「不逮捕特権」を持つ国会議員は「体を張って」安保法案を阻止できる!

〈2015年7月15日国会前の市民デモ〉

7月15日、予告されていた通り衆議院の特別委員会で「戦争推進法案」が自公多数で可決された。国会の外では1日総計10万人以上の人々が抗議の声を挙げ続けたが、当たり前のように無視された。

昨日の強行採決の際の映像を見て私は違和感を感じた。浜田靖一議長が審議を打ち切り、議長席に野党議員が詰め寄る。ここまでは想像通りだ。だが、だれも委員長浜田の暴挙を「体を張って」止めようとした議員はいない。挙句の果て採決に移ると野党議員は用意していた「自民党感じ悪いよね」「安倍政権を許さない」「強行採決反対」という印刷されたメッセージを掲げ始めた。

元から政治や政治家を本当は全く信用していない私にとって、またもその思いを強くさせられる光景だった。野党議員は国会を取り巻く市民ではない。特別委員会の委員以外にも多くの議員が議事の傍聴に訪れ、議場後方には立ち見の議員であふれかえっていた。

◆国会議員はもっと「体を張って」法案を阻止せよ!

ここで審議されているのは一体どんな法案なのか、その重大さに対する本当の危機感が野党議員にはあるのか。「戦争推進法案」はこれまであまた審議された悪法のなかでも間違いなく最大級に憲法違反かつ将来の「戦死者」を創出することが確定的な、絶対に許してはならない法案なのではないのか。

市民は国会の外でしか活動出来ないけれども、国会議員には委員会の議場に入る権利がある。だったらなぜ「体を張って」採決を止めないのだ。議長席に詰め寄った議員は誰一人として委員長の議事進行を物理的に阻止しよとはしていなかった。辻元清美議員は合掌しながら「議長だめです」と言い続けていたけれども、そんなことが通じる相手だと本気で考えているのか。他の議員も議長机を叩くだけで、誰も議長席から浜田委員長を排除しようとはしない。

私は「暴力はいけない」という一般論をこの場合排除する。抗議する市民は国会の外では何も暴力行為に及んでいないのに少なくとも2名がこの日逮捕されているし、抗議行動を警戒した警察は鉄策を国会の周りに二重三重に張り巡らせていた。重ねて強調するが、審議されているのは「暴力の究極形」である「戦争」を召致する法案だ。いわば「無法暴力の合法化」を図ろうとの策動が行われているのだ。目の前で立ち上がろうとしている「戦争」を止めるためならば、議事進行を物理的阻止することなど何の罪もないに等しい。

いや「どんな場合でも暴力はいけない」、「法律に沿った範囲で抗議しないと」という意見があるが、この法案に限っては、その意見は完全に間違いだと私は断言する。

〈2015年7月15日国会前の市民デモ〉

◆「自民党感じ悪いね」などと恍けたフレーズをかざしている場合か!

本気で野党議員がこの審議を阻止しようとするなら議場封鎖や委員長を議長席から引きずりおろす位の行動にでなければおかしくはないか。

これ程重要な法案でなくとも、過去に国会内での「実力行使」による衝突はいくらでもあった。何日も議場入口で座り込みを続ける野党議員を警察が排除したこともあったし、強行採決を画策する議長を議長席から引きずりおろしたことも実際にある。近年国会内も「お行儀良く」しておくのが何か「美徳」であるかのよな誤解があるが、そうではない。与野党の体によるぶつかり合いは別に珍しいことではなかったし、その時の強力な「排除要員」として元プロレスラーの馳浩は自民党から頼まれて議員になり、実際彼は混乱の中で野党議員排除に活躍をしたことがある。

そしてこの特別委員会委員長の浜田の父親、浜田幸一は1979年自民党内の派閥抗争「40日抗争」で主流派閥が机や椅子でバリケードを作っていた時「いいか、断っとくけどなー。かわいい子供達の時代のために自民党があるっちゅうことを忘れるな!お前らのためにだけ自民党があるんじゃないぞ!」とテレビカメラに向かいながら椅子や、机を投げ捨てていったことがあった。

浜田幸一は好きではなかったがこの時のセリフ、今となっては新鮮だ。そして息子の浜田靖一をはじめとする、自民党議員や安倍はこのセリフにどう答える?「かわいい子供達の時代」を戦争の時代にしようとする与党の強引な審議に野党議員は体を張れ。

「自民党感じ悪いね」など、初めて政治に興味を持った子供のように恍けたフレーズの紙をかざしている場合か。ちなみに国会議員には国会会期中「不逮捕特権」がある。この国会は9月まで会期があるからそれまでは余程のことがなければ逮捕はされない。

15日は日中から夜遅くまで、蒸し暑い中、市民の必死の抗議が続いた。その熱意を野党議員はしっかり受け止めるべきだ。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

◎安保法案強行採決!「大きな嘘」で日本政治をレイプしまくる安倍話法の本心
◎3.11以後の世界──日本で具現化された「ニュースピーク」の時代に抗す
◎「目が覚めた」人たち──抗議行動はいろんなカタチがあっていい

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安保法案強行採決!「大きな嘘」で日本政治をレイプしまくる安倍話法の本心

2015年7月15日、衆院特別委員会で自民・公明両党が「戦争推進法案」の強行採決に踏み切った。


◎[参考動画]7月15日、衆院安保法制特別委で赤嶺政賢議員の質問のあと強行採決(2015年7月15日国会)

◆「小さな嘘よりも大きい嘘に人は騙されやすい」ファシズム論法を体現した安倍政権

人間は時にあからさまな嘘や悪事を目の前で披歴されると、かえって策を弄した詭弁や小ズルい嘘をぶつけられた時よりも、反応が鈍くなることがある。ヒットラーは「我が闘争」の中で「小さな嘘よりも大きい嘘に人は騙されやすい」という権力者が喜んで座右の銘にしたがるような名言を残しているが、安倍はその体現者だ。「戦争推進法制」は昨日今日に突如として出現したものではなく、1955年の自民党発足以来の党是「自主憲法制定」への着々とした目論見がいよいよ最終段階を迎えていると考えるべきだろう。

であるから、その目的達成の為には「小さな嘘(暴言)よりは大きな嘘(暴言)」の方がこの時代にあっては政権にとって有効なのだ。「解釈改憲」という「憲法殺し」は歴代どの首相も手を染めなかった「反則技」だが、「大きな嘘き」を祖父岸信介から受け継いできて、自身も「大きな嘘」を重ねることにより総理の座に納まった安倍にとっては、「違憲行為」すら自己正当化されるのだ。

◆嘘や詭弁を発語しても何も感じない21世紀日本型ファシスト

「フランス語で“白痴化する”ことを“アベチル(Ab?tir)”というんですが、ここから生まれた言葉で“馬鹿”のことを“アベッチサン(Ab?tissant)”っていうんですヨ」(2014年10月18日付「屁世滑稽新聞」より)

