舞台や映画、テレビドラマなどに数多く出演し、豪快で男らしい演技で知られた俳優の夏八木勲さんが5月11日、神奈川県内の自宅で亡くなった。73歳だった。夏八木さんは、東京・足立区の出身。大学を中退後、昭和38年に劇団俳優座の養成所に入り、同期の原田芳雄さんや村井国夫さんらと共に「花の15期生」と呼ばれた。

卒業後、昭和41年に映画「骨までしゃぶる」でデビューし、その後も「白昼の死角」や「野性の証明」など数多くの映画で活躍した。とりわけ、昭和54年に公開され、自衛隊が戦国時代の日本にタイムスリップする映画「戦国自衛隊」では、戦国武将の長尾景虎役を演じ、男らしい豪快な演技で人気を集めた。

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新聞報道によると、長崎県西海市でストーカー被害を訴えていた女性の母と祖母を殺害したとして、殺人罪などに問われた男性被告が14日から長崎地裁で始まった裁判員裁判で無罪を主張しているという。率直な感想を言えば、報道されているような証拠が本当に存在するなら、無罪判決が出る可能性は低そうに思う。しかし一方で、このニュースに触れ、個人的に反省させられたところもある。

警察に捕まっただけに過ぎない人が世間の人々から「犯人」と思い込まれてしまうのは今も昔も変わらない。中でも「ストーカー殺人」と形容されるタイプの殺人事件は、その傾向がとくに強い。被疑者が「ストーカー」だったという情報がマスコミに報じられただけで、被疑者が白か黒かは議論にすらならず、「犯人の暴走」を防げなかった警察に批判が集まるのが常だからだ。かくいう筆者もこの長崎の事件の男性被告については、初期報道に触れた時に「犯人」だと思い込んだし、裁判で無罪を主張するなどとは夢にも思っていなかった。個人的に反省させられたというのは、自分のそういう見通しの甘さである。

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国じゅうで電気が十分に供給されず、断水が起こり、貧富の差が激しいミャンマー(ビルマ)。双方の家庭の経済状況を無視して、愛に走る恋愛もありだが、実際問題、両者の家庭環境に差があると、なかなか難しそうである。
ミャンマー人の夫の弟、T(38歳)は、ブランド志向が強い。彼は、かつて乗用車の値段が高すぎて、ヤンゴンの人々が車を購入できなかった時期に、夫が日本で稼いだ金を一部使って、乗用車を買った。車の前で写真を撮りまくり、「車持ち」であることをアピールしているつもりはないのだろうが、誇らしげにしていたことは間違いない。腕時計を買うならロレックスだ。そんな様子だから、金目当てのハゲタカのような女性たちに狙われ、騙され、時に、恋愛相手の女性の母に金を貸して返済されなかったりと、痛い目にあってきた。

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「いったい飯島内閣官房参与はなんのために北朝鮮を訪れているのだろうか。自民党中枢でも、そのわけを知らない連中がいるからね」(永田町関係者)
日中米が対北朝鮮で関係を密接にしている中、安倍首相がけんせい球を投げたという見方もある。安倍首相にとっては、拉致問題の解決はライフワークだったはずで、いつのまにか憲法改正問題が前面に出てしまい、ないがしろにされた感は否めない。

その安倍首相は5月15日午前の参院予算委員会の集中審議で、飯島勲内閣官房参与の訪朝について「政府としてはノーコメントだ」と述べ、言及を避けている。首相はそのうえで、対北朝鮮外交の基本姿勢について、「拉致、核、ミサイル問題を解決して、日朝平壌宣言にあるように、日朝関係を改善していくということだ」と説明。さらに、拉致問題については「対話と圧力の姿勢で完全な解決を目指していく。拉致被害者全員の生還、拉致問題の真相の解明、実行犯の日本への引き渡しが基本的な方針だ」と強調している。自民党の石破幹事長は、飯島氏の訪朝について「拉致の問題を含めて(解決の)糸口を探る(という)ことではないかという推測はある。内閣官房参与の立場で行っているのだから、それなりの重みがある」と語った。

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「俺も行くけど、戸次君も早めにハロワ行ったほうがいいよ。会社が事実上倒産していても、退職がすぐ認められるわけじゃないから」
と尚坂がアドバイスをしてきた。
「どうせ近いうちに辞めようと思ってたし、手間が省けたぐらいに思っておこうよ。今より酷い会社もそう無いだろうし、次はいい会社見つかるよ。未払い給料の代わりにPCの一台ぐらい、もって帰ろうかな。フォトショップもイラストレーターも普通に買うと高いから、貰っちゃうか」
突然堂々と盗み宣言されたのでビックリしたが、責める気持ちは湧かなかった。今のオフィスにいる、パセフィック社から出向している人は、やがて本社に戻るだろう。イーダの社員も後始末が終わればもう出社することもない。近いうちに無人のオフィスになるだけだ。社長が会社の備品を全部把握しているとは思えないし、取りに来るとも思えない。どうせ給料も出ないのだし、補填としてPCの一台ぐらい、いいか。

