6月13日の「しんぶん赤旗」に、驚くべき記事が出ていた。
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「就職失敗」原因が増加

日本の自殺死亡率(人口10万人あたりの自殺者数)24・4は、世界第8位で、アメリカの2倍、イギリスの3倍と突出した高さです。
とりわけ深刻なのは若い世代の自殺が増加傾向にあることです。年代別では15~34歳の死因の第1位が自殺となっているのは先進7カ国のなかで日本だけです。
2011年は、学生・生徒の自殺者数が1割以上も増え、調査開始(1978年)以来初めて千人を超えました。自殺の原因・動機に「就職失敗」とされる29歳以下の人が150人にものぼっています。5年前の2・5倍です。

「しんぶん赤旗」(日本共産党)よりhttp://www.jcp.or.jp/akahata/
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自殺といえば、会社が倒産したりリストラされたり、奥さんに逃げられた中高年がするものかと思っていたが、15~34歳の若者が自殺者第一位とは。
その背景には、やはり就職難があるようだ。何百社応募しても面接にすらたどり着かない、面接で威圧的な質問をされる、何十社受けても不採用というなかで、自分を否定されたように感じてしまうのだろう。

うつから自殺へなだれ込むという兆候が増えているのだ。
「自分を好きになれないから、リストカットや、引きこもりになるのです」(精神科医師)
1000人いたら、3人はうつになるという時代。

しかしこれは、長すぎる不況という経済状況もあるが、いまだに大企業幻想が根強く世の中にはびこっていることもある。

少し考え方を変えれば、学校で学んだこととまるで違う分野の中小企業に入ることで、思いもよらなかった自分の才能が花開くかも知れないではないか。

オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、韓国、フランス、ドイツ、イギリス、アイルランド、 デンマーク、中華民国、香港と、日本はワーキングホリディの制度を結んでいる。
アルバイトをしながら、生きた外国語を学ぶのもいいではないか。

一方では、生活保護を受けている若者もいる。
仕事を与えられない社会に問題があるのだから、受け取れるものは、受け取ろう。
その間に、ひたすら本を読むなり、旅をするなりして、自分を磨くこともできるだろう。

決められたコースなんかに、縛られることはない。
責任感がある人ほどうつになりやすい、とはよく言われる。
だが日本人に強い責任感は、会社や役所、家庭など場に対するものだ。
だからこそ、就職できないということくらいで、自殺にまで追い込まれてしまうのだ。
本来の責任感とは何か、大人たちも、もう一度立ち止まって考えるべきだろう。
映画『無責任一代男』の植木等のような男はうつにならないのだ。

(ブランキ1号)