安倍は小学生時代から学校での勉強は苦手だったらしく(これだけは私と共通する)、警察官僚から自民党議員になった平沢勝栄が家庭教師をしていたそうだ。だが成蹊小学校からエスカレーターで成蹊大学へ進学となり、難関大学へ進学することは出来なかった。学歴で人の能力が計れるものではないし、私も学歴信者ではない。でも安倍の父親安倍晋太郎は相当熱心に有名大学へ押し込もうとしたらしいが、それはかなわなかった。しかし安倍は「高学歴」は逃したものの、天性とも言うべき「詭弁使い」の才と、嘘や詭弁を発語しても何も感じない「無恥」という感覚を兼ね備えた「21世紀日本型ファシズム牽引者」として君臨している。

大阪都構想の市民投票で敗けて「政界引退」を公言している橋下市長との不可思議会談(6月14日)や、官房長官を通じての翁長雄志沖縄県知事への「謝罪」もどき(7月4日)、改造前内閣では複数大臣の政治資金問題による辞職などがあろうと、この男が徹底的に叩かれることは今のところない。「福島原発からの放射能漏れは完全にブロックされています」と五輪誘致の為に世界に向かって大嘘をつくことくらい安倍にとって晴れがましい得意満面な舞台はなかったろう。

◆「安倍の本心」を代弁してみた

「本心を申し上げるとですね、解釈改憲も既に終わっているのですから、安全保障法制の成立の如何に関係なく、アメリカからの要請があれば直ちに日本は自衛隊をですね、その要請に従って出動することが出来る訳であります。現在審議をお願いしております安保関連法制は、本音を申し上げれば、『どうでも良い』、のでありまして、いざと、と言う場合には『解釈改憲』でもお示ししました通り、いかなる法令も憲法も無関係に、ひたすらですね、自衛隊を派兵し、堂々と戦闘を行うと。国際社会からの要請云々ではなくですね。わたくしがこの国の最高責任者でありまして、選挙で国民の負託を全面的に受けておるわけでありますから、そこのところはしっかりご認識を頂き、国民の皆様には相応の覚悟と、場合によっては犠牲といったものもですね、可能性としてはありうると、そういったお願いをしているわけでございます」

安倍は上記の発言をしてはいない。重ねて断るが安倍の発言ではない。しかし私が想像する「安倍の本心」が必ずしも的を遠くはずしているとも思えない。


◎[参考動画]東京・日比谷野外音楽堂での安保法案「強行採決反対」集会(2015年7月14日朝日新聞社公開)

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

◎百田尚樹「沖縄2紙を潰せ」発言で強まる「琉球独立」という島唄の風
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7・12西宮「鹿砦社弾圧10周年復活の集い」報告──感謝と共に新たなる船出へ!

2005年7月12日松岡社長逮捕から丸10年目となる12日、猛暑の中西宮のCafeインティラミで「鹿砦社弾圧10周年復活の集い」が約70人参集の中行われた。

鹿砦社「復活の集い」は松岡社長の挨拶と当時の様子の復元から始まった

ではまず中川志大「紙の爆弾」編集長挨拶から幕を開けると事前にの広報にはあったが、松岡社長の挨拶と当時の様子の復元から始まった(松岡社長、待ちきれなかったか?)。

「兵庫の良心メディア」サンテレビが松岡社長逮捕時よりニュースで取り上げ、保釈直後のインタビューを含め都合5回オンエアーされていたニュース映像が会場に流された。サンテレビ関係者も会場に詰めかける中放映されたニュース映像は決して松岡社長逮捕=悪人といった今日主流の大本営発表報道と異なり、「我々にとっても他人事ではない問題ですので今後も注目してゆきたいと思います」といった原則に立脚した見事な番組構成だった。

松尾社長は逮捕されて以来検察による取り調べ、「人質司法」の問題などにつき経験を踏まえて語り、今年自身が教壇に立った関西大学の講義で学生に逮捕された際に全裸にされた話をしたところ、非常に強い反応が返ってきた事をにも触れた。

◆この10年──「検察は何も変わっていません。むしろ悪くなっている」(青木理さん)

「検察は何も変わっていません。むしろ悪くなっている」(青木理さん)

次いでメインゲストの青木理(元共同通信記者・ジャーナリスト)さんが「検察はこの10年で変わったのか」のテーマで鹿砦社事件を絡めながら検察の問題点を解き明かした。「一言でいえば検察は何も変わっていません。むしろ悪くなっている」と切り出した青木氏は「話が苦手なので」との謙遜とは裏腹に、これまで豊富な公安・検察関係者取材経験の体験談と現在進行中の問題につき多くの材料を提供して下さった。

中でも興味深かったのは、実質的に10年前の「松岡逮捕劇」、「鹿砦社弾圧」を指揮した大坪弘道氏と取材で接触したことがあり、大坪氏を「目立ちたがり屋」だと見抜いていたと看破したことだ。

大坪氏は「松岡逮捕」「鹿砦社弾圧」に次ぎ小室哲哉逮捕、そして厚労省の村木厚子氏逮捕と世間の注目を浴びる「話題性」の高い事件を手掛けるが、それは一種の「賭け」のようなものでもあり、案の定村木冤罪で破綻を来たし、最後は自分の逮捕にまで繋がってゆく。検察にとっては戦後最大の危機を招いた人物だった。

しかし、検察はその後この危機を「刑事訴訟法の改正、盗聴法の実質無限拡大、司法取引の導入」という強力な武器を手に入れようとする策動に出て、閣議決定までなされえている。検察のあり様は「益々悪辣化している」と青木氏は結んだ。青木氏のお話は1時間には満たない物だったが、この日のお話だけで新書が1冊出来上がる程、警察の取り調べ、冤罪、捜査手法の問題、取り調べ可視化の必要性と留意点など多岐にわたっていて、私的にも大変勉強になった。

◆「私に暴力ではなく言論の可能性を教えてくれたのは『鹿砦社』松岡社長でした」(鈴木邦男さん)

「私に暴力ではなく言論の可能性を教えてくれたのは『鹿砦社』松岡社長でした」(鈴木邦男さん)

その後鹿砦社お目付け役鈴木邦男氏が登場し「鹿砦社弾圧時から比べても検察は悪化しているし、それをマスコミは止められなかった」との概観が述べられ、加えて鈴木氏と鹿砦社、松岡社長の長年にわたる親交が披露された。

鈴木氏は松岡社長逮捕直後発刊された「紙の爆弾」で「新右翼だった私に暴力ではなく言論の可能性を教えてくれたのは『鹿砦社』松岡社長でした。この鹿砦社で好きなことを書かせてもらい『言論の力』を知った」とコメントを寄せている。テレビを含め東京のメディアからっも引っ張りだこの鈴木氏の「鹿砦社」への思いが特別な物であることが再度確認された。

◆検事や裁判官を1年くらい刑務所に入れて『研修』させたらどうか?

