ハンドルネーム「こたつぬこ」こと木下ちがやとの一件については、勘違いしている向きもあるようですので、これについても事実に沿って申し述べておきます。

木下が田中を攻撃したツイート。のちに同様の攻撃をされる

木下も、自分に正直にあってほしいと思います。たかが査問されたりバッシングされたぐらいで腰砕けになったら情けないぞ。

しばらく前までは、逆の立場だったようで、例えば「世に倦む日々」田中宏和に対する攻撃的ツイートが残っていて、これを見れば、ずいぶん酷いことをやっています。逆の立ち場になると、攻撃された側の気持ちがわかろうというものです。

【12】「木下ちがやさんは『note』で、被告の『取材』の執拗さと自分がいかに追い詰められていったかを記載しています。」との記述について

木下ちがやは、清義明ともども、清が段取りし、あらかじめ約束を取り、私が上京し直接会って話を聞いた人物です。彼は終始上機嫌で自分から積極的に発言しました。

座談会での木下ちがや(奥)と清義明(手前)

最初の座談会はアルコールを入れず(飲酒なし)にコーヒーのみで真面目に行いました。彼は真正面からリンチ事件について憮然として自身の意見を率直に述べ、さらにその後、清が予約してくれた高級料理屋で友好裡に夕食を共にし、さらに三次会になるラウンジでの歓談にも夜遅くまで機嫌良く付き合っていただきました。これが「被告の『取材』の執拗さ」ですか? ちなみに、この時の費用(10万円余り)は全額は私が支払いました。

第5弾本発売直後の「無量光」なる人物からの激しいバッシング)

あえなく屈服した木下のツイート

第5弾本『真実と暴力の隠蔽』(153ページ~176ページ)にあるように木下は、私が「執拗」に「取材」したのでは決してなく、みずからの意志で積極的に発言されました。木下の見立てや歯に衣着せぬ意見には考えさせられることも多く好感を持ちました。

みなさん方も、これを「一般読者の普通の注意と読み方」で一読されたら、「被告(注:鹿砦社)の『取材』の異常さ」を感じるでしょうか? また、どこに「追い詰められていった」木下の姿があるのでしょうか? 木下を「追い詰め」ていったのは、李信恵さん、あなたたちではないんですか?

木下はM君に対するリンチ事件について、李信恵を批判する内容の発言を少なからず行ったことから、後日李信恵周辺の人物から、厳しい攻撃がありました。木下が関わるとされる政党に呼び出され査問されたのではないかとの噂もあります。この政党は、古くから反対派や批判者を激しく査問することでつとに知られています。木下を「追い詰め」たのは、李信恵と連携する者らによる、こうしたバッシングだったのではないでしょうか。

木下が発言した内容は、削っている箇所はあっても(座談会は長時間に及び、かなりの分量になりましたので、掲載したのはこの半分ほどです)、恣意的に加筆はしていません。求められれば、いつでも録音全部を公開しても構いません。もっとディープな発言もあります。

木下から鹿砦社への抗議文

編集段階から木下の発言が、出版後李信恵らの批判に晒されるであろうことは予想できなかったわけではありませんが、木下も、それなりに名の有る「知識人」で立派な著書も数冊あり、根拠のない発言はされていませんし説得力のあるものです。以後の批判も予想されていたかと思いますし、それぐらい耐えられるものと考えておられたのではないでしょうか。

繰り返しますが、私たちは公式に取材の場で木下が語ったことを原稿化したまでです。しかし残念ながら木下は周囲からの激しいバッシングに耐えられず、謝罪、発言撤回に至ります。

真っ当な政治学者で思想問題を扱う「知識人」なら「武士に二言はない」と言って突っぱねて欲しかったところです。発言は表向き撤回しても、座談会での発言は木下の本音だったと推認いたします。

以降私たちは「デジタル鹿砦社通信」で木下への言及は行っても、木下の立場に配慮し直接の接触や取材は行っていません。

ただ第5弾本『真実と暴力の隠蔽』発行後、唯一の連絡の類は、木下や私たちへのバッシングが一段落した頃に、取材協力者全員に謝礼として百貨店の商品券を簡易書留で送付しただけです。

取材協力者の中には「これは受け取る筋合いではない」と商品券の受け取りを固辞された方もおられましたが、木下は鹿砦社が送った商品券を受領されています。

伊藤大介のFB。松岡が「諸悪の根源」ということです

池田幸代(元・福島みずほ秘書。しばき隊メンバーと昵懇で福島秘書を解雇される)のツイート。「法的措置」はどうなりましたか?

上記が嘘偽りのない事実であり、木下が私たちに対し本気で怒っているのであれば、その相手から送られた商品券を受け取ることなど、常識的には考えられません。「こんなもん、受け取れるか!」と直ちに送り返せばいいだけです。

いずれにせよ、李信恵自身に不都合な事実は、歪曲や捏造で誤魔化そうとして、周囲の人間を用いてSNS上での“印象操作”を行うのが李信恵の基本的な行動パターンです。それに加担した人物として李信恵代理人の神原、上瀧両弁護士も挙げることができるでしょう。

また、「原稿チェックをさせなかった」という批判もありました。第5弾本『真実と暴力の隠蔽』には他に、この座談会を手配し参加してくれた清義明、中川淳一郎、凜七星、三輪吾郎らへのインタビューも掲載しているが、全員事前の原稿チェックはしませんでした。文句を言う方はいません。

これには、第3弾本『人権と暴力の深層』で、津田大介に電話インアビューした際、リライト原稿を見せてほしいということで送ったところ、全面的に書き換えられておりインタビューした際のぶっつけ本番のやり取りのリアリティがなくなっていたという苦い経験があったからです。時々、政治家のオフレコ発言が暴露されて問題になることがありますが、畢竟こういうことです。

くだんの座談会、私は新幹線代を使い関西から上京し、座談会からラウンジまで大金を使いましたが、遊び半分でやったんじゃないんですよ。私は思うところを責任を持って発言しました。木下も、新進気鋭の若手政治学者、「知識人」として責任ある発言をしたのではないんですか? 発言したことはみな虚言だったのですか?

ちなみに、その後木下は、木下や神原、上瀧弁護士らが支持する政党系列の出版社から著書を出版しています。発言を取り消し李信恵に謝罪した“ごほうび”でしょうか。(本文中敬称略)

《関連過去記事カテゴリー》
 M君リンチ事件 http://www.rokusaisha.com/wp/?cat=62

Amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B07CXC368T/
鹿砦社 http://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000541

◆中部電力とJR東海──東海道新幹線の3倍以上の電力を消費する国策リニア新幹線

浜岡原発再稼働については目立った具体的動きはない。従って県民の再稼働に対する関心は川勝平太静岡県知事の度々の慎重論発言もあって、年々低下しているのが現状である。現在の県政における最大の課題は、新コロナ禍(5月5日現在)であり、JR東海が建設中のリニア新幹線問題である。リニア新幹線は、東海道新幹線の3倍以上の電力を消費すると言われ、その電源として浜岡原発再稼働が必要であるとのことから全くリニアと浜岡原発は無関係とはいえないが、現状ではその関係を中電もJR東海も表面には出していない。

浜岡再稼働への動きが低いと言っても全く無いわけではない。中部電力の勝野社長は、地元新聞の年頭のインタビューで「正念場を迎えている」「最大の課題である基準地震動と基準津波が決まれば、先行他社の工程に乗って、スムースに進む」としている。しかし、2月4日の静岡地裁での口頭弁論では、「原告主張に対する反論はなく、主張も何ら科学的論拠がない」と弁護団は批判している。浜岡原発が、南海トラフ巨大地震の影響を最も受けやすい原発であり、その巨大地震の規模も予想できない中での基準地震動と基準津波など意味があるはずもない。世界で最も危険な原発であることに変わりはない。中部電力は、再稼働へ向けての直球は投げてはいないが、講演会(中部原子力懇談会主催など)、原発見学会、マスコミなどにより宣伝を行っている。

