特に個人営業のライターさんらには早め早めに支払うように努めて来ました。あと残す2カ月をなんとしても乗り切る決意です。

今年のカレンダーを引き継いで来年2021年のカレンダーの制作も大詰めです。もうすぐ師走、皆様方に「2021鹿砦社カレンダー」をお届けいたします!

月刊『紙の爆弾』2020年11月号【特集】安倍政治という「負の遺産」他
〈原発なき社会〉を求めて『NO NUKES voice』Vol.25

メインイベンター勝次、日本人対決連敗! MAGNUM 53

ニュージャパンキックボクシング連盟からチャンピオン二人を迎えた今回の新日本キックボクシング協会興行「MAGNUM 53」。

勝次はタイミング悪いスリップ気味ノックダウンを奪われ判定負け。勝てる試合を落とした印象が残る。

高橋亨汰はベテラン健太から効かせたノックダウンを奪う判定勝利。新日本キックボクシング協会の新しいメインイベンターに迫りつつある存在となった。

アルゼンチンから来日、伊原ジムに所属し、2018年5月、デビュー1年で王座獲得したリカルド・ブラボは、その後もムエタイ・ラジャダムナンスタジアム出場も経験し、着実に力を付けて来た中、パンチの連打で順当にイベント「TENKAICHI」からの刺客、幸輝を仕留めた。

女子キックの七美 vs KAEDEは男子に劣らぬ高度な蹴り合いを見せる展開で、女子キック界そのものの実力向上が感じられる試合となった。

◎MAGNUM 53 / 10月25日(日)18:00~20:06
主催:伊原プロモーション / 認定:新日本キックボクシング協会

◆第8試合 63.6kg契約3回戦

WKBA世界スーパーライト級チャンピオン.勝次(藤本 / 63.5kg)
    VS
NJKFスーパーライト級チャンピオン.畠山隼人(E.S.G / 63.05kg)
勝者:畠山隼人 / 判定0-2 / 主審:少白竜
副審:椎名28-28. 宮沢28-29. 仲28-29

勝次の右ストレートも畠山隼人の顔面をかするところまで
飛びヒザ蹴りを読まれたか、畠山隼人の右ストレートでノックダウンを奪われる勝次

開始早々から畠山のパンチの幾つかが勝次の顔面にヒットし、左コメカミ辺りが赤く腫れ始め、勝次はやや印象悪いスタートから畠山のパンチに合わせて蹴りとやパンチで探りを入れていく。勝次は飛びヒザ蹴りで畠山をコーナーに追い込むが、畠山は想定内と見えるディフェンスでパンチを返す。

第2ラウンドには勝次のローキックが畠山の左足にヒットし始め、畠山の動きを弱める効果が出てきたが、畠山も勝次の動きに合わせて蹴りとパンチで返し、明らかな差は出ない展開。

第3ラウンド、勝次はパンチと蹴りで畠山をコーナー付近に追い詰めたが、飛びヒザ蹴りを放って着地する辺りで連打から右ストレートを浴びてしまい、ノックダウンを取られてしまった。押されて尻もちを付くようにダメージは無く、勝次は立ち上がり反撃をするも、残り時間は少なく畠山は凌いで終了した。

畠山隼人に打たれて下がるシーンも幾度か見られた勝次
反撃もヒットしない勝次、焦りが見え始める

◆第7試合 70.0kg契約 5回戦

日本ウェルター級チャンピオン.リカルド・ブラボ(伊原 / 69.9kg)
    VS
幸輝(インター/ 69.5kg)
勝者:リカルド・ブラボ / TKO 2R 1:35 / 主審:桜井一秀

第1ラウンドに様子見からリカルド・ブラボが左フックでノックダウンを奪い、その後、連打でスタンディングダウンを奪うが、両者のローキックの攻防は強く速く、幸輝がリカルド・ブラボを下がらせる展開も見られていた。第2ラウンドにはリカルド・ブラボが再び連打から左フックで幸輝を仕留めると、強いダメージを負った幸輝をレフェリーストップされて終了。

パンチ力ではリカルド・ブラボが優った
リカルド・ブラボが連打で倒すと幸輝は立ち上がれず

◆第6試合 62.0kg契約 5回戦

日本ライト級チャンピオン.高橋亨汰(伊原 / 61.85kg)
    VS
健太(前WBCムエタイ日本ウェルター級C/E.S.G / 61.65kg)
勝者:高橋亨汰 / 判定2-0 / 主審:椎名利一
副審:宮沢48-47. 少白竜48-48. 桜井48-47