その後青木氏と鈴木氏の対話となり話が弾んだが、最も印象深かったのは「これだけ問題だらけの司法のあり様の解決策として、検事や裁判官を1年くらい刑務所に入れて『研修』させたらどうか」と言う提案をお二方が行ったことだ。

その後この日の集まりに連帯のメッセージを寄せられた「たんぽぽ舎」と、同志社大学で松岡社長の先輩にあたるニューヨーク州立大学教授矢谷暢一郎氏からのメッセージが松岡社長により読み上げられた。どちらも普段はおとなしく紳士的な老境にある方々だが、メッセージの中身はアジテーションそのものだ。切れがいい。

◆「今日こうやって無事でいられるのもひとえに皆様のご支援の賜物と感謝いたします」(中川志大「紙の爆弾」編集長)

「今日こうやって無事でいられるのもひとえに皆様のご支援の賜物と感謝いたします」(中川志大「紙の爆弾」編集長)

最後に「紙の爆弾」中川志大編集長から「あの時はまだ25歳でしたが私も取り調べを受け『もっと人の役に立つ仕事をしなさい』、『お前も逮捕しようと思えばとやれるんやぞ』と言われました。10年経ってこうやって活動して来れたのも今日こうやって無事でいられるのもひとえに皆様のご支援の賜物と感謝いたします。今後もよろしくお願いいたします」と挨拶があった。

ここで一部は終了し、同じ場所で懇親会を兼ねた2次会が行われた。参加者の内50名以上が懇親会にも引き続き参加し、松岡社長のご指名により、不肖私が懇親会の司会を勤めさせていただいた。

◆西宮冷蔵水谷社長の御厚意による二次会も50名参加の大盛況!

紹介が前後するが、この日はサンテレビニュースの中で識者談話を寄せ裁判の支援者でもあった浅野健一同志社大学社会学研究科教授(地位係争中)、西宮冷蔵社長水谷洋一氏、元宝塚市長渡部完氏、元兵庫県警飛松五男氏、サンテレビの方々等も参加していた。

懇親会では今年度から松岡社長が非常勤講師として教壇に立っている関西大学から新谷英治文学部教授、鹿砦社イベントでは欠かすことの出来ない定番となった力強い言葉を書いていただいている書家龍一郎氏などから連帯のメッセージを頂き場はさらに盛り上がった。と、そこで思わぬハプニングが!

「ガンバレ・負けるな 鹿砦社・松岡社長」と書かれたビラが会場に配布され始めた。文面には「激励&懇親二次会のご案内」とありこのビラは西宮冷蔵の水谷社長によるものだ。そこにはなんと参加者全員を無料で二次会に招待頂けるという腰を抜かすような案内が書かれている。水谷社長は「松岡社長は私にとって命の恩人です。今日ここに私があるのはひとえに松岡社長のお蔭です、その感謝の気持ちを少しでも表したいので皆さんどうぞふるってご参加を」と呼びかけられた。「タダ(無料)」と聞いて家に帰るような人は関西人ではない。したがって我々ほぼ全員が水谷社長のご馳走になることになった。水谷社長本当にありがとうございました。

昼間の猛暑も夕方には浜風が吹き始め過ごしやすくなっていた。「弾圧10周年」は正直もう少し緊張に満ちた堅苦しい会になるのではと予想していた。内容の充実振りは予想通りだったが、それ以上に鹿砦社・松岡社長を囲む人々の人間性とその多様さが優しい空間を醸し出した時間だった。

今更ながらではあるが、松岡社長をはじめ鹿砦社の皆さん、10年間本当にお疲れ様でした。まだまだこれからよろしくお願いいたします!

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

◎2005年7・12鹿砦社弾圧事件――関与した人たちのその後
◎7・12「名誉毀損」に名を借りた言論弾圧から10年──鹿砦社は復活した!朝日新聞、当社広告を拒否!
◎「松岡社長逮捕は当然」か?──関西大学「人間の尊厳のために」講義の白熱討論
◎〈生きた現実〉の直撃弾──鹿砦社松岡社長が自身の逮捕経験を「告白」講義
◎『噂の眞相』から『紙の爆弾』へと連なる反権力とスキャンダリズムの現在

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《大学異論39》同志社の「良心」は「安保法案」賛成の村田晃嗣学長を許すのか?

衆院平和安全法制特別委員会は7月13日午前、有識者の意見を聞く中央公聴会を開いた。憲法や外交・安全保障の専門家ら5人が出席。野党推薦の3人が法案に否定的な見解を表明し、与党推薦の2人が賛意を示した。(毎日新聞2015年07月13日

◎[参考動画]2015年7月13日衆議院平和安全特別委員会中央公聴会(村田晃嗣は動画13:35から)

◆同志社大学は大学長が「戦争推進法案」賛成を表明した初の大学となった!

いったいどんな輩が「戦争推進法案」に賛成を表明したのかと記事を読み進むと、一人は外交評論家と自称するタカ派で有名な岡本行夫で、ああ、この人間ならさもありなんと驚きはなかったが、何ともう一人は同志社大学長の村田晃嗣ではないか。村田の反動ぶりはイラク派兵の際に当時の川口外相を学内に招き(多数の私服警官も学内へ招き入れ)「派兵」の抗弁をする機会を与えた過去があることからも明確な通り、文字通りの好戦的米国追従学者だったが、学長に就任してから昨年までは以前に比べれば目立った政治的発言は控えていた。

しかし、昨年の「解釈改憲」について実質的に是認する発言を行ったあたりから、この男はいつ本性を露わにするのか、と注視していたがまさか「戦争推進法制」の「中央公聴会」で政府の暴走是認を行うとは考えもしなかった。毎日新聞の記事によると村田は「憲法の精神を守るのは言うまでもないことだが、これは安全保障の問題でもある。安保の学会では多くの専門家が肯定的回答をするのではないか」と述べたという。(産経新聞2015年7月13日

◆「安保の学会」とはどの学会なのか?

「安保の学会」とは何を指すのだろうか、名前が近いところでは「国際安全保障学会」がある。

この学会は1973年に「防衛学会」と言う名前で発足しているが、2013年次大会記録を見ると「日米武器技術協力の模索 1978-1986 日本原子力研究開発機構 武田悠」や「東アジアにおける共同軍事演習 防衛省 廣瀬律子」と言った、とてもではないが「学問」の範疇には収まらない「戦争推進学会」であることは一目瞭然だ。この学会なら「反対はしないだろう」というのが村田の言い分だ。

それはたぶん正しい。この学会は「戦争をしたくてしたくて仕方がない」連中の寄合なのだから。では「日本平和学会」に対しても村田が中央公聴会で発言したのと同じ内容を語れるのか。日本憲法学会に対してはどうだ。

◆新島襄の「良心」は「学生を戦場に送るのに熱心な学長」を許すのか?

村田が学長の地位にある同志社大学は「新島襄」が設立した「リベラル」を学風とする大学だった。昔はそうだった。しかしこの村田の言動は一体どう表現すればよいのだろう。大学長が「戦争推進法案」に積極的に賛成するということは学生に対して「戦争へ行け、戦場で人殺しをして来い、若しくは殉死して来い」と言っているのに等しい。あらゆる屁理屈を並べようと村田のこの発言は絶対に許されるものではない。大学人として万死に値する。「学生を戦場に送るのに熱心な学長」など殺人者と変わらない。

私はこの文章を書きながら指が震えている。何年振りか、体の奥底からの怒りを抑えることが出来ない。村田は政治学者だが人間性を持ち合わせない「悪魔」であることが明らかになった。

同志社大学の教職員、学生諸君はこのような人間を学長のまま放置するのか。否、同志社大学だけでなく、日本中の大学関係者は村田のこの蛮行を黙認するのか。私の指の震えは増すばかりだ。村田晃嗣を人間として絶対に許せない。

◆同志社大学の広報課に電話して問いただしてみた!