◆「原発」を争点にしなかった御前崎市の市長選挙、市議会選挙

このような中で浜岡原発立地市である御前崎市の市長選挙、市議会選挙が4月12日投開票のもと行われた。原発に反対する市民運動団体、それに対する推進派の中部電力などの注目を集めていたのであるが、「原発」問題は争点として市長戦においても市議選においても全く俎上に上らなかったのである。候補者が原発問題から逃げ出してしまったのである。結果は、反原発の議員は2人、市長は口には出さねど再稼働推進である。共産党は、もともと基礎票が足りない中2人を立候補させたが共倒れとなった。

市議選には、昨年12月に行われた大規模産廃処理施設建設を巡っての住民投票の実施がある。大規模産廃処理施設は、すでに市長(4月選挙で再選)が業者との間に議会の同意もなく許可を与えたものであるが、市民の間から反対運動が起こり、それが予想以上の運動に発展し最終的に住民投票に持ち込まれ、12月に実施されたものである。結果は、圧倒的反対多数(90.20%)で産廃処理施設が拒否された(投票率60.81%)。この背景には産廃施設が、低レベルの核のゴミ処理を狙うものとしての市民が警戒したものの結果ではないか。

今まで御前崎市民は、こと原発問題となると口をつぐみ思うことがいえないことを強いられてきた。市議会も一部の議員に牛耳られ自由にものが言えない雰囲気の中で推移してきた。産廃住民投票は、過去の閉塞状態を打ち破ったといえる。従って、共産党が2人候補者を立てたのもうなずける。

市長選挙では反対運動を進めてきた女性候補が立候補し従来と比較すると大幅に票を伸ばしたが、選挙時点では産廃反対に転じていた現職の市長には及ばず惜敗した。産廃賛成派として議会を牛耳り、市長おも上回る力を持っていた(?)グループは、議員数、票数を大幅に減らした。この点から見れば多少御前崎市政も僅かながらも民主化が進んだといえる。しかし、御前崎市の財政状況は極めて悪く、過去に箱物を作りすぎた付けが大きな負担となっている。この点を今後再稼働推進の大きな宣伝材料として市民に流布されることが予想され、如何にしてここを突破していくのか我が方にとっても大きな課題となっている。

◆全機停止9年目の浜岡原発の再稼働とリニアの繋がり

浜岡原発は、福島事故当時の首相菅直人の要請によって全機が停止し今年の5月で9年目を迎えた。マスコミは毎年5月になると周辺市町など首長に対し浜岡再稼働についてのアンケートを行っているが、5月12日発行の朝日新聞記事のアンケ結果では、31Km圏内(静岡県では30圏ではなく31Km圏としている)の11市町のうち4市長が反対、賛成はゼロと出たがこの結果は昨年までのそれと変わりは無い。御前崎市長は、「議論する段階ではない」と逃げに回った。知事は5月12日の記者会見で、「再稼働」して事故が起きたら大変なことになる。現状を知れば動かない。動くことはない」と述べたとしている(毎日新聞)。

浜岡再稼働と関連があるのかもしれないリニア問題は、県・大井川水系の市町とJR東海が真っ向から対立し、JRはトンネル工事に着手できずこのままでは予定の開通に間に合わないといわれている。そこで国交省が調停に乗り出し有識者会議なるものを設置しそこでのJR東海の金子社長が「県は実現困難な課題を示している」と発言。これに対し県知事は、関係自治体(多数が浜岡原発30キロ圏内)と連盟で抗議文を国交省に提出し益々対立を深めることとなった。リニアのトンネルを掘ることにより大井川の地下水流が変わり下流域は水不足となることはほぼ確実視されている。県と関係市は、これを許さず当然のことながら現状通り全量確保せよと主張している。このことを指して「実現困難な課題」と金子社長が発言した。もともと国交省のつくった「有識者会議」など中立であるわけがなく、事実県の推薦する有識者は一人も入らなかった。原発と同様にリニアは国策、そしてJR東海の2代目葛西敬之元社長はアベのお友達であり「有識者会議」が静岡県民を無視することはほぼ間違いないだろう。

川勝県知事は、浜再稼働再稼働について「県民投票で」と度々発言しており、そこへ国策であるリニア問題が絡み今後原発問題がどのように展開していくのか、情勢分析をしっかりし、的確な方針で反・脱原発を県民に浸透させていかねばならない。ちなみに、来年7月には知事選挙がある。

▼鈴木卓馬(すずき・たくま)
浜岡原発を考える静岡ネットワーク(浜ネット)代表。浜ネットは1997年結成、個人会員約300名、団体(労働組合)5。代表の鈴木卓馬は、3代目、全労協系労組出身。他に「浜岡原発とめます本訴の会」(会員約500名)を2002年立ち上げ、現在は東京高裁で運転差し止め訴訟継続中。

6月11日発売開始!〈原発なき社会〉をもとめて 『NO NUKES voice』Vol.24 総力特集 原発・コロナ禍 日本の転機

『NO NUKES voice』Vol.24
紙の爆弾2020年7月号増刊
2020年6月11日発行
定価680円(本体618円+税)A5判/148ページ

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総力特集 原発・コロナ禍 日本の転機
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[表紙とグラビア]「鎮魂 死者が裁く」呪殺祈祷僧団四十七士〈JKS47〉
(写真=原田卓馬さん

[報告]菅 直人さん(元内閣総理大臣/衆議院議員)
原子力とコロナと人類の運命

[報告]孫崎 享さん(元外務省国際情報局長/東アジア共同体研究所所長)
この国の未来は当面ない

[報告]田中良紹さん(ジャーナリスト/元TBS記者)
コロナ禍が生み出す新しい世界

[報告]鵜飼 哲さん(一橋大学名誉教授)
汚染と感染と東京五輪   

[報告]米山隆一さん(前新潟県知事/弁護士/医師)
新型コロナ対策における政府・国民の対応を考える

[報告]おしどりマコさん(芸人/記者)
コロナ禍は「世界一斉民主主義テスト」

[報告]小野俊一さん(医師/小野出来田内科医院院長)
新型コロナ肺炎は現代版バベルの塔だ

[報告]布施幸彦さん(医師/ふくしま共同診療所院長)
コロナ禍が被災地福島に与えた影響

[報告]佐藤幸子さん(特定非営利活動法人「青いそら」代表)
食を通じた子どもたちの健康が第一

[報告]伊達信夫さん(原発事故広域避難者団体役員)
《徹底検証》「原発事故避難」これまでと現在〈8〉
新型コロナウイルス流行と原発事故発生後の相似について

[報告]鈴木博喜さん(ジャーナリスト/『民の声新聞』発行人)
コロナ禍で忘れ去られる福島

[報告]本間 龍さん(著述家)
原発プロパガンダとは何か〈19〉
翼賛プロパガンダの失墜と泥沼の東京五輪

[インタビュー]渡邊 孝さん(福井県高浜町議会議員)
(聞き手=尾崎美代子さん
関電原発マネー不正還流事件の真相究明のために
故・森山元助役が遺したメモを公にして欲しい

[報告]三上 治さん(「経産省前テントひろば」スタッフ)
僕らは、そして君たちはどうたち向かうか

[報告]平宮康広さん(元技術者)
僕が原発の解体と埋設に反対する理由

[報告]板坂 剛さん(作家・舞踊家)
《対談後記》四方田犬彦への(公開)書簡

[報告]佐藤雅彦さん(翻訳家)
令和「新型コロナ」戦疫下を生きる

[報告]山田悦子さん(甲山事件冤罪被害者)
山田悦子の語る世界〈8〉
東京オリンピックを失って考えること

[報告]再稼働阻止全国ネットワーク
コロナ禍で自粛しても萎縮しない反原発運動、原発やめよう
《全国》柳田 真さん(再稼働阻止全国ネットワーク・たんぽぽ舎)
《六ヶ所村》山田清彦さん(核燃サイクル阻止一万人訴訟原告団事務局長)
《東北電力・女川原発》日野正美さん(女川原発の避難計画を考える会)
《福島》黒田節子さん(原発いらない福島の女たち)
《東海第二》大石光伸さん(東海第二原発運転差止訴訟原告団)
《東電》武笠紀子さん(反原発自治体議員・市民連盟 共同代表)
《規制委》木村雅英さん(再稼働阻止全国ネットワーク)
《関電包囲》木原壯林さん(若狭の原発を考える会)
《鹿児島》向原祥隆さん(反原発・かごしまネット代表)
《福島》けしば誠一さん(反原発自治体議員・市民連盟/杉並区議会議員)
《読書案内》天野恵一さん(再稼働阻止全国ネットワーク)

私たちは唯一の脱原発雑誌『NO NUKES voice』を応援しています!

