中原徹の越権と橋下徹の無法──憲法軽視の弁護士上がりが大阪を壊す

本コラムで先に取り上げた大阪教育長で「パワハラ」が認定された中原徹 が辞任した。知事の松井が「辞職の必要はない」と「パワハラ擁護」を展開していたが、4月の統一地方選挙を忖度したのか、あるいは「引導」が渡されたのか中原は辞任した。

そもそも中原は公立高校校長として「憲法」(21条:「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」)を踏み倒す学校行事での「君が代」唱の際に、教員が歌っているかどうか口元を調査するような人間だったので、「パワハラ」を起こすこと自体に驚きは全くなかった。むしろ人格的には「当たり前のことをしでかした」といっていいだろう。弁護士でありながら憲法を無視する行為を平然と行い、それを橋下(当時知事)に「素晴らしいマネージメント」と褒められていたが、橋下の気まぐれな賛辞ほど無責任なものはないことはようやく世間でも認識が広まってきた。

日本は憲法を最高規範とする法治国家であるらしい(私はあまり信用していないけれども)。一定の権力を手に入れた法律の専門家である弁護士が行政に関わる際は自身の思想信条を施策として提起することは許されるだろうけれども、最低限常識的法律解釈から外れてはいけないのではないか。

◆支離滅裂に中原を擁護し続ける橋下の「往生際の悪さ」

橋下は中原の辞任に対して「本当に残念で仕方がない」と語っている。だが、あろうことかパワハラ行為については「反省すべき」だとは言及しているものの、被害者である大阪府教委職員に対して「全く言うことを聞かなかったと聞いている。とんでもない」と述べるにとどまらず、中原のハラスメントを審議した第三者委員会の報告書について、「でたらめだ。中原氏の発言が一切採用されていない、名誉にかかわるので思う存分言った方がいい。2年間で改革の道筋をつけてくれた」と全面的に中原擁護の姿勢を崩していない。二重の嫌がらせもいいところだ。橋下の無茶苦茶な言動を追っかけていると本当にきりがない。この男にあれこれ言葉を投げかけること自体が無駄だと思う。「バカは死ななきゃならない」という子供の言葉を思い出した。

だけれども、これが橋下の本性だ。

いいんですか、大阪市の皆さん? くどいと叱られるかもしれないが、こんな人間が中心となってぶち上げている「大阪都構想」の本質は前大阪市長平松邦夫氏が『紙の爆弾』3月号 に明らかにされている。

間近に控えた統一地方選挙で関西にはいくつもの改選議会がある。「維新」勢力に対しては徹底した異議申し立ての投票行動が期待される。

「往生際が悪い」という言葉を理解する格好の例が橋下の支離滅裂な中原擁護だが、それ以外にも橋下のお先棒を担いだ人間を忘れてはならない。

一応スタンスとしては「脱原発」を売り物にしていた飯田哲也を囲ってみたり、経産省出身の古賀茂明を子飼いにしようと試みたり。橋下は確かにテレビ受けする(しかも一見「良心派」と思われる)人物の登用にも抜け目はなかった。

◆橋下徹も中原徹も憲法を軽視する本末転倒な「弁護士」

一方、中央大学の野村修也、中原徹、そして本人橋下徹(大阪弁護士会で懲戒の経歴有)。いずれも弁護士だが些末な法律や条例を盾にとり人権を踏みにじっている。あらゆる法律の前提となる最高規範「憲法」をあまりにも軽視し過ぎる本末転倒弁護士連中だ。

国会議員に西村眞悟という男がいる。この男は行き掛かり上あちこちの党を渡り歩き現在は「次世代の党」の所属しているが、以前は民主党所属だった時期もある。西村は弁護士資格を持っていた。が民主党所属だった時期に「現行憲法でも日本は北朝鮮に宣戦布告をして叩きのめすことが出来る」と怒鳴りまくっていた。資金繰りに困ったためか「弁護士の名義貸し」を行い弁護士法違反で逮捕起訴され有罪が決定し弁護士資格は剥奪されている。

西村は堺の出身だ。現在堺市長は「反維新」だが大阪には理解しがたい感覚の「弁護士」や元弁護士が集まって来る。我々一般人は「弁護士」と言えば法律に詳しい特別職と思いがちだが、どうやらその枠から外れる人間も多数生息しているようだ。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ

◎橋下の手下=中原徹大阪府教育長のパワハラ騒動から関西ファシズムを撃て!
◎恣意的に「危機」を煽る日本政府のご都合主義は在特会とよく似ている
◎福島原発事故忘れまじ──この国で続いている原子力「無法状態」下の日常
◎粗悪な食文化の伝道企業=マクドナルドの衰退は「自然の理」

統一地方選を前にエラー連発!空中分解寸前の自民党大阪府連!『紙の爆弾』4月号

 

川崎中1殺害事件の基層──関東連合を彷彿させる首都圏郊外「半グレ」文化

さんざん報道されているので、ここでは殺害された川崎の中1、上村遼太さん(13)について「事件の概要」については省く。私が注目したいのは、この事件は、中心者や仲間、そして「仲間に引き入れる手法」、やたら弁護士をあてにする主犯、とにかく登場するキャラや筋書きが、関東連合を彷彿とさせることばかりだという点だ。

◆10代「半グレ」カラスの仕事が山のようにある多摩川沿い

つまり、これは「半グレ」が起こす典型的な事件だということ。事件が起きた川崎大師線沿いの半グレは、とにかく凶暴のようだ。

取材にあたった事件記者の藤堂香貴が言う。

「事件の起きた現場はかなり治安の悪い場所で、暴走族や不良がらみの事件が珍しくありません。最近では関東連合など暴力団と一線を画す連中が、準暴力団として動いていますが、逆にいえば組織の拡大で、目的は金稼ぎにシフト、小中学生をいじめるような意味のない悪さをするチンピラは減る傾向にありますが、ここらでは地元の暴力団関係者と顔見知りになって、我が物顔で繁華街に繰り出す、昔ながらの不良も見かけます。川沿いの工場で働く低所得者の家庭で育った不良少年が多く、そういった連中が歩いていても違和感のない日常があり、大人も関心を示していないです。避けています」とのこと。

オレオレ詐欺の出し子、クレジットカードのスキミング詐欺、違法オンラインカジノの運営、闇金の取立てなどなど、10代の半グレの仕事は山のようにある。

「とくに川崎あたりの不良が伝統的に評価されるのは『短期間で金を稼ぎ、人に奢る』奴がビッグになるってこと。ケンカが強いのは、そうだな、二の次だな」(川崎の元愚連隊)

この中1殺害事件と平行して、多摩川沿いでは、少年によるレイプ事件が続発しており、防犯パトロールを有志が毎日のようにしていたとされる。

「ナイフを突き付けられて、レイプされそうになった未遂事件が昨年の末から5件くらい連続で起きました。まあ、表にはあまり出ていない情報ですけどね。なんでも黒いジャージの集団で、地元では『カラス』と呼ばれている不良軍団のようです。高校生が中心のようですね」(川崎市住民)

◆「町田派」VS「川崎派」の抗争──いじめが文化のように育っていった

川崎の半グレ、不良たちは、実は、町田の不良たちとケンカばかりしている。川崎の連中は「町田をとってやる」と息巻き、町田の連中は「あいつら、多摩川に沈めてやる」と息巻く。川崎も町田も、昔から不良の巣窟としてつとに有名だ。