それにしても村田の発言を同志社大学はどう考えているのだろうか。広報課の植村巧課長に電話で話を聞いた。

田所 午前中の中央公聴会で村田学長が安保法制に賛成の立場の発言をしたが問題を感じないか。
植村 発言は個人としての意見を述べたものであると考えている。
田所 大学の学長が国会の委員会で発言する内容が「個人としての意見」と言うのは無理がある。そんな詭弁は世間では通用しない。現に複数のマスコミは「同志社大学長」村田晃嗣氏の発言と報じている。しかも発言内容は「戦争を可能にする」法案への賛成意見だ。違和感を感じないか。
植村 確かに問題化する恐れはあるとは思う。
田所 あなたは今審議されている法案が「戦争を可能にする」法案である、と認識しているか。
植村 それはそうだ思う。
田所 それでも呑気な応答をしていられるのか。大学の使命は学生を守ることではないのか。
植村 それはその通りだ。
田所 大学の学長が国会で「戦争を可能にする」法案に賛成意見を述べたことなど戦後の歴史にはない。同志社大学として問題だと感じないか。
植村 だから、先ほど申し上げた通り「個人としての発言」と言う認識だ。
田所 あなたは大学職員として恥ずかしくはないのか。「戦争推進」を公聴会で明言した学長の下で呑気に仕事をして学生に申し訳ない、恥ずかしいとは思わないのか。
植村 …………。
田所 村田氏はイラク戦争の際にも川口外相(当時)を招き派兵を正当化する講義を指せた前科がある。今回の発言と繋がっているのではないか。
植村 あの時は個人的な企画で………。
田所 違うだろ。法学部が決定した正式な大学行事だったのではないか。
植村 法学部の行事ではあった。
田所 ならば個人的な企画ではないではないか。同志社大学は戦争を推進する大学なか。
植村 そうではない。
田所 ならば、国会で学長が「戦争を可能にする法案」に賛成の意見表明を行ったことは極めて大問題ではないか。
植村 執行部で対応を協議することになると思う。大学へ何らかのマイナスはあるかもしれない。
田所 総長の大谷實氏は地元で「戦争に反対する」運動に名前を連ねているが矛盾しないか。
植村 それも個人的な意見表明ではないか。
田所 新聞報道では同志社大学総長大谷實と肩書が書かれている。だいたい大学の学長や総長が公的な場所で発言をする時に「個人的な意見」だと断ってもそんな理屈は通じない。彼らは「公人」だし公の場での発言は常に「学長」、「総長」の発言と理解されるのが普通の感覚だ。
植村 意見として伺っておく。
田所 意見ではない。大学学長の公式発言としては「戦後最悪」だと私は呆れている。同志社大学は村田氏を学長から解任すべきだ。そうでなければあなた方全員が「戦争法制加担責任者」と看做されることを心すべきだ。
植村 意見として伺っておく。

役人風の緊張感の欠片もない問答だった。最悪の学長を抱いた同志社大学に学ぶ学生と心ある教職員が不憫でならない。しかし同志社関係者が村田を学長から引きずり降ろし、謝罪を述べさせることが出来れば、この最悪の「不名誉」を回復する道はある。学内で大した問題にもされないとすれば、残念ながらもうこの大学には存在意義が全くないと断ぜざるを得ない。

決起せよ! 同志社大学学生諸君! 心ある教職員諸君!


◎[参考動画]2015年6月1日 同志社大学講義「良心学」第7回「総括」(村田晃嗣)

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

◎《大学異論22》真っ当に誠実さを貫く北星学園大学の勇断に賛辞と支援を!
◎《大学異論18》「過激派」は学生でなく今の日本・安倍政権!──京大集会見聞記
◎なぜ安倍政権には「正論」が通じないのか?──加速度を増す日本の転落
◎2005年7・12鹿砦社弾圧事件――関与した人たちのその後
◎7・12「名誉毀損」に名を借りた言論弾圧から10年──鹿砦社は復活した!

大学人の必読書!矢谷暢一郎『日本人の日本人によるアメリカ人のための心理学━アメリカを訴えた日本人2』(鹿砦社)

自由なはずのアメリカで、自由なはずの日本で、
何も言えない、何も行動できない、
ガンジガラメの時代が始まっている!
闘う心理学者、矢谷暢一郎の心情溢れる提言に心が震えた!
──加藤登紀子(歌手)──

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《出版記念イベント》謎のタロット嬢王「占」(うらな)が7月17日大阪に降臨!

「占―うらな《嬢王様の時代》」(板坂剛編著 写真/上田治躬 2015年6月鹿砦社) 

タロット占いを全裸で行うファンタジーヌード写真集「占―うらな《嬢王様の時代》」(板坂剛編著 写真/上田治躬)が鹿砦社からついにリリースされた。

「占」(うらな)は、一部のファンから「嬢王様」と呼ばれた特別な存在で、その不思議な世界感を鬼才、板坂剛氏がテキストで描きこんでいく。

板坂はこうつづる。

「タロット・カードを手にする前に、《占》は全裸になる。頭の中を空っぽにして、神経を過激な状態にして、自らの予感を待つ。私の最奥部から、吹き上げて来る予感が、内臓を貫き、咽喉にまで。熱と快い痛みを伴って到達すると、《占》の手は、何枚のカードから一枚を選び出す。裏返しにされたカードの表には、確かに彼女の予感が描かれている。(中略)カードに身をまかせることで、《占》は孤独に陶酔する時を得るのだが、その時間が長ければ長いほど日常との距離はますます遠くなる。(以下略)」

このあと、さらにテキストはエロチックに展開していくのであるが、もったいないので、あとは買ってのお楽しみとしておこう。

さて、官能的な文章を書くのは実に難しい。

さんざんぱら、エロい原稿を実話雑誌に求められて来たが、私は実にエロい文章が下手だ。実は、板坂先生の領域には一生、辿りつかないだろう。

かつて、フランス書院の官能文庫大賞向けに僕が書き始めた原稿のエロいシーンはこうだ。

あとでさんざん、小説の「師匠」に直されて四苦八苦して「内外タイムス」に掲載されたのだが、恥をしのんで『一稿』を出せば、オフィスでの社内恋愛で、仕事ができる男性社員が美女を社長ととりあう物語で、最初に登場するエロいシーンはこうだった。28歳のときの原稿だ。まあ、もしチャンスがあればじっくりと「エロスの伝道師」、板坂先生の指導を仰ぎたいものだ。

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「悦楽の摩天楼」 2章――1

次の日の午後十時。最上階の二十五階にある社長室では、代表取締役の田尻雄大が、ビリヤードに興じていた。今夜の田尻は、機嫌がよくなかった。社内の〈秘密の宴〉や〈裏ボーナス制度〉などを探っているネズミがいると、名取から報告を受けたからだ。

田尻が興じているのは、ただのビリヤードではなく、六か所あるポケットでは、それぞれ全裸の女が九十度、開脚して球を待っていた。

《(株)システム・ガーディアン》の若き独裁者、田尻はもともとプログラマーでメカ・オタクだった。大学在学中からウイルスの駆除ソフトを研究していくうち、ついに日本でもトップクラスのセキュリティ会社に成長させた。

