〈東京都の小池百合子知事(65)の側近、若狭勝衆院議員(60)=無所属=が7日、国会内で会見し、政治団体「日本ファーストの会」と、政治塾「輝照(きしょう)塾」を設立したと発表した。政治塾は9月16日に都内で開き、講師は小池氏が務める。同塾には現職の国会議員らの参加も認めるとし、年内の新党結成と次期衆院選を見据え、活動を本格化させる。小池氏と安倍晋三首相(62)との関係は良好だが、将来的な2大政党制を目指すため、小池首相誕生の“受け皿”が出来上がった形だ。〉
「スポーツ報知」2017年8月8日付

若狭勝「日本第一党」代表の自民党離党前HPより

若狭勝同上HPより

「将来的な2大政党制を目指すため、小池首相誕生の“受け皿”が出来上がった形だ」といった能天気な記事は出典がスポーツ報知だから仕方ないか。しかし、若狭らの言語感覚には驚かされた。せいぜい「国民ファースト」くらいで、我慢するかと思いきや、そのものズバリ「日本ファースト」だそうだ。「国民の生活が第一」がキャッチフレーズの小沢一郎を意識したのかもしれないが、それにしても「都民ファースト」が東京都民第一と解説していたのだから「日本ファースト」は「日本第一主義」と党名から解釈されても仕方あるまい。おそらく政策の云々以前に諸外国からは警戒の声が上がるだろう。

外国の反応を待つまでもなく、私はこの名前の響きに強い嫌悪感と不快感を覚える。出自が現代の極右政党自民党からの離脱組のこと、関西では古臭い「維新」を持ち出し、名古屋ではすっとんきょうな「減税日本」が生まれ、いよいよ東京では「日本ファースト」こと「日本第一党」が誕生したというわけである。

◆公明党=創価学会の影響力

遅すぎた支持率低下に直面している極右自民党の安倍政権と、宗教政党である公明党の連立与党は、公明党支持者≒創価学会の意向を受けた投票行動により自民党議員の当選を支え、公明党が提唱する些細な政策に一応の配慮を払い「マニフェスト実現率100%」などと公明党が宣伝できる環境を自民党が用意できる関係性がすべてだ。

そのために創価学会信者の間では国政選挙や都議選などの複数人区では投票日直前まで、状況分析が行われ、1日あれば連絡網でだれに投票せよとの指示が行き渡るネットワークが構築されている。国政選挙で公明党が得る票の総数は毎回おおよそ700万票の後半から850万票の間だから、自民党としては絶対に公明党、いや正確に言えば創価学会との関係は断ち切りたくはない。

しかし公明党もなかなかの策士であり、都議会ではいち早く自民に見切りをつて、小池知事支持に回り、その結果史上空前の23議席という大惨敗を自民は喫することとなった。痛いほど公明党の力を実感させられたことだろう。

そして「日本ファースト」こと「日本第一党」の発足である。はっきり申し上げておくが、こんな政党が大きくなり、万が一政権交代が行われたところで、自民党から民主党へ政権交代が行われた10分の1も変化は生まれない。なぜなばら、彼らは枝葉で自民党との差異を強調していても、経済、福祉、外交、憲法などについての根本政策は自民党となに変わることない団体だからだ。

一縷の期待や望みを「日本ファースト」こと「日本第一党」にかけるのは全くの誤りであり、それは間接的に現体制から、やがてやってくる右派政党の統一(かつての大政翼賛会の21世紀版)を利するに過ぎない。ご覧いただきたい。自民党と、維新と、日本ファーストの政策。どこに大きな違いがあるというのだ。

◆「日本第一党」代表の若狭勝は元東京地検特捜副本部長の要注意人物

若狭勝同上HPより

若狭勝同上HPより

若狭勝同上HPより

「日本ファースト」こと「日本第一党」の代表に就任した元検事、若狭勝は、自民離党前から怪しい動きをしていた。まるで検察時代に国策操作を行うように。若狭は東京地検の特捜副部長や公安部長を務めたことのある人間だ。

東京地検特捜時代に政治がらみの大きな仕事をした形跡はないが、逆にもう廃刊されたが『噂の真相』名誉棄損事件を指揮し、『噂の真相』発行人の岡留安則とデスクが有罪判決を受けている(この東京地検特捜による『噂の真相』名誉棄損事件がのちの『鹿砦社』弾圧に、勢いをつけたのではないかと指摘する声もある)。

若狭は2013年の参議院選挙に比例区から出馬していたが、陣営の人間は全くといていいほどやる気がなかった。忘れもしない、北千住駅前で街頭宣伝の準備に通りかかっていた運動員たちは、猛暑もあってではあろうが、動きが鈍く日焼けした顔で「ああ、もうやめたい」と声を上げていた。

話を聞くと頼まれれば応援に赴く「選挙屋さん」ともいうべき人たちが世の中には結構いるようだが、彼もその一人で知人を介して若狭の選挙活動応援を依頼されたらしい。「だめでしょう。比例でこの様子だと。東京での反応もさっぱりですもん」と、勝負が決まる前から運動員がこんな言葉を吐いていいのか、というやる気のなさだった。若狭は「国会議員には法律の専門家がいない。私は元検察官として、弁護士として法律の専門家だから、国会議員になって法律の専門家の立場から法律を作りたい」と、抑揚のない演説をしていた。果たしてこの選挙では運動員の読み通り若狭は落選の憂き目を見る。

しかし、侮ってはならない。「日本ファースト」こと「日本第一党」の代表には強烈な個性よりも、少しぼんやりしている人間がふさわしい。そうでないと党名の、過激さと相まって、攻撃の標的になる恐れがあるからだ。そこへいくと、東京地検特捜副本部長を職歴は強みを発揮するだろう。

細胞分裂のように、一度は別の個体として分かれても成長すればやがて同じ組織体や有機体の器官を構成する。維新も、日本ファーストも果たす役割は同じだ。いずれ自民党という「お里」に帰ることを予言しておく。


《参考動画》【録画】若狭勝氏が「日本ファーストの会」立ち上げへ(THE PAGE 2017年8月7日にライブ配信)

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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ついに、本物の知性と勇気による本格的な「M君リンチ事件」への骨太の論評が発表された。8月10日発売の『救援』(救援連絡センター発行)http://kyuen.jp/紙上で、東京造形大学教授、前田朗氏が「反差別運動における暴力」を論じている。われわれ取材班は前田朗氏に書籍を送ってはいるが、直接に見解を伺おうと、尋ねたことはない。本論はあくまで前田氏が自身の発意によって執筆され発表されたものである。

◆〈知識人〉としてまっとうな前田朗氏の態度

鹿砦社より出版した『ヘイトと暴力の連鎖』『反差別と暴力の正体』『人権と暴力の深層』をお読みいただいたようで(取材班注:前田氏は以上3冊をまとめて「本書」と呼んでいる)、

「本書のモチーフは単純明快である。反差別の運動内部において暴力事件が発生した。反省と謝罪が必要であるにもかかわらず実行犯は反省していない。周辺の人物が事件の容認・隠蔽に加担している。被害者Mは孤独な闘いを強いられてきた。このような不正義を許してはならない」

「反差別と反ヘイトの思想と運動は差別にも暴力にも反対しなければならない」

「筆者は当時、事件関係者に知り合いはなく、事件発生を知らなかった。しかし、後にCの反ヘイト裁判支援のため裁判所に意見書を提出した。その後に事件があったようだと知った」

「SEALDs及びしばき隊とは、安保法制反対闘争の中で、運動方針の違いから対立する局面を体験してきた。筆者は救援連絡センターの運営委員であり、刑事司法に関する認識が異なるからだ」

「他方、筆者はのりこえねっとの共同代表の一人である。のりこえねっとには22人の共同代表がいる。そのうち辛淑玉、中沢けい、鈴木邦男、宇都宮健児の4人が本書の批判対象である。共同代表は一堂に会したことも、運動方針について全体で討論したこともない。反ヘイトのためのもっともゆるやかなネットワークであり、それぞれの立場で発言している」

「いずれにしろ暴力は許されない」

「特にCの反ヘイト裁判が焦点となる。Cをヘイト団体やネット右翼から守るために、本件を隠蔽するという判断は正しくない」

「Cが重要な反ヘイト裁判の闘いを懸命に続けていることは高く評価すべきだし、支援するべきだが、同時にC本件においてはCも非難に値する」

「反差別・反ヘイトの闘いと本件においてCを擁護することは矛盾する」

「しかし、仲間だからと言って暴力を容認することは、反差別・反ヘイト運動の自壊につながりかねない。本書が指摘するように、今からでも遅くない。背筋を正して事実と責任に向きあうべきである」

この上なく簡潔かつ的確にわれわれの取材意図を要約してくれている。ここまで書いてもらえば、取材班はなにも付け足すことはない。出版意図を正確に読み解いていただき、そして理解し自らの見解を公にしてくれた前田氏の〈知識人〉としてのまっとうな態度に、深い敬意を覚えるものである(もちろん公的な場面での意見表明はなさらずとも「本書」をお買い上げ頂いた方々、「M君」の裁判支援をして下さる方々へも、取材班は感謝の念に堪えない)。

前田朗氏の論評「反差別運動における暴力」(2017年8月10日付『救援』より)

 

 

 
◆他の「のりこえねっと」共同代表の人たちに願うこと

なぜならば、同評論の中で前田氏自身が述べている通り、前田氏は「のりこえねっと」の共同代表の一人であり、同評論でCと記載されている李信恵の裁判支援にもかかわっている方でもあるからだ。「救援」紙上に長く寄稿されている前田氏のことであるので、少々の圧力や嫌がらせに屈することはあり得ないが、取材班が大枠で「敵性認定」をするに至った「のりこえねっと」の共同代表でありながら、事実を正確に読み解き、真実に迫る判断を開示してくれた、前田氏の姿にこそ、腹を据えて持論を展開することのできる、真の言論人の矜持を見る。

前述したとおり、この論評は取材班が依頼したものではなく、前田氏が自発的に発表されたものである。その内容に取材班は深い敬意を禁じ得ないとともに、100%同意するわけでもないことを述べておく必要があろう。それは前田氏が正直に、

「本書が批判する野間易通、有田芳生、辛淑玉、中沢けい、上瀧浩子とは面識があり、いずれも敬愛する運動仲間である」

とまで前田氏の見解を明らかにしてくれている部分があるからだ。しかし、だからといってわれわれは前田氏に「認識不足だ。本書を読めば連中の悪行は明らかじゃないか」と、さらにわれわれの立場や、見解に同意するよう求めたりはしない。事実を一つづつ見ることの大切さと、「反差別裁判と、暴力事件を混同してはならない」との、きわめて重要な原則を前田氏は開陳しているのであり、その総論を度外視して、部分的な批判を展開することは、なんら積極的な議論を生まないと、われわれは考える。譲ってはならない、許してはならない。「暴力は許されない」という大前提に立脚すれば、前田氏の論はたとえ友好関係がどのようなものであれ、高く評価に値するのであり、「M君リンチ事件」には諸相が複雑に入りくんではいるが、根本は前田氏が提示する原則と問題点に収斂されるからである。

すでにご承知のように、われわれ取材班のひとり田所敏夫は、「のりこえねっと」共同代表で、この団体を起ち上げた辛淑玉氏と訣別し、決別状をこの「通信」、及び『反差別と暴力の正体』に掲載している。また、鹿砦社代表の松岡は、やはり「のりこえねっと」の共同代表・鈴木邦男氏と、本「通信」6月27日号で、実に30数年の関係を義絶している。それほどまでして取り組む「M君リンチ事件」について、前田氏は、われわれの本気度と、事件の反差別運動のみならず社会運動全般における悪しき影響を感じられたからこそ、本記事を書かれたものと推察する。前田氏以外の「のりこえねっと」共同代表の方々、また関係者が、前田氏の真摯な意見を真正面から受け止めていただくことを心より願うものだ。

可能な限り多くの人びとに前田氏の論評をお読みいただきたいと切に願う。そして最後に繰り返す。われわれ取材班は「差別」にも「暴力」にも反対の立場を崩したことはないと。

(鹿砦社特別取材班)

◎[参考記事]私はなぜ「カウンター」-「しばき隊」による大学院生リンチ事件の真相究明に関わり、被害者M君を支援するのか[松岡利康=鹿砦社代表]
 

最新刊『人権と暴力の深層』カウンター内大学院生リンチ事件真相究明、偽善者との闘い(紙の爆弾2017年6月号増刊)

AmazonでKindle版販売開始!『反差別と暴力の正体――暴力カルト化したカウンター-しばき隊の実態』(紙の爆弾2016年12月号増刊)