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0898Z7NH5/

私たちは、李信恵らによるM君リンチ事件を隠蔽しようとする著名人にも直撃取材や対面取材、電話取材を行ってきました。出版社として当然の取材で、長年やって来たものです。李信恵らが、批判者らにやっている恫喝ではなく、あくまでも取材として行ったもので、他の出版社や雑誌がやっていることと同類のことです。決して特異なものではありません。

李信恵「陳述書」3ページ目

同 4ページ目

ここで、李信恵らと関わる著名人らが登場します。以下、コメントしておきます。

【10】「岸(政彦)先生は、被告(注:鹿砦社)が『リンチ事件』と称する暴行事件に関して、事実関係も何も全く知らないのです」との記述について

取材班の直撃取材に狼狽し逃げ惑う岸政彦教授

完全な虚偽です。岸政彦(当時龍谷大学教授)は、「李信恵さんの裁判を支援する会」の事務局長を務めており、事件直後コリアNGOセンターが加害者に行った聞き取り調査に同席しています。李信恵さん、そうではないですか?

加害者の口から(その内容の正確性はともかく)事件についての何らかの情報を、事件後早期に知った人物の一人だということは間違いないでしょう。何より、龍谷大学の研究室で岸教授は、「事件について知らない」とは述べておらず「今ちょっと言えないんですよ」などと言葉を濁しながら、取材者を暴力的に研究室の外へ押し出しました。岸教授が事件と無関係であれば、取材者に体をぶつけるという行為までに及ばないでしょう。「私は関係ないし、知りません」と冷静に述べれば済むことです。取材者は、なんら荒い言葉を用いるわけでもなく(録音で記録していますのでいつでも公開できます)、岸教授の要請に沿ってIDの撮影にまで応じているのです。

直撃取材に狼狽し逃げ惑う岸政彦教授。「李信恵さんの裁判を支援する会」事務局長なら堂々と答えよ!

このように事あるごとに〈嘘と誇張〉を弄し事実を捻じ曲げるのが李信恵の特徴です。この点、5冊の本や他の資料の精査においても、みなさんにも裁判所にも是非充分注意していただきたく望みます。

【11】「そのほかにも金明秀関西大学教授や、師岡康子弁護士、ジャーナリストの安田浩一さんなど、私の裁判を支援してくれた人たちに対しても『取材』していました。」との記述について

一流大学教授の文面とは思えぬ金明秀教授の恫喝ツイート。恫喝ツイートを発信したり暴力を振るう者を放置する関西学院大学の罪は大きい

金明秀教授や、師岡康子弁護士、安田浩一らは、李信恵が述べるように、彼女の裁判に対する熱心な支援者であったようです。と同時にM君へのリンチ事件隠蔽についても熱心な動きをしていた人物です。

金明秀教授は「泥酔して」(本人談)リンチ被害者M君の名前をツイッターに書き込んだ人物です。このツイートで、M君、特に当時付き合っていた女性に恐怖を抱かせノイローゼにさせたとのことです。さらには勤務先の同僚教授に暴力を働き、被害者の教授はユニオンと共に闘っています。金教授は勤務先の大学から何らかの処分を受けたようです(が、勤務校が明らかにしないので詳細はわかりません)。さらには木下ちがやにも暴力を働いたことを木下本人が認めています(第5弾『真実と暴力の隠蔽』156ページ)。

師岡康子弁護士は『ヘイト・スピーチとは何か』(岩波新書)の著書もある反ヘイト・スピーチ運動の理論的支柱ともいうべき弁護士ですが、M君とも親しかった金展克に驚くべき内容のメールを送付したことが第5弾本『真実と暴力の隠蔽』刊行直後に金展克が当該メールを公開し明らかになっています。到底「人権」を語る弁護士の発言とは思えない無理筋な内容で、泣き寝入りを求め事件隠蔽を金展克に教唆した人物です。一部引用しておきます。――

師岡康子弁護士と神原元弁護士

「その(注:ヘイト・スピーチ規制法制化の)取り組みが日本ではじめて具体化するチャンスを、今日の話の告訴(注:リンチ被害者M君による加害者の李信恵らへの告訴)が行われれば、その人(注:M君)は自らの手でつぶすことになりかねません。(中略)その人は、(中略)これからずっと一生、反レイシズム運動の破壊者、運動の中心を担ってきた人たち(注:李信恵ら)を権力に売った人、法制化のチャンスをつぶしたという重い批判を背負いつづけることになります。そのような重い十字架を背負うことは、人生を狂わせることになるのではないでしょうか。」

頭の中が倒錯していると言わざるをえません。「重い十字架を背負う」のはリンチ加害者の李信恵らでしょう。リンチの加害者が「反レイシズム運動の破壊者」というのならまだしも、なんで被害者が「重い十字架を背負」い「反レイシズム運動の破壊者」になるのでしょうか? そうならないために泣き寝入りを求めるとは常識的には到底考えられません。

これが「人権」を標榜する弁護士の言い草か!? 存在を噂されながらも、ようやく公になった「師岡メール」

安田浩一は、李信恵と個人的にも昵懇で、リンチ事件の隠蔽活動の中心人物であることが、取材を進める中で分かってきましたが、事件周辺にいた人物として、また被害者・加害者双方を知る人物として重要な人物です。さらには鹿砦社主催の講演にも招いたりしたこともあり、リンチ事件を私たちが知るまでは関係は悪くはありませんでした。私たちがリンチ事件の存在を知らないうちは、水面下でいろいろ蠢き、ベロを出していたのを思うだに不愉快になります。

ですから、安田にリンチ事件への感想を聞くのは当然中の当然、取材の基本であり、安田への取材を仮に行わなければ(その結果どのような出版物や原稿が完成しようとも)充分な取材が果たされた記事とは言えません。さすがに安田も「ジャーナリスト」の端くれ、これまでの私たちとの関係を思い出したのか、回答書を送ってくれ、電話取材にも応じてくれました。この点は私たちも評価し、逃げたり回答をしない者らとは区別していることを書き添えておきます。

しかし、今回、あらためて彼の発言や回答書を読み直してみると、やはり大いに疑問を感じます。

安田は、リンチ事件をその直後から知っていたが、ずっと黙っていました。それは李信恵との個人的に昵懇の間柄もあってかどうか、あるいは李信恵周辺の人たちと事件隠蔽で意志統一していたのかどうか分かりませんが、取材班の電話取材に対し彼は、「なんでそんなことに興味を持つのですか。仮に少し暴力があっても昔の新左翼の内ゲバみたいなものではないと思います。こんな些細なことに拘っていたら運動に分断を持ち込むだけです」と言い、さらには「ひょっとしてこれ『紙の爆弾』に書かれるおつもりですか。松岡さんの意趣返しのようなつもりで」と語ったそうです(録音が残っています)。

「運動に分断を持ち込む」とか「意趣返し」とか私には理解できません。事件の真相を追及することが「運動に分断を持ち込む」とでも言うのでしょうか? 「意趣返し」? 意味不明です。 

また、回答書では、「あたかも『大事件』のごとく騒ぎ立てる意図が私にはわかりません」と書き記し私たちの活動を批判しながら、他方で「繰り返しますが、M君の被害を過少に捉えているわけではありません」と矛盾したことを言っています。

安田の矛盾した言説はまだあります。

「私自身はM君の被害を無視しているわけではありません。M君が受けた精神的、肉体的な苦痛に対し、早い段階で私から何かできることがあればと、悔やんでいるのは事実です」