距離を取った中でのパンチと蹴り中心の展開は互いに主導権を奪うに至らないが、高橋亨汰は顔面前蹴りもあり、健太に調子付かせない圧力があった。後半に向かうにつれ徐々に健太がベテランの読み深さがある接近戦で、プレッシャー与えるように出てヒジ打ちの圧力で巻き返しも見られる。

最終ラウンドで健太がパンチやヒジ打ちで攻勢を掛けたところで高橋亨汰の右フックがカウンターでヒット。健太からノックダウンを奪うと更に顔面前蹴りで圧倒するも健太は組み合って凌ぎ、高橋亨汰が判定勝利を掴む。

高橋亨汰のカウンター右フックが健太にクリーンヒット
ベテラン健太からノックダウンを奪って勝利を決定づけた高橋亨汰
高橋亨汰がノックダウンを奪った後の前蹴りが健太のアゴにヒット

◆第5試合 53.0kg 契約3回戦

泰史(元・日本フライ級C/伊原 / 53.0kg)
    VS
景悟(LEGEND / 52.5kg)
引分け0-0 / 主審:仲俊光
副審:椎名29-29. 少白竜29-29. 桜井29-29

泰史が追い、多彩に攻めてロープ際に追い込む展開も、景悟もヒジ打ちやヒザ蹴りの的確なヒットで劣勢を免れる。印象点は泰史の前進にあるが、景悟のヒットは泰史を上回り、差が付き難い終了となった。

泰史の前進する圧力でのハイキック、この後、景悟も多彩に返していく

◆第4試合 女子スーパーバンタム級3回戦(2分制)

七美(真樹オキナワ / 54.95kg)
    VS
KAEDE(LEGEND / 55.2kg)
勝者:KAEDE / 判定0-3 / 主審:宮沢誠
副審:椎名28-30. 仲28-30. 桜井28-29

◆第3試合 女子54.0kg契約3回戦(2分制)

アリス(伊原 / 52.3kg)
    VS
上野hippo宣子(ナックルズ / 53.5kg)
勝者:アリス / 判定3-0 / 主審:少白竜
副審:椎名30-27. 仲30-29. 宮沢30-28

◆第2試合 女子49.0kg契約3回戦(2分制)

オンドラム(伊原 / 48.8kg)
    VS
ERIKO(ファイティングラボ高田馬場 / 48.75kg)
勝者:ERIKO / 判定0-3 / 主審:桜井一秀
副審:仲27-30. 少白竜27-30. 宮沢28-30

◆第1試合 ジュニア女子43.5kg契約3回戦(2分制) 当日計量

曽我さくら(クロスポイント大泉)
    VS
安黒珠璃(闘神塾)
勝者:安黒珠璃 / 判定0-3 (19-20. 19-20. 19-20)

《取材戦記》

年頭から3興行連続でメインイベントを務めた勝次。いつものスポンサー名入り赤いダウンは纏わずタオルを肩に掛けてリング下まで入場。トランクスもシルバー一色。初心に帰った意気込みが感じられたが、先月の潘隆成戦に続き判定負け。

コロナ禍の中、勝次は藤本ジム所属のまま、伊原プロモーションとマネージメント契約を結んだ練習場という意味での“ジム移籍”当初は、例え今までに無い綿密な指導を受けていたとしても、それはまだ身体が心理面と共に馴染んでいない可能性があった。潘隆成に敗れたことで後が無い焦りも加わったかもしれない。2月2日のロンペット・ワイズディー(タイ)戦の敗戦含めれば3連敗となってしまった勝次。この先行きどうなるか。崖っぷちから足を滑らせ、まだ崖から手でぶら下がっている状態なら這い上がることは可能かもしれないが、キックボクシングだからこそ続けられるサバイバルマッチ。その厳しい境地は今後も続くのだろう。

新日本キックボクシング協会としてもコロナウイルス蔓延対策によるソーシャルディスタンスを保つ興行が続き、こんな苦戦が続くのはどこの団体も同じ。他団体との交流戦体制も得ながら生き残りの戦いも続きます。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]

フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

一水会代表 木村三浩 編著『スゴイぞ!プーチン 一日も早く日露平和条約の締結を!』
上條英男『BOSS 一匹狼マネージャー50年の闘い』。「伝説のマネージャー」だけが知る日本の「音楽」と「芸能界」!