重版出来!『ヘイトと暴力の連鎖 反原連―SEALDs―しばき隊―カウンター 』(紙の爆弾2016年7月号増刊)

下記は今年6月17日付けの毎日新聞の記事だ。ここでの放影研の丹羽太貫(にわ・おおつら)理事長の発言は、一見殊勝にも見間違いかねないほど、悪意に基づいた「ごまかし・欺瞞」に溢れている。

毎日新聞2017年6月17日付け記事より)

毎日新聞2017年6月17日付け記事より)

毎日新聞2017年6月17日付け記事より)

原爆による放射線被ばくの影響を追跡調査している日米共同研究機関「放射線影響研究所」(放影研、広島・長崎両市)の丹羽太貫(おおつら)理事長(73)が、(著者注:6月)19日に被爆者を招いて広島市で開く設立70周年の記念式典で、前身の米原爆傷害調査委員会(ABCC)が治療を原則行わず研究対象として被爆者を扱ったことについて被爆者に謝罪することが分かった。放影研トップが公の場で直接謝罪するのは初めてとみられる。丹羽理事長は「人を対象に研究する場合は対象との関係を築くのが鉄則だが、20世紀にはその概念がなかった。我々も被爆者との関係を良くしていかなければいけない」としている。

ABCCでは被爆者への治療は原則行わず、多くの被爆者の検査データを集めた。被爆者たちは「強制的に連れてこられ、裸にして写真を撮られた」などと証言。「モルモット扱いされ、人権を侵害された」と反発心を抱く人が少なくなく、「調査はするが治療はしない」と長く批判を浴びてきた。 (中略)

一方、被爆者を裸にして検査をしたり遺体の献体を求めたりしたことについて、丹羽理事長は「米国側が日本の習慣などを十分理解しておらず、文化摩擦があった。だがサイエンスとしては必要だった」との見方も示した。

放影研歴史資料管理委員会委員の宇吹暁・元広島女学院大教授(被爆史)は謝罪について「放影研は被爆2世、3世の研究を今後も続けるには、組織として謝った方が協力を得られやすいと判断したのだろう」とみている。

丹羽太貫放(にわ・おおつら)放影研理事長の略歴

◆広島・長崎・福島を繋ぐ「放射線マフィア」本流

放影研もしかし、こんな経歴の男に「謝罪の真似」をさせるのだから、逆効果が出てもしかたはあるまい。放影研理事長、丹羽太貫の経歴を見て頂こう。

京都大学医学部 1975-1984年 放射線基礎医学教室助手
広島大学原爆放射能医学研究所
 1984-1991年 病理学教室助教授
 1991-1997年 病理学教室教授(1994年の改組により分子病理分野と改名)
京都大学放射線生物研究センター
 1997-2007年 教授
 1999-2003年 センター長
(独)放射線医学総合研究所重粒子医科学センター 2007-2009年 副センター長
バイオメディクス株式会社 2009-2012年 代表取締役社長
福島県立医科大学 2012-2015年 特命教授
放射線影響研究所 2015-現在 理事長

丹羽太貫放影研理事長は一貫して「放射線マフィア」の中心街道を歩んでき来た人間であり、ことに2012年に福島県立医大の特命教授に就任したあと、2015年から現職にあることが、この男の素性すべてを物語る。そして、京都新聞の8月6日朝刊では、丹羽は6月、「批判を重く受け止め、心苦しく思う」と放影研の「設立70周年式典」で被爆者に「謝罪」したと報道されている。「心苦しく思う」のどこが、謝罪なのだ。

「『調べるだけで治療せず』非難なお根強く」との見出しの通り、放影研はその前身のABCC(Atomic Bomb Casualty Commissionは「原爆傷害調査委員会」と)発足時より被爆者の調査を行い、そのデータを収集するという明確な目的はあったが、他方被爆者への治療などは「まったく」眼中になかった。その歴史は長くにわたり批判の対象となっていたけれども、丹羽はあたかもその過去を「反省」したかのような「雰囲気づくり」に一芝居うっただけであり、丹羽の言葉のどこにも「治療しなかったことが誤りであり、申し訳なかった」という趣旨の言葉は見つからない。

◆福島で表れた丹羽太貫の本性

それどころか、下の映像をご覧いただきたい。これが丹羽の本性を現すのには最も適格な材料だろう。


◎[参考動画]委員と傍聴者が怒鳴り合い~環境省専門家会議(OPTV2014年11月27 日公開)

福島第一原発事故後の環境省専門家会議で、出席者の一人である丹羽は傍聴席に向かって、罵声を飛ばし、威嚇までしている。詳細な説明は不要だろう。この男の本性をしっかりご覧いただこう。ちなみにこの専門家委員会の委員長は長瀧重信(ながたきしげのぶ)で、丹羽以上に「放射線マフィア」界隈では大物だ。長瀧は長崎大学医学部長や、放影研理事長を歴任している。こういった連中が環境省専門家委員会で事故後に至るも平然と大きな顔でのさばり、あろうことか、丹羽は傍聴者を威嚇までしている。

毎日のように、このような場面が多数の人々の目に触れれば、彼らがどのような魂胆の持ち主かが何も知らない人びとにも伝わりやすいのだろうが、なかなかそうはいかない。一言も謝罪をしていない不思議な「謝罪」を行った丹羽が理事長に君臨する放影研は、3年前から福島第一原発事故作業員約2万名を対象にした「調査」を行っている。作業員に体調不良者や白血病が見つかっても、放影研は当然治療をしてはくれない。

原爆による被害者が調査資料を得るための「モルモット」であったのと同様に、福島第一原発事故収束のために働いた人びとも、被爆影響がどのように現れるかの「人体実験」サンプルとして調査の対象にされるだけであることは間違いない。

◆広島、長崎、福島の犠牲者を「モルモット」扱いする放影研の閉鎖廃止を求める

放影研の評議員一覧

放影研の運営(評議員)には今でもあやしい米国人の名前が複数、目につく。

丹羽は「われわれは科学を介して原爆の影響を世界に発信していきたい。そうすることが協力してくれた被爆者への恩返しになる」と述べているが、被爆者は核推進論者により捻じ曲げられ発信される「原爆の影響」などを望んではいまい。

いっそうのこと、広島市と長崎市は原爆の負の遺産である放影研の立ち退き、あるいは閉鎖を要請してはどうだろうか。犠牲者を追悼する方法には様々な手段があっていい。祈る人は祈り、精霊流しをする人はそれに思いを込め、犠牲者を「モルモット」扱いした非人道的組織、放影研の閉鎖を求める声がそのバリエーションの中にあってもよいのではないだろうか。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

8月6日広島・世界のゆがみ──安倍晋三首相に問う「大いなる背理」(田所敏夫)
 

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多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて『NO NUKES voice』

一、二審共に死刑とされながら、無実を訴え続けていた鳥取連続不審死事件の上田美由紀被告(43)の上告審で、最高裁第一小法廷(小池裕裁判長)は7月27日、上田被告の上告を棄却し、死刑を事実上確定させた。2009年に事件が表面化してから8年。ようやく裁判が終結しつつある今、被害者の遺族は何を思うのか。上田被告に殺害された2人の男性のうち、圓山秀樹さん(享年57)の次男・賢治さん(42)に話を聞いた。

7月27日、上田被告の上告審判決があった最高裁

◆「とうとうこの日が来た」

「予想通りで、わかりきったことでしたが、やはり結果を聞くと、こみ上げてくるものがありましたね」

上田被告の上告審判決は仕事の都合で最高裁まで傍聴に行けなかったという賢治さん。当日は兄たちと一緒に鳥取市内でマスコミの取材に応じ、「上告棄却」の第一報は会見場で記者から聞かされたという。その時のことを振り返る言葉には万感の思いが込められていた。

賢治さんの父・圓山秀樹さんは2009年10月、上田被告に睡眠薬を飲まされ、川の中に誘導されて溺死させられた。上田被告がこのような犯行に及んだ動機は、家電代金約53万円の支払いを免れるためだったとされる。事件当時、上田被告は同居していた男性と共謀し、取り込み詐欺を繰り返しており、電器店を経営していた圓山さんからも「代金後払い」の約束で洗濯機など家電6点の交付を受けていたという。

そんな圓山さんは事件前、周囲の人に「代金を支払わない女性客がいる」と漏らしていた。そして事件当日の朝、上田被告から電話をうけ、「集金に行く」と言って出かけたまま、行方不明に。翌日、川で遺体がうつぶせ状態で浮かんでいるのが見つかったのだが、実は賢治さんはその現場に駆けつけ、遺体の発見者にもなった。「上告棄却」の報を聞いた際はその時のことも思い出したという。

「それから8年間ずっと毎日、父の仏壇に手を合わせてきました。『とうとうこの日が来た』『長かった』と思いましたね」

被害者の遺族にとっては、上田被告の死刑判決が確定することはまさに悲願だったようだ。

話を聞かせてくれた被害者遺族の圓山賢治さん

◆上田被告は「血も涙もない」

「父は母と離婚しているんですが、そのぶん僕や兄のことを気にかけてくれていました。僕や兄同様、父もバイクなどの乗り物が好きで、趣味も合った。だから、僕や兄は事件当時もよく父のところに遊びに行っていたんです」

賢治さんは圓山さんとの思い出をそう振り返る。生前の圓山さんは「『よく商売ができるな』と思うほど、とにかくむちゃくちゃ優しい性格で、まったく怒らない人」だったという。ただ、人が良いためか、経済的なことでは何かと苦労が絶えなかったようだ。

「今は量販店がありますから、父のような個人経営の電器店は家電の販売では儲かりません。父の仕事は主に電気工事でした。ずっと日曜日も関係なく働いていて、お酒を飲まないので、お客さんから修理のために夜呼ばれることもありました。そのうえ、自宅で祖母の介護もしていましたから生活は大変だったはずです。父にとっては、1万円でも大事なお金だったと思います」

上田被告はそんな圓山さんから「代金後払い」の約束で約53万円の家電を購入し、結局、代金の支払いを免れるために殺害してしまった。賢治さんはそんな上田被告について、「血も涙もないですよね」というが、遺族がそう思うのは当然のことだろう。

「父は甘いところがあり、支払いについても『待って』『待って』と言われたら、待ってしまう性格でした。だから、上田に狙われてしまったんじゃないかと思います」

◆「とにかく上田が死ぬのを待つだけ」

この連載の第1回で書いたことだが、上田被告は私と面会や手紙のやりとりをする中、まったく悪びれた様子もなく不自然きわまりない主張をし、「冤罪」を訴えながら様々な人を貶めることを述べていた。賢治さんによると、裁判中も上田被告はケロッとした様子で罪悪感を一切覚えていないように見えたという。

だからこそ今、賢治さんは上田被告に対して、こう思う。

「僕はとにかく上田が死ぬのを待つだけです。上田が生きているうちは、事件が解決したとは思えないので。上田は人の生命を粗末に扱ったのだから、自分も同じ報いを受けて欲しいです」

《鳥取不審死・闇の奥》
《01》「悪」とは別の何かに思える被告人
《02》弁護人も悲しげな表情で聞く被告人の荒唐無稽な弁解
《03》様々な点が酷似していた2つの殺人事件
《04》同居男性が真犯人であるかのように語った上田被告
《05》上告審弁論で弁護人が証明した上田被告の「クロ」
《06》被害者遺族が語る 死刑が確定する被告への思い

▼片岡健(かたおか けん)
1971年生まれ、広島市在住。全国各地で新旧様々な事件を取材している。

愚直に直球 タブーなし!『紙の爆弾』9月号!さよなら安倍政権【保存版】不祥事まとめ25

「絶望の牢獄から無実を叫ぶ ―冤罪死刑囚八人の書画集―」(片岡健編/鹿砦社)

先に大学院生リンチ事件加害者・李信恵氏による「鹿砦社はクソ」発言に対して、日々一所懸命に働いてくれている社員や、支えていただいている取引先、ライターさんらのためにも決して看過できず、私なりの意見を表明させていただきました。これに対して李信恵氏からのリアクションは今のところありません。

◆「反原連」imai tko氏によるSNS上での誹謗中傷の数々

ところが、李信恵氏ら「しばき隊」-「カウンター」につながる「反原連」(首都圏反原発連合)の中心メンバーである、ハンドルネームimai tko氏(現時点では本名はあえて秘す)が、同様な誹謗中傷を行っていることを知らされました。普段、ツイッターやSNSの類を業務で用いることは、最小限にとどめているため、ネットパトロールが不徹底で、最近に至るまでこの事実は判りませんでした。