としながら、「一方、加害者の側は法的処分のみならず、社会的制裁も受けてきました。仕事を失った者がいます。ネットを通じたヒステリックな攻撃により、心身の偏重をみた者もいます」と李信恵ら加害者たちを擁護することも忘れてはいません。そうして、「『ヘイトと暴力の連鎖』もまた、そうしたネットの暴力を増殖するに十分であったと考えています」と、ここでも理解不能なことを書き記しています。この時点ではまだ第1弾の『ヘイトと暴力の連鎖』を発行しただけで、これを同封して質問書を送付したのですが、李信恵の間近にいて解決のために動ける立場にいながらリンチ事件から1年以上も放置し、この程度の浅薄なことしか言えないのでしょうか。安田よ、「ジャーナリスト」である前に人間であれ!と苦言を呈しておきます。

安田はフリージャーナリストとしての道は平坦ではなかったようですが、『ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて』でブレイク、この本で日本ジャーナリスト会議賞、講談社ノンフィクション賞を受賞し、ようやくジャーナリストとしての地位を築きます。

この『ネットと愛国』、確かによく出来ていて、ネトウヨ活動家やその自宅をアポなしで直撃するという手法を採っています。なあんだ、私たちと同じではありませんか!? 李信恵らは、私たちの取材手法を「恐怖を感じた」などと非難してやみませんが、ならば安田浩一の取材手法はどうなんですか? 自分らの仲間の取材手法はよくて、鹿砦社の取材手法はダメということですか? ずいぶんご都合主義ですね。当事者に直撃取材するということはノンフィクションの取材の基本で、安田もやっているように、決して特異なことではありません。(本文中敬称略)

左から、安田浩一、松岡、浅野健一。「浅野健一ゼミin西宮」(主催・鹿砦社)にて。この時の様子は、浅野編『冤罪とジャーナリズムの危機』に収録されている

 

《関連過去記事カテゴリー》
 M君リンチ事件 http://www.rokusaisha.com/wp/?cat=62

Amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B07CXC368T/
鹿砦社 http://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000541

 

『紙の爆弾』7月号本日発売 !

第3弾目となるコロナ禍と安倍政権の失政である。緊急事態の終結が宣言され、まがりなりにも「収束」の兆しが見えはじめた今、といっても東京ではここ数日二桁の感染者が出ているのだが、いずれにしても第2波、第3波のパンデミック襲来にそなえて、防疫失敗の総括を行なうべきであろう。本号は「専門家会議」など危機管理の「司令塔」となったシステムに焦点をあて、その信頼性を検証するものとなっている。以下、わたしの好み・興味のおもむくまま寸評していこう。

野田正彰(構成・本誌編集部)の「政府・専門家会議・マスコミ 素人たちが専門家を僭称して」は、まさに「専門家」の知見のなさを暴露したものだ。傷口(罹患による症状の確認)の状態を差し置いて、原因(どこで発生したウイルスか)の確認に走った段階で、厚労省も日本医師会も「論理の踏み外し」があったという指摘には、溜飲を下げないわけにはいかない。専門家会議の司令塔ともいえる、尾身茂副座長(国立感染研所長)が医系技官出身で、しょせんは役所をうまく生きてきた技官にすぎないと、野田と本誌編集部はいう。重要なのは、医療の現場で基本的な防禦を行ない、経験ゆたかな臨床医がその経験を実地に伝えることであろう。「患者の話を丹念に聞いて、身体をしっかりと目で診て、聴診し、詳しい経過から病気を考えていくという臨床医学の基本がなおざりにされ、診断を補助するものでしかなかった血液検査が優先される逆転現象が起きている」と、近年の医療に警告を発する。これこそ、今回の最大の教訓ではないだろうか。政府が言う「専門家」の実態、近年の医療のゆがみについて、記事を詳読されたい。

「経済専門家による政府の中小企業切り捨て」藤井聡(構成・林克明)は、緊急事態宣言への条件つきだが、3つの観点から批判をくだす。そのひとつは宣言の時期の遅れ(ピークが3月下旬だったのに、4月にずれ込む)、延長の早さ(5月連休明け)である。出口戦略において、専門家会議に入った「経済の専門家」は消費税増税賛成派だった。「コロナによってダメな企業は潰れてもしかたないと主張している東京財団政策研究所主幹の小林慶一郎慶応大学経済学部教授がいる」ことが問題だという。自粛が消費を消し去り、カネが動かない状態で耐えられる「ダメ」ではない企業とは、おそらく内部留保を毎年数十兆円単位で貯めこんでいる大企業のことなのだろう。中小企業はすべてダメ企業ということになる。

記事にはその小林慶一郎をはじめ、専門家会議に参加した竹森俊平(慶応義塾大学経済学部教授)、大竹文雄(大阪大学大学院経済学研究科教授)、井深陽子(慶応義塾大学経済学部教授)のそれぞれの見解がまとめられている。いずれも抜きがたい緊縮派であり、安倍政権が「異次元の金融緩和」などと口にしつつも、危機に際して頼っているのが緊縮派だったという歴史的な証明になるはずだ。

そして怖いのは、コロナと緊縮財政による自殺者が27万人増(年間1万人増)という試算であろう。これはゴールドマンサックスの経済予測をもとに、京都大学レジリエンヌ実践ユニットのシュミレーションを、さらに楽観シナリオと悲観シナリオで想定した後者のケースである。その場合の失業率は2021年末に8%となり、失業率や自殺者数が2019年水準に回復するのは27年後になるということだ。いうまでもなく、スペイン風邪から10年後に世界恐慌が到来したことを想起させる、長期不況がこの試算からはじき出されるのだ。

鈴木直道北海道知事とともに、成長株との評価が高い吉村洋文大阪府知事。じつは大坂が深刻な医療崩壊を招いていたこと、そしてそれがほかならぬ吉村知事と松井一郎大阪市長の維新ツートップの初動ミスによるものだったと指摘するのは「吉村洋文知事に騙されるな 維新が招いた大阪・医療崩壊」(西谷文和)である。その初動における遅れ、あるいは紆余曲折以前に、維新による大阪改革がコロナとの開戦前に、医療を崩壊させていた現実を西谷は指摘する。二重行政の統合、行政合理化のための医療切り捨ての惨たんたる現状を読まされると、維新という政治勢力がいかに新自由主義の負の側面を体現してきたかがよくわかる。

フランス在住の広岡裕児は、フランスの外出禁止が憲法によるものではないことを指摘し「『感染対策に“緊急事態条項”必要』という改憲勢力の嘘」をあばく。足立昌勝は「『自粛』から『強制』へ進行する監視社会」で、不法な監視や自粛警察に警鐘を鳴らす。

最後は拙稿で恐縮だが、このかん日本がコロナ防疫に成功したと喧伝する裏側に、数万人単位の隠されたコロナ死(肺炎死)があるのではないか。掲載していただいた「誰がPCR検査を妨害したのか 隠された数万人『肺炎死』」では、医系技官および国立感染症OBによるPCR検査抑制について、その実態と背景にあるセクショナリズムをあばいた。そして数万人単位の隠されたコロナ死(肺炎死)はウルトラ仮説ながら、根拠がないわけではない。じっさいに、法医学病理学会の調査では医師から要請があっても、保健所と国立感染研は遺体のPCR検査を拒否しているのだ。肺疾患の場合、病院の医師は肺炎を併発していても、ガン患者の死因を肺ガンにする。ガン保険を想定してのことだ。しかし今回、遺体へのPCR検査を避けたかった厚労省医系技官(保健所を管轄)および国立感染研においては、意識的にコロナ死者数を減らす(認定しない)のを意図していたのではないか。その答えは年末の「人口動態統計」を参照しなければ判らないが、年間10万人の肺炎死の中に、コロナ死がその上澄みとして何万人か増えているとしたら、日本はコロナ死者を隠していたことになるのだ。

その他、東京五輪の不開催も視野に入れた「日本を包み込む『東京五輪バイアス』」(森山高至)「『東京ビッグサイト』使用停止が生む巨額損失」(昼間たかし)は鳥肌ものの記事だ。

▼横山茂彦(よこやま・しげひこ)