今回の殺人において、あまり報道されていないが、町田と川崎の意地の張り合いが影響していないとも限らない。リーダー格で主犯の男を、川村君に紹介した男が「町田派」と言われているからだ。

「そもそも、町田の治安が悪くなって、町田の不良たちが居場所を求めて川崎に進出して抗争を繰り返したことが、『これはなんとかして返り討ちしないと』とかえって川崎の不良たちの数を多くした感があります。そうした抗争の中で、『いじめが文化のように育っていった』と見るのが正しい分析の仕方だと思いますよ」(暴力団員)

もっとも、川崎や町田が荒れてくれたほうがヤクザにとってはラッキーだ。警察の目がそちらに行くし、イキのいい若者は、手下にして集団を仕切らせて風俗でも詐欺集団でもなんでもいいから金を作らせれば儲かるのだ。

そして、今回、関東連合を彷彿とさせるのが、やたら犯人が弁護士を頼る点だ。これもヤクザの入れ知恵か。捜査段階なのに、主犯の男には父親が手配し、早々に弁護士がついて、マスコミ対応していた。こうしたことを誘導するのは、その筋しかいない。そう、背後にヤクザがいると見たほうが妥当だろう。

「今回の件は、弁護士から接触した面もあります。また、そうした不良のしがらみの中で独特の活動をする弁護士もいるのは確かで、不良のトラブルがあると不良少年側として、お約束で得意げに出てくるおなじみの弁護士もいます。そういう弁護士は着手金は高いのですが、平気でウソの口裏合わせをしてくれる不良少年を証人として担ぎ出すこともあると聞きます」(前出・藤堂香貴)

◆まったく機能していなかった「学警連」

新聞などによれば、事件で、地域の公立校、市教育委員会、神奈川県警が集まる会合の中で1月と2月に、上村さんが通う中学校が「最近、登校できなくなった子がいる」と上村さんについて報告していたようだ。市教委などによると、上村さんが暴力を受けているとの情報を把握していなかったため、不登校の報告にとどまり、特別な対応は取らなかった。(2015年2月26日朝日新聞

上村さんは冬休み明けの1月8日から学校を欠席していた。市教委によると、市内では8地域に、公立小中高の指導担当教諭や、市教委の指導主事、警察署の少年事件担当者らでつくる「学校警察連絡協議会(学警連)」があり、定期的に情報交換して非行防止などに取り組んでいたが、まったく機能していなかったということだ。(2015年3月11日神奈川新聞

◆朱に交われば赤くなる──悲しみは、川のせせらぎの中に

不登校は、実は1日が2日に、2日が1週間に、1週間が1ヶ月に、1ヶ月が1年と、あっという間に時間がすぎていく。そして「暇をつぶすために」悪い仲間がつぎからつぎへと誘いに来る者だ。筆者も実は高校を数えながら休んだ。進級できるぎりぎりの日数を登校していた。僕にとって幸運だったのは「そんな狡をしてはいけない」と怒ってくれる友人がいたことだ。もし怒られなければ、僕は高校をおそらく辞めていた。

「朱に交われば赤くなる」ではないが、やはり仲間を選ぶ、ということは中学生とて重要なことだ。そして、そうした「友を選ぶ」慧眼が身に付く前に不良たちと交わり、抗争の中心にいつしかいる。それは、関東連合や巷の暴走族やギャングのメンバーにも言えることだ。

今でも殺害現場には、花がつぎつぎと供えられている。上村さんの悲鳴は川のせせらぎの中に消えて、友達の悲しみも川が吸い込んでいくようだ。これを機に、少しでも川崎、とりわけ多摩地区の治安がよくなることを願う。

(ハイセーヤスダ)

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◎ひとつの不安が大きな風穴を開ける──イスラム国が仕掛ける乾坤一滴のテロ

12歳「ヘリウム事故」──少女アイドルビジネスの凄惨現場を『紙の爆弾』最新号が暴露!

 

3.11以後の世界──日本で具現化された「ニュースピーク」の時代に抗す

4年が過ぎた。2011年3月11日東北を中心に東日本を襲った大震災から。腰を抜かしそうな大津波、首都圏でも長時間にわたる激しい揺れ、交通・通信の途絶と寸断。そして人類史上初めての原発4基爆発。

今私たちがああだのこうだの、まだこの島国に住みながら、くだらない発語が出来ているのは、奇跡かもしれない。いや奇跡だと言い切っていいだろう。

◆「放射能という名の化け物」との格闘は半永久的に続くという現実

昨年12月に福島第一原発4号機の使用済み燃料プールからの燃料取り出しが終了した。

これを「技術の勝利」と呼んだ人がいた。

傲慢に過ぎる。

勿論、技術者や現場での作業に関わった方の「命がけ」の賜物には違いない。彼らの勇気と優秀さには尊敬の念を払う。

だが、それは燃料棒撤去作業を断念させる4号機の建屋崩壊に繋がる、余震が「偶然」起こらなかったことの僥倖に起因することを忘れてはいけない。人間の技術依存への慢心は常に不幸の誘引剤だ。これからまだ3号機、2号機、1号機の燃料取り出しと「廃炉」作業が待ち受ける。政府が言うには「30年程」で片が付くらしい。

馬鹿を言うな。人類的な時間尺で言えばこの「放射能という名の化け物」との格闘は半永久的に避けられない。

◆「復興」は全く進まず、「絆」という言葉の意味が剥奪された

復興?

全く進んではいない。「全く」だ。阪神大震災と比較すればその違いはことさらに際立つ。

勘違いしないで欲しい。私は被災された方々の不幸をことさら取り上げ、それを材料に騒ぎ立てようとしているのではない。被災された方々が納得のいく形で生活再建をなされることだけが「復興」の名に値すると考える。

「絆」という言葉が意味を剥奪された。

「不条理に耐え忍ぶため事実に目をつぶり、ひたすら思考せず支配者へ従うこと」へと意味の蹂躙・変換が行われた。J・オーウェルが『1984』や『動物農場』で予見した「意味の収奪」(Newspeak=新語法) とはこのように2011年以降の日本で現実化している。

屍。累々とした屍。200いや300を超える屍。数時間前まで昨日と変わらぬ日常を過ごしていた人々が津波に飲み込まれ、海の上をたゆたう姿となっとなったその姿を見て、事実のみを本社に伝えた記者が直後号泣し、座り込み立ち上がることが出来ずその後の取材活動が出来なかったことを私は知っている。

勘違いが過ぎたのだ。思い上がりが過ぎたのだ。自然の力に人間はかくも無力だ。

悲しみも、無力感も、後悔も、怒りも、そして疲労の余りに至る諦念。全て「自然に対抗できうる」などとの身の丈を過ぎた傲慢が導いた結果なのだ。

◆人災を「風評被害」と言い換える人々が、原発を輸出し、戦争に邁進する

寒い。しびれるほど寒い。春近いと言ったって東北の冬は地面の底から寒さが突き上げてくる。

どうかマスメディアよ、これ以上無意味な言葉で必死に生きる人間を軽んずる「侮辱」を止めてはくれまいか。

どうかマスメディアよ、自然に対して人間は無力ではあるけども、人間の行為は人間が制御できることを想起してはくれまいか。

どうかマスメディアよ、避けられぬ自然災害にあれこれ意味づけををするのではなく、避けようがいくらでもある「人間によって引き起こされる災害」の意味こそを問うてはくれまいか。

津波、地震によって亡くなった方々の鎮魂は、亡き人を思い忍び前を向く遺族の方々の日常で十分だ。薄っぺらい言葉やイベントなど一時凌ぎの慰めにしかなりはしない。

これ以上苦しめるな!