GPIF巨額損失で始まる年金崩壊 アベノミクスの亡霊が国民に生活苦をもたらす

◆年金崩壊のきざし

朝日新聞の調べによると、日銀とGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の東証1部企業における持ち株が、同上場企業の8割(1830社)におよんでいることがわかった。※調査には東京商工リサーチとニッセイ基礎研究所が協力。

まずはGPIFについて、その危機的な状況を説明しておこう。

ご存じのとおり、公務員の共済年金を除くサラリーマン、個人事業主などの公的年金を管理運用するのがGPIFである。年金で株を買うという、それ自体の問題点はかねてより指摘されてきた。国民が将来のためにサラリーや日々の貯えから支払った年金が、ある意味では「賭博」ともいえる株式市場に運用されているのだ。

その規模は2019年6月末時点で「161.7兆円」にも上り、安倍総理(当時)が「世界最大の機関投資家」と豪語していたものだ。それがコロナ禍の中で、20兆円も損失しているというのだ(3月段階)。

◆3月期までに、20兆円の運用損

GPIFが運用する資産は35兆3082億円(2020年3月末時点)で、東証では12%である。日本全体では、株式時価総額548兆円(同)に対して6.4%を占めている。上場企業の株式を直接保有する株主としては、安倍の言うとおり日本市場の最大株主である。

この「世界最大の機関投資家」としての公的年金資金運用は、2018年度に2兆3795億円の収益を上げ、市場運用を始めた2001年度からの収益累計が65.8兆円に達したと報じられた(※損失を含まない)。もちろん、常に収益を上げてきたわけではない。

2015年度には第2四半期(2015年7月~9月期)に7兆8899億円、第4四半期(2016年1月~3月期)に4兆7990億円の損失を計上し、年度を通して5兆3098億円の損失を計上しているのだ。

さらに、2016年度の第1四半期(2016年4月~6月期)には5兆2342億円、2017年度の第4四半期(2017年1月~3月期)には5兆5408億円の損失に見舞われた。2018年度の第3四半期(2018年9月~12月期)には、アメリカ中心とした世界的な株安に円高が加わったこともあり、14兆8038億円という大きな損失を余儀なくされている。

そして2019年度の第4四半期(20年1~3月期)の運用損失は、コロナ禍をモロに受けて、17兆7072億円となってしまった。収益率がマイナス10.71%と急激に悪化し、保有資産残高(われわれの年金)は19年12月末に170兆円あったものが、150兆6332億円にまで縮小したのだ。じつに20兆円もの損失である。識者は年金で博打(株式投機)など、とんでもないと言っていたはずだ。

全日空が大幅な減便を余儀なくされ(ボーナス支給なし)、三菱重工の国産初のジェット旅客機・スペースジェット(旧MRJ)が日の目を見ないまま、ついに事業そのものを事実上凍結。トヨタをはじめとする自動車産業の多くが、これから倒産の危機を迎えるかもしれない(関係者)。上場企業が倒産すれば、運用資金30兆円が紙屑になる可能性もあるのだ。GPIFはいますぐにも、株式市場から撤退するべきではないか。と、われわれは考えたくなる。だがそれがまた、金融恐慌への序曲になるのは、歴史が教えるところだ(29年恐慌)。


◎[参考動画]2019年度運用状況(GPIF channel 2020/07/03)

◆目前にある金融恐慌

株価の暴落は、まず企業の資金調達力を減少させる。企業がやむなく生産停止に追い込まれると、つぎに信用不安が発生して貸付停止。紙幣の供給が止まり、金融機関が機能不全にいたる。そして取り付け騒動。これが金融恐慌である。

現在の日本はコロナ禍で消費が逓減し、外食や観光、小売りなど消費部門に資金が回らなくなっている。これに直撃されているのが航空業界、自動車産業などの基幹産業である。大手の倒産は中小企業の連鎖倒産をまねき、街には失業者があふれる。
これはアメリカで現実に起きていることだ(10万以上の中小企業が倒産)。連邦政府の公式発表は9月段階で失業率7.9%だが、フルタイムの失業率では、女性は30.8%、男性は22.3%(元財務省勤務のGene Ludwig氏の算出)だという。