編集者・著述業・歴史研究家。歴史関連の著書・共著に『合戦場の女たち』(情況新書)『軍師・官兵衛に学ぶ経営学』(宝島文庫)『闇の後醍醐銭』(叢文社)『真田丸のナゾ』(サイゾー)『日本史の新常識』(文春新書)『天皇125代全史』(スタンダーズ)『世にも奇妙な日本史』(宙出版)など。医科学系の著書・共著に『「買ってはいけない」は買ってはいけない』(夏目書房)『ホントに効くのかアガリスク』(鹿砦社)『走って直すガン』(徳間書店)『新ガン治療のウソと10年寿命を長くする本当の癌治療』(双葉社)『ガンになりにくい食生活』(鹿砦社ライブラリー)など。

本日7日発売!月刊『紙の爆弾』2020年7月号【特集第3弾】「新型コロナ危機」と安倍失政

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新型コロナウイルスに関して東京都は「with コロナ宣言」を出したが、原発事故後の福島は、残念ながら今も〝with 放射能〟状態にあるのが現実だ。郡山市の「五百淵(ごひゃくぶち)公園」(福島県郡山市字山崎)も自然豊かな森だが、9年間も〝with 放射能〟を強いられている。今月1日午後、汚染が続く森を歩いた。清流と野鳥の鳴き声が素晴らしい森はしかし、今も放射線を発している。

郡山市「五百淵公園」の空間線量は、いまだに0.4μSv/hを超える

◆「あぶない こどもたちだけでは あそんではいけません」

JR郡山駅から車で10分ほどの場所にある「五百淵公園」(福島県郡山市字山崎)。県立郡山商業高校近くあり、大きなため池を囲むように整備された周回道路を市民が散歩している。ある人は愛犬を連れて。またある人はジョギング姿で。一角に設置されたモニタリングポスト(リアルタイム線量測定システム)が0.189μSv/hを表示しているが、放射線被曝のリスクを周知する看板など無い。あるのは新型コロナウイルス感染拡大防止のために「人との接触は8割減らす!」と書かれた掲示だけだ。

周回道路から森の中に入ると、さっそく手元の線量計は0.3μSv/hを超えた。さらに進むと、「既存林 散策路の空間線量」(2月1日測定)と書かれた地図が掲示されていた。最も高い地点で0.4μSv/hと書かれている。しかし、やはり注意喚起はされていない。

森の中に設置された空間線量の掲示板

案内に従って進むと、せせらぎが流れていた。カルガモが羽を休めている。手元の線量計は0.3μSv/hを上回ったままだ。

「野鳥の森」と名付けられているだけあって、鳥の鳴き声が響いている。巣箱もあった。手元の線量計は、一番高い所で0.45μSv/hに達した。1時間ほどで森を出ると、ため池への転落防止のためか「あぶない こどもたちだけでは あそんではいけません」と書かれた看板が目に入った。しかし、放射線被曝に対する注意喚起は見つける事が出来なかった。

池への転落防止を呼び掛ける看板は設置されているものの、放射線被曝に関する注意喚起はされていない

◆「今後の五百淵公園の除染につきましては……」から3年が過ぎて

五百淵公園の汚染に関しては、郡山市議会でもたびたび取り上げられてきた。

2015年6月24日の建設水道常任委員会。蛇石郁子委員が次のように質した。

「五百淵公園の南側は…既に除染等は終えたと思うんですが…6月8日に測定してきました。50cmの高さで測定した中で、散策路の一部のところには…高いところで0.9μSv/hを示すところもあるんです…今後も再除染も含めて低減化を図る必要があるんじゃないかなと思います」

これに対し、公園緑地課長は「今後の五百淵公園の除染につきましては、除染の関係のガイドラインを含めまして今後検討していくように考えております。現在、幅が5メートルから10メートルぐらいの範囲で通路部分につきましては平成26年度に一応除染をしまして、ある程度、その通路幅分だけは低減をして、実際、現在そこの部分の通路部分を測りますと、大体0.5から0.6μSv/hぐらいの線量にまでなっております」と答えていた。

それから3年。2018年9月議会と12月議会で、2人の市議が一般質問で取り上げた。しかし、当局の答弁はいずれも積極さに欠けるものだった。

2018年9月11日に一般質問した飛田義昭議員は、次のように注意喚起の必要性を訴えた。

「私どもが実施した五百淵公園内にある野鳥の森の散策路で6カ所の計測を実施した結果に基づいて、その結果は0.2から0.7μSv/hの状況でありました。先日、この野鳥の森の草刈りを実施した市民の方々から、そんなに線量の高いところを私たちは草刈りをしたのかと言われました…野鳥の森の散策路を利用する人たちに安全の可否を判断させることでは、市民の安全・安心対策とは言えないと思います。例として申し上げますが、注意喚起すべきであると思います」

しかし、都市整備部長は「注意喚起はしない」と明言している。

「五百淵公園の森林内につきましては、国の基準に基づき、2014年に散策路の両側約10メートルについて堆積物除去や除草を実施し、線量の低減を図ったところであります。当該箇所はまさに森林であり、通常の公園内の除染に比べ線量が低減されにくいことから、本年7月27日に計測した散策路の空間放射線量率は0.18から0.56μSv/hとやや高い場所も確認されている…森林内を散策する場合においては、散策する時間が短時間であることから注意喚起は考えておりません」

ため池の一角に設置されたモニタリングポストの数値は、福島県のホームページで公表されているが、森の中はそれより高い

◆「現時点におきましては、注意喚起や再除染については考えてはおりません」

再除染についても同じように否定的な答弁だった。

「再除染に関してでございますが、答弁でもさせていただきましたけれども、やはりこの環境省の考え方、見解、除染の効果が面的に維持されており、一般的な生活環境の中では追加被曝線量が年間1mSvを超えないと推定されるということでございますので、現時点では考えておりません」

2018年12月6日に一般質問した飯塚裕一議員も、注意喚起や再除染を求めた。

「五百淵公園の散策路は、掲示板での線量の周知のみで、注意喚起等は行わないとしていますが、散策路は子どもたちも通ることが考えられるため、安全・安心のため再除染を行い0.23μSv/h以下とすべきと考えます。また、子どもたちにもわかるように注意喚起の看板等を設置することが必要と考えます」

都市整備部長は、3カ月前の答弁を繰り返すばかりだった。

「本年11月21日に計測した散策路の空間放射線量率は0.18から0.56μSv/hとやや高い場所も確認されているため、公園の入り口や散策路の中間地点の2カ所に空間放射線量率の計測値の掲示を増設し、既存の表示板についても最新のものに更新いたしました。公園利用者が森林内を散策する場合においては、散策する時間が短時間であることから注意喚起は考えておりません」

「再除染と注意喚起ということでございますが、先ほどの答弁と繰り返しになってしまいますが、環境省補助による継続モニタリング事業等において、測定値をウエブ公開しておりますし、同省によれば、除染により効果が面的に維持されているという見解もありますので、現時点におきましては、注意喚起や再除染については考えてはおりません」

「本市としましても、この五百淵公園が野鳥の観察を通じて交流とか学習をする場であり、そのままの自然を残しているという特色を踏まえるとともに、公園利用者の安全・安心を考慮して適切に対応したいと考えております」

このやり取りから2年ほど経ったが、森の現状は0.4μSv/h。それでも郡山市は注意喚起も再除染もしない。近くに住む女性は「放射線被曝の問題はもう、無かった事になりつつありますね」と話した。

「ここの桜はきれいですよ。秋はコスモスの花が咲きます。でも、残念ながら〝汚染の森〟になってしまいました」

福島市でも郡山市でも、自然豊かな森は9年経った今でも汚染が続いている。原発事故は終わっていない。しかし、すっかり忘れられている。行政も積極的に取り組まない。

▼鈴木博喜(すずき ひろき)

神奈川県横須賀市生まれ、48歳。地方紙記者を経て、2011年より「民の声新聞」発行人。高速バスで福島県中通りに通いながら、原発事故に伴う被曝問題を中心に避難者訴訟や避難者支援問題、〝復興五輪〟、台風19号水害などの取材を続けている。記事は http://taminokoeshimbun.blog.fc2.com/ で無料で読めます。氏名などの登録は不要。取材費の応援(カンパ)は大歓迎です。

