台詞は少なくとも、重厚さで作品を支えた。登場する場面が短時間でも、全力を注いだ。
大滝秀治の演技が最初に目に焼きついたのは、おそらくテレビドラマ「北の国から」だっただろうと思う。事情があって富良野にやってきた田中邦衛と子供たちに、かすれた声で大滝は言う。「おまえ等は、逃げてきたんだ。それを忘れるな」と鋭い眼光ながらも、どこか温かみがある声をかける。

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今週の『アサヒ芸能』(10月18日号)で『タブーなき原発事故調書 超A級戦犯完全リスト 』が4ページに渡って紹介されている。

「事故の『A級戦犯26人』を断罪『原発発禁本』の戦慄内容を公開する!」とアサヒ芸能らしいタイトル。
「東電・勝俣前会長が平穏な老後を送っていいのかッ」と大文字のキャッチコピーが躍る。

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「私たちの大地が生んだウランがフクシマの人たちを苦しめている。本当に悲しい」オーストラリアの先住民族アボリジニの女性長老アイリーンさんは、遠い日本で起きた福島第1原発事故に今も心を痛めている。

オーストラリアの先住民、アボリジニは、我々の生き方にヒントを与えてくれる存在だ。
1770年にキャプテンクックがやって来て、白人支配が広がるまで、アボリジニは狩猟採集生活を行っていた。
文明が遅れていたわけではない。農耕を行うな、という先祖からの教えがあったのだ。農業は人間に必要な作物だけを大量に育てる。それは、自然の摂理に反している、というのだ。

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以前取材した冤罪事件で、再審請求がなされたというニュースが舞い込んできた。
再審請求したのは、和歌山刑務所で服役中の西山美香さん(32)。西山さんは2003年、看護助手として働いていた湖東記念病院という滋賀県の病院で、意識不明で寝たきりだった男性患者(当時72)に装着された人工呼吸器のチューブを外して殺害したとして翌2004年に殺人容疑で逮捕・起訴された。

逮捕当時24歳だった西山さんは、裁判では無罪を求めて最高裁まで争ったが、2007年に懲役12年の判決が確定。その後、2010年に大津地裁に再審請求したが、翌2011年に棄却されたのち、大阪高裁への即時抗告、最高裁への特別抗告も相次いで棄却された。このほど大津地裁に対して行った再審請求は、2度目の再審請求ということになる。

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弁護士であり、ジャーナリストでもある日隅一雄氏が遺した魂である「日隅一雄・情報流通促進基金設立準備会共済」の講演会が10月3日に開催された。テーマは「福島・沖縄の犠牲はなぜ伝えられないのか~メディアを問う~」というもので、福島県生まれで『犠牲のシステム 福島・沖縄』の著者である哲学者の高橋哲哉氏と福島の人々に寄り添い報道を続けている市民メディア「OurPlanet-TV共同代表」の白石草氏、「沖縄密約訴訟」や普天間基地問題等日米同盟の問題点を鋭く論じる政治学者の我部政明氏の3人をゲストに迎えて論を展開。

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どうやら当ブログが攻撃されていたようだ。
「ペンのテロリスト」として活動する鹿砦社としては、必ず敵を暴き、住所をさらす。首を洗って待つがいい。
それが「大義」であり、鹿砦社ならではの「存在意義」であるからだ。

それはそれとして、個人情報流出の事件は相次いでいる。
東京工業大学は9月19日、同大の教育機関「世界文明センター」のホームページが中国国旗で埋め尽くされるなど改ざんされたうえ、8月に開催したイベント参加者1068人分の個人情報が流出したと発表した。 改ざんは9月15日午前に学生の通報で発覚。「尖閣諸島は中国」という意味の英文や、日本を侮蔑する表現があったという。ホームページは同日夜に閉鎖された。

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オウム事件、北朝鮮の金賢実家直撃、林眞須美や統一教会を追跡したジャーナリストの大林高士氏が5月14日に急逝した。過日、「偲ぶ会」が開催され、生前の話題に華が咲いた。

僕もデータマンとして何度か組んだことがある大林高士氏は、あらゆる意味で他のジャーナリストと異質だった。
週刊誌で組んだことがあるが、ネタ元を握ると、その人なつこさで告白者を抱え込み、他社の記者がおいそれとは接触できない信頼関係を結んだ。

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私、深笛義也が昨年、鹿砦社より上梓した『女性死刑囚』に対して、和歌山毒物カレー事件で殺人罪などに問われた、林眞須美さんが訴えてきた。
『女性死刑囚』には、執筆の段階で13人いた戦後の女性死刑囚について書いている(昨年、大牟田4人殺害事件の被告の死刑が確定し、現在は戦後の女性死刑囚は14人となっている)。

そのうちの1人が、林眞須美さん。虚偽の内容を本にされ肉体的、精神的苦痛を受けたとして、著者の私に1千万円の損害賠償を求める訴訟を神戸地裁尼崎支部に起こしている。

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すでに9月21日の、このブログでもお伝えしたように、関西の人気ラジオ番組『たね蒔きジャーナル』(MBS)が、先週9月28日(金)で終了した。
これに対して、同番組に再三登場され、反原発の立場から的確なコメントをされた小出裕章氏、また湯浅誠氏、山本太郎氏ら多くの著名人、視聴者らが異を唱え、それは全国区的な拡がりを持っていった。
最終日の28日には、わざわざ北海道から駆け付けた湯浅誠氏ら約150人の方々が参集し、番組終了を惜しんだ。

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8月18日のブログで、ミャンマー難民を夫に持つ、ジャーナリストの深山沙衣子さんと長女が、ミャンマー大使館からミャンマーへの渡航ビザの発行を拒否された、という話を書いた。夫がミャンマー大使館に支払うべき税金を納めていない、という理不尽な理由で、税金は累積して243万円になっているという。

その後、ビザは下りた。以前に深山さんが取材したことのある、中川正春防災大臣に陳情したのだ。そこから、ミャンマー議連の田中慶秋議員と外務省につながり、外務省が在日本ミャンマー大使に、「日本人にきちんとビザを出して欲しい」と要請したのだ。外務省の職員も同席して、ミャンマー大使との面談も実現した。ミャンマー難民である夫が支払う税金と、深山さんと長女へのビザ発給は、「別物として考えたい」と、大使館職員は言った。

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