『真実と暴力の隠蔽――カウンター大学院生リンチ事件の闇を解剖する!』定価800円(税込)

田中宏和氏と鹿砦社の出会いは、2016年『ヘイトと暴力の連鎖』の取材で、社長松岡以下編集部2名が東京で顔を合わせたのが、初めてだった。ブログ「世に倦む日日」は独自の視点から時事問題、国際情勢、そして「しばき隊」批判を積極的に展開していたので、私たちは彼の意見を聞きたい、と虚心坦懐に初対面に臨んだ。

田中氏は博学であり、読書量もかなりの人物であろうことは数時間のインタビューのなかで松岡以下編集部も感じた。さらに彼がブログで現した数々の論考には、光るものがあり(すべてが鹿砦社の見解と同じではないけれども)、貴重な視点の持ち主であると判断し、鹿砦社から『SEALDsの真実』『しばき隊の真実』、2冊の単行本を出版する運びとなった。

実はこの出版は、初対面の際に松岡ではない編集部の1人が「田中さん、ここまでまとまった論考をお持ちなのに、なぜ出版されないのですか? 社長、鹿砦社から出版したらどうですか?」と出しゃばって、勘違いした発言が「過ち」のもとになっていたことを正直に告白しよう。

田中氏は初対面の時から、やや神経質な人柄であることは、松岡以下編集スタッフも感じていたが、まさか、鹿砦社(鹿砦社の許容範囲は一般の出版社に比べ、かなり広いように思われる)をこき下ろし、ここまで我儘ばかリ主張する人間であるとは想像できなかった。田中氏の我儘は『SEALDsの真実』編集段階から露呈し始める。自分を大御所の「論客」とでも勘違いしたような上から目線で、連日松岡に命令口調、あるいは極めて的はずれな言いがかりを連発するようになった。

『SEALDsの真実』が広告に掲載され、アマゾンのあるカテゴリーで1位になったことがある。その後1位は他の書物に取って代わられるのであるが、1位からの転落を見た田中氏は「これはしばき隊の陰謀に違いない!即座にアマゾンに抗議するなり対策をとるべきだ」と松岡にねじ込んでいた。ちょっと待ってくれ。1位はめでたいが、永遠の1位(それがあれば出版社にこれほどありがたいことはない)などあるはずがない。松岡がメールでその旨を伝えると田中氏は、さぞご不満であったようである。

ついで出版された『しばき隊の真実』は、辛うじて世に出ることができた書物といえよう。

田中氏の尊大な態度はますます増長し『しばき隊の真実』の編集を請け負っていた、業界では「仏の○○」さんと呼ばれるほど、余程のことでも感情を露わにすることない編集者の逆鱗を買うほどまでに至っていた。松岡に対して「もう、あそこまで失礼なことをされたのだから、出版することはないでしょう」と関係を知る周囲の人間は、進言したが義に熱い松岡は「それでもインタビューに応じてくださっている人もいるからね」と連日の田中氏からの罵倒電話、メールにもかかわらず、なんとか『しばき隊の真実』出版に漕ぎつけた。

しかし、田中氏の狼藉はそれでは収まらなかった。ある日、特別取材班が「デジタル鹿砦社通信」に書いた記事が気に入らなかった田中氏は、そのライターに電話で「記事を取り消すように」と傲慢にも要求してきた。記事の内容は「言論の自由は誰にでも保障されなければならない」という趣旨のものであったが、田中氏にはその「誰にでも」に野間易通氏が含まれていたことが、不満だったらしい。あまりにも馬鹿げた言いがかりにライターは当然要求を拒否。するとブチ切れた田中氏は「みんなツイッターの中に居るんだよ!」と大声を上げたので「あなたはネットの中にしかいないから、実際の社会と接点を持てないし、我儘で人と軋轢を起こす。『ツイッターにみんなが居る』などというのはSNS中毒者の発言だ!」とたしなめられるとしばらく言葉がなかったという。

