NKB王座を巡る二階級の戦いはリベンジ絡みの争奪戦!

堀田春樹

健吾はどん冷え貴哉への挑戦権獲得。
NKBフェザー級王座は矢吹翔太と堀井幸輝が争うことに決定。

◎鐵人シリーズvol.5 / 10月10日(土)後楽園ホール17:15~20:52
主催:日本キックボクシング連盟 / 認定:NKB実行委員会

◆第10試合 NKBウェルター級挑戦者決定戦 5回戦

NKBウェルター級3位.大月慎也(Team arco iris/1986.6.19埼玉県出身/ 66.6kg)
30戦12勝(6KO)14敗4分
        VS
NKBウェルター級4位.健吾(BIG MOOSE/1993.10.10千葉県出身/ 65.95kg)
10戦6勝(2KO)2敗2分
勝者:健吾 / TKO 2ラウンド 1分35秒
主審:前田仁

ローキックからパンチで主導権奪いに掛かる両者。パンチは思いっ切り振って出て倒しに掛かる勢いがあった。互いに打ち合う展開の初回においてはジャッジ三者の採点分かれていた。

一瞬の隙を突いた攻勢を見せるのは大月慎也だったが、健吾が大月の蹴り足を掴んで圧してロープ際に追い込んだところへ左のバックハンドブロー一発でアゴにヒットさせると大月はバッタリ倒れ込み、レフェリーがカウント中にストップした。

健吾のバックハンドブローがヒットする直前
健吾のバックハンドブローがヒットする直前
してやったり表情の健吾。一発で仕留めるTKO
してやったり表情の健吾。一発で仕留めるTKO

健吾はバックハンドブローについて、「当たった感触無かったですね!」と力んで打ったものではなさそうで、小林健二会長は「バックハンドブローの練習やってたし、大月は前へ前へ来ようとしていたところで見事に当たって良かったですね!」と応えられ、練習で身に付いた反射神経が働いたのだろう。

昨年10月18日に挑戦者決定戦で、どん冷え貴哉に敗れている健吾は雪辱を宣言。どん冷え貴哉への挑戦は来年2月20日に行われます。

陣営と歓喜の健吾。ここまでの人生で最も幸せな瞬間かもしれない
陣営と歓喜の健吾。ここまでの人生で最も幸せな瞬間かもしれない

◆第9試合 NKBフェザー級王座決定4人トーナメント(準決勝)3回戦

NKBフェザー級2位.矢吹翔太(team BRAVE FIST/1986.8.2沖縄県出身/ 56.8kg)
19戦12勝4敗3分
        VS
NKBフェザー級5位.半澤信也(Team arco iris/1981.4.28長野県出身/ 57.15kg)
38戦12勝(4KO)21敗5分
勝者:矢吹翔太 / 判定3-0
主審:笹谷淳
副審:宮本30-27. 鈴木30-28. 前田30-28

昨年10月18日の対戦では偶然のバッティングで矢吹翔太が左瞼をカットしたが、矢吹が負傷判定勝利しています。

パンチと蹴りの牽制はややスピード優る矢吹翔太。初回は互角だが、2ラウンドには接近戦でのしつこいヒジ打ち連打で半澤信也の左眉尻をカットし、矢吹のペースで進む。組み合った際のヒザ蹴りも効果的。半澤は開始早々から何度か得意の、いきなりの飛びヒザ蹴り見せるが警戒されていてヒットせず。第3ラウンドには矢吹のヒジ打ちで右目瞼も斬られた半澤は苦しい展開のまま終了。矢吹翔太が判定勝利し、王座決定戦へ進出した。

矢吹翔太のヒジ打ちが半澤信也の鼻を潰す。ヒジ打ちは何度も襲った
矢吹翔太のヒジ打ちが半澤信也の鼻を潰す。ヒジ打ちは何度も襲った

リング上で矢吹翔太は2年前の「フェザー級王座トーナメント戦で勇志に敗れ脱落した雪辱を腫らしたい!」と語り、堀井幸輝は5年前のアマチュア時代に香村一吹に敗れているが、雪辱戦となった今回は「倒せず悔しいです。次は頑張ります!」と語った。