日本も政府発表は7月が2.9%、8月は3.0%だが、休業者(雇用されているが、自宅待機などの実質失業)を入れると、6.2%だという(野口悠紀雄、9月13日、東洋経済ウェブ)。だからこそ、公的資金での株運用をやめられないのだ。

かりにGPIFが東証から撤退した場合、12%もの株価減(23500円×0.12=2820円の下落)がもたらされ、株式市場がイッキに暴落するのは必至だ。したがって株式投機による損失過剰という冒険を犯しながら、年金の破綻まで進まざるを得ないのだ。処方箋があるとすれば、日銀がかぎりなく買い支えるしかない。


◎[参考動画]2020年度第1四半期の運用状況(速報)(GPIF channel 2020/08/06)

◆買いオペの限界も

いっぽう、日銀の株式保有額は31兆円である。本通信でも幾度か、MMT論としてリフレの有効性を解説してきた。リフレはアベノミクスの専売特許ではなく、デフレ下の経済政策としては消費の活性化につながる。そのはずだった。

買いオペによる景気浮揚理論は、簡単にいえば下記のとおりだ。
1 日銀が市場で株を買う。
2 市場に資金が調達され、金融機関の金利が低下する。※別途に、マイナス金利の金融緩和。
3 金利低下で融資が容易になり、生産設備や住宅などに投資が向かう。
4 生産の増加、企業収益の改善で雇用が好転する。
5 消費が増えて景気が浮揚する。

この4と5が、安倍がさかんに言っていた、上から下への利潤還元である。大企業の競争力が利潤を生み、その利益は国民全体に還元される。ところが、名目上の株価上昇と円安によって、企業は国際競争で利潤を得たものの、それを国民(従業員・下請け)に還元することはなかった。企業は利潤を内部に貯め込んだのである。

日本銀行調査統計局「参考図表:2020年第2四半期の資金循環(速報)」(2020年9月18日)より

◆内部留保は資本の原理である

昨年末段階で、企業の内部留保(利益剰余金)は470兆円、現預金で230兆円だという、いわば内部のカネ余りにもかかわらず、臆病な経営者たちはそれを従業員賃金、下請け企業への支払いに向けなかったのである。ために政権が財界にたいして、賃上げを求めるという事態も生起した。だが、それは実現しなかった。

これこそが、ピケティが説く「不等式「r>g」なのだ。資本収益率(return)は、必ず経済成長率(growth)を上まわる。労働者の賃金が、かりに経済成長率どおりに増加しても、資本蓄積がそれを上回ることで、資本家と労働者の格差、上級国民と一般国民の格差は拡大するのだ。

経済学で言えば、景気循環のなかで下層労働者が生産関係から排除され、あるいは安く雇用される。これはまさに、アベノミクスの労務政策(雇用の自由化)である。上から下への利潤還元もしたがって、不可能な経済原理なのだ。

問題はリフレで得られたカネ余りを、国民に還元する方法だったのである。最低賃金を引き上げる(対価としての法人減税)、企業に利潤を吐き出させる課税。政権が法的に実行できるのはこれだったのだ。

コロナ禍はこれから先、大規模な倒産をもたらすであろう。もはや雇用の問題ではなく、生活と生存の問題である。今からでも遅くはない。企業に内部留保を吐き出させよ。


◎[参考動画]黒田総裁会見、日銀が追加緩和 国債購入の上限撤廃(TBS 2020/04/27)


◎[参考動画]黒田日銀総裁インタビュー(abcxyz2016/07/29)

▼横山茂彦(よこやま・しげひこ)

編集者・著述業・歴史研究家。歴史関連の著書・共著に『合戦場の女たち』(情況新書)『軍師・官兵衛に学ぶ経営学』(宝島文庫)『闇の後醍醐銭』(叢文社)『真田丸のナゾ』(サイゾー)『日本史の新常識』(文春新書)『天皇125代全史』(スタンダーズ)『世にも奇妙な日本史』(宙出版)など。医科学系の著書・共著に『「買ってはいけない」は買ってはいけない』(夏目書房)『ホントに効くのかアガリスク』(鹿砦社)『走って直すガン』(徳間書店)『新ガン治療のウソと10年寿命を長くする本当の癌治療』(双葉社)『ガンになりにくい食生活』(鹿砦社ライブラリー)など。