マスコミの寵児となった田尻の秘密。それは女子社員を性奴隷にするこの「儀式」だ。

田尻はうまくキューを捌いて、ジャンプ・ショットで九番のボールを、白くて引き締まった肌の女、大林彩加に向けて放つ。

球はバックスピンが掛かり、彩加の秘部を十回転以上こすった。スポットは傾斜しており、股間に向かって滑っていく。

重力に加えて球には、ある程度スピンを掛ければ半永久的にスピンが掛かる仕掛けがしてある。なおかつ球には感度が増すクリームが塗ってあった。

田尻はキューを球に押しつけた、グイッと球が彩加の奥へ入っていく。

「ああああ、擦れていますぅ」

ストレッチのごとく両脚を九十度開いた体勢の彩加は、白くて丸い尻をよじらせ、田尻を見つめた。

「いやらしい女だな」

ほかの五人の女は羨ましそうに田尻と彩加を見ている。

田尻は彩加を弄びつつも、秘書課長の蓬莱由紀に肉棒を銜えさせている。

田尻は、社内ではミス・クールと呼ばれる優秀なユーティリティ・スタッフの由紀が、田尻の前ではただの雌犬と化ける過程を楽しんでいた。

「ほらほら、もっと舌を使え」

田尻は由紀の髪を掴み、グイグイと自分に近づけていく。

「あっ、あっ、殿様。そんな……」

肉棒を深く銜えすぎて咽せる由紀を、まだ離さない。

ゴホッゴホッと喉を痙攣させて、白目を剥いて、由紀は倒れた。

「なんだよ、由紀。もう、おしまいか」

「そういえば、お前は、オークションの宴に出ていたな」

「おかげさまで、秘書課に配属されました」

直立不動で彩加が通った声で返事をした。

「秘書課は、他の女子社員に比べて、給与が一桁ちがう。なぜか、わかるか」

「はい。田尻社長専属の奴隷にさせていただけるからです」

田尻は大きく頷いた。やはり秘書課に配属されるまでに、名取を筆頭に子飼いの取締役連中にそれ相応の「調教」を受けてきたと見える。

田尻は全裸の彩加にエプロンをつけてやり、ワイシャツを脱いだ。

田尻は内線電話のボタンを押した。

「総務か。この部屋はアツい。二十四度にしろと注意しただろう」

女子社員たちは一同、例外なく緊張した面持ちだ。

「お前を解雇する。明日から、来なくていい」

田尻は、脱いだワイシャツを空中に投げた。女子社員がすぐに駆け寄り、ワイシャツを床から拾って畳む。丸太のような二の腕で彩加を抱き寄せた。田尻がビリヤード台の上に座る。ビリヤード台の上に座ったまま、正座している彩加を見下ろしている。

「しゃぶれ。中腰でだ」

正座のまま、腰を上げて屹立した肉棒を下から上に遡るようにして舐め上げていく。

彩加の脚が「く」の字に曲がり、白い脹ら脛が見えた。田尻は冷静に彩加のテクニックを確認するため、彩加の舌の動きに集中した。

舌先が肉棒のカリに移った。やわらかい舌の裏で時計回りに田尻の肉棒を包む。田尻はビリヤード上にあるキューを彩加の秘芯にあてがって、こすりつけた。

「あーん」

甘い声で反応した彩加に「感じるのか」と尋ねつつ、田尻はキューを真上から彩加に振り下ろす。

「んぐっ。ありがとうございます」

彩加が涙が頬を伝うのが見える。

由紀が目を覚まして起き上がった。直立不動で田尻と彩加の「儀式」を見つめている。

田尻はドンッと彩加を蹴って窓際に歩いていく。

「由紀、名取に伝えておくんだ。最近の宴は、ゆるいってな」

田尻は女社員からワイシャツを受け取った。

「車を回せ。帰る」

不機嫌に吐き捨てた田尻は、背広を着て出ていった。

「悦楽の摩天楼」準備原稿より
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どうだろうか、僕は板坂氏の才能には嫉妬する。恋い焦がれたエロい写真と文章が、今、鹿砦社からリリースされた写真集としてここにある。

ああ、そして僕はなんと才能に恵まれなかった。もしかしたら20代で「占」で出会えていたら、才能は開花したのだろうか、エロスの神様、教えて欲しい。

僕みたいな淡泊なエロスとちがい、板坂氏と撮影した上田氏、占で作る淫猥な空間は、確かに「エロスの粘り」というものが天地を満たすほどに展開されている。もし占と板坂氏が許せば、この占の世界をこのブログで…などと希望してしまう。

そうした意味で「占」も、安っぽい風俗嬢とは一線を画した不思議少女で魅力満載だが、板坂氏のエロいテキストも続きが見たいというのは、僕の本音である。

巷のくだらないヌード写真集やAVよりも、千倍倍エロい写真と、そのあたりの官能小説家よりも一万倍、エロいテキストをどうかこのフォトエッセイでご堪能あれ。

(小林俊之)

《イベント告知》

7月17日、ついにあの「全裸占い師」の占が登場する!

ついに謎の占いアイドル「うらな」の写真集発売記念
公開占い・トークショー開催!
◎2015年7月17日(金)18:30開場・19:30開演
大阪「ロフトプラスワン・west」
大阪市中央区宗右衛門町2-3 美松ビル3F
◎前売り1000円 当日1500円 前売はイープラスロフト店頭&電話予約で。
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◎謎の占いアイドル占(うらな)★7.17大阪ロフトプラスワン登場!

◎写真集問い合わせ 鹿砦社 0798-49-5302

《ウィークリー理央眼008》札幌攻防戦!ヘイトスピーチを撮影せよ!

久々に晴れた日曜の札幌、北海道警察に守られながらヘイトスピーチ・デモ隊が人でにぎわう大通りを行進した。デモ参加者30名は東京からやってきた桜井誠・在特会前会長に率いられ、口々に在日コリアンに対する侮蔑語を叫び、人種差別アジテーションを行なった。
しかし、札幌はこのような卑劣な行為を許しはしなかった。この日、札幌過去最大のカウンター行動が展開され、差別を許さない市民の声によってヘイトスピーチの大部分はかき消された。


[動画]2015.7.5札幌ヘイトデモへのカウンター(7分14秒)

ここから今回メインの個人的な話が始まる。
7月5日(日)13時から札幌市中央区・創成川公園まんなか広場(北海道電力本店前)でヘイトスピーチ・デモが行なわれるというので、私は前日から札幌入りし、当日は1時間前には現場に着いていた。
警備が厳しい他の都府県なら考えられないことなのであるが、集合場所には桜井前会長と現地メンバーの2名しかおらず、なんと警察官はゼロであった。これはチャンスと思い、ハードコア系カウンターの方と一緒に直接文句を言いに行くことにした。

