オボちゃんを虐めたからこうなったんだとばかりに、小保方晴子博士のSTAP細胞の件以降、これまでの学者の論文にも厳しいチェックが入るようになり、ノーベル医学生理学賞を受賞した、山中伸弥教授の論文にまでデータ捏造疑惑が浮上している。
それらのことは徹底的に検証すべきであろう。
だが、データ捏造どころではないことをやっていた科学者のことも、忘れてはならない。
原発の危険性を指摘する正しい解析を「捏造」と言ってのけ、「プルトニウムは飲んでも大丈夫」と断言していたのが、東大大学院工学研究科の、大橋弘忠教授だ。
もしも被告人が取調べで自白に追い込まれていたら、一体どれほどデタラメな自白調書が出来上がっていただろうか――。被告人が一貫して無実を訴えている冤罪事件を取材していると、そんなふうに考えさせられることがある。
「飯塚事件はDNA鑑定だけで有罪、無罪が決まったわけではないので、DNA鑑定がどうなろうと有罪認定は揺るがない」。そんなデマがいまだに流布しているようである。