矢吹翔太のヒジ打ちに続いてヒザ蹴りの猛攻
矢吹翔太のヒジ打ちに続いてヒザ蹴りの猛攻

◆第8試合 第18代NKBフェザー級王座決定4人トーナメント(準決勝)3回戦

NKBフェザー級4位.堀井幸輝(ケーアクティブ/1996.11.7福岡県出身/ 56.8kg)
10戦6勝(1KO)2敗2分
        VS
NKBバンタム級4位.香村一吹(渡邉/2007.2.22東京都出身/ 56.6kg)
8戦5勝(2KO)2敗1分
引分け 0-0 / 堀井幸輝が優勢支持で決勝戦進出と後楽園ジャンブル出場権獲得。
主審:PIRIKA
副審:関勝29-29. 前田29-29. 笹谷29-29 / 延長三者とも10-9

パンチと蹴りの一進一退の攻防。ローキックで脚を蹴られたら蹴り返す香村一吹。手数足数全く減らない両者は、どちらも主導権を奪えない互角の攻防で引分けに終わった。王座決定戦への駒を進める為の延長戦は、堀井のヒザ蹴りが効いたか、ガクンと勢い落ちた香村。堀井のパンチの勢いも増して優勢支持受け、王座決定戦と来年5月の後楽園ジャンブル、フェザー級出場権を獲得した。

NKBフェザー級王座は12月12日にこの二人で争う
NKBフェザー級王座は12月12日にこの二人で争う

香村は試合後の控室で脚が痛そうにしていたが、「試合中は大丈夫でしたけど、終わってから痛み出しました!」と応え、試合中は気合入っている様子が窺えました。

正式な試合結果の解釈については関係者数名に問いてみましたが、皆「公式記録は引分け」と回答。3ラウンドまでが公式戦で、延長戦は勝敗は付かず、上位進出を決めるものと理解はされていました。NKBは昭和からのシステムを採用しているということである。

堀井幸輝の勢い増してヒザ蹴りが香村一吹を苦しめた延長ラウンド
堀井幸輝の勢い増してヒザ蹴りが香村一吹を苦しめた延長ラウンド
引分けながら、小林米仁氏から後楽園ジャンブル出場権を得た堀井幸輝
引分けながら、小林米仁氏から後楽園ジャンブル出場権を得た堀井幸輝

◆第7試合 ミドル級3回戦

福舘正(CHEERFUL/1988.10.12岩手県出身/ 72.3kg)15戦9勝(4KO)6敗
        VS
土屋忍(KUNISNIPE旭/1986.12.11千葉県出身/ 72.35kg)20戦9勝8敗3分
勝者:福舘正 / 判定2-0
主審:宮本勲
副審:関勝30-29. 鈴木29-29. 前田30-29

この両者は6月20日に対戦し、福館正が持久力で判定勝利。今回はローキックからミドルキックが中心の攻防。互角の展開が続く中、福館正が蹴りからヒザ蹴り、パンチからヒザ蹴りの流れが攻勢をやや上回った展開で、前回は終盤ヘロヘロだった土屋忍も今回はスタミナ充分で終盤にパンチラッシュを掛けるも巻き返せず、ジャッジ三者が揃うラウンドは無かったが、福館正が僅差判定勝利した。

リズム掴んだ福館正が勢い増して土屋忍をヒザ蹴りで攻める
リズム掴んだ福館正が勢い増して土屋忍をヒザ蹴りで攻める

◆第6試合 女子55.8kg契約3回戦

やえな(ケーアクティブ/1995.8.9埼玉県出身/ 55.55kg)2戦1勝1敗
        VS
三木鈴(NK/2004.10.18大阪府出身/ 55.2kg)2戦2勝
勝者:三木鈴 / 判定0-3
主審:PIRIKA
副審:笹谷29-30. 前田28-30. 宮本29-30

やえなは6月20日のデビュー戦で巧みな技を持ち、パンチと前蹴り、ハイキックなどで圧力掛ける展開を見せたが、今回は距離感掴み難そうな展開。若い三木鈴がパンチと蹴りで、やえなのリズムを崩し、コンビネーションブローで優って僅差ながら判定勝利。

やえなのヒザ蹴りに三木鈴が左ジャブヒット。細かな技が上手かった
やえなのヒザ蹴りに三木鈴が左ジャブヒット。細かな技が上手かった

◆第5試合 バンタム級3回戦

早川曜平(ケーアクティブ/1994.1.13千葉県出身/ 52.85kg)6戦2勝3敗1分
        VS
滑飛シオン(テツ/2007.6.26岡山県出身/ 53.35kg)8戦5勝(1KO)3敗
勝者:滑飛シオン / 判定0-3
主審:鈴木義和
副審:笹谷27-30. 関勝27-30. PIRIKA27-30