これ以上蹂躙するな!

被災地の人々、とりわけ子供を放射能で病ませるな、殺すな!

私はあなたに「ねぇ、だから一緒に行動しませんか」などと言うつもりは全くない。

私一人で怒る。

自然災害と人災は違う。

人災を「風評被害」と言い換えて原発の再稼働・輸出、あろうことか「戦争」に邁進する人間どもを満身の怒りで指弾する。殺意に近い感情は消えない。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ

◎「福島の叫び」を要とした百家争鳴を!『NO NUKES Voice』第3号本日発売!
◎恣意的に「危機」を煽る日本政府のご都合主義は在特会とよく似ている
◎橋下の手下=中原徹大阪府教育長のパワハラ騒動から関西ファシズムを撃て!
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◎渡辺昇一の「朝日憎し」提訴原告数が「在特会」構成員数とほぼ一致

恣意的に「危機」を煽る日本政府のご都合主義は在特会とよく似ている

「テロの脅威」だそうだ。とにかく「テロとの戦い」だそうだ。そして「イスラム国」だそうだ。「何が何でもイスラム国を潰す」のだそうだ。なぜならイスラム国は残虐で過激主義だから。

私には訳が分からない。イスラム国の前は「アルカイダ」だった。その前は「タリバン」だった。小さいところでは「イスラム同胞団」や他にも数知れずイスラム系の組織はある。それらは全て健在だ。アフガニスタンの実効支配面積はタリバンが優勢を保っている。でもそのことは全然問題にされない。何故だ。

◆忘れさせるために、その場その場で政府は「脅威の対象」を変えてくる

それにもまして、直ぐにでも攻めてくるような朝鮮民主主義人民共和国(以下朝鮮)の脅威が全く語られなくなったが、どうしたことだろう。中国との間だって尖閣諸島あたりで毎日緊張が高まっていたはずじゃなか。全くと言っていいほど政治の場の論戦や報道には登場しなくなっているけど、状況が変わったのだろうか。古いことろでは北方領土問題はどうなったのだろう。ソ連時代はあれほどキャーキャー叫びまくっていた北方領土問題は解決したのか。していないじゃないか。ロシアのチェチェンはどうした? インドネシアのアチェは? ビルマのカレンやカチンは?

どれ一つ大きな変化はないはずなのに何故かこの国の政府やマスコミの関心は「イスラム国」に偏りっぱなしだ。おかしくないか? ああそういうことだったのか。たぶん今日も朝鮮中央放送は例によって金正恩を讃える放送をしているだろう。ロシアではモスクワ中央放送がチェチェンでのタタール人を不安視する放送を流しているだろう。ウクライナ情勢について米国批判が語られているだろう。

◆危機の在りようは変わらず、政府の思惑次第で「危機」が変わる

かように世界のあり様は何一つ変わってはいないのだ。変わっていっているのはこの島国を支配する政府連中の思惑だけだ。「危機」は専ら政府の恣意と目的によって創造される。それをマスコミが下支えする。疑いを知らぬ市民は「そんなに世界は動揺しているのか」と不安になるが、そうではない。不安は創り出されたものなのだ。例えば「朝鮮の新たな軍事計画が明らかになりました」とアナウンサーは冒頭紹介した後に朝鮮中央放送の日常的な放送を流せば、それだけで「また北朝鮮はけしからんことをやっている」と世論形成のお手伝いが出来る。でもそれは日常的な放送内容に過ぎないのだ。

出来もしない「邦人人質救出」のための法整備に的外れな時間を割いてみたり、周辺事態法を「恒久法」に作り替える根拠をあれこれ並べているけれども、そんなものが必要な根拠はもとより何処にもないということだ。軍事国家を目指す安倍を筆頭とした連中は旬の野菜を選ぶように、その時一番国民に不安を煽るような材料を提示する。手下のマスコミも進んで材料探しに日々奔走するのだ。こいつら一体何が目的なんだろう。「陰謀論者」ならば「アメリカが背後で操っていて日本が軍事化を進めて自滅するのを待っている」と言うかもしれない。

私は「イスラム国」なんかどーってことはないと思う。関係ない。日本国内でテロが起きる可能性がある? それはあるだろう。「イスラム国」だけでなく他の勢力からも日本は恨みを買っているから仕方がない。因果応報と言うやつだ。こちらが何もしていないのに一方的に殺されちゃあたまらないけど、戦後の歴史の中だけだって日本はえげつない経済侵略を山ほど行ってきている。このことを日本人は決定的に忘却している。

米国に至っては防御の方法は無いだろう。侵略の歴史を歩み続けてきたこの国は「世襲的罪」ともいうべき逃れることのできない宿命を自ら重ねてきたのだから。個人的に防衛策を考えるのであれば、NYやワシントンD.Cなど大都市に住んだり近寄ったりしないことくらいだろうか。国の背負った罪を個人で贖わされるのは確かに割には合わないのだから。

◆在特会と日本政府に共通する「行動する保守」のご都合主義

それよりも「在特会」元気がないじゃないか? 「行動する保守」(在特会の正式名称は「在日特権を許さない市民の会」である)としては「イスラム国」問題をどう考えるのか、見解を明かすべきじゃないのか? 保守にとっては深刻な問題じゃないのか? それともおたくらは半径1000キロ範囲の世界の事にしか手や思考が回らないのかい。

まあ、仕方なかろう。日本政府のご都合主義だって在特会と大して変りはしない。

ありもしない危機を煽るために、ある時は朝鮮を利用し、ある時は中国、中東で火が付けば嬉々として飛びつく。軽薄な10代の若者がアイドルタレントのケツを追っかけているのと変わらないじゃないか。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ

◎橋下の手下=中原徹大阪府教育長のパワハラ騒動から関西ファシズムを撃て!
◎福島原発事故忘れまじ──この国で続いている原子力「無法状態」下の日常
◎渡辺昇一の「朝日憎し」提訴原告数が「在特会」構成員数とほぼ一致

炸裂!『紙の爆弾』最新号!

ジャンク化マクドの「疫病神」原田泳幸の経営手腕は「合理化=搾取と混乱」

ベネッセの会長兼社長で日本マクドナルドホールディングス並びに日本マクドナルドの取締役会長の原田泳幸が3月25日の定時株主総会後に辞任することを明らかにした。

◆従業員を使い倒す“ピープル・ビジネス”のどこが「お客様第一」か?