現地メンバーである在特会・北海道支部運営で維新政党新風・北海道本部事務局長の渡邊喜楽という人物が私達の抗議の対応をしていたのだが、その間中ずっと桜井前会長はPCをいじっていて一瞬たりともこちらを見ようともしなかった。カウンターは非暴力ということになっており、いきなり揉めるのも問題があるので「ヘイトやめろ」の意を伝え、コワモテの男性はとりあえず引くことになった。
私はどうしてもこの時間帯のこの公園内から札幌テレビ塔が撮影したい気分だったので、桜井前会長から10mくらい離れた場所に留まっていた。それから10分経った12時35分頃、2名の私服警察官がやってきて桜井前会長に頭を下げて挨拶をした。その直後、桜井前会長はその刑事と一緒に私のもとへやってきて「お前ここで何やってるんだよ!!!」「逮捕しろよ!こいつを!」と激昂しだした。

一方的に突っかかってこられたものの、私もすぐ退去しなかったり、あれこれあって揉めたということになってしまい、私服警察官2名が私の監視につくことになってしまった。
実は今回の映像や写真は1~2mくらいの近距離にお巡りさんがいた状態で撮影していた。これダメ!あれダメ!と言われたりして非常に大変だったので実力が発揮できず、普段だったらもっと良く撮れたというのは正直あった。しかし、逆にお巡りさんがそばにいてくれたことにより、わりとギリギリのところまで入ることができたというのも事実だった。

最初は警備部公安二課の刑事が私についていたのだけど、本部の人達は忙しいらしく札幌中央署の警備課員に監視役が引き継がれた。当然ながら所轄署員もやることが多く、カメラマンにそんな重要な張り付きは必要ないということのようで、ただ人員確保の為に呼ばれただけの小樽署の警備課員2名が私の監視につくことになった。車で一時間かけて来たという50代と30代の男性警察官の二人組。
「こういうのは初めてなんだけど、東京はもっとすごいの?」と聞かれたので「今日のこれでも静かなくらいです」と言ったらとても驚いていた。

私は警察マニアで特に機動隊が好きなので現場に行くと必ず機動隊の人員輸送車を確認していて、この日も見たくてお巡りさんに見に行きたいと言ったら「行ってもいいよ。でも一緒についていくからちょっと待って」と無線で誰かに連絡を取っていた。「あ、機動隊のバスが見たいとご所望ですので行ってきます」と私のせいでマヌケな通信をさせてしまったと少し反省した。

13時30分にデモ出発前の集会が始まり、二人の警察に付き添われながらの不便な撮影が始まった。何より車道横断が出来ないのには辟易した。車が来なければ横断歩道以外の道路を渡るのは普通のことだが、公務中の警察官がそばにいるので青信号が光る横断歩道の通行しか許されず、自由の素晴らしさを痛感することとなった。

14時30分にデモ隊が街中へと歩を進めた。「不逞鮮人撃滅」と書かれたノボリを掲げ「朝鮮人がー!!」と叫ぶ一団を目撃した街の人々は目を逸らしたり絶句したりすることが多く、何人かはデモ隊に文句を言った人もいた。
そんな中、デモを警備する警察に対して文句を言った一人の観光客がいた。
男性「こんなのやらせていいの?」
警察「いや、届け出が出ているちゃんとしたデモです」
男性「おかしいでしょ。ひどいよ!」
警察「危ないので道路に出ないでください!」
この男性は映像の2分40秒頃にも登場している男性で、ホテルにいたら外が騒がしくて出てきたそうで、しばらく一緒にデモを追走しながら「ヘイトスピーチが許されるわけがない!」と主に警察に向けて文句を言っていた。

そもそも存在が許されるはずもないこの人種差別デモは、行進の途中で地元の御神輿の行く手を阻み、お祭りから笑顔を奪い法被姿の男たちの怒りを買った。もしかしたら神様も怒っていたかもしれない。それを行っているのが日の丸を掲げ、日本の為や愛国だと言っている連中なのだから頭が痛い。
国を愛することは家族や隣人や住んでいる地域、つまりは自分のすぐそばを大切にすることから始まるはずだ。それがなければ中身なんてあるはずがない。足場の無い空っぽな愛国を叫ぶのは即刻やめるべきだ。

15時31分に出発地に戻り解散集会が始まった。終止デモ隊を追いかけ回し、叱りつけていたカウンターはテレビ塔の下に構え拡声器や肉声で「帰れ!」コールを叫んでいた。出発の時よりもカウンターの人数は増えており、発する音量も大きくなっていた。

ここに写る機動隊の並び方に注目してもらいたいのだが、彼ら隊員は交互に違う方向を向いている。もっと正確に言えばデモ隊とカウンターの両方を向いて立つよう命令されている。
実質ヘイトスピーチ・デモを守っている警察に対し最近は批判が多く、このことを重く見た各地の警察本部が対応をし始め、全国的にこの警備配置が広がってきている。

それから大した発言もなく30分程度でヘイトスピーチのデモは解散となり、カウンターも活動を終了した。私も装備品を下ろして帰る準備を始めた。
「全然息切れしてないねー。もう疲れたよ。走り過ぎ…」と担当の警察官。
「いや、今日はお巡りさんが一緒にいたのでいつもより全然走れませんでした」
「え、そうなの?」
「まだいけます。あ、この撮影の装備ちょっと持ってみます?」と重量11kgのベストを手渡す。
「うそー!!こんな重い荷物を持って走ってたの!?」と非常に良いリアクション。
担当してもらった二人の警官に挨拶をしてカウンターのもとへと行ったのだけど、二人はまだまだ付いてくる。どうやら私が帰らないと彼らも帰れないようだった。

「私はこれから、『きのとや』でケーキを食べるつもりなんですけど…」
「大通りの?じゃあそこまで送るよ」
「えー!何で警察官に護送されてケーキ屋さんに行かなくちゃいけないんですかっ!!」
けれど、そこでこんな話が聞けた。
「まぁ、これじゃあ警察が差別デモ守ってると言われても仕方ないよね…」と小樽のお巡りさんは私に言ってくれた。

その後、ケーキ2個とキャラメルラテを頼んだということを記したところで、この話はおしまい。

[2015年7月5日(日)・北海道]

▼秋山理央(あきやま りお)
1984年、神奈川県生まれ。映像ディレクター/フォトジャーナリスト。
ウェブCM制作会社で働く傍ら、年間100回以上全国各地のデモや抗議を撮影している現場の鬼。
人々の様々な抗議の様子を伝える写真ルポ「理央眼」を『紙の爆弾』(鹿砦社)で、
全国の反原発デモを撮影したフォトエッセイ「ALL STOOD STILL」を『NO NUKES voice』(鹿砦社)にて連載中。

《ウィークリー理央眼》
◎《007》戦争法案に反対する若者たち VOL.3 渋谷
◎《006》戦争法案に反対する若者たち VOL.2 札幌
◎《005》戦争法案に反対する若者たち VOL.1 京都
◎《004》若者に影響された沼津の戦争法案反対デモ
◎《003》自民党街宣へのカウンターin福岡・天神
◎《002》福島/名古屋ヘイトデモ反対行動
◎《001》150回目の首相官邸前抗議

巻頭グラビアは「理央眼」!話題の『紙の爆弾』8月号発売中!

 

付録つきファッション雑誌の覇者、宝島社のビジネスにかげり?