主なものを以下挙げますと、
○「実名出したりプライバシー暴いて挑発するっていうのは、鹿砦社が以前から確信的にやってる手口」(7月29日)
○「ネトウヨ御用達アカウント、鹿砦社」(同日)
○「鹿砦社アカウントに連なるネトウヨ、レイシストの群れを見れば、鹿砦社の本性がよく分かる」(6月10日)
○「『特定のユーザーにいやがらせをしている/脅迫行為や暴力を助長している』アカウントとして通報しました。→@digital_rokusaiデジタル鹿砦社通信」(6月9日)
○「こういう風に個人情報を晒して嫌がらせをする鹿砦社みたいなのは完全にペンの暴力で、それを見て見ぬふりする浅野健一氏などの取り巻きも本当酷い」(6月8日)
○「鹿砦社のアカウント見れば分かるけど、RTされているのは殆どネトウヨという、ネトウヨ御用達アカウントと化している」(6月2日)
などです。

◆いわゆる「阪神案件」での実名表記について、これは事実と全く異なります

さらには、12年前の鹿砦社「名誉毀損」事件の、いわゆる「阪神案件」での実名表記について、不審な亡くなり方をした阪神スカウトの長女が松岡に罪を押し付けるために陳述した箇所を探し出してきて歪曲し、「“松岡社長からは、『いっそのこと、お父さんを殺した犯人だと思う人を実名で本に掲載し、阪神球団関係者らに挑発してみてはどうでしょうか。相手が訴訟を起こしてくると、おもしろい展開になるかもしれませんよ』と…”と鹿砦社・松岡氏の常套手段」(7月29日)と書き込んでいます。

これは事実と全く異なります。実名表記については長女が主唱し、当社及び松岡は反対したものの、その強い意思と態度のためにやむなく応じたものにすぎません。事実、実名表記長女主唱については一審判決において認定され、長女が控訴しなかったためにすでに確定しています。それにもかかわらず充分な調査もせず(あるいは事実を知っていながら)事実と全く異なることを殊更にあげつらうimai tko氏の行為には、強烈な悪意があるとしかおよそ考えられません。なお、前科に関わる事項に関し、悪意をもって事実と異なる内容を公にする場合、刑事上の責任を負う可能性があることは言うまでもありません。

8月4日付けで鹿砦社がimai tko氏に送った警告書1/3頁

8月4日付けで鹿砦社がimai tko氏に送った警告書2/3頁

8月4日付けで鹿砦社がimai tko氏に送った警告書3/3頁

◆imai tko氏が誹謗中傷をくり返す2つの要因

私は李信恵氏同様imai tko氏にも一面識もありません(ひょっとしたら、反原連との短い蜜月期間〔1年半〕に1度だけ開いた懇親会で顔を合わせているやもしれませんが、名刺交換をしているわけでもなく記憶にありません)。なのに、なんでここまで誹謗中傷と名誉毀損をなされなければならないのでしょうか。

思い当たる要因は、次の2点です。

ひとつは、反原連からの絶縁声明を出された(2015年12月)後に『NO NUKES voice』で3号にわたり反論を掲載していますが、ここで「ミサオの同居人」と記したことに過大な不快感を露わにし「たんぽぽ舎」の方々に当たり散らしていたということです。imai tko氏は、反原連の女帝=ミサオ・レッドウルフ氏と同棲していますが、正確には、ミサオ氏がimai tko氏の自宅に転がり込んできたようで、「ミサオの同居人」という表現は不適切だということのようです。それならそれと、たんぽぽ舎の善意の方々に当たり散らすのではなく、なぜ直接私に言わないのでしょうか? 

ふたつ目は、この「通信」でもご報告していますように、4月15日に私はたんぽぽ舎主催の講演会で、12年前の鹿砦社「名誉毀損」事件について話させていただきました。これには90名ほどの方々にお集まりいただき大盛況でした。これに最後まで執拗に反対したのがimai tko氏でした。最終的には打ち合わせの会議に私も出席し(imai tko氏は欠席)全員一致で開催されることが決定いたしました。

imai tko氏はこの時まではたんぽぽ舎の運営委員だったということですが、私の講演の直後、みずからたんぽぽ舎を去られました。長年、たんぽぽ舎で活動されていたということですが、そうした2つの理由でたんぽぽ舎を去られるに至ったことには忸怩たる想いがあります。

◆具体的な事例を挙げていただきたい

私たちが「実名出したりプライバシー暴いて挑発する」? 「特定のユーザーにいやがらせをしている/脅迫行為や暴力を助長している」? 「個人情報を晒して嫌がらせをする鹿砦社みたいなのは完全にペンの暴力」? 「ネトウヨ御用達アカウントと化している」? …… 具体的な事例を挙げていただきたい。

私たちは一般市民の「実名出したりプライバシー暴いて挑発」したり「個人情報を晒して嫌がらせ」をした覚えはありません。あくまでも(準)公人やみなし公人に的を絞っています。『NO NUKES voice』や、3・11直後に出した『タブーなき原発事故調書』などで原発事故のA級戦犯らのプライバシーは暴いたことはありますし今後も必要に応じてやるつもりです。

◆「はすみリスト」公開や高島章弁護士への暴言攻撃はどうなんですか? 

ところで、「実名出したりプライバシー暴いて挑発する」とか「個人情報を晒して嫌がらせをする」といえば、すぐに思い出すのは、imai tko氏らにつながる「しばき隊」のメンバーで「闇のあざらし隊」を名乗る男が、勤務するセキュリティ会社のデータを取り出し暴露した「はすみとしこしばき事件」があります。はすみとしこのイラストにフェイスブックで「いいね!」した人の名前や住所、勤務先などをリスト(「はすみリスト」という)にして公にし「個人情報を晒して嫌がらせを」し大騒ぎになったことを思い出します。imai tkoさん、これはどうなんですか? 

また、これもimai tko氏らとつながる新潟日報の報道部長(のちに退職)による、高島章弁護士(大学院生リンチ事件の被害者M君の代理人の1人でもあります)に対して「弁護士の仕事やめろ。プロのハゲとして生きろ。ネトウヨ弁護士。クソ馬鹿ハゲ野郎!」という暴言攻撃、右派系女性に対する「お前の赤ん坊を豚のえさにしてやる!」攻撃は? はっきり答えてください。

さらに挙げれば、私が反原連やSEALDsに疑問を持った大きなきっかけとなった、韓国からの京都大学研修生・鄭玹汀(チョン ヒョンジョン)さんに対して、imai tko氏につながる者らによってなされた、人権侵害ともいえるネットリンチについても、imai tko氏はどうお考えなのか? それらこそ「ペンの暴力」ならぬ「ネットの暴力」ではないのか? 私たちに対して「実名出したりプライバシー暴いて挑発する」とか「特定のユーザーにいやがらせをしている/脅迫行為や暴力を助長している」とか「個人情報を晒して嫌がらせをする鹿砦社みたいなのは完全にペンの暴力」とか誹謗中傷するimai tko氏には答える義務があります。

◆imai tko氏には8月4日付けで「警告書」を送りました

ともあれ、imai tko氏による誹謗中傷と名誉毀損は、黙っていれば繰り返されると思われ、断固抗議し、謝罪と今後繰り返さないことの誓約を求めて、8月4日付けで「警告書」を内容証明郵便にて送りました。回答期限は、「警告書」到着後7日以内です。この件につきましては、今後、事の成り行きをご報告いたします。
 

愚直に直球 タブーなし!『紙の爆弾』9月号!さよなら安倍政権【保存版】不祥事まとめ25

◆世界のゆがみを体現した核兵器禁止条約──その中に日本はいない

1945年の核兵器数(朝日新聞2016年5月26日公開「世界の核兵器、これだけある」より)

1955年の核兵器数(朝日新聞同上より)

1965年の核兵器数(朝日新聞同上より)

なんたることであろうか。「核兵器禁止条約」の交渉会議には124ヵ国が参加して122ヵ国が賛成(反対はオランダ、シンガポールは棄権)し、100ヵ国以上が署名する見込みだというのに、その中に「日本」は入っていない。下記記事にある通り「米国の同盟国である」からがその理由なのだそうだ。史上初めて原子爆弾を実戦で使い、数十万の人々を殺戮した米国に対して、殺戮された側のこの島国が「同調」したのだ。

〈核兵器の使用や保有などを法的に禁止する国際条約。核兵器は非人道的で違法なものであると明示し、加盟国に核兵器の開発、保有、実験、使用だけでなく、核兵器を使用すると威嚇する行為も禁じている。2017年3月から米ニューヨークの国連本部で制定に向けた交渉が行われ、同年7月、交渉会議に出席した124カ国中122カ国という圧倒的多数の賛成により採択された。条約は同年9月から署名手続きが開始され、批准国数が50カ国に達してから90日後に発効する。100カ国以上が加盟する見通しだが、条約交渉に参加しなかった核保有国の米英仏は署名の意思がないことを表明し、米国の同盟国である日本も同調する姿勢を示している。〉
(出典=朝日新聞2017年7月11日)
※[参考インフォマップ]世界の核兵器、これだけある(朝日新聞2016年5月26日公開)

まことに不思議な精神構造だなぁ、と毎度のことながら呆れかえる。たしかにあらゆる側面でこの島国は米国の属国のように、主体なき振る舞いを国際社会で何の恥も感じずに続けてきた。戦後の歴史を振り返るにつけ、1945年の敗戦と、戦後が果たして断絶しているのか、あるいは表面上異なるように見えながらも精神性は連続しているのかが大いに気にかかる。この現象については政治学や社会学、さらには精神医学の立場からも多くの研究があり、また文学界においても、大きなテーマであり続けた。

◆「鬼畜米英」の狂信が敗戦と共に「米国追従」に反転した

1975年の核兵器数(朝日新聞同上より)

1985年の核兵器数(朝日新聞同上より)

多彩な分析や研究にあたると、「なるほど」とこれまで気づかなかった視点を与えられることは多々あるが、直前まで「一億火の玉、本土決戦」、「鬼畜米英」と竹やりで重武装軍隊に対抗しようという、常軌を逸した狂信が、敗戦とともに「うそだ!」と言わんばかりに反転する。「生きて虜囚の辱めを受けず」など、とにかく戦場では「死ね」と言明していた指導者たちで、戦犯認定を受けて死刑になった人以外の、生き残った人びとは、戦後、まったく万歳をしてしまった米国追従と米国文化への憧憬(それはもちろん意図して煽られたものではあった)をどのように感じていたことだろうか。この質問は可能であれば、昭和天皇と岸信介にぶつけたかった。

一問一答の準備された「やらせ」の会見ではなく、会話形式でである。しかしもうこの世を去った二人に質問することはかなわないから、役者としてはかなり格が落ちるけども、安倍晋三に聞いてみたい。

◆8月6日、岸信介の孫である安倍晋三に問う

1986年の核兵器数(朝日新聞同上より)

1995年の核兵器数(朝日新聞同上より)

「あなたのお爺さん、岸信介は太平洋戦争開戦前は満州で辣腕を振るい(中国の人々や資源を搾取し)、第二次大戦中には商工大臣を務めていた。戦争を遂行する最高責任者の一人であったが、そのことをどう思うか?」

「あそこまで、米英をはじめとする連合国と徹底抗戦していた戦争の責任者が、敗戦後はどうして180度態度が変わり、米国追従主義者になったのか。そして孫であるあなたもどうして、それに輪をかけた米国追従に最大価値をおくのか?」

「あなたたちのような為政者により、この島国で300万人、アジアでは3000万人が殺された。この島国は原爆の被害国ではあるが、15年戦争では加害国の役割が大きい。そのことについての本心を、秘書や作家に書いてもらった準備原稿を読み上げるのではなく、あなたの言葉で語ってくれないか。それが祖父を敬愛してやまないと明言するあなたの責務だ。不幸にも二人ともにこの島国の最高責任者に就任したのだから」

「あなたは日米同盟至上主義者のようだが、米国は決して日本を対等な存在であるとは認識してない。そのことは『日米合同委員会』の存在と暗躍で明らかである。それでも米国にしっぽを振り続けるあなたは、どうしてそれと矛盾する国家神道の残滓である靖国神社を訪問したがるのか。米国からの指導の中に『神道への崇拝』まで含まれているのか?」

「毎年8月6日に広島を訪れるとき、8月9日に長崎を訪れるときのあなたの顔には、『めんどくさいな』と書いてあるように見えるのは私の錯覚か。過去には広島でのスピーチとほぼ同じ内容を長崎でも使ってしまい、批判を浴びたことがあるけれども、安倍晋三さん、あなたの本心は『こんなところに来たくはない』ではないのか?」

◆「核兵器禁止条約」に背を向けた安倍晋三が「広島平和記念式典」に出席するという背理

2005年の核兵器数(朝日新聞同上より)