月刊『紙の爆弾』2020年11月号【特集】安倍政治という「負の遺産」他
〈原発なき社会〉を求めて『NO NUKES voice』Vol.25

《NO NUKES voice》115カ月目の汚染水はいま…… 「海洋放出断固反対!」 希望の牧場・吉沢さんが怒りの街宣 「内堀知事はなぜ黙っているんだ!」 福島県庁前で「檄」 民の声新聞・鈴木博喜

原発事故後も福島県双葉郡浪江町の「希望の牧場・ふくしま」で牛を飼い続けている吉沢正巳さんが10月26日夕、福島市の福島県庁や福島駅周辺で「海洋放出断固反対!」と怒りの声をあげた。浪江町には請戸漁港があり、吉沢さんは「汚染水を海に流されたら請戸の漁業はおしまいだ」と危機感を募らせる。県庁前では「内堀知事は国の言いなり。なぜ黙っているんだ」と激しい〝檄〟を飛ばしたが、当の内堀知事は相変わらず「国が国が」と主体性を発揮しないまま。のらりくらりと国の決定を待っている。

◆「知事は国の言いなりだ」

「浪江町の希望の牧場の宣伝カーです。浪江町には請戸漁港があります。福島第一原発からわずか6kmの距離です。汚染水を海に流されたら、請戸の漁業はもうおしまいです。海洋放出断固反対!絶対に認めるわけには参りません」

「内堀知事はいったい何をしているのか。何もはっきりした事を言おうとしません。意見表明をしようとしない。なぜ黙っているんだ。そんな事で福島県の漁業の発展を守る事が出来るだろうか。福島県の漁業を守るべき県知事としてのリーダーシップは発揮されないのではないでしょうか」

夕暮れの福島県庁に激しい〝檄〟が響いた。BGMは映画「ゴジラ」のテーマ曲と牛の鳴き声。庁舎を貫くような怒声が轟いた。

「佐藤栄佐久知事はかつて、プルサーマル計画や東電のトラブル隠しの際、しっかりと意見を表明したではありませんか。なぜ内堀知事は模様眺めなのか。なぜ黙っているんだ。そんな事で福島の海の安全を守る事が出来るだろうか。内堀知事は国の言いなり。リーダーシップを全く発揮出来ていない。そんな事で良いのだろうか。浪江町から言います。海洋放出断固反対!」

福島県庁前で内堀知事に「リーダーシップを発揮しろ」と檄を飛ばした吉沢さん

吉沢さんは福島駅東口から西口にも車を走らせ、原発汚染水の海洋放出反対を訴えた。

「国は27日にも汚染水の海洋放出決定を発表しようとしていましたが、福島県民大勢の反対の声に押されて発表出来ませんでした。当然です。汚染水の海洋放出絶対反対!福島の未来、福島の海を皆で守って行きましょう。漁師の皆さんは不安な気持ちでいっぱいです。福島県民は納得などしていません。なのに、国は強引に海に流そうとしております。とんでもない被害、とんでもない迷惑。今こそ力をこめて反対の声を福島から全国に向けて起こして行こうではありませんか」

「請戸の魚がまた、基準値を超える放射能にまみれた状態で売れなくなる。10年におよぶ私たちの苦労、努力はいったい何だったのでしょう。薄めれば良い?ふざけるなですよ。薄めたって様々な放射性物質は残っています。それは魚に影響をおよぼす。食物連鎖の結果、それは私たちの食卓に上がるのです。海洋放出断固反対!」

吉沢さんは福島駅周辺でも「原発汚染水の海洋放出反対」を訴えた

◆「当事者である国や東電が~」

しかし、当の内堀知事は相変わらず「国が国が」と繰り返すばかりだ。

「先週の政府会合において報告された主な意見としては、処理水の安全性に対する懸念や風評の影響、復興の遅れ、遅延、合意プロセスへの懸念が多くを占めていました。この結果は、処理水についての情報が十分伝わっていない事や風評対策が具体的に示されていない事が主な要因であると考えております。国においては、これまで示された様々な意見や分析結果をふまえ、対応方針を慎重に検討していただきたいと考えております」