原田は2月20日、マクドナルドを辞任するにあたってこんなコメントを発表している。

「私のマクドナルドでの歩みは常に変革・改革の連続でしたが、マクドナルドは“ピープル・ビジネス”、常に人材を礎としビジネス基盤を強固にしてきたことで成長してきたものと確信しております。幾度のビジネスの危機も、『お客様第一』であり、目の前のお客様に誠心誠意対応させていただくことを肝に銘じてまいりました。『お客様第一』を徹底して追求していく事こそがお客様への価値向上につながり、企業を成長させる最も重要な事であると考えております。日本マクドナルドは真摯な気持ちでふたたびお客様の店舗体験の価値を高めることと私は確信しております。」

原田らしいコメントだと思う。原田の言う「“ピープル・ビジネス”」とは「人々のための仕事」ではなく「従業員や消費者を使い倒す」手法である。元からアルバイト中心で少数の正社員で構成されていたマクドナルドに更なる「合理化」=「搾取」と「競争」原理を持ち込み、自分の人脈の人間を多量に雇い入れ、その連中とも反りが合わなくなり追放し、内輪のゴタゴタが凋落に繋がって行った。「ビジネス基盤を強固にしてきたものと確信して」いるのは原田だけだろう。

「『お客様第一』を徹底して追及してゆく事こそがお客様への価値向上につながり」とはこれと正反対の方針を取る経営者の常套句で「お客様第一」を考えていたらあんな体に悪い商品を臆面もなく売ることなどできないはずだ。あれこれ言いつくろってもジャンクフードの王様、マクドナルドで利益を上げようとした経営者に「お客様第一」を語る資格などない。

◆外資を渡り歩く経営者にありがちな「自己利益と身分確保」優先主義

読者は意外に思われるだろうが私は原田と面識がある。もっとも私が原田と知り合ったのは彼が日本アップルの社長だった頃でまだ白髪も目立たなかった。

その数年後、ある企画で原田に協力を頼めないかと日本アップルに連絡をしたところ原田は既に社長ではなかった。電話に出た人間に転職先を聞いても答えないので調べるとなんとマクドナルドに移っていた。「マック」(アップル製PCの略称)から「マック」へと冗談のような転身だなぁと驚いた記憶がある。が、経営者が大企業を渡り歩くこと自体は珍しくもないので原田の手腕が買われたのだろう程度に考えてた。だがその後マクドナルド内ではかなりえげつない合理化により、内紛と言っていいほどの混乱が起きる。ジャンクフードの売り方よりも自身の利益や身分の確保に凌ぎを削る争いが起きて、一部フランチャイズ店からは訴訟も起こされる。

たぶん原田の運はこのあたりから下降線をたどっていたのだろう。

◆マクドナルド凋落はベネッセでも繰り返される

ベネッセで社長兼会長に就任するとニュースを聞いたときは「いくらなんでもそれはやりすぎだろう」と感じた。ベネッセは福武書店が「進研ゼミ」の商標と名乗っていた岡山に本社がある教育関連企業だ。長く株式を公開せず、社員持ち株を続けていたが株式公開と同時に高騰し、社員が皆「億万長者」になったという噂を持つ会社だ。模擬試験や通信教育から始めた事業は「幼児から取り込めば大学受験まで顧客にできる」と着眼し、「シマジロウ」という虎の縫いぐるみを中心に幼児向けのビデオ教材でも成功を収める。

「幼児から取り込めば大学受験まで顧客にできる」これどこかで聞いたフレーズに似てはいまいか。そうだ。日本マクドナルド初代社長藤田田は「親の舌をハンバーガーに馴染ませたら、子供も食べに連れてくる。徹底的に日本人の舌を変える」と言った。「味覚の強制破壊」とも言うべき手法に限りなく似ている。ベネッセの幼児教材は、ほとんど玩具なのだが研究し尽してあり幼児が喜ぶ材料を毎月送って来る。ビデオなどは幼児のツボをついているらしく、一度見せると「もう一回!」と幼児が何度も繰り返し見たがる光景を私は各所で何度も目にしている。

だから、先ごろ起きた情報流出事件のように膨大な顧客を抱えることに成功していたのだろう。漏えいした個人情報の数はベネッセによると、実に3504万件に上る。大雑把に言えば国民3人に1人の割合だ。情報の内容や区分はともかくこれだけの情報を保持するほどに事業が拡大していたことは驚きに値する。売り上げを見ても2014年3月末で4663億円に上っている。経営も多角化し同時に混乱も多角化している様子が想像される。

そこに現れたのが原田泳幸だ。原田のベネッセ社長兼会長就任は2014年6月21日だからまさにベネッセ社内は情報漏えいでテンヤワンヤの時期だったろう。原田がこの漏えい事件にかかわったわけでは全くないけども、ベネッセに移籍するにあたりこのような混乱の渦中に放り込まれるあたりで原田の運がとことん尽きていることが伺い知れる。

ベネッセは昔通りに進研ゼミの「赤ペン先生」と「模試」を丁寧に行っていれば良いものを、「幼児から取り込めば大学受験まで顧客にできる」などとよこしまな考えを起こしたことがそもそもの過ちだったのだ。そこへ原田の登場である。マクドナルド凋落がベネッセでも繰り返されるだろう。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ

◎粗悪な食文化の伝道企業=マクドナルドの衰退は「自然の理」
◎橋下の手下=中原徹大阪府教育長のパワハラ騒動から関西ファシズムを撃て!
◎日本の「新幹線」輸出で最初から破綻が運命づけられていた台湾高速鉄道
◎リクルートの「就活」支配──なぜ国は勧告指導しないのか?
◎渡辺昇一の「朝日憎し」提訴原告数が「在特会」構成員数とほぼ一致

「闘う在米心理学者」矢谷暢一郎の心情溢れる提言『日本人の日本人によるアメリカ人のための心理学━アメリカを訴えた日本人2』

 

誰もテレビを見ない時代が到来する?──テレビが売れない本当の理由

大手電機メーカーの友人と雑談したが「今、とにかくテレビが売れない」のだという。「テレビが売れない」ということは「誰もテレビを見なくなった」ことを意味する。

◆4Kテレビを必要と感じている人はどれくらいいるのか?

革新的といわれた4Kテレビが発売されるようになってもダメか。確実にテクノロジーは進歩している。まず技術としては現行のハイビジョンの横方向の画素数(2Kとは2000のこと)が2倍になる4K(フルハイビジョン[約207万画素]の4倍の約829万画素もの緻密な画素数で表示できるテレビのこと)のさらに4倍になる8K、というスーパーハイビジョンの映像技術自体は、すばらしい。ただ、それを必要と感じている人は果たしてどれくらいいるのだろうか。はなはだ疑問である。

たとえばこんな報道がある。少しは希望が見えてきたか?

ジーエフケーマーケティングサービスジャパン株式会社(東京:中野区)は、家電量販店における4Kテレビの販売動向を発表した。
【概要】
・2014年11月第2週の50インチ以上薄型テレビにおける4Kテレビの金額構成比は51%
・テレビ購入意向者の92%が4Kテレビを認知し、そのうち43%が4Kテレビの購入を検討
【家電量販店 4Kテレビ販売動向】
4Kテレビは2013年以降、メーカー各社が50インチ、60インチ台を中心に本格的に製品展開を開始し、2014年に入ると40インチ製品を投入するなどモデルラインアップを拡充させた。販売モデル数も2013年の13モデルから、2014年11月時点では既に45モデルと3.5倍に増えた。家電量販店店頭をみると、AV製品売り場では高単価製品である4Kテレビを前面に押し出している店舗が多くみられる。こうしたメーカー、量販店の訴求の結果、2014年11月第2週(11月3日~9日)における4Kテレビの販売金額構成比は24%、特に50インチ以上薄型テレビ内では51%と初めて50%を突破した(図1)。また販売数量構成比は、薄型テレビ全体に対しては6%、50インチ以上製品内では34%となった。? 2014年7月に実施した消費者調査によると、過去半年以内に4Kテレビを購入した消費者のうち、事前検討をせずに購入したと回答した割合は24%であった。4Kテレビの高精細な画質に惹かれてその場で購入を決断した消費者は少なくないと想定される。(「GFK」より引用

