「オスプレイにはいくつかの種類があります。事故を起こしているのは『海兵隊型』『特殊作戦型』であり、岩国、沖縄と日本に配備されている機体は、『輸送機型』です。沖縄の活動家は、基地そのものに反対しているので、オスプレイの配備はかっこうの基地反対理由となったのです」(軍事評論家・青山智樹)

オスプレイの配備反対を左翼活動の象徴と見ている人は多い。沖縄の基地容認派が「オスプレイそのものに問題はない」と話をする。冗談ではない。
オスプレイは、生命の危機を脅かす存在だ。事故が多すぎる。

しかも森本敏防衛相は10月26日の閣議後会見で、米軍普天間飛行場に配備されたMV22オスプレイがヘリモードで市街地上空を飛行するなど、日米間で合意した運用ルールに抵触していることについて、「日米間で合意した内容に沿って訓練を実施していると承知している」と合意違反はないとの見解を初めて示した。
「実に沖縄県民の感情を逆撫でするコメントです。もはやオスプレイは殺人の兵器といっても言いすぎではないのです」(沖縄県民)

日米合意は、できる限り人口密集地上空を避け、移動は可能な限り水上を飛行すると定め、夜間飛行については「最小限に制限する」としている。だが、沖縄配備以来、県内全域で、市街地上空の飛行が繰り返され、自治体や住民から合意違反の指摘が相次いでいる。森本氏の見解は、県民の反発を招いている。
在日海兵隊の広報に「オスプレイについては危険だと知っているのか」と聞くと「オスプレイについては、在日海兵隊のホームページに出ています」というふざけた答えが返ってきた。

森本大臣は同機が実戦配備を意味する完全な運用能力を持っているかについては「(米軍は)チェックしている段階で、完了したという説明は受けてない」と述べた。
もはやオスプレイは、沖縄と米軍の問題を超えている。日本とアメリカの国交の問題であると認識すべきだ。

そんな中、在沖米海兵隊は10月25日、米軍普天間飛行場に配備されている垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ10+件の訓練を2日ぶりに実施している。4機が午前8時57分ごろから午後8時32分ごろまでの約11時間半、計19回同飛行場を離着陸した。伊江島補助飛行場への飛来は7回と配備以来最多。夜間飛行も2日ぶりに再開するなど訓練が激化しているのを見て、森本大臣よ、何を思うのか。
沖縄の声に耳を傾けよ、森本大臣よ。したり顔でその場しのぎのコメントを聞くのは、もううんざりである。

(TK)