通常たいした出版実績もなく、たて続けに2冊もの単行本を出版してもらえば、過剰になる必要はないが、筆者は出版社に恩義を感じるものであるが、田中氏は逆であった。彼の我儘、偏見、はその後もエスカレートし、あろうことか「リンチ被害者M君」と面会した際に、M君を詰問し(セカンド、もしくはサードリンチと言っても過言ではないかもしれない)年下のM君に飲み代まで押し付けて、言いたい放題M君を罵倒して店を出る、という大人とは言い難い醜態まで及んだ(その店の支払いを負担したのはM君である)。

さらには、現在田中氏は天木直人氏と仲良く、ビデオで対談を始めている。これとて、本人の希望もあり当社がつなぎ、『紙の爆弾』で2回対談を掲載もしたが、「ありがとう」のひと言もない。

ここでは紹介できないが田中氏の常軌を逸した、発信や暴言に鹿砦社だけではなく、編集者も辟易してしまったので、彼については「当たらず触らず」をスタンスとしていた。

ところが6月1日、『真実と暴力の隠蔽』について田中氏は、

 

 

などと、思い上がりと言論弾圧も甚だしい書き込みを行った。まるで「しばき隊」と同じ主張でわが目を疑った。さらに言いたい放題ツイートしている。読者はぜひ「世に倦む日日」をご覧になっていただきたい。

ことここに至り、遅きに失した感があるかもしれないが、鹿砦社はこれ以上田中氏の度が過ぎる独善と、鹿砦社への悪意を放置することはできない。『SEALDsの真実』『しばき隊の真実』の在庫を断裁処分し絶版にすると共に、田中宏和氏との絶縁するほか選択肢はない。版権は放棄するので他社で再刊いただきたい。

丸山真男主義者で、基本的にはマルクス・レーニンも読んでいる田中氏の思想には、今だから指摘するが、明らかな矛盾が多数包含されている。それは皇室への過剰なまでの賛美と、テレビメディアに一喜一憂する軽薄さである。個人の趣味、嗜好と言えばそれまでであるが、あそこまでの皇室賛美と丸山真男の総体の主張を、どう接着するのか。SNSばかりやっているから「しばき隊」同様の心理的な偏りを発症せしめているのではないか。

ここには書けないが田中氏の常軌を逸する、メールや電話については多くの証拠があることを再度明言しておく。著作を出してくれた出版社に、「頭を下げろ」などというつもりは毛頭ない。だが、どうして2冊の著作を出版したら、出版社が著者に「奴隷」のような物言いをされなければならないのだ? 田中氏の常軌を逸する言動を「大人の対応」でこれまであしらってきたけれども、今回の鹿砦社への決定的な攻撃を、われわれは断じて許すことはできない。

鹿砦社は田中氏からの修正も訂正も一切受け入れない。彼も批判する「しばき隊」同様の暴虐を鹿砦社に向けた田中氏に対して、鹿砦社はここに「田中宏和氏との絶縁と『SEALDsの真実』、『しばき隊の真実』を絶版」を揺るぎなく宣言する!

追記:上記紹介した書き込みに止まらず、田中氏は思い上がりも甚だしい、勘違いの発信を続行している。さすがに温厚な「鹿砦社」も、破格に的外れの発信は容認できない。

 

田中氏は持論を正当化するために、M君が「逃走しなかった」ことを問題にしている。被害者虐めもたいがいにすべきだ。そこまで言うのであれば田中氏が同様の状況におかれ、暴力を経験すればよいのではないか。空論は意味がない。

 

これも田中氏の思い込みに過ぎない。M君は所属する大学に「身辺に迫る危機」を報告し、大学当局もしかるべき対応をとっている。実態を知りもしないことを偏見で解釈することは控えるべきだ。

 

当事者でもない、傍観者の田中氏が不遜にも口を挟む筋合いはない。田中氏の決めつけによる判断の危うさと、被害者に対する結果的な攻撃はここでも明確に示されている。

以上は6月4日田中氏がツイッターで発信したものであるが、そのいずれも大いに的外れであり、被害者M君を傷つける、思い込みと勘違いであることを指摘しておく。

鹿砦社編集部

 

 

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