〈命運をかけた「ダレノガレ明美のフォトエッセイが売れないと」と悲鳴!〉

「ファッション雑誌に軒並み、付録をつける手法で100万部を突破した『sweet』や徹底したマーケティング商法で30代女子のハートを捉えた『InRed』で講談社が寡占していたファッション雑誌の市場をこじ開けるなどしていた宝島社の雑誌の売り上げにかげりが出ています。モデルのギャラもかなり下がっていて、プロじゃなくて、半分素人のようなモデル、つまり学生や若い主婦もかり出してモデルとして誌面を作っています」(ファッションライター)

かつて、宝島社は、「付録屋」と揶揄された。とにかくファッション雑誌に付録をつけまくり、売りに売った。
「海外に付録を作る工場を作ったほどです。やはり傘やバッグを付録にするのはインパクトがありました。ですが、とりたてて特別なことではありません。ヨーロッパでは、雑誌にカメラやラジオがついてくるなんて当たり前です。つまり、新製品が出たときに、雑誌に付録としてつけて、読者に意見を聞くというスタイルがヨーロッパには浸透しているのです。宝島社は、それを模倣したにすぎないのです」(同)

そんな中、今ひとつの売れ線である「モデルのスタイルブック」の売れ行きに苦しんでいるという。この6月、宝島社は勝負に出た。ツイッターのフォロアーが67万人もいるという、人気モデルにしてタレント、ダレノガレ明美のフォトエッセイの発売だ。たとえば、フィールドキャスターはこう伝える。


◎[参考動画]ダレノガレ明美 「歩くダルマ」から24kgのダイエットに成功!
初のスタイルブック「I’ll give you my all」発売イベント (フィールドキャスター2015/06/28掲載)

24キロのダイエット、そして人気者の食事やエクササイズの仕方も網羅した本。もし人気者のダレノガレのこの書籍が売り上げがよくない場合、宝島社はおそらくファッション雑誌から音楽雑誌やアニメ雑誌方向に舵を切るだろうとささやかれている。

◆「このミス」大賞作家にインタビューするふりをして、引き抜きを狙う?

宝島社は去年の12月25日、80年代の『宝島』を現代によみがえらせるべく、季刊誌『宝島AGES(エイジス)』を創刊した。そしてさかのぼれば、宝島社は90年代に「社員成金化計画」を蓮見社長がぶちあげた。そこには、利益を生み続けるという、確信に近い自信があった。事実、徐々に売り上げはのびていき、ついには集英社を蹴ってまで宝島社に入社する人が出てくるような事態となった。

「ですが、実際問題、40歳をすぎると給料はあがりませんし、実績を積んだ編集者は閑職にまわされます。今は契約社員や嘱託の編集者ばっかりですよ。ファッション雑誌を100万部を売り上げた伝説の編集者も去っていきましたしね」(元社員)という状態のようだ。

そんな宝島社の「このミステリーがすごい!」は、ミステリー小説のランキングをするのが受けたが、当初は実は、作家にインタビューするふりをして、引き抜きを狙っていたふしもある。

そして簡単に引き抜けないと知るや、今度は2002年から「このミステリーはすごい!大賞」を設立、自らミステリー小説を集めて、業界トップの「賞金1200万円」で才能を集めまくる。かくして、以下の作品群が映画化された。

○浅倉卓弥『四日間の奇蹟』
○上甲宣之『そのケータイはXX(エクスクロス)で』
○海堂尊『チーム・バチスタの栄光』
○中山七里『さよならドビュッシー』
○乾緑郎『完全なる首長竜の日』
○深町秋生『果てしなき渇き』

◆社員はすぐ辞め、カリスマ編集者もいまはなし

さて、話をファッション雑誌とモデルのフォトエッセイに戻せば、そんなものはとっくに売れない時代になっている。この本の制作で、編集者はさんざんぱら、ダレノガレに「この写真がいい」などとわがままをいわれ放題だったようだが、それもカリスマ編集者が不在ゆえの事態だ。
「この4月までは、それぞれの雑誌にとって試金石で、結果が出ない編集部では大胆なリストラが始まるはずだ。そろそろ、徐々にリストラ勧告が始まるのではないかな」(元社員)

だいたいにおいて、雑誌付録で読者を集めようというファッション雑誌部の考えが気にいらない。それに、思い出すが、ここの社員はあまりにもコロコロと辞めすぎだ。ファッション雑誌に大枚を払って付録をつける。もしそんな制作費があるのなら宝島社よ。一瞬だけホームページに募集要項を掲載したが、すぐに削除して「なかったことに」した「この官能小説がすごい! 大賞」を復活させてはいかがだろうか。

(鈴木雅久)

◎《誤報ハンター02》誤報の横綱『週刊大衆』よ、白鵬はまだまだ引退しない!
◎《誤報ハンター01》芸能リポーターらが外しまくる「福山雅治」の結婚報道
◎《格闘技“裏”通信02》夢の一戦「パッキャオVSメイウェザー」実現の舞台裏

タブーなきスキャンダルマガジン『紙の爆弾』絶賛発売中!

 

言論が死滅しつつある「焼野原」のいまこそ、7・12鹿砦社弾圧10周年集会に参集を!

〈7・12鹿砦社弾圧10周年復活の集い〉

「紙の爆弾」を購読している全ての皆さん!「紙の爆弾」を読んでいなくても「検察」や「国」の横暴に危機感を抱く皆さん ! 特に関西地区在住の皆さんに訴えます。来る7月12日西宮で開催される「鹿砦社弾圧10周年復活への集い」へ圧倒的な参集を勝ち取りましょう!

10年前の7月12日、国家権力(検察)は敵意を剥き出しに鹿砦社に襲い掛かりました。当日朝日新聞1面に掲載された、松岡社長逮捕見込みを伝える検察のリーク記事から、神戸地検特捜による松岡社長逮捕勾留という前代未聞の弾圧は幕を開けました。

恥ずかしながら僕はその時、非正規の仕事をしていたので、疲れ果てて新聞を読むこともなく、鹿砦社への弾圧、松岡社長逮捕というこの大事件を知りませんでした。その後で詳しい事情を松岡社長から聞かされて、とんでもないことが起こっていたのだと知り、怒りが湧きました。そしてその当時、何も協力できなかったことを申し訳なく思いました。

でもどうでしょう皆さん。2005年から10年が経ち、鹿砦社は誰もが予想できなかった「復活」を遂げたのみならず、言論界では無視できない存在感を持つまでに「転生」しています。テレビや大手マスコミが政権の拡声器化する中、鹿砦社は一歩も原則を後退させることなく、この10年を闘い切ってきたと僕は思います。

季刊誌「NO NUKES voice」の発刊は鹿砦社から再度の「闘争宣言」と言ってもいいと思います。「脱(反)原発」に特化した雑誌の発刊は会社としての収益などと全く関係なく、ひたすら「こんなもの許せるか!」という怒りと過去無意識であった反省から発案されたものだと思います。僕はこういう雑誌を発行してくれる鹿砦社の本社が東京でなくて甲子園の横にあることに嬉しさを感じます。


◎[参考動画]鈴木邦男さん(一水会)の発言(杉並脱原発集会、2012.2.19)

◆青木理さん、鈴木邦男さんと共に「表現の自由」、「言論の自由」を考える

7月12日にはジャーナリストで公安や検察に詳しい青木理さんがゲストです。鹿砦社の「守護神」鈴木邦男さんも駆けつけてくださるそうです。言論弾圧を受けた松岡社長は事件後「酷い記事を書くからあそこはやられても仕方がないと言う人がいますが、やがて弾圧がそう言っている人達にも広がる可能性があることを考えてください」と繰り返し発言していました。松岡さんの予想は残念ながら外れました。多数の大手メディアは「弾圧」を受ける前に「自主規制」により、自ら言論・報道機関としての「死」を選択してしまったのです。


◎[参考動画]2012年6月30日国公法弾圧事件シンポジウム──最高裁は「表現の自由」を守れるか:青木理さん(約22分)

言論が死滅しつつある「焼野原」の中で僕たちはもう一度、「表現の自由」、「言論の自由」を考え確認しましょう!