2014年の核兵器数(朝日新聞同上より)

100を超える国が「核兵器禁止条約」に署名しようとしている中で、人類史上初の兵器としての原爆により数十万人が殺戮された日に、「核兵器禁止条約」に背を向ける安倍晋三が「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式」に参加することは、大いなる背理である。

「核兵器禁止条約」がいかに力を持つかどうかはともかく、この条約が成立過程にある現実は、同条約に賛成しないことは「核兵器の保有・使用を容認する」ことと同義である。そもそも「核兵器禁止条約」交渉会議に「核兵器保有五国」(米、英、仏、露、中)は参加していない。

「朝鮮のミサイル実験」により、明日にでも戦争が始まるかのような頓珍漢な雰囲気を醸成しようと、「Jアラート」がどうの、「ミサイルが飛んで来たら」と台風対策のような、まったく実効性も意味もない「デマ」が国の扇動で行われている。「核兵器禁止条約」に核保有国が参加せず、彼らが核兵器を持つことが正当化される「核拡散防止条約」があたかもまっとうな知性を持ち合わせた条約のように「不平等」に世界を支配している。

世界のゆがみと、この島国のゆがみを黙って体現しているのが「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式」ではないだろうか。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

愚直に直球 タブーなし!8月7日発売『紙の爆弾』9月号!さよなら安倍政権【保存版】不祥事まとめ25

多くの人たちと共に〈原発なき社会〉を求めて『NO NUKES voice』

7月29日、「安倍内閣総辞職を求める全国一斉緊急市民街頭行動」が行われた。各地で同趣旨の活動が行われたが、この日は横浜市長選最終日だったので、横浜駅前の行動に行ってみた。

森友・加計問題、自衛隊のPKO日報隠蔽問題にからむ相次ぐ稲田朋美防衛大臣の失態、何よりも都知事選最終日の7月1日の「こんな人たちに負けられません」発言で支持率急落の安倍内閣に総辞職をもとめよう、という主旨である。

呼びかけたのは、共謀罪施行日の7月11日に安倍晋三首相を公選法違反で東京地検に刑事告発した「森友告発プロジェクト」、共謀罪に反対するイベントを街頭で繰り返している「共謀際」実行委員会有志、「ぶっ飛ばせ!共謀罪百人委員会」関東有志や個人などだ。つまり、安倍首相から指弾された「こんな人たち」による総辞職を求める街頭行動である。

7月2日投開票の東京都議会議員選挙で、自民党が史上最低の獲得議席で大打撃を受けたのに続いて、7月23日、仙台市長選挙で民進・共産・社民の野党連合のサポート受けた郡和子氏が当選した。この横浜市長選で自民・公明・連合神奈川が推す現職の林文子氏が落選すれば、安倍政権は決定的打撃をこうむるはずだった。

そのため、今回の緊急行動も横浜駅頭を選んだのだった。

「安」「倍」「や」「め」「ろ」のプラカードを掲げる市民たち

◆さびしい選挙最終日──三分裂の民進党系

開始時効前に横浜駅へ向かった。緊急行動が予定されていた相鉄口を探したが見つからない。周囲を歩いていると、高島屋前の広場で、林文子陣営が選挙キャンペーンをやっていた。

そろいのユニフォームを来た選挙スタッフだけは目立つものの、一般の聴取はものすごく少ない。スタッフがいなければ選挙運動最終日とはとても思えない静けさだ。

ちょうど、ステージに椅子を用意し、林文子候補と応援する国会議員の対談が始まろうかというタイミングだったのに、まるで静かである。

今回盛り上がらなかった背景には、民進党系が分裂していたことがある。る現職の林候補は、自民・公明・連合神奈川が支援した一方、対抗馬の長島一由候補も林伊藤大貴候補も民進党は支援できなかった。

カギになるはずの民進党が候補を一本化できずに分裂。さらに選挙戦の終盤になって、共謀罪の問題点を追及していた民進党の山尾志桜里衆院議員が林陣営の応援演説をするありさまたった。実質的に民進党が三分裂していたことになる。

結果は周知のとおり、林文子氏が当選した。

◆野党第一党に任せられない

場所を間違えて、林文子陣営の選挙キャンペーンの場に間違えて行った後、緊急市民街頭行動の場所を探した。そこからビルの中を抜けると小さな広場にたどり着き、長細い白地の厚紙に、「安倍内閣総辞職を求める全国一斉緊急市民街頭行動」と墨守されているのを見つけた。

その前には「安」「倍」「や」「め」「ろ」のプラカードが掲げられている。

思い思いのプラカードを持ってきた市民約30人がスタンディングをしていた。ミュージシャンも参加している。

始まる前から道ゆく人々が、めずらしそうにスマホで撮影したり、プラカードの文字を読む姿が見受けられる。無視されるのが普通だが、関心を持つ人の割合が高いことは、実際に通行人の様子を見るとよくわかる。

第一声は、経済学者の植草一秀氏。アベノミクスと騒いでいるが、実際には民主党政権時代の経済指標のほうがよかったことを数字をあげて訴えた。

また、消費税によって生活も商売も悪くなっていることを指摘し、「現行の消費税8%をまずは5%に戻せと主張すべき」と強調した。

次いでマイクを握ったのは、40年近く無所属候補の選挙ボランティアとして活動し、ここ十数年は野党系候補の応援ボランティアをしてきた斎藤まさし氏は「安倍政権はひどい。野党に期待できないこともわかりました!」と語りかけた。

全くその通りで、残念ながら、従来の野党に頼るだけでは、真の改革も政権交代もできないだろう。

経済学者の植草一秀氏。アベノミクスと騒いでいるが、実際には民主党政権時代の経済指標のほうがよかったことを数字をあげて訴えた

◆消費税廃止と原発即禁止で総選挙を闘え
 
私もマイクを握れと言われたので、率直にいま考えていることを話した。およそ次のような内容だった。

今日の安倍内閣総辞職を要求する全国緊急市民街頭行動は、安倍首相に「こんな人たち」と言われた人たちが主体だ。私からいわせれば、私たち政権を批判する市民が「こんな人たち」で、加計・森友で不正を行い特権階級を守ろうとする人たちこそが「あんな人たち」だ。

「あんな人たち」には負けられない。

野党に頼るのは無理、選挙新党を立ち上げて政権交代を目指すべきではないだろうか。その選挙戦では、第一に消費税廃止、第二に原発即禁止。この二大スローガンを、生活が苦しいと感じる6割の人に訴えていこうではないか。

1989年にはじめて3%の消費税が導入されて以降、日本経済も生活もおかしくなってきた。とくに3%から5%に消費税が増税された97年ころからデフレが始まり、格差が広がり、貧困が増大する一方だ。

消費税を廃止して、巨大企業や高額所得者、大資産家に対する大減税を止めてきちんと課税すれば、消費税よりはるかに巨額な税収を得られることは、様々な人が数字を挙げて指摘している。

……とこんな具合である。

格差が拡大して分断している今の日本では、中間層や一部保守層にも配慮した政策は、百害あって一利なし。差別され苦しい生活を押しつけられている6割の人々(非正規労働者、零細事業者、ひとり親、奨学金返済に苦しむひと、低賃金労働者など)のための政策を徹底的に訴えるのだ。

8月3日、安倍首相は内閣を改造してお茶を濁している。いま安倍首相がやるべきことは、総辞職である。

▼林 克明(はやし・まさあき)[撮影・文]
ジャーナリスト。チェチェン戦争のルポ『カフカスの小さな国』で第3回小学館ノンフィクション賞優秀賞、『ジャーナリストの誕生』で第9回週刊金曜日ルポルタージュ大賞受賞。最近は労働問題、国賠訴訟、新党結成の動きなどを取材している。『秘密保護法 社会はどう変わるのか』(共著、集英社新書)、『ブラック大学早稲田』(同時代社)、『トヨタの闇』(共著、ちくま文庫)、写真集『チェチェン 屈せざる人々』(岩波書店)ほか。林克明twitter 

愚直に直球 タブーなし!7日発売『紙の爆弾』9月号!さよなら安倍政権【保存版】不祥事まとめ25

 

 

  
ツイッターアカウントITOKENこと伊藤健一郎。この春、立命館大学国際関係研究科を修了し、見事博士の学位を習得した人物である。取材班は2016年8月23日伊藤への電話取材を行った。昨日に続き、そのやり取りの後編を公開する。

写真は伊藤健一郎本人のフェイスブックより

◆「あなたの別のものであるという見立て自体が現実離れしていて」

伊藤 田所さんはフリーライターとして、これ全然関係ない質問なんですが、在特会とかカウンターによる街頭活動の取材とかなさってなかったんですか?

田所 しています。

伊藤 C.R.A.C.のことを知らなかったということだから。

田所 私は読んでいただこうとは思いませんが、反在特会、反橋下については数十本コラムを書いてます。

伊藤 そうなんですか。
(中略)
伊藤 取材不足と言うか、ジャーナリストとしてカウンターの活動を在特会に対する反対運動だと認識したらカウンターの参加者の一部の話を聞きながら……。

田所 お言葉ですが、「カウンター」という言葉ができたのはここ十年も経っていないですよね。一方、反差別活動には長い歴史があるわけですよね。私は30年ぐらい反差別活動に関わっております。「カウンター」登場以前から何十年も反差別を研究していらっしゃる方もいるわけですよね。私はそういった方と昔からお付き合いがあって、在特会の現象についてもそういう方々にたくさんご意見や見解を伺うということはしました。その方々は高齢の方々が多いので、中にはいらっしゃいましたが、「カウンター」という言葉はほとんど使われないのですよね。「反差別活動」や「反民族差別」言われましたね。

伊藤 カウンターはだから反民族差別の市民運動。

田所 ですね、新しく出てきた。街頭での反差別活動に冠された名前ですよね。

伊藤 そのカウンター活動には何十年も反差別運動に取り組んできた方がたくさん参加しておられます。ですから反差別運動に関心がおありで、というのであれば、カウンターって2013年ぐらいからワイワイやってるわけで、今2016年で2年、3年あったわけで。

田所 私、関わり出したの1980年代くらいからですから。

伊藤 だからそれはすごく立派なことをなさって。

田所 いえいえ、立派なことなんて全然思っていません。私は古いんですよ。昔から地道に反差別の研究をなさってる研究者の方とか、その活動をしてる方には知り合いが結構いるんですね。

伊藤 すごく貴重な話を聞いてると思うし、当時の古くから運動なさってる方々とかの話を聞いたりして勉強させてもらってる立場なんです。このような「カウンター」っていう新しい、そして反差別運動は昔からやってる人たちもいて、その二つの間であなたの別のものであるという見立て自体が現実離れしていて。

田所 私、一言もそんなこと申し上げてないです。別のものだと一言も申し上げてないじゃないですか。新しく出てきた、さっきおっしゃた2013年くらいから街頭に出てきたのがカウンターだとおっしゃったのは伊藤さんですよね。

 

 

  
◆「カウンターのこと知らなさ過ぎるんじゃないのかなと」

伊藤 カウンターのこと知らなさ過ぎるんじゃないのかなと。反差別運動のことを書いているのにもかかわらず、カウンター組織じゃないのかなっていうのがあって、おそらく今回の私になんか聞こうとしたっていうのも、組織だって思ってらっしゃるんじゃ。C.R.A.C.WESTが一つの集団か何かと思っていらっしゃるのかなと思って。

田所 C.R.A.C.WESTというのは集団ではないんですか?

伊藤 集団じゃないです。それツイッターのアカウントの名前です。

田所 集団というのはいろいろな定義があると思うんですけれども。

伊藤 集合的な意思決定をしていないっていうことです。

田所 伊藤さんの定義では集合的な意思決定をしていないという意味においての集団ではない。

伊藤 連絡網的な物を持ってないです。名簿もないです。これはツイッターのアカウントだからです。

田所 ツイッターのアカウントがあるだけで、名簿もなければ連絡網もない。

伊藤 ツイッターのC.R.A.C.WEST、私が動かしていますが、それは単純に何処でカウンター行動がありますよということを告知するアカウントなんです(取材班注:これも嘘である関西に限らず全国に連絡網を持っていたことは「声掛けリスト」で証明されている)。

田所 ツイッターのアカウントがあるだけであって、そこでは告知をするだけがC.R.A.C.WESTの役割だと。

伊藤 メンバーシップとかないです。

田所 名簿とかそういうもが一切ないわけですよね?
 