だが家電店スタッフは「いやいや、金持ちだけが4Kに興味があるのでしょう。販売店では4K時代なんて感じていません。すぐに売れなくなりますよ」とため息をつく。

◆40代以降しか雑誌も買わないし、テレビも観ない時代

このほど、昨年の雑誌の売り上げが前年比の4~5%ダウンだということで、「もはや雑誌は40代以降しか買わない」という分析が記事で出ていた。テレビなど、10年前から「40代以降しか観ない」と指摘されてきた。

たとえば、東芝は2012年にテレビ事業からの撤退をアナウンスした。東芝にとっては、12年3月期のテレビ事業は約500億円の赤字と経営の足を引っ張っており、コストのかかる国内生産はもはや維持できないと判断。ただし、海外での生産は継続し、台湾メーカーなどへの生産委託も増やす方向性を打ち出した。

「かつての計算機やファックスがすぐに流行遅れとなったように、テレビがもはや、時代遅れとなった感は否めないですよ」(東芝関係者)

「長い歴史のある深谷事業所(埼玉県深谷市)で(テレビの)生産をやめることには忸怩(じくじ)たる思いがある。しかし経営の重しとなっては(継続は)難しく、(生産終了の)判断をしなければならなかった」

東芝の佐々木則夫社長は当時、経営方針を説明した記者会見で、苦渋の決断だったことを強調している。国内最後のテレビ生産拠点だった深谷事業所はテレビの設計・開発とアフターサービスの拠点に衣替えとなった。

こうした背景には、韓国の電機メーカーが元気に満ちていたことがあげられる。
特にサムスンに関しては、韓国の政府を挙げて資金面でも経営環境面でもバックアップしている。

また、ソフトに目を移せば、「見逃し番組」は、今や各テレビ局ごとにコンテンツを販売しているが、テレビ局をまたいでダウンロードできるシステム構築が提案されている模様だ。

テレビにコマーシャルを流しても「まったく宣伝効果がない」と企業が考え始めたのも痛い。「とにかく値段が下がっている。15秒の枠を30万円で売った時間帯もありましたよ。今年に入ってからの話ですけど」(広告代理店社員)

◆視聴者のニーズがわかっていない作り手がテレビ凋落を加速化させる

僕は、テレビの凋落は「作り手が、視聴者のニーズをわかっていない」ことにつきると考える。

ブレイクしそうな芸人が出現したら、とにかく起用して、どこかでやったようなネタを平気でやらせて視聴率を稼ぐ。カリスマ予備校講師が売れたら、番組を持たせてみる。名門の入試問題をもとにしたクイズ番組が人気が出たら、みな一様に真似をする。

「そうした創意工夫なきコンテンツが、視聴者から見放されてしまったのでしょう。逆に今、70年代のテレビ番組のアーカイブが人気で、CSなんかでは視聴率を稼いでいるようですよ」(制作会社)

矢沢永吉が30歳のときにNHKの番組に出たときの映像が「ユーチューブ」にあがっていて、爆発的にカウントを集めていた。また、昔のドラマで「とんぼ」もアップされており、上位にランクされていた。

「こうして勝手にアップされた番組を無料で見れるのも原因でしょう。今、やたらとテレビ番組には『番組を投稿しないでください』とテロップが出るが、これも必死すぎて見ていて引くね。本当におもしろい番組を作れば、みんなネットやゲームをやめてテレビに戻ってくるが、もはやそうした気力は現場にはありませんよ」(放送作家)

そもそも、テレビは「報道」という点でも取材スピードではネットには勝てない。悲しいかな、テレビを誰も見ない時代が本当に到来しそうだ。

[伊東北斗]

◎《誤報ハンター01》芸能リポーターらが外しまくる「福山雅治」の結婚報道
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◎秋吉久美子長男不審死の水面下で蠢く「タレント整形カルテ」流出騒動の闇
◎多様性に不寛容な日本が「外国人」を無原則に受け入れるとどうなるか?
◎粗悪な食文化の伝道企業=マクドナルドの衰退は「自然の理」

 

橋下の手下=中原徹大阪府教育長のパワハラ騒動から関西ファシズムを撃て!

上は総理安倍から下は市会議員、村会議員まであらゆる階層で「毒素」がばら撒かれ蔓延する何とも嫌な時代になってしまった。先日の予算委員会では安倍が民主党の質問者発言の際に「日教組!」「日教組は!」とヤジを飛ばし、委員長から注意されていた。

確かに昔の日教組には骨のある活動実績もあったけども「連合」に加盟してこれといって際立った存在でもなくなった日教組を未だに目の敵にしている安倍の本音が露わになった。時々街で見かける大音量で改造車から軍歌を流している街宣車に乗っている右翼の方々と安倍は同意見なのだ。

◆2次関数の曲線のようにエスカレートする安倍の暴言暴走

安倍の暴走振りは2次関数の曲線のように日に日にエスカレートしているように思えてならない。安倍は「絶対に」、「全く」、「完全に」という言葉を頻繁に使うようになってきた。「絶対に」はイスラム国に向けた敵愾心の中で吐露されていた「卑怯なテロは絶対に許さない」だ。同様に「全く」は日本人人質事件で対応に問題はなかったかとの質問に対する回答だ。この質問への回答の中で「対応に全く問題はなかった」と断言している。「完全に」は政府の姿勢を正当化する答弁の際にしばしば登場する。

前回総理を勤めていた時、安倍の発言は今に比べればまだ慎重だった。やっていたことは「教育基本法」の改悪だったり、防衛庁の防衛省への格上げだったり今同様悪業の限りを尽くしていたのだけれども、言い回しはもっと迂遠(遠回し)で、今のように傲慢ではなかった。衆参両院で公明を入れれば絶対多数を維持しファシズムの下支えが盤石だからだろうか、もうこの男には日本語文法や原則的な憲法論が通用しなくなってきている。内心独裁者気取りだろう。

◆「パワハラ認定」中原徹=大阪府教育長は卑怯者「維新」の代表格

一方、厚顔無恥と屁理屈では安倍と双璧の大阪市長橋下はどうやらとうとう「弾切れ」に陥ったようだ。橋下が「改革」の名の下に行った「暴政」が次々に綻びを見せている。

橋下の手下で許せない人間の一人に大阪府教育長の中原徹がいる。奴は府知事時代の橋下によって大阪府立和泉高等学校の校長に民間出身、歴代最年少で就任した。中原は弁護士資格を持ち橋下とは大学時代からの友人だ。これだけで賢明な読者には怪しさが伝わるだろう。

和泉高校で中原が行った功績と言えば何と言っても行事の際に教員が「君が代」を歌っているかどうか「口の動き」をチェックさせたことだ。当時の大阪府教育委員長ですら「そこまでやらなくても」とコメントするなど多くの批判を浴びた中原だが、橋下はその行為に「素晴らしいマネージメントだ」と太鼓判を押した。戦前の特高警察、現在の公安警察並の行為を校長が行うことのどこが「素晴らしいマネージメント」だというのか。

