「たかが駐車場、されど駐車場」
今、駐車場を舞台にして、元赤軍派議長・塩見孝也が闘っている。
塩見孝也とは何者か? もはや今、説明が必要だろう。
学生運動の嵐が吹き荒れていた、1960年代後半、京都大学でブント(共産主義同盟)の活動家となり、幹部となると、武装闘争を唱えたのが、塩見氏である。

それまでヘルメットを被り、角材を持って機動隊とぶつかる、というのが先鋭的な学生運動のスタイルだった。そこに、火炎瓶の使用を強く主張したのが、塩見氏である。1968年10月21日の新宿騒乱の時だった。この時は、火炎瓶は用意されていたが、政治局内での激論の末、使用は見送られた。火炎瓶が使われるようになるのは、その後だ。

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すき家を運営するゼンショーが追い込まれている。営業利益は前期比44%減、アルバイト不足のため営業できない店舗は、一時休業や改装中も含めると200店舗近くになる。そこにゼンショーHDの小川会長兼社長が「日本人は3Kの仕事やりたがらない」と述べたことを朝日新聞が報じたところ、猛反発を受ける事態になっている。

尤もゼンショー側はこの記事の発言を否定しているが、そうでなくても今すき家で働きたいという人はそうそう居ないだろう。かつては従業員の残業代を払わないことで悪名を上げ、訴えを起した労働組合には「アルバイトは組合員とは認めず、かつ業務委託扱いなので残業代も出さない」と述べた会社だ。それ以前には、残業代の支払いを求めた従業員を窃盗容疑で逆告訴したこともある。この窃盗容疑とは、従業員が廃棄予定のご飯をまかないとして無断で食べたというもので、後に不起訴処分となっている。

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鰻を知らない日本人はまずいないだろう。鰻のかば焼きが嫌いという人は、時々いるが、多くの日本人は好きな食べ物と答えるだろう。縄文時代の遺跡から鰻の骨が発掘され、万葉集にもその名前が出てくるぐらいに、古来より日本人は鰻を食べる文化があった。

しかしその生態を完全に知る者はいない。日本はおろか、世界中探してもいない。図鑑等では便宜上淡水魚に分類されているが、淡水魚ではない。古くは河川や湖で捕獲されてきたが、江戸時代になると江戸湾(東京湾)で多く獲れるようになった。近代まで日本の河川や近海に生息する生き物だと思われてきたが、研究を重ねられるうちに海を広く回遊することが知られてきた。産卵場所も1990年代になって、ようやくグアム島近く、マリアナ諸島沖であるということが判明したばかりだ。

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老いまで、ロックにしちまったのか、あんたらは。
転がされる石のように暮らす日々の中で手に取った、写真集『2014ローリング・ストーンズ in 東京』を開いてそう思った。
2014年の東京公演。ステージ上の、ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、ロン・ウッド、チャーリー・ワッツを捉えた鮮明な写真。
転がる石であり続けた証のように、顔の深い皺までが、ビートを刻んでいる。

熱狂的なファンでなくとも、この世に抗って生きようとする者なら、ローリング・ストーンズの曲は、心の底でいつも響いていたのではないだろうか。

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筆者は当欄で、2010年に下関市であった女児殺害事件に関し、無実を訴えながら裁判員裁判で懲役30年の判決を受けた在日韓国人の男性・湖山忠志氏(30)=最高裁に上告中=の冤罪疑惑や山口地検・保木本正樹三席検事(当時)の取調べ中の民族差別発言疑惑を繰り返し報告してきた。また、昨年1月16日付けの「頼りにならない最高検監察指導部」(http://www.rokusaisha.com/blog.php?p=2101)という記事では、この事件の裁判員裁判で澤田康広次席検事(当時)ら山口地検職員が山口地裁に請求して取得した特別傍聴券により毎回6席の傍聴席を占拠していた問題についてもレポートした。この澤田次席検事らの傍聴席占拠問題をめぐり、最近になり事態の進展があったので、お伝えしたい。

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名俳優・蟹江敬三が逝去した。享年69歳。蟹江氏とは、テレビ局のAD時代に仕事をした経験がある。まだ駆け出しのADだった僕に対して、さまざま教えてくださり、蟹江氏は優しかった。蟹江氏の役は代議士だったが、ディレクターに「髪の毛を短く切り、こざっぱりしてください」と言われて、衣装合わせのあとに、すぐに床屋に駆け込んでいた。とにかくマジメで、努力する姿を人に見せない。