6月11日発売開始!〈原発なき社会〉をもとめて 『NO NUKES voice』Vol.24 総力特集 原発・コロナ禍 日本の転機

『NO NUKES voice』Vol.24
紙の爆弾2020年7月号増刊
2020年6月11日発行
定価680円(本体618円+税)A5判/148ページ

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総力特集 原発・コロナ禍 日本の転機
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[表紙とグラビア]「鎮魂 死者が裁く」呪殺祈祷僧団四十七士〈JKS47〉
(写真=原田卓馬さん

[報告]菅 直人さん(元内閣総理大臣/衆議院議員)
原子力とコロナと人類の運命

[報告]孫崎 享さん(元外務省国際情報局長/東アジア共同体研究所所長)
この国の未来は当面ない

[報告]田中良紹さん(ジャーナリスト/元TBS記者)
コロナ禍が生み出す新しい世界

[報告]鵜飼 哲さん(一橋大学名誉教授)
汚染と感染と東京五輪   

[報告]米山隆一さん(前新潟県知事/弁護士/医師)
新型コロナ対策における政府・国民の対応を考える

[報告]おしどりマコさん(芸人/記者)
コロナ禍は「世界一斉民主主義テスト」

[報告]小野俊一さん(医師/小野出来田内科医院院長)
新型コロナ肺炎は現代版バベルの塔だ

[報告]布施幸彦さん(医師/ふくしま共同診療所院長)
コロナ禍が被災地福島に与えた影響

[報告]佐藤幸子さん(特定非営利活動法人「青いそら」代表)
食を通じた子どもたちの健康が第一

[報告]伊達信夫さん(原発事故広域避難者団体役員)
《徹底検証》「原発事故避難」これまでと現在〈8〉
新型コロナウイルス流行と原発事故発生後の相似について

[報告]鈴木博喜さん(ジャーナリスト/『民の声新聞』発行人)
コロナ禍で忘れ去られる福島

[報告]本間 龍さん(著述家)
原発プロパガンダとは何か〈19〉
翼賛プロパガンダの失墜と泥沼の東京五輪

[インタビュー]渡邊 孝さん(福井県高浜町議会議員)
(聞き手=尾崎美代子さん
関電原発マネー不正還流事件の真相究明のために
故・森山元助役が遺したメモを公にして欲しい

[報告]三上 治さん(「経産省前テントひろば」スタッフ)
僕らは、そして君たちはどうたち向かうか

[報告]平宮康広さん(元技術者)
僕が原発の解体と埋設に反対する理由

[報告]板坂 剛さん(作家・舞踊家)
《対談後記》四方田犬彦への(公開)書簡

[報告]佐藤雅彦さん(翻訳家)
令和「新型コロナ」戦疫下を生きる

[報告]山田悦子さん(甲山事件冤罪被害者)
山田悦子の語る世界〈8〉
東京オリンピックを失って考えること

[報告]再稼働阻止全国ネットワーク
コロナ禍で自粛しても萎縮しない反原発運動、原発やめよう
《全国》柳田 真さん(再稼働阻止全国ネットワーク・たんぽぽ舎)
《六ヶ所村》山田清彦さん(核燃サイクル阻止一万人訴訟原告団事務局長)
《東北電力・女川原発》日野正美さん(女川原発の避難計画を考える会)
《福島》黒田節子さん(原発いらない福島の女たち)
《東海第二》大石光伸さん(東海第二原発運転差止訴訟原告団)
《東電》武笠紀子さん(反原発自治体議員・市民連盟 共同代表)
《規制委》木村雅英さん(再稼働阻止全国ネットワーク)
《関電包囲》木原壯林さん(若狭の原発を考える会)
《鹿児島》向原祥隆さん(反原発・かごしまネット代表)
《福島》けしば誠一さん(反原発自治体議員・市民連盟/杉並区議会議員)
《読書案内》天野恵一さん(再稼働阻止全国ネットワーク)

私たちは唯一の脱原発雑誌『NO NUKES voice』を応援しています!

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前記しましたが、対李信恵第2訴訟で彼女は4月8日付けで「陳述書」を提出しました。これは4月28日に予定されていた期日のためですが、ご承知のように新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言によって延期されました。

これを一読し、老いて少しは丸くなったと言われる私も怒りが込み上げてきましたので、逐一批判し、事実でない重要な点に反論しておきます。これが「反差別」や「人権」を声高に叫ぶ者の陳述書かと思うと情けなくなります。「反差別」や「人権」とはこんな薄っぺらなものだったのでしょうか?

裁判関係の書面を出すことに躊躇しないではありませんが、この「陳述書」(全6枚)に李信恵の人間性が表われていることと、正確に引用していることを証するために、あえて原文をアップし、これに沿って記述していきます。

◆李信恵は反省も謝罪もなく、弁解ばかりし、鹿砦社の出版物で「被害」を受けた受けたとばかり強弁しています

まずもって前提的に押さえておくべきことは、次の点です。

《1》くだんのリンチ事件において最大の被害者はM君であること。原告の「陳述書」では、このことがすっぽり抜けています。

《2》半殺しと言っても過言ではないような激しい暴行に遭いリンチ事件後もPTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩まされているリンチ被害者・M君の苦しみに比べれば李信恵の「被害」や「苦痛」などは取るに足りないこと、そして李信恵が言い張る「被害」なるものは上記《1》に記した、リンチ事件の最大の被害者がM君であることをカモフラージュするものであること。

《3》リンチ現場に同座した李信恵ら5人全員に連帯責任があること。

《4》このリンチ事件の中心人物は李信恵であり、彼女以外には考えられないこと。

李信恵「陳述書」1ページ目(全7ページ)

李信恵の「陳述書」に沿って以下逐次的に反論、及びコメントいたします。

【1】「『S(注:原文では実名)さん』が鹿砦社のライターである~」との記述について

李信恵のこの記述は正確な事実ではありません。彼は鹿砦社の社員でもありませんし、フリーライターで、ペンネームである「田所敏夫」あるいは本名で、当社のみならず鹿砦社以外の媒体(週刊金曜日、朝日新聞、京都新聞、あるいは韓国のネットニュースなど)でも執筆、投稿を続けてきています。正確に言っていただきたいものです。

【2】「『リンチ事件』と称する暴行事件は私が関わっている事件ではなかった」との記述について

論外です。大阪市北区北新地のワインバーにM君を呼び出し、M君が到着するや「なんやねん、おまえ!」と胸倉を掴んでリンチの口火を切り、リンチの一部始終そこに居たんじゃありませんか?

【3】「『リンチ事件』の首謀者であると断定的に書かれていた」との記述について  

李信恵は、彼我の関係から「一般読者の普通の注意と読み方」=常識的に見て、M君リンチ事件の中心にあり「首謀者」としか言いようがありません。李信恵が「首謀者」でなければ、誰が「首謀者」でしょうか? 