また中原は「平和教育」と称して、生徒を自衛隊へ連れて行き、実質的な体験入隊に近いことまでさせていた。新聞が疑問も呈さずにあたかも新しい試みのように中原の「平和教育」を掲載していたので、電話取材を何度も試みたが中原はついに電話には出てこなかった。公立高校の校長のくせに卑怯な取材拒否だった。

橋下は調子に乗ると止まらない。手下の松井大阪知事を使って、あろうことか中原を校長から大阪府の教育長に引き上げた(2013年4月)。そして中原は当然のように事件を起こした。中原が「パワハラ」を行っていたことが2月20日認定されたのだ。立川さおり教育委員と教育委員会事務局の職員4人に対し、パワハラに当たる発言を行ったことが明らかになった。認定された「パワハラ」は3件だそうだがこれは「真っ黒」が3件と見るべきで、「グレー」な言動は数限りなくあったことだろう。中原は立川教育委員に対して「誰のおかげで教育委員でいられるのか。罷免要求出します」と発言したそうだ。天に唾吐くとはこのことではないか。「関西ファシズム」台風の目、橋下がいるからこそ、中原は民間出身校長に就任することができ、身分不相応な教育長にまで上り詰めている。橋下がいなければ中原が高校の校長や教育長に就任するような異常事態は起こりえなかった。

◆立地も建築も欠陥だらけの「咲州」府庁機能移転という「維新」幻想

カジノ設置候補地として横浜と大阪が選定されたそうだ。でもそんなことはもう橋下の追い風にはならないだろう。関西以外の読者の皆さんは現在の大阪府庁がどこに位置しているがご存知だろうか。橋下の当初の構想通り進んでいれば、そして東日本大震災が起こっていなければ、今頃、府庁機能は全て住之江区南港北にある「咲州」(さきしま)庁舎に移っていたはずだ。

現在大阪府庁の機能は大阪市中央区大手前にある旧来からの府庁舎と咲州庁舎に分かれている。旧庁舎は老朽化が進んでいるので建て替えか移転を模索していたが、橋下が知事時代に目を付けたのが旧「大阪ワールドトレードセンター」として建築され、財政破たんした大阪湾至近の咲州物件だった。地上55階、地下3階建てのこのビルはバブルの遺産ともいうべき無残な廃墟寸前だった。大阪市が一部を借り切りなんとか最終破綻を食い止めていたところに知事である橋下が「府が買い取る」と名乗りを上げた。もっとも当初は議会に反対されたり紆余曲折があったのだが、最終的に大阪府が買い取ることになった。

しかしだ、このビルがある場所は埋立地だから、海抜ゼロメートル(ひょっとすると海抜マイナス地帯かもしれない)だろう。ちょっとした高波、いわんや津波が来た際に機能しなくなる場所であることは素人にも自明だった。複数研究者の想定によれば南海、東南海地震による最大津波は内陸6キロ以上に及び大阪駅周辺も水没するとされている。なのに、海沿の孤立が確実な場所に庁舎を移転してどうするのだ。職員や知事はボートで庁舎へ行き来するのか。

更に立地だけでなくこのビルはとんでもない「欠陥建築」だということが判明した。東日本大震災時、大阪では震度3の揺れを観測している。日本で震度3と言えば驚きはするけども被害の出るような揺れではないはずだ。ところが咲洲庁舎では天井の落下や床の亀裂など360箇所が損傷、防火戸の破損、エレベーター全26基が緊急停止し、うち4基に男性5人が5時間近く閉じこめられ、エレベーターを支えるワイヤロープが絡まる、地震発生24時間後の12日夜の時点でも8基が復旧しないなどあきらかな「欠陥建築」であることが露呈したのだ。こんな被害が出た場所は関西でここだけだろう。

もう多言は要すまい。そんな場所、そんな建物に災害の時には対策の指揮を執るべき役所をおいているのが橋下を中心とする「維新」勢力だ。これでもあなたはまだ「維新」幻想を抱き続けるだろうか。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ

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セガサミー会長宅銃撃事件で囁かれる安倍自民「カジノ利権」日米闇社会抗争

板橋区双葉町にある、セガサミー・ホールディングス会長兼社長の里見浩宅(写真)が銃撃を受けたのが1月14日の朝8時30分頃のこと。中板橋駅を降りて、商店街を抜けて、歩いて10分。双葉町の現場に行ってみると、まるで要塞のような威風堂々とした構えの邸宅が目に入る。

里見浩=セガサミー・ホールディングス会長兼社長宅

報道によると、「夜中に『ドン』という音がした」と、警備員から警視庁板橋署に通報があったという。里見会長宅周辺からは銃弾や薬莢(やっきょう)が見つかっており、署が発砲事件として調べているようだ。けが人はいなかった。

署によると、警備員は「午前3時半ごろに発砲音のような音を聞いた」と説明している。「朝になって銃弾のようなものを見つけた」との通報を受けて駆けつけた署員が調べたところ、門の照明1個が割れ、近くに薬莢1個や未使用の銃弾3発が落ちていたという。これまでに里見会長から脅迫などの相談が寄せられたことはなかった、と署は説明している。

◆お台場カジノ建設はなぜユニバーサルからセガサミー主導に変わったのか?

それにしても里見宅はどうして銃撃されたのだろうか。まことしやかに流れている「噂」としては、多くが推測だ。

「日本のお台場にカジノ建設がされる場合、遊技事業会社の中で、自民党にも近く、終始リードしていたのは、ユニバーサル・エンターテインメント(旧アルゼ)だったが、里見会長の娘・有紀恵さん(32)がこのほど、カジノ建設に前向きな安倍首相に近い男と結婚。この男は、経済産業省のキャリア官僚である鈴木隼人氏(36)で、先の衆議院選挙で比例区当選した。

披露宴には里見会長の肝いりで、安倍総理に加え総理経験者2人を含む多数の政治家が集まったのです。 こうしたことも手伝ったのか、カジノ建設は、セガサミー主導へと変わっていったのです」

その意趣返しで裏社会系の住人に銃撃されたと永田町のベテラン秘書が言う。だが、里見治会長は、どんなにおいしい利権の話が転がっていても、まったくヤクザとの交際の話は出てこない。

「里見会長は裏社会の輩をよせつけませんでした。出るパーティも慎重に選んでいて、『どんなメンバーが来るのか』と前もって秘書に調べさせていたほどです」(セガサミー関係者)

◆カジノ法案廃案の打撃からセガサミーと米サンズ社との間に亀裂が生じた?