テレビ局のADの仕事はとにかく煩雑で、弁当の手配から、役者をロケ地へ誘導する、台本に誤字がないかチェックする、持ち道具、小道具がちゃんとあるかどうか確かめるなどなど、とにかく忙しい。その中の仕事のひとつに「呼び込み」がある。照明やカメラなどがスタンバイしている状態で、「あと数分でスタンバイが終わる」という絶妙なタイミングで楽屋、もしくはロケバスで出番を待つ俳優をスタジオ、ロケ地なら撮影現場に連れてくるという仕事だ。

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小学館「ビッグコミックスピリッツ」に連載中の『美味しんぼ』(作・雁屋哲、画・花咲アキラ)の「福島の真実編」の内容に、環境省、福島県、双葉町、大阪府、大阪市が声明を出し、閣僚たちが批判している。
福島第一原発の事故を、あたかもなかったのごとく封じ込めようとしてきたことに、マンガが亀裂を走らせた。これには快哉を叫びたい。

東京電力福島第一原発の事故以降、周辺の地域で、それまであまり鼻血を出したことがない者も含めて、鼻血を頻繁に出すようになった者が多いことは、野党時代の自民党が国会に参考人を招致して述べているくらいだから、否定しようがない。

問題は、鼻血と放射線被曝との関係だが、声明や批判の中で、「因果関係がない」といっているものと、「因果関係は科学的に立証されていない」といっているものとがある。この両者は、似ているようでいて、まるで違う。
科学的に立証されていないというのは、その通りだ。だがそれは因果関係があるかないか、まだ分からないということであって、因果関係はあるかもしれない。
だから、「因果関係がない」というのは、ウソをついていることになる。

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近年、ネットの普及から「顔の見えない相手とのやり取り」に不安を覚える人が多い。特に子供がネット上で素性の知らない人と交流を持つことに危険視する意見が目立つ。ネットで遊ぶ程度ならともかく、実際に会うという話になれば危険性は急激に増すことになるだろう。女子であれば性的被害を警戒して当然だ。

しかし顔の見えない相手との交流というものは、何も今に始まったことではない。メディアというものが一般に普及して以来、常にあった問題だ。私が子供の頃は、自分のテレビというものは無かったので、メディアと言えば専らラジオだった。当時山のようにラジオ番組を視聴していたが、ラジオのDJやパーソナリティの殆どは、ずっと後になって顔を知ったとか、あるいは今でも顔を知らない人ばかりだ。当時聴いていたラジオ番組で、よく交流会と称して視聴者やハガキ投稿者の顔合わせ企画があった。結局一度も参加したことはないが、顔の見えない相手との交流をメディアが斡旋していたと言える。合コンなども同じようなものだ。合コンやラジオ番組の主催であれば、第三者として紹介する知人や番組スタッフが介するから安全と言うことか。全く誰ともわからないネットで知り合った相手よりは、良いかもしれないが。

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日本の捕鯨に対して、中止を求め続けてきた国や団体は多い。とりわけ南極海のお膝元のオーストラリア政府や、過激な妨害行動をとるシー・シェパードの反対行動は印象が強い。

しかしこれがサメとなると、途端に話が変わってくる。オーストラリア政府は、ザメの駆除作戦に乗り出し、ここ3カ月間実行に移していた。オーストラリア近海では、凶暴なサメとして名高いホオジロザメの被害が多く、襲われての死亡事故もある。

しかし、ホオジロザメは絶滅危惧種だ。オーストラリア政府の対応は、クジラを守るという大義名分を掲げる一方、サメに対しては駆除作戦を行う。オーストラリア政府には決して動物愛護的な精神はない。捕鯨に強く反対しているのは、ホエール・ウォッチングやホエール・スイムといったクジラビジネスが主要産業になっているからだ。そのためクジラに対する愛護的政策をとってきた結果、オーストラリア国民にとってクジラは愛すべき存在になった。

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原発に関する映画を数多く撮っている、鎌仲ひとみ監督の『内部被ばくを生き抜く』を見に行った。大田区産業プラザ内の会議室が、上映会場だった。
パソコンで再生したDVDをスクリーンに映す、という上映で、画面の端にマウスポインターがずっとかぶったままだったのが気になったが、内容的には、きわめて貴重なものだった。

広島の被爆者を診察し続けてきた肥田舜太郎さん、チェルノブイリやイラクで医療支援を続ける鎌田實さん(諏訪中央病院名誉院長)、福島で除染に取り組む児玉龍彦さん(東京大アイソトープ総合センター長)、チェルノブイリの小児科医師スモルニコワ・バレンチナさんのインタビューを中心に映画は作られているが、その内容は傾聴に値するもので、参加者が10名程度だったのは、残念だった。

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