(中略)
 
伊藤 全然わからない。

田所 その時誰が来たかもわからない。

伊藤 もちろん何度かやってますから顔見知りはいます。

◆「連絡網に類する物はあるんじゃないですか」

田所 そうですね。知り合いになることはあるとは思いますけれど、いろんなことで制約を設けて、「こういう人は来ないでください」とか、「こういう人は来てください」とかいう様な事は別になさっているわけではないということですよね。出入り自由だということですよね。私はお電話で教えていただいて初めて分かった。ある人からは取材した時に「C.R.A.C.は連絡網あるよ」ということを聞いたことはあるんです。「C.R.A.C.とはどういうところですか?」とたまたま話題になった時に、それはC.R.A.C.の方ではなくてもっと年配の方だったけれども、「一応の連絡網は設けてるみたいだよ」という話は聞いたことがあるんです。それは誤報なんですね。

伊藤 それはあるんじゃないですか。

田所 伊藤さん、ないとおっしゃったじゃないですか。

伊藤 僕はC.R.A.C.WESTの話をしてるんです。

田所 C.R.A.C.にはあって、C.R.A.C.WESTには連絡網はないと。

伊藤 WESTの話しかしてなかったんで。

田所 じゃあ、C.R.A.C.WESTには連絡網がないけども、C.R.A.C.には連絡網がある。私がC.R.A.C.に強い興味を持って、勉強しようと思えば取材します。しかし今C.R.A.C.の組織体とかC.R.A.C.の本体とか、それとWESTの違いとか、そういったことは私の興味の中にないわけですね。ですから細かい種類の違い、性質の違いとかようないうあたりのことも、それは別に大きな問題ではなくて、私に話してくださったこと、お伝えいただいたことが事実ではあるわけですね。だからC.R.A.C.には連絡網はあるわけですね。

伊藤 連絡網に類する物はあるんじゃないですか。

田所 C.R.A.C.WESTにはないわけですね。だから私が聞いたことは間違いではなかったということですね。伊藤さんがおっしゃっていることも間違いではないということですね。

 

 

  
伊藤 反差別運動の取材をしながらC.R.A.C.に関する、C.R.A.C.系の新しいカウンタームーブメントに対する反差別ムーブメントに対する取材がこれはされてないんじゃないのかなという印象は僕は持ちます。そしてそれは田所さんがとかそういうことじゃなくて、情報の制約がちょっと大きいんじゃないかなということを感じます。ツイッターで見てないということがかなり大きな原因になってるかとは思いますが(取材班注:田所は「余計なお世話だ!」と言うのを我慢して伊藤からさらなる情報をとろうとしたという)。

田所 それは今後の私の課題として有難いアドバイスとして承っておきます。

◆「知らないですね。被害者、あいつですか」

伊藤 最近カウンターも下火になってきてましたから、あまり現場でカウンターの取材をする機会もないかと思いますが、現場に来てみればいろいろ新しい発見もあると思いますが。

田所 はい、それも私に対する伊藤さんからのアドバイスとして、現場の方からのアドバイスとして、有難く承っておきます。ということで、累々お尋ねいたしましたが、伊藤さんからは私が要するに「現場を知らない」ということを今後の課題ということで最後に頂きましたが、私を「誹謗中傷」したと、私は「嘘つき」だということについては撤回していただけるということはご確認いただけますか。

伊藤 はい。

田所 では、ツイッター消してくださいね。

伊藤 探してみます。

田所 名誉毀損ですよ。あなたが撤回すると認めていただいたんですから。私を嘘つき呼ばわりしてツイッターまだ残っているでしょう。出てこないんだったら教えてあげますよこちらから。

伊藤 対応します。誹謗中傷の件について。

田所 何月何日のものかご検索いただけませんか? 今お手元にあるわけですよね。それから伊藤さんはご存知かどうかわかりませんが、野間氏はツイッターで被害者のことを誹謗中傷してその本名なり所属なりを公にするということで今提訴されてますよ。

伊藤 そうですか。

田所 ご存知ないですか?

伊藤 知らないですね。被害者、あいつですか。「M」か(取材班注:伊藤は「M君」の本名を語り「あいつ」と表現した。ここに伊藤の本心が現れている)。

田所 そうですね。

伊藤 M君の取材はなさってるんですよね?

田所 してますよ。情報が入ってきたからは、加害者、被害者両方から話聞かないことには記事書けませんから。

伊藤 加害者の人たちに取材とかなさっているんですか?

田所 ええ、私すぐ李さんに電話しました。だから李さんが書いてるツイッターを見て、あなたは私に対して「嘘つきだ」ということを言ってるわけでしょ。他にどこにもそんな発信ないですよ。

伊藤 李さん以外に取材は?

田所 していますよ、安田浩一さんとか。

伊藤 安田浩一さんは加害者じゃないじゃないですか。

田所 周辺の方にいろいろ取材しないとわからないでしょ。他の加害者の方はどこにいるかわかんないんですから。もしご存知だったら教えてくださいよ。ご存知なんですか、伊藤さんは?

伊藤 知らないですよ。知らないっていうかそれあの……(取材班注:伊藤は少なくとも加害者「エル金」とは連絡を取っていたのであるからこの回答も虚偽である)。

◆「そうですね、これ間違ってるので消します」

田所 私探してるけれども取材する連絡先がつかないのでね、取材できればぜひ取材したいと思ってますけれども、連絡先を探しても出てきませんから。
  
  

 

 

  
伊藤 あ、あった。僕が一つツイートしてるケースで、李信恵さんからC.R.A.C.関西のイトウからって、4月30日のツイートですね、今年の。李さんが「鹿砦社のライター、田所さんのことですね、C.R.A.C.関西のイトウの連絡先を教えろと言ったら東京から非通知だったので連絡先はわからない」て。

田所 だからそれが嘘なんですよ。

伊藤 そういうふうに李信恵さんが書いてるツイートがあるんですね。

田所 私「東京」からなんて一言も言ってませんよ。どうして非通知でかかってきたのにどこからかかってきたかわかるんですか。「かけてきた人間がC.R.A.C.関西のイトウと名乗ったんですが、その人がどこからかけてきたかはわかりません」と申し上げたんです。それ以外に私申し上げ方ありますか?

伊藤 それでいいんじゃないですか。

田所 そのことをもって、あなた問題にしてるわけでしょ。

伊藤 僕が言ってるのは、C.R.A.C.関西のイトウって、もしかして私? ていう反応を僕が書いてるだけですよ。これに関して。

田所 それが最初ですね。

伊藤 これは別におかしくないですね。C.R.A.C.関西のイトウから電話かかってきたって言ってるんだから。

田所 それが最初ですね。4月。

伊藤 あと、田所さんのことを書いた記事で発言してそうなのは……。7月……。1個ありますね、野間さんとのやり取りで、7月11日野間さんが「Mが私を訴えている裁判の原告側代理人も浅野健一さんの支持者らしい」浅野さんって「週刊金曜日」に書いてる方ですよね。そのやり取りがあって、「C.R.A.C.関西のイトウを名乗って、あちこちに電話かけていた不届き者」これは僕の事実誤認ですね。

田所 C.R.A.C.関西のイトウを私が名乗る必要がどこにあるんですか?

伊藤 これは事実誤認です。これは間違ってる。

田所 それいつですか?

伊藤 7月11日、だいぶ前です。

田所 事実誤認ですね、全くの。

伊藤 そうですね、これ間違ってるので消します。ツイッターのアカウントはお持ちじゃないんですか。

田所 私はツイッターはやりませんので持ってないです。

伊藤 じゃあ検索だけですか。

◆「むしろ相手の失言などの揚げ足をとる方早いかと」

田所 人が書かれたのを見ることはありますけど、自分のアカウントは持っていません。ちなみにこれもしご存知であればで結構なんですが、「男組」というのはまだ今でも存在してるんでしょうか?

伊藤 よくわかんないんです。「男組」はいるんじゃないですか。この前また再結成しましたと言っていたので、いると思いますよ。男組アカウントもありますし。

田所 男組はまだ活動なさってるんですね?

伊藤 沖縄行ってると思いますよ(取材班注:伊藤は「よくわかんないです」と言いながら「沖縄にいってる」ことを知っている)。

田所 C.R.A.C.も関西だけじゃなくて同じようにずっと活動なさってるんですね。中央のC.R.A.C.も活動なさってますよね。最近はさっきもおっしゃように在特会側がおとなしくなったから、あんまり街頭活動は関西ではそんなになさってないと。

伊藤 法律できたんで、その法律で引っ掛けるのが一番早いということで、過激なカウンターというよりはむしろ相手の失言などの揚げ足をとる方早いかと。

田所 戦術が変わったわけですね、法律ができたから。なるほど。

伊藤 安田浩一さんとはどれくらいの取材をしたんですか?

田所 30分位ですかね、電話でお話しさせていただいたのは。今回伊藤さんにお送りさせていただいたのと同じような質問状を送らせていただきまして、それについてのご回答は頂いてます。
 

 

 

 
伊藤 関西であとカウンターを取材なさってると言ったら、李信恵さんぐらいですか。西岡研介さんとかとも。

田所 西岡研介さんには質問状を送らせていただきました。

伊藤 お返事は頂きましたか?

田所 頂きました。

伊藤 その返事というのは、鹿砦社のホームページに公開されるんでしょうか?

◆「田所さんの論評というものも当然的外れなものになりますね」

田所 伊藤さんは公人ではありません。今大学院生でいらっしゃるんですよね。ですから今やり取りさせていただいたことは、活字にすることは致しません。公人やみなし公人、ジャーナリスト、研究者とか政治家とかそういう公人の方の見解は文字にさせて頂こうと思ってますけど。伊藤さんはあくまでも私のことをツイッターで言及されていらっしゃったのでね。ですからどうお考えなのかなということをお尋ねしたくて、質問状を送らせていただいたということです。(取材班注:取材文中では「伊藤は大学院生だから活字にしない」と田所は述べている。取材班も最初はそのつもりであった。しかし「説明テンプレ」や「声掛けリスト」を作成するなど組織的隠ぺいと、「M君リンチ事件」の正当化を図ろうと動き回った伊藤は、重大な責めを負うべき人間であるし、「#安寧通信」には実名で寄稿しているのでこの際やり取りの主要な部分すべてを公開する。伊藤健一郎博士! なにか文句があればいつでも鹿砦社へ連絡を寄こされよ。)

伊藤 さっき消しました。

田所 もうすでに消されました?

伊藤 はい。

田所 じゃあもう見られませんね。わかりました。ありがとうございました。では最後に確認ですけど、私が「嘘つきだ」ということを発信されたということについては、今はもう消していただいたこと、そのご認識も改めていただけたと。

伊藤 もちろんそれはもうあれは嘘つきではなかった。

田所 それから最初おっしゃった、原稿を書くにあたっては伊藤さんが過去『NO NUKES voice』に寄稿されたということを私が調べていなかったのは「私の取材不足だ」ということについても、それはそういうことではないとご認識いただけたと。

伊藤 それに関しては、私は仕方がないであろうと。田所さんは現時点での反差別運動に対する取材が不足しているのではという認識は変わりない。

田所 ご意見ですね。ただし私は敵対してるというふうにお考えですか?

伊藤 それは思いませんけど、あまりにも知らなさ過ぎるので、田所さんの論評というものも当然的外れなものになりますね。そうすれば書かれてる方としては、こいつはどういう意図でこういうことを書くのかというふうに類推するのはやむを得ないというふうに思います。

田所 おっしゃることのご意見は、伊藤さんがそういうふうにお感じになってるということを私も受け止めました。ありがとうございました。それでは大変長い時間かかって恐縮だったんですが、こちらが確認させていただきたいこと、それから伊藤さんもこちらからお尋ねしたことによって認識を改めていただいたこともあると思いますんで。

伊藤 特に改まってない。

田所 え? じゃあ私が嘘つきだとまだ思ってらっしゃるんですか?

伊藤 今、改めます。

田所 あなたのところに私が一時間も電話しているのは、あなたが私を「嘘つき」だということをツイッターで発信してるからですよ。

伊藤 それはもう認識を改めました。

田所 あなた改まってないと言うじゃないですか。

伊藤 改まってないというのは、田所さんがカウンターのことであったり反差別の現時点のことをあまりご存知ではないという認識は変わらないと。

田所 そのことを聞いてるんじゃない! あなたは私が「嘘つき」だという認識は改めましたねと聞いてるんですよ。

伊藤 それは改めました。同時に無知であるなというのは認識を新たにしました。

 

 

◆「言ってもないことを言ったと言われるのもすごい嫌ですよ」

田所 無知だとね。無知と今度はおっしゃるわけですね?

伊藤 先程から言ってることです。

田所 十分に知らないのではなくて、無知だということですね?

伊藤 十分に知らないということで、無知というふうに。

田所 十分に知らない。少し知っている。全く知らない。の中の、あなたは私を無知とおっしゃたわけですね。

伊藤 十分に知らないという意味で。

田所 いやいやあなた無知と言ったでしょ、私を。私は現在の反差別運動に対して無知だと明言されましたね。無知というのは何も知らないという意味ですね?