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戒名代が30万円。納骨のセレモニー代が10万円。計40万円がかかることが、住職から告げられる。
寺の観音塔に、姉と父を入れるとすると、2体で60万円。
すでにある墓所に入っている姉の遺骨を取り出すのにも、費用がかかるかもしれない。
作ってある墓の土台の撤去費用もかかるかもしれない。
墓所は失い、すでに支払ってある永代使用料は戻ってこないということになる。
墓はいらない、という考えであったとしても、墓をなくすほうが費用がかかるというのでは、考えでしまう。

「しかたがないですね」と妹が呟いた。
2文字で30万、10秒で30万の戒名代も、墓に入れるための費用として納得するしかない。
「戒名のない人というのは、いませんから」
住職はまったくのウソをついたが、もうそうするしかない、と思うと、反論する気力は失せた。

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中国海軍は東シナ海で漁業監視船や海洋監視船などとともに合同演習を実施。いつ尖閣を奪いにきても不思議ではない状況になりつつある。そんな中、どのように彼らは「尖閣」を占有するのか。その作戦は、ゴールデンウィーク中に実行される寸前にあった。
その名は「コード000050310」。尖閣諸島に漁民を装った人民解放軍兵士や民兵、警察官などを不法上陸させ、“漁民”の保護や救出を大義名分に正規軍が出動、そのまま占領して実効支配を進めるというシナリオが、ゴールデンウィークを標的に進行していたのだ。

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第66回カンヌ映画祭(5月15日開幕)のコンペ部門に選出された「藁の楯」を見た。
大沢たかお、松嶋菜々子、藤原竜也らの豪華共演で、木内一裕の同名小説を映画化したサスペンスアクション。監督は「十三人の刺客」「悪の教典」などの三池崇史で、スピード感あふれる演出。時間を忘れるほど画面に魅入ってしまった。
孫娘を殺害された政財界の大物・蜷川が、新聞に「この男を殺してください。清丸国秀。御礼として10億円お支払いします」と行方不明の犯人殺害を依頼する全面広告を掲載し、日本中がにわかに殺気立ち、身の危険を感じた犯人の清丸国秀(藤原竜也)が福岡県警に自首するところからストーリーは展開する。警察は警視庁警備部SPの銘苅一基(大沢たかお)、白岩篤子(松嶋菜々子)ら精鋭5人を派遣し、清丸を福岡から警視庁まで移送させる。しかし、清丸への憎悪と賞金への欲望にかられ、一般市民や警護に当たる警察官までもが5人の行く手を阻む。

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こんな報道がある。
「うつ病は年間3万人を超える自殺の主な原因とされる。自殺者の家族らでつくる全国自死遺族連絡会の調べでは、2006年7月~10年3月に自殺した1016人のうち、69%が精神科で治療を受け、向精神薬を多数服用していた。厚生労働省は10年9月、『向精神薬の飲み過ぎが自殺につながっている可能性がある』として、日本医師会や医療機関に長期、多量の処方の注意を呼び掛けている」(中日新聞社)
よくよく考えれば、多くの薬品メーカーが協賛金を出している日本うつ病学会が過剰投与について警告を発しているのも不思議な話だ。

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ミャンマー人の夫の弟、T(38歳)は、難民としてアメリカに渡った。テキサス州の、ミャンマー(ビルマ)人が多く住む食肉加工場がある地域で、ミャンマーやアジアの食品・雑貨などを販売する店をオープン。同じく難民としてアメリカに移り住んだ仲間たちが、彼の事業パートナーや部下となった。
客は主にミャンマー人難民や移民だが、アメリカ人も、アジア食材を求めて来店する。いまや、テキサス州最大都市、ヒューストンを含め、5つの店舗を構え、業績は伸びている。

アメリカに住むミャンマー人難民の中で、Tは、かなり事業を成功させた部類に入る。しかし私生活が幸せかというと、そうでもない。毎日仕事ばかりして、仕事以外の出会いがない。もっぱら私たち親族とスカイプやインターネット電話をして、余暇を過ごす。当然、結婚に至るような出会いはない。

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