【4】「この『リンチ事件』は事実とは違う」との記述について

どう「事実とは違う」のでしょうか? こちらから問います、ぜひお答えいただきたい。私たちは5冊の本を出す過程で、これまでの鹿砦社の出版にはないほどに、真相究明のために取材と調査を重ね事実を積み上げてきましたので、記述は真実であり、真実と見なすに相当の自信と自負を持っています。みなさん方も「一般読者の普通の注意と読み方」をされたら、きっとそうだと思います。

【5】「書籍の記事では、直接暴行を加えた人のことにはほとんど言及していません」との記述について

本当に5冊の本を読まれたのでしょうか? 「直接暴行を加えた人」=「エル金」「凡」についても可能な限り詳細に「言及」しています。

【6】「私の名前が繰り返し本に載っていました。」、「私は最初から本名で記載されていました。」との記述について

当たり前です。李信恵はこのリンチ事件の中心にいる人物と見なされますから「名前が繰り返し本に載ってい」るのは当然です。また、諸々の社会活動や運動、執筆に「李信恵」の名で積極的に行っていますし、メディアにも頻繁に登場しています。社会的にも言動に責任を持たねばならない著名人、いわば準公人ですから本名で記載されるのも当然です。これが嫌なら本名で活動したり発言しなければいいでしょう。

ちなみに、「エル金」「凡」に対して、日本では生きにくい在日であること、すでに刑事事件で前歴があること、これらが公になれば不利益を蒙る等を私たちなりに配慮して、出版物では、当初は本名は使いませんでしたが、私たちの配慮など考えることなしに全く反省のない言動を続けるので、そこまで配慮する必要はないと考えるに至り、後々になって本名も使うようになりました。

同 2ページ目

【7】「いつ何時自宅に突撃『取材』がくるのか分からないという恐怖に苛まれました。」との記述について

伊藤大介の恫喝ツイート

語るに落ちるとはこのことです。李信恵の支持者や周辺の仲間らは、李信恵が敵と見なした人物や意に添わない人物らの自宅を突如襲ったりしてはいませんか? 特にこのリンチ事件に連座した伊藤大介はどうですか? 恫喝目的で四国の自動車販売会社・合田夏樹社長宅には伊藤大介の指示で有田芳生参議院議員の宣伝カーで訪れて(直撃しようとして)いましたが(『ヘイトと暴力の連鎖』88ページ~98ページ、『反差別と暴力の正体』巻頭グラビア2ページ~3ページ、同143ページ~156ページ参照)、これについて李信恵さんのご意見をお聞きしたく思います。

【8】国会議員などに出した「質問書」(あるいは取材依頼書)について

李信恵は、私たちが当時民主党党首だった岡田克也や蓮舫らに「質問書」を出したことを詰っています。確かに「質問書」は郵送しました。それは、直接には李信恵に強く協力的で前出の四国の自動車会社販売会社合田社長宅を威嚇訪問しようとした者らに宣伝カーを貸したとされる有田芳生参議院議員が所属する政党の代表者(党首)だったからですし、日本共産党の志位和夫(委員長)、吉良よし子(参議院議員)、池内さおり(当時衆議院議員)らに「質問書」を送り電話取材を試みたのも、李信恵らと集会やデモなどで連携していたからです。

「質問書」(取材依頼書)はこの方々だけでなく、全員ではありませんが、少なくない国会議員にも送付しました。それは、この非人間的なリンチ事件を知ってもらい、調査し国会で採り上げて欲しかったからです。残念ながら全く無視されました。

この「質問書」(取材依頼書)は、国会議員のみならず「ジャーナリスト」や「知識人」らにも、本を出すごとに、この本を付けて複数回送付しました。そのどこが悪いというのでしょうか? 逆に、ふだんは「暴力はいけない」などと言いながら、実際にみずからが知る者らがリンチ事件に連座していることを突き付けられればこれを無視したり蔑ろにしたり逃げたり沈黙したりした人たちこそ問題ではないでしょうか? 誠実に答えてくださった方がいなかったわけではありませんが、大方は無視しました。仕方ありません、一人ひとり直接当たっていくしかありません。それはそうでしょう、返事もくれなく無視したわけですから。

【9】「被告(注:鹿砦社)は、私の裁判に関しても、『李信恵という人は在特会・ネトウヨと闘うに足る人格を持っているのか?』など、私の在特会らを相手取った裁判も正当性がないように書いていました。」との記述について

李信恵の恫喝ツイート

李信恵が差別言辞を発した相手に対して提起した損害賠償訴訟にはコリアNGOセンターを中心とする多くの支援者が集まり、裁判に関する支援金(カンパ)も呼びかけられています(このカンパの収支報告が行われた形跡を私たちは見つけることができません)。さらにテレビ、全国紙の記者や弁護士、大学教員らが支援に加わっていました。当然でしょう。私たちも、この所期の目的を否定するのではなく、むしろ“一切の差別に原則的に反対する”という立場から積極的に評価します。

しかしながら、上記のカンパの会計報告が一切なされていないことや、裁判ごとに懇親会を開くのはいいとしても、その後4軒も5軒も飲み歩き、挙句の果てにM君リンチ事件まで惹き起こしたこと、善意で支援会に結集した人が李信恵を批判したり、彼女の意に添わないと嫌味を言ったり度を越したバッシングをしたりしたこと(例えば別掲ツイート。その他にも多くの証言があります)等々、彼女の不遜な態度はいかがなものでしょうか。はっきり申し上げれば、もっと人格的に優れた人が神輿に乗っていれば、運動はもっと広がりを持ったでしょうし社会的にも理解されたと思います。

まともな指導者なら、少なくとも、泥酔の挙句、リンチ事件を惹き起こしたりしないでしょうし、これに弁解や言い訳ばかりすることもないでしょうから。

「これら記事を読みながら泣き崩れました」?――下手な田舎芝居はやめていただきませんか。激しいリンチを受けたM君の涙に比べれば何のことはありません。同じ泣くのなら、M君の身になって泣いていただきたいと思います。
(本文中敬称略)
 

《関連過去記事カテゴリー》
 M君リンチ事件 http://www.rokusaisha.com/wp/?cat=62

Amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B07CXC368T/
鹿砦社 http://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000541

国民的批判を浴びた検察庁法改正案が今国会での成立が見送られるまでの一連の騒動では、法案に反対の声をあげた元検事総長の松尾邦弘氏ら検察OB14人がヒーロー扱いされる「異常事態」が起きた。筆者はこの件について、当欄で繰り返し問題性を指摘してきたが、今回は大企業2社の不祥事の実例に基づき、くだんの検察OBたちがヒーロー扱いされる危うさを改めて指摘しておきたい。

◆なぜ、東芝、関電に捜査のメスが入らないのか

くだんの検察OBたちは法務省に提出した意見書(※朝日新聞デジタルに全文が掲載されている)において、検察が「政財界の不正事犯」を捜査対象にしていることを根拠に、検察への内閣の介入を許す恐れがある法案への反対意見を述べた。次の一文には、そんな彼らの熱い思いがほとばしっている。

〈時の政権の圧力によって起訴に値する事件が不起訴とされたり、起訴に値しないような事件が起訴されるような事態が発生するようなことがあれば日本の刑事司法は適正公平という基本理念を失って崩壊することになりかねない〉

これは正論と言えば、正論だ。だが、この正論に基づいて批判されるべきは、安倍政権だけではない。他ならぬ検察もこの正論によって批判されるべき存在だ。なぜなら、検察は時の政権の圧力を受けるまでもなく、起訴に値する事件を不起訴としたり、起訴に値しないような事件を起訴するような事態を頻発させているからだ。

近年では、東芝と関西電力の事件で実際にそういうことが起きている。

まず、東芝の事件。2015年に証券取引等監視委員会の立入調査により発覚した同社の粉飾決算は、総額が実に2000億円超に及んだ。不正発覚時の経営陣は揃って引責辞任に追い込まれ、粉飾決算が行なわれた間の社長3人、最高財務責任者2人は東芝や株主たちから損害賠償請求訴訟を起こされている。しかし、これほどの大事件を起こした東芝に対し、なぜか検察は捜査のメスを入れていない。

続いて、関西電力の事件。原発が立地する福井県高浜町の助役だった森山栄治氏(昨年3月に死去。享年90)から同社の役員ら75人が総額約3億6000万円相当の金品を受領していたとされる事件は、昨年9月、共同通信のスクープで表面化した。同社が森山氏の要求に応じ、工事を発注した事例があり、金品を受領した役員らは特別背任や総収賄などの罪で捜査されて当然の事件だ。しかし現時点で、検察はこの事件も本格的に捜査しようとする気配がない。

一体、検察はなぜ、この2社の事件に捜査のメスを入れないのか。事実関係を調べると、背景に「邪な事情」があることを疑わざるをえない。この2社は事件の発覚前から現在に至るまで大物検察OBの天下りを受け入れ続けているからだ。