そもそも、「機を見るに敏」な会長は、早くから日本にカジノが建設される場合、食い込むべく、早くから動いていた。昨年、韓国・仁川にカジノ建設を行ったがこれも日本でカジノ事業を行うときの試金石にすぎないとも言われている。

セガサミーは、韓国カジノ最大手パラダイスグループと合弁で建設した韓国初の統合型リゾート「パラダイスシティ」は、同国最大の外国人専用カジノや五つ星ホテル、韓流体験プラザなどが入り、2017年上半期にオープンする計画だ。

仁川国際空港に近接する約20万3千平方メートルの敷地に第1期の総事業費として1兆3千億ウォン(約1400億円)を投じている。航空便で1時間半圏内に集中する中国の大都市の旅行客を誘致するほか、国内客の来場も見込んでいる。

総額100億ドルに及ぶ「ライバルが太刀打ちできない」(里見氏)規模の投資方針を打ち出し、手つかずの巨大カジノ市場の日本でいち早く主導権を握ろうという思惑は、裏社会にも早くから浸透していた。すでに自民党議員らに積極的に売り込みを図っていた里見氏だが、昨年の秋に、いったんカジノ法案は廃案になり、棚あげになった。

「そこで、もっとも打撃を受けていたのが、セガサミーはもちろんだが、セガサミーに出資していたアメリカのサンズ社でしょう。もちろん、セガサミー本社も大打撃を受けた。当然、セガサミーの里見会長としては、安倍首相に『どういうことですか』と詰め寄ることになる。そのお詫びとして、娘の夫の鈴木隼人氏を、先の衆議院選挙でたいした実績もないのに、比例区の25番目にして、当選圏内に据えたのです」(週刊誌政治担当記者)

だから、見方としては(これは推測だが)サンズ社と手を組んだ闇の社会の「何者か」が意趣返しで銃弾をぶちこんだと見るのが正しい。

◆セガサミーの業績悪化はカジノ構想頓挫の余波?

セガサミーは、カジノ構想がすべったショックが響いたか、かなりの赤字のようだ。希望退職者を300名、募っている。

ZUUオンライン」では以下のように伝える。

——————————
2月12日、セガサミーホールディングスが2015年3月期第三四半期決算を発表した。売上高2,675億円(前年同期比12.0%減)、営業利益162億円(同65.1%減)、経常利益162億円(同67.0%減)、当期純利益△0.2億円となった。

同時に2015年3月期通期の業績予想を修正、売上高3,525億円(前年同期比6.7%減)、営業利益160億円(同58.5%減)、経常利益150億円(同63.0%減)、当期純利益△130億円とした。パッケージゲームの不振のほか、デジタルゲーム分野において、新作タイトルの投入時期を戦略的 に来期に変更したことなどが影響した。特別損失には、構造改革費用を含め、150億円程度見込まれている。

アミューズメント機器事業において、パチスロ遊技機が、型式試験方法の運用が変更されたことに伴い、市場全体で新タイトルの販売数が減少したことから、前年同期を下回って推移、一方、パチンコ遊技機の新台入替は比較的堅調に推移、329億円(同4.3%増)、営業利益は4億円(同2億円の赤字)となった。コンシューマ事業では、オンラインRPG『ファンタシースターオンライン2』や、『ぷよぷよ!!クエスト』、『チェインクロニクル~絆の新大陸~』等の主力タイトルの他、『アンジュ・ヴィエルジュ~第2風紀委員ガールズバトル~』、『サカつくシュート!』等の既存タイトルが好調に推移したが、パッケージゲーム分野、玩具販売事業が低調に推移したほか、広告宣伝費等が増加し、売上高は827億円(同13.5%増)、営業利益は22億円(同17.3%減)となった。アミューズメント施設事業も営業損失5億円を計上する等足を引っ張っている。

同日発表された構造改革には不採算・低採算事業の整理・縮小、希望退職者300名の募集が盛り込まれている。募集人数通りの希望退職者を前提とすると、グループ全体の人件費は今期見込みと比較して年間 28 億円程度の削減効果となる。

さらにグループ内組織再編も発表、昨年10月に発表していた遊技機事業、エンタテインメントコンテンツ事業、 リゾート事業の3事業グループへの再編の一部が決定した。
(「ZUUオンライン」より引用)
————————————-

なるほど、カジノ利権を漁りたい一心で、与党にすり寄っていくわけだ。セガサミーよ、そうはうまくいかないぜ。さて、里見宅では、「周辺をうろつく黒い雨合羽の男」が目立ち始めたという。晴れているのに、雨合羽を脱がない不気味な男。まだまだ「カジノ利権とセガサミー」から目が離せない。

[ハイセーヤスダ]

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「チャイナスクール」出身外務官僚の不思議な価値観への違和感

もうだいぶ前の話になるけれども、仕事の関係で半年間ほど外務省と「喧嘩」をしたことがある。まだ当時の日本が余り関係を持ちたくない人物についての案件で、それまで顔を合わせた事のなかった「外務官僚」と何度も交渉する機会を得た。私の相手をしてくれた主たる人々は一人を除いて東大卒のエリート(残りの一人は京大卒)だった。皆さん私よりも幾つか年上ではあったけれども、世代が違うというほどに離れてはいなかった。

◆「チャイナスクール」は実在する

たまたまか、あるいは必然だったのかその方々は全員「チャイナスクール」系列の方々だった。「チャイナスクール」とは外務省入省後2-3年程度語学研修を主として中国に滞在した経験のある人々を意味する。彼らのほとんどは語学力だけでなく「政治的」思考の影響も受けて帰国し任務にあたる、と産経新聞あたりは決めつけている。でも、「チャイナスクール」出身者の多くはその後米国、若しくは英国で同様の期間研修兼、実務を経験する。

最初の交渉相手は外務省の某課、課長補佐だった。電話でアポを取り、関西から外務省に向かうとパーテーション区切られた打ち合わせスペースに案内された。分厚い近眼メガネをかけた課長補佐氏が出てきた。名刺を交換し、こちらの相談、依頼事項を告げると表情を変えずに「少しお待ちください」といってどっかに消えていった。近眼メガネ氏はもう一人少し下腹が出た人間と共に戻ってきた。彼がその課の課長だった。彼の年齢を今から考えれば40前後であるから、出世する中央官庁のエリートは、本当に飛び石のように階段を上がっていく。

「お話は承りました。こちらの要請に沿って進めて頂ければ、何とかならないことはないです。でもお願いしなければいけない内容がかなり多いですよ。クリアできますか?」

口調は丁寧だが、こちらを試していることは明らかで、しかも舐めきっている。私も外務省に出かけるのにアロハシャツとジーンズという姿で訪問しているので、舐められても仕方がなかったのかもしれないが、私自身というよりは私の勤務先である大学の力量を軽視した発言としか取れなかった。

「なにぶん経験もありませんし、ご指示やご指導には全て従うつもりですからよろしくお願いいたします」

としか言い返すことが出来なかった。

かくして、半年間の「喧嘩」が始まった。

◆言いがかりに近いような難題半年間の「喧嘩」

私たちが画策していたのは中国が敵視するある有名な仏教指導者を大学に招こうという計画だった。

「チャイナスクール」は実在するんだなー。と思い知らされたのは「喧嘩」の最中ではない。当初の「通告」通り課長補佐、課長氏はこれでもかこれでもか、と無理難題を投げかけてきた。こちらは意地になるから彼らの出す難問にも何とか準備をして答えた。それでもまた言いがかりに近いような難題を押し付けてくる。ある時私は我慢が限界を超えた。

「わかりました。今からお伺いして詳細を説明しますよ。いいですよね」

そう電話越しに伝えると、日常業務を同僚に頼み新幹線へ急いだ。外務省に着くと近眼メガネ氏が応対に出てきた。

「Aさん。ご要請には全て応じていますけど、今日の話は嫌がらせですよね」
「心外ですね。そんな言われ方をすると。我々はあくまで我が国の外交戦略に基づいてお願いをしているだけですよ」
「何言ってるんですか!それなら前に提出した計画書に全て網羅されているでしょ。え!だいたい貴方たちのような世間知らずの官僚は自分が国を動かしていると勘違いしてますよ。その分厚い眼鏡!鏡で見たことありますか!そういう姿と物言いを『官僚的』と言うんだ!わかりますか!」