スピードで優る滑飛シオンの蹴りとパンチの先手打つ攻めが目立った。早川曜平はパンチで出て勝負を捨てない意地を見せるも、シオンの多彩なヒットが優っていき、ハイキックもヒット、フルマークの大差判定勝利となった。滑飛シオンも技量有る新人で今後が期待されます。

◆第4試合 62.0kg契約3回戦

伊藤要(シーザージム新小岩/1986.10.13岩手県出身/ 61.2kg)25戦7勝(4KO)16敗2分
        VS
魔裟屋(SLACK/1991.2.4岩手県出身/ 61.95kg)10戦5勝(3KO)5敗
勝者:魔裟屋 / 判定0-2
主審:宮本勲
副審:前田29-30. PIRIKA29-30. 鈴木29-29

蹴り中心の魔裟屋とパンチ中心の伊藤要の互角の展開は、終盤に蹴りからパンチに繋いだ魔裟屋が勢い増していくも伊藤も踏ん張って終了。魔裟屋が僅差ながら判定勝利。

◆第3試合 バンタム級3回戦

涌井大嵩(アルン/1997.3.2新潟県出身/ 53.45kg)6戦4勝(1KO)2敗
        VS
風間祐哉(WSRフェアテックス三ノ輪/1997.7.17石川県出身/ 53.35kg)9戦2勝5敗2分
勝者:涌井大嵩 / 判定3-0
主審:関勝
副審:前田30-28. 笹谷29-28. 宮本29-28

パンチと蹴りのアグレッシブな展開はパンチの距離感掴んだ涌井大嵩がやや攻めのリズム掴んだ流れ。ローキック中心に流れを変えたい風間祐哉だが、涌井の勢いを止められず、勢い増した涌井の判定勝利。

◆第2試合 スーパーフライ級3回戦

木部晴太(クボ/2004.2.3神奈川県出身/ 51.85kg)4戦1勝(1KO)3敗
        VS
松崎力也(T-KIX/1997.7.9静岡県出身/ 52.0kg)6戦1勝4敗1分
勝者:松崎力也 / 判定0-3
主審:鈴木義和
副審:PIRIKA27-30. 宮本27-30. 関勝27-30

両者のパンチと蹴りの交錯は松崎力也が徐々にテクニックで優っていき、フルマークの大差判定勝利。

◆プロ第1試合 58.2kg契約3回戦

真岸憲一(ワンサイド/1987.9.22長野県出身/ 57.95kg)3戦3敗
        VS
吉見啓(SHIROI DREAM BOX/1988.11.29熊本県出身/ 57.65kg)1戦1勝
勝者:吉見啓 / 判定0-3
主審:前田仁
副審:PIRIKA26-30. 笹谷26-30. 鈴木26-30

我武者羅にパンチで打ち合う両者は、初回に吉見啓が右ストレートでノックダウンを奪い、第2ラウンドも吉見が右ストレートでノックダウンを奪った。スタミナ切れか、倒し切れぬまま判定まで縺れ込んだが、吉見が大差判定勝利。

※他、アマチュア4試合
戦績はプログラムを参照し、この日の結果を加えています。

《取材戦記》

NKBフェザー級トーナメントは矢吹翔太と堀井幸輝が王座決定戦へ進出しましたが、敗れた半澤信也と引分け敗者扱いの香村一吹は26歳差。いずれ実現したら有利なのは香村だろうか。

しかし、香村一吹はバンタム級から上げて来たばかりで、「フェザー級の身体ではない」という声も聞かれました。バンタム級でキツイならスーパーバンタム級が適正かもしれませんが、NKBにおいてはスーパークラスが無いので、フェザー級で行くしかないだろう。今後も他団体交流戦も増えることでしょう。

日本キックボクシング連盟は昔から同じ相手との対戦が多く、昨年12月13日には半澤信也vs堀井幸輝戦も行なわれており、また同じカードというのは避けられた形である。

次回の日本キックボクシング連盟鐵人シリーズFINAL(vol.6)は12月12日(土)に後楽園ホールに於いて開催。NKBフェザー級王座決定戦が行われます。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」