26日午前の定例会見。テレビユー福島の記者が「このままだと(海洋放出への賛成、反対で)対立や分断が生まれかねない。県として国との間に入って調整していく考えは無いのか。間に入って調整出来るのは県しか無い」と質したが、知事の答えはまさかの「ご意見として受け止めさせていただきます」だった。

「トリチウムを含む処理水の取り扱いについては、福島県内外で開催された『関係者からの意見を伺う場』において風評に対する懸念などの様々な意見が出されているとともに、福島第一原発の地元の立地町からは『保管継続による復興や住民帰還への影響』を危惧する意見が示されています。処理水の取り扱いにあたって最も重要な事は風評であります。国においては様々な意見や県内の実情を十分ふまえた上で、特に本県の農林水産業や観光業に影響を与える事が無いよう、対応方針を慎重に検討していただきたいと考えております」

原発避難者を主体的に救済しようとしないように、汚染水問題でも主体的に動こうとしない内堀知事。会見では、最後まで「国が~」だった。

「原発事故に伴う廃炉・汚染水対策あるいは中間貯蔵施設の問題、仮置き場設置の問題…。全てがひとつの解をシンプルに出す事が出来ない難しい問題だ、という事をこの9年半あまり経験しております。当事者である国と東京電力が責任をもって、この問題にしっかり取り組んでいただきたいと考えております」

当の内堀知事は相変わらず「国が国が」。定例会見でも意見表明していない

◆「国の〝御発信〟見極めたい」

これまで様々な団体が行った申し入れや緊急街宣でも、「知事は今声をあげないで、いつ声をあげるんですか?内堀知事は自信を持って、きちんと国に意見してください」、「内堀知事は福島県民の代表として、政府が処分方針を発表する前に海洋放出に反対だという県民の声を国に届けて欲しい。決まってしまってからでは、海に流されてしまってからでは取り返しがつかないんです」という声があがった。新地町の漁師は「内堀知事が『海洋放出反対』を表明していません。県民を守る立場の知事ですから、『海に流しては駄目だ』とはっきりと言ってもらいたいです」と怒りを口にしている。

これに対し、内堀知事は定例会見で「これまで福島県として国および東京電力に対し、トリチウムに関する正確な情報発信と具体的な風評対策の提示にしっかり取り組むよう求めて来たところであります。特に風評の関係では、本県の農林水産業、観光業に対する影響を与えないよう訴えている。県として今まで無言で、何も言わずに来たという事では全く無い」と反論した。

河北新報記者の質問に対しても「東電の廃炉・汚染水対策に福島県として様々な観点から幾度も幾度も意見を申し上げております。国、東京電力が当事者として、福島県を含め様々な意見を真摯に受け止めて慎重に対応していただきたいと考えております」と答えた。

一方で「汚染水対策の問題は、あしかけ6年ほど議論しております。原発敷地には一定の限界があって、タンクを保管し続ける事が難しい。そういう動機をもってこの議論がスタートしたと考えております」、「今後、政府としてどういった形で方向性を定めるのか。どういった形でそれを訴えていくのか。注視して参ります。今後、国としてどういった御発信をされるのか、その点をしっかりと見極めていきたい」とも語った内堀知事。当事県が陸上保管継続を否定し、国の発信に「御」を付けているようでは、吉沢さんが「リーダーシップを何ら発揮出来ていない」と怒るのも当然だ。

〝檄〟は知事室にも届いただろう。出発前、吉沢さんは「道行く人々から『うるせえぞ』って言われるくらいの音量で訴えないと駄目」と話していたが、歩道からは文句どころか「そーだ!」、「がんばれよ」との声が飛んだ。多くの県民が海洋放出に反対の声をあげている。次は内堀知事が動く番だ。

▼鈴木博喜(すずき ひろき)

神奈川県横須賀市生まれ、48歳。地方紙記者を経て、2011年より「民の声新聞」発行人。高速バスで福島県中通りに通いながら、原発事故に伴う被曝問題を中心に避難者訴訟や避難者支援問題、〝復興五輪〟、台風19号水害などの取材を続けている。記事は http://taminokoeshimbun.blog.fc2.com/ で無料で読めます。氏名などの登録は不要。取材費の応援(カンパ)は大歓迎です。

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