2015年から始まったWBCムエタイジュニアリーグ全国大会、今年度の全15階級の優勝者が決定。
最優秀選手(MVP)にはU18高校生52kg以下で優勝した大久保世璃選手が獲得。
他、敢闘賞を各クラス1名計4名、フェアプレー賞を各クラス1名計4名が受賞。
優勝者は来春、ルンピニースタジアムでの世界大会出場資格が与えられました。

◎WBCムエタイジュニアリーグ第6回全国大会 / 11月5日(日)12:00~16:35
会場:GENスポーツパレス
主催:WBCムエタイジュニアリーグ実行委員会

表彰選手集合写真撮影

《全国大会決勝戦》

◆U15 小学校低学年(3年生、4年生)2回戦(1分制)

25kg未満決勝 ×佐島康太vs松下塁○ 判定0-3 優勝 松下塁

28kg未満優勝者(表彰のみ) 山川樹

31kg未満決勝 ×北山義vs小池隼斗○ 判定0-3 優勝 小池隼斗

◆U15 小学校高学年(5年生、6年生)2回戦(1分30秒制)

28kg未満優勝者(表彰のみ) 武内太陽

31kg未満決勝 ×野本かれんvs松下琉翔〇 判定0-3 優勝 松下琉翔

34kg未満決勝 ×若月イルvs丹野優志○  判定0-3 優勝 丹野優志

37kg未満決勝 ×中村陸人vs渡部要○  判定0-3 優勝 渡部要

45kg未満優勝者(女子/表彰のみ) 中島瑠花

◆U15 中学生2回戦(1分30秒制)

34kg未満決勝 ○三宅湊士vs久保田天空× 優勝 三宅湊士

中学生クラス34kg未満決勝戦、久保田天空vs三宅湊士

37kg未満決勝(女子) ○北山恋vs瀬川柚子心×  優勝 北山恋 

中学生クラス37kg未満決勝戦(女子)、北山恋vs瀬川柚子心

40kg未満決勝 ×大沢透士vs野本琥太郎○ 優勝 野本琥太郎

中学生クラス40kg未満決勝戦、大澤透士vs野本琥太郎

45kg未満決勝 ○西山大翔vs鈴木秀馬× 優勝 西山大翔

中学生クラス45kg未満決勝戦、西山大翔vs鈴木秀馬

50㎏未満決勝 〇田邉謙心vs佐藤翔力 優勝 田邉謙心

中学生クラス50kg未満決勝戦、佐藤翔力vs田辺謙心

55kg未満決勝 ○小野 力光vs剛右近 湊× 優勝 小野 力光

中学生クラス55kg未満決勝戦、郷右近湊vs小野力光

60kg未満決勝 ○藤倉弥虎vs小澤裕次郎× 優勝 藤倉弥虎

中学生クラス60kg未満決勝戦、藤倉弥虎vs小澤裕次郎

◆U18 高校生 2回戦(2分制)

52kg以下決勝 ×安枝唯斗vs大久保世璃○ 優勝 大久保世璃

MVP 大久保世璃 (高校生52kg以下)

高校生クラス52kg以下決勝戦、大久保世璃vs安枝唯斗

敢闘賞 佐島康太 (小学校低学年25kg未満)
若月イル (小学校高学年34kg未満)
中島凌駕 (中学生50kg未満)
安枝唯斗 (高校生52kg以下)

フェアプレー賞  新美莉瑚 小学校低学年31kg未満
     岩佐昌    小学校高学年31kg未満
     日暮洸冴   中学校40kg未満
     大久保世璃  高校生52kg以下

大会MVP獲得した大久保世璃

《取材戦記》

コロナ禍を経て、やや縮小した感はあるものの、技術がグンと向上したジュニアの攻防が見られました。

MVPとフェアプレイ賞を獲得した高校生52kg以下で出場の大久保世璃選手は、2019年度の小学校高学年(当時6年生)31kg未満でも優勝とフェアプレイ賞を受賞しています。

優勝とMVP受賞については「素直に凄く嬉しいです!」と笑顔で応え、目指すは「K-1甲子園」で、更なる上位は「K-1チャンピオン」と言い、ムエタイという方向性については、あまり関心が無い様子でしたが、K-1ジム・ウルフ所属だったので、K-1が主流なのは当然でしたね。これが多様化した競技性で今時の若年層の考え方の一つでもあるでしょう。

K-1甲子園とは、2007年から続く全国の高校生選手のナンバーワンを決める大会で、プロで活躍し、チャンピオンに成った選手も多い登竜門です。

WBCムエタイジュニアリーグ第1回世界大会は2022年8月にカナダ・バンクーバーで大会が開催され、2年に一度の開催として第2回は来春2024年2月2日~5日、タイ・バンコクのルンピニースタジアムで開催予定です。

今回の全国大会優勝者は世界大会出場資格獲得しても必ず参加という訳ではありませんが、タイのルンピニースタジアムで行われる競技大会なので、殿堂スタジアムでの世界という舞台を体験して来て欲しいものです。
セコンド陣営や後援会、応援団といった歓声が大きいプロのキックボクシング興行ですが、ジュニアキックにおいては父兄の歓声が大きかったのもこの大会の特徴でした。

ジュニアリーグを卒業するとプロとして更に多くの選択肢が出てきますが、またどこかのリングでその顔を見ることも出て来るでしょう。2019年度、中学生クラス55kg未満で優勝した小林亜維二(新興ムエタイ)は現在プロとしてNJKFのウェルター級で活躍しています。父兄の方々もジュニアキックから成長していく我が子らの活躍が楽しみでしょう。逆に「ジュニアキックだけで充分、プロは儲からないし怪我するから行かせない」という選択肢も多そうなのも事実で、キックボクシングやムエタイの将来性、価値観も影響がありそうです。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」