伊藤 それは私の言葉の誤りでした。

田所 どう改められるんですか?

伊藤 あまり知らない。あまり知らないままに書いているということです。

田所 伊藤さんの認識の中では、私は現在の反差別運動についてあまり知らないままに書いているという認識だということですね。

伊藤 はい。

田所 でも本音では無知だと思ってるから、そういう言葉が口に出るんじゃないですか?

伊藤 別にそれはどうでもいいんじゃないですか?

田所 どうでもよくないですよ。あなた無知って呼ばれて気分悪くなりませんか?

伊藤 私も気分悪くなってる。

田所 「嘘つき」と言われたら気分悪くなりませんか?

伊藤 なりますよ、そりゃ。

田所 あなた、私に対して2回も3回もやってるわけじゃないですか。

伊藤 言ってもないことを言ったと言われるのもすごい嫌ですよ。

田所 「嘘つき」とあなたずっと残してたじゃないですか。今日まで。

伊藤 それは本当に申し訳なかったです。

田所 その上にあなたさっき私のこと無知だって言った。 おい! まだ残ってるじゃないか! 「あ、間違えた。この電話番号はC.R.A.C.関西のイトウから聞いたとか言いながらリンダさんに電話してきた嘘つきですわ」って、消してないじゃないか、お前これ! おい。消したって言ったじゃないですか、あなた、私にさっき。

伊藤 7月11日のやつですよね。

田所 消したものがなぜ見られるんだ!

伊藤 7月11日の何時のやつですか?

田所 時間まで出るかい、そんなもん。いちいち私がそんなことなんで申告せなあかんの。君は消したって言うたやろ、私に対して。

伊藤 「この電話番号はC.R.A.C.関西のイトウから聞いたとか言いながら……」これあれや、2通あったみたいです。

田所 「これ、あれや」で済みませんよ、あなた。消したというふうにちゃんと申告したでしょう。

伊藤 申し訳ないです。

田所 私はあなたを信頼して、無いんだろうなと思って見たら残ってるじゃないですか、これ。

伊藤 申し訳ないです。

田所 あなた最初から私を「嘘つき」呼ばわりしておいて、消したといった書き込みを残しておいて、笑って、野間が笑って、挙句の果てに私は無知ですか。

伊藤 それはまた別の話なんで。

田所 別の話じゃない! 君は言ったこと誠実に履行してないじゃないか!

伊藤 申し訳なかった、このことに関しては。田所さんの名前は……

 

 

  
田所 おまけに最後にオマエ無知と言っただろう、俺のことを!

伊藤 ツイートに引っかからなかった。申し訳ない。もう少ししっかり見てみますね。

田所 注意してくださいよ、こういう表現を。あなた大学院生だからね、先程申し上げた通り記事にしないけれども。人を誹謗中傷、罵倒するのは、それなりの覚悟がなかったらダメですよ、あなた。

伊藤 情報に対してはすごく誠実にならないといけないと。

田所 迂闊すぎますよ、あなた。

伊藤 そうあろうと思っています。アドバイスありがとうございます。

田所 アドバイスじゃない、被害者からの申告ですよ。あなたによって「嘘つき」だと書かれたのが、4月に一番初めにあるわけだよね。7月だって一月以上ほったらかしにされてるわけでしょ、あなたのツイッターの中では。もうちょっと注意深くなるべきですよ、学徒としては。

伊藤 ありがとうございます。

田所 最後に私に対しての「嘘つき」だということを書き込んだということ明確に言葉でいいですから謝罪してください。

伊藤 嘘つきと書き込んで申し訳ありませんでした。

田所 それから、書き込みを消すと言いながら消していなかった事実についても再度謝罪してください。

伊藤 これは私は私が意図的に消し忘れたのではないですけれど。

田所 ミスにしたって残ってたわけでしょう。結果責任じゃないですか。

伊藤 ミスを犯してしまって申し訳ありませんでした。

田所 もう一回探しといて下さい、あなた、スクリーニングして。他にないかどうか。もう一度見直ししておいて下さいね。よろしいですか。

伊藤 はい。田所さんもよくカウンターのこと調べてから書いてくださいね。

田所 それは全然別のこと。私はあなたからさっき頂いたアドバイスは私についてのアドバイスだと受け取りましたと申し上げましたよね。私がこれからの課題ですから、受け取りましたと申し上げました。私はあなたに具体的にこれを削除してくださいとお願いしたことを、あなたは履行しなかった。

伊藤 履行しなかったからというか、ちゃんと、ね、はい。

田所 結果履行しなかったろう、オマエは!

伊藤 怒鳴らないで下さい。

田所 怒鳴るわ! こういうふうに怒鳴られながら、殴られながら、顔蹴飛ばされながら、病院送りになったわけですよ、被害者は。怖いでしょ、怒鳴られたら。嫌でしょ。

伊藤 嫌ですね。嫌だと思います。

田所 そういう目にあったんですよ、M君は。あなた電話越しだから私が何もすることないけれども、60発顔殴られたらどんな気持ちになりますか、あなた。あなた顔を蹴飛ばされたことありますか。

伊藤 無いですね。

田所 それをあなた何とも思わないんでしょ。

伊藤 何とも思いようもないですね。

田所 何とも思いようもないんでしょ。それが君の人間性だ。

伊藤 そりゃ嫌でしょうね。

田所 ありがとうございました。今後もしそのような書き込みがあった場合は、今回は口頭でお願いしましたけど、今後は口頭では済みませんからね。伊藤さんがツイッターにいろんなことを書くのは自由ですけれども、私について事実に反することを書かれた場合は一度は電話でご連絡差し上げましたけれど、二度目は口頭注意では済みませんよ。

伊藤 わかりました。

田所 では、失礼いたします。

 

 

 
と電話を切ったが、後日さらに田所に対する虚偽事実の書き込みが残っていたことが協力者から伝えられる。田所は再び伊藤に抗議し当該書き込みを削除させたが、伊藤の軽率さは修正されないようである。

(鹿砦社特別取材班)

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ツイッターアカウントITOKENこと伊藤健一郎。この春、立命館大学国際関係研究科を修了し、見事博士の学位を習得した人物である。取材班は2016年8月23日伊藤への電話取材を行った。その際のやり取りは詳細には明かさなかったが、のちに、伊藤は元鹿砦社社員の藤井正美へ「M君リンチ事件」を歪曲しながら、隠蔽を組織立って指示するメールを2015年3月31日に送信していたことが判明する(『反差別と暴力の正体』参照)。

写真は伊藤健一郎本人のフェイスブックより

電話取材を行った時点では伊藤のこのような関与は明らかではなく、以下ご紹介するようなやり取りが、1時間以上にわたり行われたが、この中でも伊藤は明白な虚偽をいくつも述べている。それだけでなく、お読みいただければお分かりだろうが、伊藤は極めて軽率な人間であり、記憶力にも疑問が生じる。

かつては「末は博士か大臣か」と言われたほどに博士号の取得は困難を極めた。いくぶんそのハードルが下がったとはいえ、博士の学位を手に入れるのは容易なことではない。ここにご紹介するように、伊藤は直前に自分が述べたこととまったく矛盾する内容で「駄々をこねる」。このような人間が書いた博士学位取得論文には実に興味があるが、先日の李信恵のツイッターでの虚偽に続き、いかに「しばき隊」の連中は平然と嘘を吐けるのか。ここで読者に新たにその証拠を提示しておく。

なお、取材文中では「伊藤は大学院生だから活字にしない」と田所は述べている。取材班も最初はそのつもりであった。しかし「説明テンプレ」や「声掛けリスト」を作成するなど組織的隠ぺいと、「M君リンチ事件」の正当化を図ろうと動き回った伊藤は、重大な責めを負うべき人間であるし、「#安寧通信」には実名で寄稿しているのでこの際やり取りの主要な部分すべてを公開する。伊藤健一郎博士! なにか文句があればいつでも鹿砦社へ連絡を寄こされよ。

◆「僕の名前出てきてましたよね」

田所 お邪魔いたします。伊藤健一郎様でいらっしゃいますか。私、鹿砦社の田所と申しますがお世話になります。

伊藤 こんにちは。

田所 お邪魔いたします。先だって私どもの代表取締役のほうから伊藤様へ「ご質問」と言う文書を送らせていただいたのですが、お手元に届いておりますでしょうか?

伊藤 いつ頃送られたものですか?

田所 8月5日です。

伊藤 ちょっと見てないですね。

田所 郵便で送らさせて頂いたのですが。

伊藤 ちょっと見てないですね。

田所 届いていないということですか。

伊藤 どう言った内容のものを送っていただいたんですか?

田所 私ども『ヘイトと暴力の連鎖』と言う本を出版いたしまして、それについて伊藤様がツイッターで発言をなさっていらっしゃいましたので、そのことについてお尋ねのご質問を送らせて頂きました。

 

 

  
伊藤 そうですか。その記事の方って言うか、一部は人に見せてもらったんですけど。

田所 記事とおっしゃいますと、その書籍のことでしょうか?

伊藤 ええ、そうです。あの本は田所さんが執筆されたんですか? 

田所 部分的に私が書いてるところもございますし、取材班ですので複数の人間が取材しております。

伊藤 僕の名前出てきてましたよね。

田所 私が出したのではなくて、李信恵さんが出されてるわけです。

伊藤 いえ、そうじゃなくて。取材班に「関西のイトウ」という者が電話してきたっていうふうに。

田所 はい、あれは私にです。

伊藤 田所さんは僕から電話受けたんですか?

田所 違います。李さんがツイッターに書かれたことは少し事実と違います。私が李さんに申し上げたのは、「非通知で電話がかかって来てその中で男性の方がC.R.A.C.関西のイトウという名前で話をされた」です。ですから李さんにお話を差し上げた時も最初に申し上げたんですが、果たしてそう人が本当に存在するのか、あるいはそういう団体があるのかもわからなかったわけです。ましてや伊藤健一郎さんを私は全然存じ上げてなかった。私に電話がかかってきたことは事実です。その内容が衝撃的でしたので、本当かどうかということを確認する必要があろうということで、李さんには取材のお電話をさせて頂いたのです。その時に李さんが、「C.R.A.C.関西のイトウと言うのはイトケンのことやろう」というふうにおっしゃったけども、イトケンと言われても私にはわからない。

伊藤 鹿砦社の方で執筆されてるんですよね。

田所 私はフリーです。フリーのライターです。

◆「僕に対する名誉毀損でしょ、それ」

伊藤 僕は鹿砦社に「C.R.A.C.WESTのイトケン」という名義で記事書いてるんですけど。

田所 鹿砦社のどこに書かれてるんですか?

伊藤 紙の爆弾です。じゃなくて、間違いました。ノーニュークスマガジン(取材班注:『NO NUKES voice』のことだと思わる)ていうのに一度記事書いてるんですけど。鹿砦社の方からなかったですか? イトケンっていうのはこの記事を書いてる人だよって。

田所 伊藤さんがお書きになってるわけですか? そこに。

伊藤 ええ、そうです。

田所 伊藤さんが『NO NUKES voice』に記事をお書きになってるんですか?

伊藤 そうです。

田所 伊藤さん、何号でしょう、『NO NUKES voice』。

伊藤 えっと、だいぶ前なんで、2004年とかなんで(取材班注:2014年の間違いと思われる。2004年に『NO NUKES voice』は存在しない)。

田所 2004年頃、その時に執筆いただいてるわけですね。

伊藤 そうです。そこでもカウンターの運動と差別運動に対する妨害をどうやってカウンターが、妨害に関する記事を書いているので、僕としては不可解だった。

田所 それでしたらそう思われるの無理ないですね。先程申し上げましたように私フリーで仕事しておりまして、ここ2、3号は『NO NUKES voice』にかなり関わっていますが、それ以前は数回寄稿した程度の人間です。

伊藤 それは田所さんの取材不足でしょ。「C.R.A.C.WESTのイトウを名乗る者」っていうふうに電話かかってきたんだったら、私の方に確認するべきでしょ、書く前に。

田所 どうやってですか?

伊藤 C.R.A.C.関西のイトウと名乗る者からって、僕に対する名誉毀損でしょ、それ。

田所 何が名誉毀損なんですか?

 

 

伊藤 読んだ人そう思いません? 読んだ人はC.R.A.C.関西の伊藤が垂れ込んだのかなって思うじゃないですか。

田所 非通知でかかってきたということを私は李さんに伝えましたよ。

伊藤 そういうことを僕に確認もせずに書くっていうことはどうなんですか?