今国会では戦争をするための法案が審議されています。鹿砦社弾圧10年後に「国民総弾圧・統制」と言うべき法案が審議されているのは不幸な偶然と言うべきでしょうか。

そんなものは絶対に許さない! 弾圧を跳ね除け、言論だけでなく国民生活への総弾圧=戦争が画策されている今こそ、断固とした言論による闘争を強化しようではありませんか。

再度7・12皆さんの集結を呼びかけます!

(伊藤太郎)


◎[参考動画]2005年12月16日「ムハハ no たかじん」ゲスト:鈴木邦男(約38分)

◎松岡利康-2005年7・12鹿砦社弾圧事件――関与した人たちのその後
◎松岡利康-7・12「名誉毀損」に名を借りた言論弾圧から10年──鹿砦社は復活した! 朝日新聞、当社広告を拒否!

タブーなき月刊『紙の爆弾』!話題の8月号絶賛発売中!

 

《ウィークリー理央眼007》戦争法案に反対する若者たち VOL.3 渋谷






SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)が渋谷・ハチ公前で戦争法案(安保関連法案)に反対するアピール街宣を行なった。
学生がマイクを握り、呼びかけに応え駆けつけた民主・菅直人元首相、維新・初鹿明博衆議院議員、共産・志位和夫委員長、社民・佐藤あずさ八王子市会議員、生活・山本太郎参議院議員といった、あらゆる立場の議員たちも次々とマイクを握り、街宣車の上で手をつないだ。

今、戦争をする国づくりを進めている安倍政権に多くの人々が反対の声を上げている。

SEALDs:サイト / Twitter / Facebook
SEALDs KANSAI:サイト / Twitter

[2015年6月27日(土)・東京都]

▼秋山理央(あきやま りお)
1984年、神奈川県生まれ。映像ディレクター/フォトジャーナリスト。
ウェブCM制作会社で働く傍ら、年間100回以上全国各地のデモや抗議を撮影している現場の鬼。
人々の様々な抗議の様子を伝える写真ルポ「理央眼」を『紙の爆弾』(鹿砦社)で、
全国の反原発デモを撮影したフォトエッセイ「ALL STOOD STILL」を『NO NUKES voice』(鹿砦社)にて連載中。

《ウィークリー理央眼》
◎《006》戦争法案に反対する若者たち vol.2 札幌
◎《005》戦争法案に反対する若者たち vol.1 京都
◎《004》若者に影響された沼津の戦争法案反対デモ
◎《003》自民党街宣へのカウンターin福岡・天神
◎《002》福島/名古屋ヘイトデモ反対行動
◎《001》150回目の首相官邸前抗議

 

『紙の爆弾』8月号発売開始!巻頭グラビアは「理央眼」!

2005年7・12鹿砦社弾圧事件――関与した人たちのその後

7・12鹿砦社弾圧10周年復活の集い

朝日新聞広告掲載拒否に関連して、この事件に関与した人たちのその後を想起してみました。

まずは神戸地検にリークしてもらって“官製スクープ”で紙面を大きく飾った平賀拓哉記者。当時彼は27歳、その後、2010年、大阪地検特捜部による厚労省郵便不正事件の取材チームに入り、証拠改竄で当時の大坪弘道大阪地検特捜部長を逮捕・失職に追い込み、これは新聞協会賞を受けています。

この大坪検事が神戸地検特別刑事部長に就任して最初の事件が鹿砦社弾圧事件ですが、この時、平賀記者は神戸地検からリークしてもらい“官製スクープ”をものにするわけです。こういうことを、三井環氏によれば「風を吹かせる」というそうですが、平賀記者にリークしたのが、大坪検事か、それとも主任検事の宮本健志検事か判りませんが、いずれにしろリークしてもらった神戸地検特別刑事部のトップが大坪検事でした。

その5年後、平賀記者は大坪検事を追い落とす朝日の取材チームの一員となります。因果なものです。

大坪検事は鹿砦社弾圧の後、大阪地検特捜部長に昇り詰めますが、上記したように、厚労省郵便不正事件証拠改竄に連座し、東京地検と並び検察の雄、大阪地検特捜部長が逮捕・失職に追い込まれるという前代未聞の事件に巻き込まれます。

鹿砦社弾圧事件を指揮したのは大坪検事ですが、その直下の主任検事が宮本健志検事で鹿砦社の地元の甲子園出身です。

宮本検事は2005年7月12日当日、神戸地検に連行された私に直接手錠を掛け、取調を行った検事です。

その後、宮本検事は徳島地検次席検事に栄転し、その際、深夜に泥酔し一般市民の車を傷つけ平検事に降格、戒告処分を受けています。車の持ち主が示談に応じなかったならば懲戒免職ものです。なんとか検事の身分は守ったものの、その後、当時大坪検事が居た京都地検に平検事として赴任しています。

さらに、私をブタ箱送りにした大手パチスロ会社「アルゼ」(現ユニバーサルエンターテインメント)はフィリピンカジノ建設について汚職が報じられて、FBIなどの捜査がいまだに続いているといいますし国税も入っているそうです。これをスクープしたのが、これまた朝日、そしてロイターでした。「ユニバーサル」は朝日、ロイターを訴え、私たちの時とは桁違いの熾烈な裁判闘争が続いています。さらに巨額の株主請求訴訟も起こされています。早晩、なんらかの“結論”が出るものと思います。

平賀記者はともかく、私をハメた人たちには不幸が続きました。「マツオカの呪いか、鹿砦社の祟りか」と揶揄される所以です(苦笑)。「因果応報」――古人もよく言ったもので、人をハメた者は、いつかはみずからもハメられるということです。

先の私の逮捕記事と併せ、画像でアップした3つの新聞記事をご一覧ください。

(鹿砦社 松岡利康)

① 朝日新聞2010年10月2日付け 大坪検事逮捕記事
② 徳島新聞2008年3月26日付け 宮本検事泥酔事件記事

③ 朝日新聞2012年12月30日付け ユニバーサル比カジノ汚職記事

◎7・12「名誉毀損」に名を借りた言論弾圧から10年──鹿砦社は復活した!朝日新聞、当社広告を拒否!

タブーなき月刊『紙の爆弾』!話題の8月号絶賛発売中!