私は怒鳴りはしなかったけど、少し大きな声で彼に食って掛かかった。話の内容はともかく自分の容姿や物言いを批判されたのはA氏にとっては驚きだったようだ。

その後「喧嘩」が終わるとA氏も、課長氏も仕事としてではなく、個人として打ち解けて付き合ってくれるようになった。

◆「日本人には国民としての自覚がない」という官僚A氏の価値観

後年、たまたま上京中に時間が空いたのでふとA氏のことを思い出し、電話をしてみると時間を割くから会いに来ないかと言ってくれた。

霞が関のあるビルでA氏に会ったのは初体面から10年近く経っていた。でもA氏どこか以前と印象が違う。

「お元気そうですね、それにお若くなられたようですけど」
「ええ、田所さんに『その眼鏡姿が官僚的』と言われたのがショックで、レーシック手術を受けたんですよ。眼鏡要らなくなりました」
「(えええ!)」

今は思い出した順番に事実を書いているので「その眼鏡!」と私が言ったと書けるが、実はその日A氏から指摘されるまで長年忘れていたことだった。手術を受けさせるほどショッキングなことを言ったのか反省とをした。

彼は外務省からの出向で官庁の中でも中枢部にいた。

「いやー日本の国民は分かりませんね」

「どういうことですか」

これ以上の内容を詳述すると現在彼の所属が分かってしまうので内容は曖昧にするが要は、「日本人には国民としての自覚がない」、「中国や米国の方が国家としては優れている。国民の意識もそうだ」、「時々日本人として恥ずかしくなる」・・・と言う愚痴だった。

A氏は勿論右翼ではないし、左翼でもない。米国が優れていると言い、中国も優れているという。うーん?米国と中国はあらゆる意味で随分違うように思えるのだけれども、A氏の頭の中では両方評価に値する国だという。

「体制は違いますよ。でもね、中国も、アメリカも国民が国に誇りを持っているんです」

そうか、それはそうなのかもしれない(私は同意しないけども)。A氏の価値観においては、国のあり様ではなく、「国民がどれほど国民であることを自覚しているか」が尺度となっていると分かった。

この不可思議な感覚は今某国で大使を務めている元課長氏にも聞いたことがあった。

「国民が国民である意識」

A氏の事も、元課長も人間としては嫌いじゃないけども、やはりこの考えに私は馴染めない。要は「国家主義」の言いかえではないだろうか。この2人に限らず外務省に勤務する人からは何度か同じニュアンスの話を聞いた。

私と彼ら。仲良くしてもらっても考え方の乖離は埋められそうにない。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ

◎なぜテレビはどこまでも追いかけてくるのか?
◎《大学異論29》小学校統廃合と「限界集落化」する大都市ニュータウン
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◎《大学異論26》「東大は軍事研究を推進する」と宣言した濱田純一総長声明文

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「人口1億人維持」の無理──「少子化」「人口減」に見合った思想へ舵をとれ

国土の広さなどの要因で全部の国には該当しないけれども、一般に経済成長を遂げた国ほど人口は増えない傾向にあり、貧困に苦しむ国ほど多産である。貧しい国では衛生状態の悪さや、栄養不足で乳児死亡率も高いが、たくさん赤ちゃんが産まれるから結果として人口は増えてゆく。

◆日本の少子化に拍車をかけた3.11以後の状況

日本は精一杯経済成長を遂げたので教育費や住居費が高騰し、それに対して若年層の収入は一向に増えないから、子供を産み育てるどころか、家庭を持つことすらに諦めを感じている20代、30代が少なくない。幸運にも結婚ができても、放射能被害に敏感な人は出産をためらうだろう。

放射能被害を心配しないで生活が出来た(2011年3月11日前)から、経済的要因以外に子供を欲しいと願ってもなかなか実現しない悩みを抱く女性の数は潜在的に多かった。現実にどれくらいの割合で女性(あるいは夫婦)が不妊に悩んでいるかと言えば、国立社会保障人口問題研究所「第14回出生動向基本調査」(2010年6月)によれば6組に1組とされているので約17%となるが、私の知る産婦人科医や複数の医師の話を総合するとこの数字は実態の「半数ぐらいではないか」という。

不妊の定義は「通常の生活をしていて2年以内に妊娠しないこと」となっている。産婦人科医は妊婦さんのだけでなく、不妊に悩む女性の治療にもあたるので、受診者、治療者の数を数えれば不妊の実態がわかる。不妊治療を受けている女性の数は現在50万人と言われているが、これも実態より大幅に少ない数だと推測される。

臓器移植などで有名な関西のある病院の産婦人科医は私に「今生まれてくる子供の4人に1人くらいは不妊治療のお蔭でしょう。広義の不妊治療には人工授精なども含みます」と教えてくれた。とすると25%の子供たちが最先端医療技術が無ければ生まれてこれなかったことになる。

不妊に悩む女性やご家族には、これほど不妊の数が多いということを是非知って頂きたい。今日でも女性は「産むための装置」との考えは依然根強く、都議会で自民党議員は「なぜ産まないんだ!」との罵倒を女性議員に浴びせた。子供が出来ない女性への風当たりは身内からも陰に陽にプレッシャーとなる。でも、不妊はもう珍しい現象ではなく4人に1人という時代になっているのだ。

その原因が大いに気にかかるところだが、残念ながら明確な科学的結論は今のところ確認されていない。

◆毎年約22万人づつ減少する日本社会を受け入れる

分かっているのは、年々不妊の女性(あるいは夫婦)の割合が増加しているということのみだ。

とすれば、この国に独特な因子が原因となっているだろうことは推測できる。子供のころからの食べ物、生活のあり様(運動時間や睡眠時間)、体格の変化などが影響しているのだろうか。明言は科学者ではない私には出来ないが、一つだけ推測できる仮説がある。

個体として不妊をとらえると、その人の体の分析により回答を見出すことになるが、この島国全体の人口増減と食物の生産量を考慮してみるとどうだろうか。

日本の総人口は総務省の統計によると、1億2712万2千人(2015年8月1日)だ。毎年約21-22万人づつ減少している。減少の割合は今後加速化し、2030年頃には1億人を割り込む概算だ。でもこの計算は幾分政治的である。上記で述べたような不妊の実態や、ましてこれから多発確実な放射線被害による人口減少は当然含まれていない。

私の暴論だが、生物としてこの島国に住める数を人間は超過してしまっているのではないだろうか。それを感知した生物「ヒト」属が総体としてこれ以上個体数を増やす事を抑えるために何らかの回路で人口抑制(妊娠の難化)にスイッチがオンになったのではないだろうか。

生物は生きる上で空気と水そして食物が欠かせないが、例えば東京都の食物自給率は0%だ。食べるものがないところに生物は生きられない。例えを動物にとって恐縮だが、ウサギやネズミもある特定の地域で個体数が増えすぎると理由不明な多量死が起きることはよく知られている。

この島国で生きながらえようとするのであれば、面積に応じた人口と食物自足をバランスよく実現するのが肝要なのだろう。

それは「経済第一」や「景気回復」といったフレーズと正反対にある思想だ。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ

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◎リクルートの「就活」支配──なぜ国は勧告指導しないのか?

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