田所 全ての媒体を全て読めということを私に要求されても世の中にある全てに目を通すことできませんよ。

伊藤 それは単純に田所さんの取材不足っていうことで、それ誰にでもあることですからいいですし、特に責めようとは思いません(取材班注:と言いながらのちに何度も同じ内容で伊藤は田所に絡んでいる)。

田所 鹿砦社の出してる媒体もたくさんありますし、私、鹿砦社だけで仕事してるわけではないので、今ご指摘いただいてそのこと初めて知りました。

伊藤 C.R.A.C.関西のイトウを名乗る者ですよね。

田所 連絡先を教えて下さらないわけですから、非通知で。私に言われたことの内容には事実誤認もあったわけです。正しいこともありました。どうして知ったのかということは記事上で明かしておかなければ、逆にそれはなぜかとなりますね。李さんに取材をさせて頂く際に「どこからこの話は出てきたのか」ということでご説明は申し上げた次第です。それで「お尋ね」は届いていないわけですね、伊藤さんのもとには。

伊藤 いえ、届いていないです。

◆「そもそもこの事件に全く関心がないです。関心だけでなく全く関係もないですね」

田所 では、そんなに大量ではないのでそこでお尋ねしたかったことを今教えていただきたいと思うのですが。

伊藤 大まかな内容を聞いていただければ。

田所 大雑把にお尋ねいたします。暴力事件があったということはご存知だと思うのですが、伊藤さんはいつ頃この事件についてお知りになりましたか?

伊藤 覚えてないです。そもそもこの事件に全く関心がないです。関心だけでなく全く関係もないですね(取材班注:完全な虚偽である、前述の通り2015年3月31日に伊藤は事件隠蔽と歪曲を指示するメールを鹿砦社元社員藤井正美へ送っている)。

田所 ご関係のないのはそうだと思うんですけど。

伊藤 C.R.A.C.関西のイトウって名乗ってる奴が何が言いたかったか知りませんけど。

田所 ご存知ではあるけどご関心はないわけですね、わかりました。

伊藤 個人の喧嘩でしょ。

田所 我々はそういうふうには捉えておりません。加害者の人たちも喧嘩だとは述べられておりませんね。加害三名の方はいずれも加害行為を認めていらっしゃいますので、喧嘩ではないですね。

伊藤 加害者の人はそう言って謝ったんですか?

田所 加害者の人は暴力を認めてるわけです。

伊藤 僕は加害者じゃないわ。

田所 伊藤さんが加害者だと私は一言も申し上げてない。「喧嘩でしょ」とおっしゃったので、喧嘩ではないと我々は理解してると申し上げてるだけです。

伊藤 わかりました。

◆「どうも思わない」

田所 このことについてご関心がないということですね。引き続き。李信恵さんはご存知ではございませんか?

伊藤 知ってますよ。

田所 李信恵さんは今在特会の元会長を相手取って裁判をなさってらっしゃいまして、もうすぐ判決だと聞いています。李信恵さんに刑事罰は下されなかったんですね。残りの二人の方が刑事罰を受けるということになりました。李信恵さんは「コリアNGOセンター」で事件の聞き取りを受けた時に、ご自身の口から「私が殴った」ということを明言されているんですね。このことについてはどうお考えになりますか?

 

 

伊藤 どうも思わない(取材班注:この「どうも思わない」は安田浩一、西岡研介らからも聞かれた言葉で、不都合な質問には「どうも思わない」と答えるように意思統一がなされているかのようだ。)。

田所 人に暴力を振るうことについて、伊藤さんは別にどうとも思われない、そういう理解でよろしいですか?

伊藤 それがどう状況で振るわれた暴力であるか、暴力と言うに至るものであるか、僕は知らないのでどうも言えないと思います。

田所 詳細が分からないので評価ができないと。

伊藤 暴力を振るうことに関して良い訳がないじゃないですか。暴力を肯定するのかという話かもしれませんけど、するわけない(取材班注:伊藤は「説明テンプレ」の中で必ずしも暴力を否定していない。「M君」には暴力が振るわれても仕方ない、と言わんばかりの主張を展開している)。

田所 暴力は肯定しないけれども暴力がどういう状況で振るわれたかわからないのでその答えについては……?

伊藤 どのような状況で振るわれた暴力かわからないし、暴力に至るかどうかわからないので何とも言えないと申し上げたんです。

田所 ですから判断保留ということですね。

伊藤 そうです。なので、もしどっかに書くんだとしたらそういうふうに書いてください。

◆「それは刑事罰が下ったんじゃなかったでしたっけ」

田所 わかりました。それではもう一名の方は一時間以上60発以上顔面を殴ったり、顔面を蹴飛ばしたりという暴行を加えてるんですね。被害者の方は一切抵抗していない中でです。この暴力についての伊藤さんの評価はいかがですか?

伊藤 それは刑事罰が下ったんじゃなかったでしたっけ。もうそれで終わりじゃないですか。

田所 このような暴力を伊藤さんはやはり是認しないと。

伊藤 ダメに決まってるでしょ。だから刑事罰を与えられたんじゃないですか。

田所 そういったことは許されないことだとお考えになると。

伊藤 もちろんです。

田所 許されないということですね。この時に刑事罰が下った方、2名いらっしゃるんですけれども、1時間以上にわたる暴力行為が行われている時にそれを横で制止をせずに見ていらっしゃった方が居るんですね。この行為についてはいかがお考えですか?

伊藤 どうも思わないですね。

田所 伊藤さんが仮にそこにいらっしゃっても別にお止めにはならない?

伊藤 私はそこに居たわけじゃないんで、どうも言えない。

田所 どうも思わないんじゃなくて、どうも言えない。

伊藤 何とも言えないですね。

田所 不自然とも思わない?

伊藤 何とも思わない。なんのこっちゃわからない。

◆「田所さんについて僕が書いたことってありましたっけ?」

田所 何のことかよくわからない。わかりました。最後にお尋ねなんですが、伊藤さんがツイッターで私に関する書き込みを行われたことがございますよね。

伊藤 同志社の大学事務で働いていて……。

田所 というようなことを含めてお書きになったことありますよね。

伊藤 田所さんについて僕が書いたことってありましたっけ?

田所 ありますね。

伊藤 田所さんの名前出してました?

田所 ええ。明示されてますね。

伊藤 あれ以降ですね、田所さん取材とかなさってて、李信恵さんの取材とか。

田所 その後ですね。「私が嘘つきである」という様なニュアンスの書き込みもなさっています。

 

 

 
伊藤 はい。一つリツイートですね。「東京から非通知の電話がありましたということを鹿砦社の田所さんが言ってるんです」それだけじゃないですか? 田所さん出したの。

田所 私の人物についての評価はそこに書かれていませんでしょうか?

伊藤 ないですね。ないと思いますけど。僕が一つ書いてるのは全く別の件で、SEALDs叩き、「SEALDsごときに選挙運動を頼れば」、みたいなことをと書いてある記事に関して、「その文章がヘタクソ」みたいなことを書いてるんですね。以上ですね。今過去のツイートを見てみましたが。

田所 SEALDs叩きは私の文章に対する評価ですのでいろいろな方がいろいろお感じになるんだろうと思いますので、そのことは別に構わないんですけれども。「嘘をついた」というような表現はありませんか?

伊藤 ないですね。……ちょっとお待ちくださいね。

田所 正確にご覧いただけますでしょうか。

伊藤 田所さん、下のお名前は?

田所 田所敏夫です。

伊藤 本名が○○○○さん。

田所 不思議ですね、それをなぜご存知なんですか?

伊藤 そのようにツイッターに書かれてるからです。

田所 誰がですか?

伊藤 野間さんが書いてます。

田所 私、野間氏にそのこと伝えた記憶ないんですけれど。

伊藤 わからない。どのような経緯があったかは。

田所 これは伊藤さんには関係ないことなので、別に伊藤さんにお伺いしようとは思わないのですが。

伊藤 あまりバレるとまずいことなんですか?

田所 いいえ、まずくないです。そうではなく、野間さんが書かれたことと今私が伊藤さんにお尋ねしてるのは別のことです。ただし、彼が私の本名を晒した元になるものは著作権違反のところから取ってきてるんですね。私の個人のプライバシーの問題もありますが、他者が著作権を持っているところから持ってきて書いているわけですね。著作権を持っている方に確認をしましたが「使用許諾は出していない」と。でもそれは伊藤さんには関係ないことで、そこからお知りになったということはわかりました。そのことで私について言及していただいたところで、私の人物についての評価をお書きになってませんか?

伊藤 僕、自分では確認できなかったんですけど、そうおっしゃるんであればどっかで書いたんでしょう。

田所 あったわけです。嘘つきというような形のことが書かれているのですが、そうであれば伊藤さんこそ私の方に事実確認を何故なさらなかったんでしょうか。

伊藤 だって私あなたを知らない。電話番号も連絡先も知らない。

田所 私は「デジタル鹿砦社通信」に寄稿する際メールアドレスを明示しています。あなたは先程ご自身が『NO NUKES voice』に寄稿したことを私が知らなかったことを「取材不足」だとおっしゃいましたが、そういうことをおっしゃるのであれば私はコラムにメールアドレスを明示してるわけですから、それをお調べにならずに一方的にお書きになるのはバランスを欠くのではないですか。

伊藤 僕、嘘をつかれてる方なんで。

田所 嘘をつかれている?

伊藤 それを書く方が言ったらダメなんじゃないですか。

田所 私の何が嘘なんですか?

伊藤 東京から非通知の電話があったというのは、そのC.R.A.C.関西のイトウなんですよね。

田所 私は「東京から」とは言ってません。どこからかかってきてるかわからない、と李さんには言いました。非通知ですから。

伊藤 イトウを名乗る者から電話があったと。

 

 

田所 それはありましたよ。あったから知ってるわけですからこういうことを。

伊藤 その記述っていうのは僕を指してる。

田所 なにをいっているんですか。イトウさんてのは山ほどいるじゃないですか。「伊藤さん」、「佐藤さん」なんてその辺に転がってるじゃないですか。あなたのお名前が特段のわかりにくい、あるいは特徴的なお名前だったら別ですよ。伊藤って言われてあなた個人、伊藤健一郎さんを私が特定することがそんなに容易なことですか?

伊藤 「C.R.A.C.関西」って特定されてますよね?

田所 わたしが「C.R.A.C.関西」といったわけではないです。

伊藤 あなたが知らないだけでしょ。

田所 だから私が知らないことを責められてどうするんですか?

伊藤 「C.R.A.C.関西のイトウ」っていうのを読む人が読んだら、「C.R.A.C.関西」っていう団体はないけど。

田所 「C.R.A.C.関西」という団体がないんだったら別に誤解も何もないでしょう。あなた私が嘘つきだということを主張してるわけですよ。撤回しませんね。撤回するんだったら今すぐに撤回しなさい。

伊藤 嘘つきって言ったのは申し訳なかったですね。

田所 じゃあ、嘘つきは撤回しますね?

伊藤 嘘つきじゃないけど……。

田所 いやいや明解に答えてください。嘘つきだというのは撤回なさいますね?

伊藤 撤回します。

田所 撤回なさいますね?

伊藤 はい。

田所 わかりました。では嘘つきと言われたことは忘れます。

伊藤 はい。ただ不誠実な人だなと思いましたよ。

田所 不誠実。どのような点で

伊藤 いい加減なことを書くなと思いました。ジャーナリストとして。

田所 いい加減なこと。具体的にどのようなことでしょうか?

伊藤 さっき言ったことです。C.R.A.C.関西のイトウと呼ばれる人物からっていうところです。

田所 事実だから事実を書いたわけですよ。

伊藤 そういうふうに書くと、それは読む人が読めば、ああ、C.R.A.C.WESTのイトケンだなというふうに判断します、というふうに僕は考えます。これは別に他の方に聞いてもらえばいいんですけど

田所 お言葉ですが、C.R.A.C.WESTを知ってる人間は伊藤さんが思ってるほど世の中たくさんいませんよ。

伊藤 だからさっきも言った通り、読む人が読めばって言ったじゃないですか。

田所 読む人が読めばっていう狭い世界でしかわかりませんよ。

伊藤 ええ。それ何人ぐらい狭い世界って判断されるわけですか?

田所 数値化してそれが多いか少ないかっていう無駄な議論をしても意味はないです。事実を書いたまでですから。

伊藤 でもこれを読んだ人の中にはきっといますよ。僕が裏切ったと考える人が。

田所 それはその方の勝手でしょう。

伊藤 いや、あなたがそういうことをやったんでしょ。

田所 私はあなたに確認すべきだったということがあなたの主張なわけですか?

伊藤 というかむしろそれって要するに一つの人権侵害ですね。僕が言ってもないことを言ったようにされてるんだから。

田所 どこにもあなただという特定はしてないでしょ。伊藤健一郎とどこにも書いてないじゃないですか。

 

 

  
伊藤 うんうん、苦しい言い訳ですね。

田所 どこが苦しいんですか? 伊藤健一郎さんのお名前を知ったのはそのずっと後ですよ。

伊藤 別にあなたが僕の名前を知ってないのは当たり前で、そのことを言おうとは思いませんよ(取材班注:このあたりから伊藤の論理は支離滅裂である)。

田所 ん? 逆のことおっしゃった。あなたは「取材不足だ」とおっしゃったじゃないですか、私に対して。『NO NUKES voice』にあなたが寄稿されたことがあるんだからそれを調べればわかる、とあなたさっきおっしゃいませんでしたか?

伊藤 言いましたよ。

田所 私、知りませんでした、そのこと。

伊藤 鹿砦社から出版されているものですからね。

田所 私、鹿砦社の社員じゃないですから。

伊藤 私はあなたのことをフリージャーナリストだとは知らなかったし。

田所 ご存じないでしょ。私もあなたを存じ上げない、あなたも私をご存じない。同じじゃないですか。

伊藤 興奮しないでください。

田所 興奮してないです。私は確認をしてるだけです。あなた私のことご存じなかったですね、今おっしゃったように。

伊藤 あなたが鹿砦社で執筆しているということは知っていました。

田所 でも私は伊藤さんが『NO NUKES voice』に過去書かれたということは知りませんでした。

伊藤 そのことは何も言ってないじゃないですか。

田所 いや、おっしゃいました、「取材不足、それを調べた上で私に確認をしてから書くべきだ」と。

伊藤 それは今も思ってますよ。

田所 あなた、言ってることが二転三転してますね。

伊藤 あなたが知らないことは仕方がないというふうに言ってます。知らなかったら調べればいいというだけのことを。

田所 知らなかったら仕方がないと今おっしゃったでしょ。知らなかったら仕方がないのに調べればいいって、それが矛盾してるじゃないですか。

伊藤 鹿砦社に居るんだから、鹿砦社の人に。

田所 違います。何度も言いますが私、鹿砦社の社員じゃありません。鹿砦社が年に何冊出してるか知りませんけど、フリーのライターがいちいち全部読みませんよ。

伊藤 鹿砦社の編集者の人って知らないんですか?

田所 編集をしてる人は知ってますもちろん。だけど編集してる人にいちいち一から十まで全部聞きませんよ、そんなもの。

伊藤 一から十まで聞かなくていいです。カウンターみたいなことをやってるC.R.A.C.関西のイトウみたいな名前のやつ人知ってる? みたいなこと言ったらわかるんじゃないですか?

田所 そういう人はいたようですけれども、就業時間中にツイッターばかりやっていた、あるいは人の悪口を書くというというようなことで解雇になったようなことを聞きました。過去そういう方がいらっしゃったということは聞いてます、噂として。ただそれ以上の社内の事情を私は社員ではないので知りません。ですから伊藤さんもおわかりになると思いますけれど、いわゆる非正規雇用の労働者と私は一緒です。正社員の方と同じようにいろいろなことを知ってるとか、裁量があるとかいうことは全く違うわけですよね。請負みたいなものですから、フリーライターは。ですから正社員と同じように全てのことを把握してるべきだという前提は、それはフリーライターに対して要求されても現実的に無理です。

伊藤 僕はその辺ちょっとわかってなかったですね。
  
  

 

 

田所 ですから先程ご指摘いただいたように、私が編集長であれば、ご批判は当たりますが、最初おっしゃったように「ここに前書いてあるのにあなたが知らないのはあなたの取材不足だ」と言われても。私のような立場の人間にそれを求められても、それは無茶です。(後編につづく)

(鹿砦社特別取材班)

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私は小なりと雖も、会社の経営者です。私の経営する出版会社「鹿砦社」には私以外に7人の正社員が日々一所懸命働いてくれています。また、取引先や、ライター、デザイナーさんらが私たちの会社の活動を支えてくれています。感謝に絶えません。特に、12年前の「名誉毀損」に名を借りた出版弾圧で壊滅的打撃を蒙った状態から奇跡的に再興できましたが、これもご支援を賜った皆様方の賜物です。

私たちは会社を芯から愛しています。7人の正社員も、私以上に会社を愛し、在籍している社員の勤続年数も長く、特段の事情がない限り転職・退社する者はいません(例外的に、M君リンチ事件隠蔽工作に関与したり就業時間に業務と無関係のツイッターやメールを行ったりして「特段の事情」で退社を余儀なくされた者が1人いますが)。

◆リンチ事件の処理・解決は正当に、社会的に全うになされなければなりません

また、私たちは、「カウンター」-「しばき隊」と自他称される人たちによる大学院生M君に対してなされた集団リンチ事件について被害者M君支援と真相究明に取り組んでいます。昨年春、偶然にM君と出会い、集団リンチ事件を知るに至りました。あまりにも酷い話であるうえ、この隠蔽工作に当社の元社員も絡んでいたり、それに気づかなかったという反省もあり、私たちは被害者支援・真相究明に取り組み始めたのです。このことについては、本「通信」6月10日号(私はなぜ「カウンター」-「しばき隊」による大学院生リンチ事件の真相究明に関わり、被害者M君を支援するのか)を参照してください。

まず、はっきり申し述べておかねばならないことは、私たちは決して加害者や、「カウンター」-「しばき隊」と称される人たちに私怨も遺恨もないことです。加害者5人には一度も会ったこともありませんし、私怨や遺恨が発生する原因がありません。ただ、実際に酷いリンチを受けた被害者M君の立場や気持ちが私たちとは違うことは当たり前です。いったん受け取った謝罪文を反故にされたM君の想いはいかばかりでしょうか。願わくば、M君の気持ちが悪い方向に行かないよう微力ながら寄り添うのが、年長者としての私たちの役割だと考えて日々彼と接しています。幸いに彼は、俊才な学徒ですから、怒りや憎悪の念を押し殺し前向きに自己の将来を考えているようです。

しかし、リンチ事件の処理・解決は正当に、社会的に全うになされなければなりませんし、きちんとすべきところはきちんとしなくてはなりません。常識的に見て、いくらなんでも、あれだけ酷いリンチを行って、謝罪文を反故にしたり、開き直り「リンチはなかった」などと吹聴したり、事件を隠蔽したりすることは絶対に許されることではありません。そうではないですか!? リンチ直後のM君の顔写真に象徴されるように現実にリンチは間違いなくあったのです。いずれ公開されるやもしれませんが、リンチの一部始終を録音した音声データもあります。それなのに、開き直れる感性が私には理解できません。

リンチ事件直後のM君の顔(『人権と暴力の深層』より)

昨年春から私たちは、裁判闘争を含めた被害者M君支援、事件の真相究明に取り組んできましたが、調べれば調べるほど、酷い話ですし、名のある著名人(国会議員、弁護士、学者、ジャーナリストら)が隠蔽工作に走っているのには驚くばかりです。

◆ここまで言われると私たちも黙っているわけにはいきません

私たちは、事件の真相究明の一環として、李信恵氏の裁判を支援する目的で発行されている『♯安寧通信』の分析を開始し、7月27日の「デジタル鹿砦社通信」(以下「デジ鹿通信」と略称)からコメントを出し始めました。評論、言論活動、表現行為として正当なものです。執筆者の性格で激しい表現も散見されますが、概ね的は射ているものと思います。

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[※上記◇箇所の文字は、裁判所の命で削除しました。(鹿砦社)]

李氏の言葉が汚いことは、この1年余りの取材や調査の過程で感じていて、「反差別」や「人権」を語る人がこんな言葉遣いをしていいのか違和感がありましたが、これは多くの方々も指摘されるところで、「鹿砦社はクソ」発言に極まった感があります。

李信恵氏の2017年7月27日付けツイッター書き込み

取材班の1人が怒りに任せ反論(「デジ鹿通信」7月29日号)を掲載いたしました。これに対して、またもや李氏は30日、酒の勢いと思われますが(同日はカウンター活動の後に仲間内で飲み屋に行ったことが確認されており、この後にツイートされています)、記事と写真の「削除」と「謝罪」を求めるツィートを発信しています。詳しくは、李氏のツイッターと「デジ鹿通信」の両方をご覧いただきたいと思います。

◆「人権」を蔑ろにする発言を軽々に行うことは厳に慎むべきです

私は会社の経営責任者として、「鹿砦社はクソ」とまで誹謗されて黙過することはできません。李氏は記事の「削除」と「謝罪」を求めておられますが、常識的に見て、ツイッターの「削除」と「謝罪」を求められるのは李氏のほうではないでしょうか。リンチ事件について、いったんは謝罪しながら、それを反故にした人ですから、これぐらいのことは屁とも思わないのでしょう。

李氏らは殊更、「反差別」「人権」という言葉を錦の御旗にしているわけですから、少なからずの社員やライターさんらが働き、これで生活の糧を得、また多くの取引先と商取引している会社を名指しして「クソ」発言はいかがなものでしょうか。「人権」を大事にすべき人が、「人権」を蔑ろにする発言を軽々に行うことは厳に慎むべきです。「鹿砦社はクソ」発言は、私たちや会社の存在を否定する言辞であり、私は会社の代表者として断固として抗議いたします。私の言っていることが間違っているのなら指摘していただきたい。

さらに李氏は警察に相談に行く(行ったと思われる表現もあります)ということですが、もし警察が李氏の話に耳を傾けるのなら、その前にリンチ事件についてまともに調べ直すべきでしょう。

◆「私はあなたの意見に反対だ。しかし、それを言う権利は死んでも守る」

なにかといえばすぐに警察や公権力に頼ろうとする姿勢は(それが重大事件であれば別ですが)、李氏も自称「フリーライター」ということですから、出版界やジャーナリズムに在る者としては失格です。「釈迦に説法」かもしれませんが、「私はあなたの意見に反対だ。しかし、それを言う権利は死んでも守る」というヴォルテールの有名な言葉をご存知ですよね? 

 

 

李氏らが時に用いる「仲良くしようぜ」とか「共生」などは空語としか聞こえません。なぜならば、「仲良くしよう」としても「共生」を求めても、彼女・彼らは、自分らと反対の意見の人には攻撃と排除しかしないからです。

さらに、李氏とその周辺の人たちは、自らに異を唱える人たちに集団で攻撃することは今更ここで挙げるまでもありません。その行為の中には人権侵害と思われる事例も少なくありません(証拠資料は多過ぎて整理できないぐらいです)。障害者の息子さんを持つ四国の自動車販売会社社長に対する攻撃は、国会議員の宣伝カーを使った自宅訪問までなされ、さらには最大の取引先のメーカーへの凄まじい電凸攻撃にまで発展しました。勤務する公立病院まで電凸攻撃された医者もいました。とても「人権」を大切にする者がやることではありません。

◆背後に度し難い〈タブー〉が存在している

私たちの出版社・鹿砦社は、1969年に創業して以来一貫して巨悪とタブーには断固たる姿勢で対峙してまいりました。そうした中で、出版社としてのスタンスを固めてきました。

くだんの大学院生集団リンチ事件には、背後に度し難い〈タブー〉が存在していることを、この1年余りの取材・調査で感じています。偽善者らも跋扈しています。偽善者――私たちが最も唾棄する徒輩です。口では「反差別」とか「人権」とか言いながら、その裏では、平気でリンチをやったり、それを隠蔽したりする人たちのことです。

私は「棺桶に片足突っ込んだ」(李氏の裁判を支持する鹿砦社の元社員のツイート)一老出版人であり鹿砦社は一小出版社にすぎませんが、私たちには私たちなりの矜持があります。間違ったことに「ノン!」と言えなくなったら、その時は、私が出版の仕事を辞め鹿砦社がただの出版社に堕す時です。

李信恵氏には、私たちへの謝罪はあえて求めません。謝罪は、李氏らが集団でリンチを加えたM君に行ってください。

大学院生M君リンチ事件加害者・李氏による「鹿砦社はクソ」発言をはじめとする鹿砦社に対する度々の誹謗中傷について鹿砦社の代表者として断固抗議し、李氏に対し重々な反省を求めます。

『人権と暴力の深層』カウンター内大学院生リンチ事件真相究明、偽善者との闘い(紙の爆弾2017年6月号増刊)

『反差別と暴力の正体――暴力カルト化したカウンター-しばき隊の実態』(紙の爆弾2016年12月号増刊)

『ヘイトと暴力の連鎖 反原連―SEALDs―しばき隊―カウンター 』(紙の爆弾2016年7月号増刊)

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