◆東芝、関西電力に続々と天下る検察OBたち

まず、東芝。粉飾決算が発覚する14年前の2001年から2004年まで同社で社外監査役、社外取締役を歴任した筧栄一氏は、元検事総長だ。さらにこの筧氏の後任で、2004年から2009年まで社外取締役を務めた清水湛氏は、元最高検検事である。

そして東芝は2015年に粉飾決算が発覚すると、「特別調査委員会」を設置したのだが、元大阪高検検事長の北田幹直氏が同会の委員として名を連ねている。さらに同会の調査では真相解明が進まず、東芝は次に「第三者委員会」を設置したのだが、その委員長を務めたのは元東京高検検事長の上田廣一氏だ。大物検察OBが役員に名を連ねた大企業で粉飾決算が発覚したのをうけ、その調査を任せられたのも別の大物検察OBたちだというわけだ。

さらに東芝は粉飾決算発覚後、新たに社外取締役として、元最高検次長検事の古田佑紀氏を迎え入れている。大物検察OBが役員に名を連ねながら重大な不正が行われたにも関わらず、それ以後も東芝では検察OBたちが利権を拡大させていたわけだ。こうした事実が揃う中、東芝の粉飾決算が事件化されないのでは、検察の公正さが疑われても仕方ない。

東芝の粉飾決算発覚後、社外取締役についた古田氏(東芝ホームページより)

一方、関西電力はどうか。

昨年6月に退任するまで同社で長く社外監査役を務めた土肥孝治氏は、「関西検察のドン」との異名を持つ元検事総長だ。そしてその後任として同社の社外監査役についたのは、元大阪高検検事長の佐々木茂夫氏だ。この2人の社外監査役の交代があった時点で、社内ではすでに役員らの金品受領事件が発覚していたので、この人事はそれと無関係ではないだろう。

しかも、この事件は社内の調査委員会の調べにより発覚しているのだが、その委員長を務めた小林敬氏は、大阪地検の特捜部がフロッピーディスク改ざん事件を起こした時の検事正だ。小林氏は役員らの不正を知りながら、公表するなどの措置を講じていなかったわけだ。

関西電力の役員らの不正発覚後、社外監査役についた佐々木氏(2019関西電力グループレポート)

さらに共同通信のスクープでこの不正が表面化すると、関西電力は「第三者委員会」を設置して真相解明にあたったが、その委員長を務めた但木敬一氏も元検事総長だ。そして事件発覚後、土肥氏から社外監査役の地位を引き継いだ佐々木氏は、この6月の株主総会で社外取締役に選任される見通しだ。大物検察OBが監査役を務めながら役員らが重大な不正に手を染めたのに、また新たに別の大物検察OBたちの天下りを受け入れ、刑事責任を追及されずじまい……、関電も東芝とまったく同じ道をたどっているわけだ。

こうした事実関係からすると、検察は「大企業を食い物にする組織」だとみなされても仕方ないだろう。そんな検察のOBたちをヒーロー扱いしていたら、彼らは調子にのり、東芝や関西電力の事件で起こしたのと同じようなおかしなことを今後も続発させることだろう。

▼片岡健(かたおか けん)
全国各地で新旧様々な事件を取材している。原作を手がけた『マンガ「獄中面会物語」』【分冊版】第9話・西口宗宏編(画・塚原洋一/笠倉出版社)が配信中。

7日発売!月刊『紙の爆弾』2020年7月号【特集第3弾】「新型コロナ危機」と安倍失政

「絶望の牢獄から無実を叫ぶ ―冤罪死刑囚八人の書画集―」(片岡健編/鹿砦社)

大学院生M君に対する凄絶なリンチがあったことは厳然とした事実です。これが、あたかもなかったかのように偽造されようとしています。M君が必死で録音したリンチの一部始終の音声データも、李信恵らによるリンチがなかった証拠のように偽造されようとしています。三百代言という言葉がありますが、古人はよく言ったものです。

◆私たちは短期間に集中的に取材し5冊の本を世に出し真実を確信した

この写真を見て、「リンチはなかった」「ただの喧嘩」と思う人はいないでしょう。「反差別」「人権」を語る者がやることではない! なんとも思わない人は人間の血が通っているのか!?(『カウンターと暴力の病理』巻頭グラビアより)

李信恵や、彼女の周囲の人たちは、私たちが精魂込めて取材し編集、製作した出版物に対して、きちんと論評したり批判するのではなく、「デマだ」「嘘だ」「ゴミだ」「クソだ」等々と、まともに批判にならないレベルの悪罵を投げつけ誹謗中傷してきました。李信恵や代理人の神原元弁護士らは、いわば“あら捜し”をするために熟読したでしょうが、李信恵の仲間や周囲の人たちは、それら5冊の本をきちんと読んだ形跡はさほど感じられません。

私たちは、全くの白紙の状態から、また李信恵らやリンチ被害者M君に対する利害関係もなく、取材、調査に取り掛かりましたが、白紙の状態から始めたのが良かったと思います。李信恵には私怨、遺恨などなく(今でもありません)、むしろ、李信恵に繋がる団体(首都圏反原発連合。略称「反原連」)やカメラマン(秋山理央)には毎月相当額の金銭的支援をしてもきましたし、さらに李信恵に繋がる元当社社員には李信恵ら関係の裁判の傍聴には申し出があれば早退を許可するなど便宜も図ってきました。このリンチ事件や李信恵らの背後関係も知らず、「差別に反対する」という大義名分に私なりに理解を示してきたつもりでした。

そうした私なりの、いわば“良心的な”振る舞いも、李信恵らによる蛮行を知ることによって打ち砕かれました。さらに取材すればするほど、調べれば調べるほど、李信恵やこの周囲の人たちの運動に強い疑問を抱かざるをえませんでした。前出の前田教授が「脱力感に襲われる」と嘆いたのは理解できます。

それでは(前項とダブるところもありますが)私たちの取材や調査、そして出版の目的や意義は何だったのでしょうか? まずは、孤立し村八分にされネットリンチに晒され続け治療費さえもらっていなかったリンチ被害者M君の救済・支援です。弁護士さえも、断られ続けていました。そして、このリンチ事件の真相究明です。事実関係や真相を知らないと善悪の判断もつかないからです。

李信恵のツイート。このツイートひとつとっても彼女の人間性が表れています

しかし、李信恵や関係者らによる隠蔽活動はかなりのもので壁は厚く感じられました。私たちがこの事件を知るまで1年余りも経ち、隠蔽の“イチジクの葉”は幾重にも重ねられていました。綿密な取材・調査によって、これを一枚、一枚剥いでいく作業に着手しました。

手前味噌ですが、私たちの取材には、手を抜かず徹底的にやることでメディア業界、出版界では一定の評価があります。中途半端な取材をやっていては、この業界では淘汰されます。大小問わず、中途半端な気持ちと取材故に淘汰された出版社を何社も知っていますし、鹿砦社は徹底した取材をやって来たからこそ、淘汰されずに50年も生き延びてこれたのです。

それでも、近年評価が高い、いわゆる「文春砲」には敵いません。以前、文春編集部とは交流がありましたが、鹿砦社以上に人も金もかけ取材は徹底しているのに感心しました。また、他の大手雑誌とも一緒に仕事をした経験もありましたが、私たちもこれらから学んでいますし、決して特異なものではありません。

李信恵側は準備書面で長々と真実(相当)性について“講釈”を垂れていますが、長年の出版人としての経験から多くの訴訟を経験し、小出版社でありながら1億円以上もの訴訟費用を費やしてきた鹿砦社にとっては“常識”の類いで、この訴訟とは直接関係のないことに紙幅を費やす意味が理解できません。

私たちは2年ほどで5冊の本を発行してきましたが、短期間に5冊も出版したテーマや企画はこれまでにほとんどありません(例外的には4冊の本を出したパチスロ大手アルゼ告発シリーズぐらいです)。しかし、李信恵側が言う「本件では、不定期の雑誌やインターネットの報道記事であるから迅速に報道する必要はない」との認識は誤っています。本件リンチ事件は「迅速に報道する必要」があるからこそ、不定期の雑誌の増刊号(第4弾本『カウンターと暴力の隠蔽』のみCDを付けたこと等で書籍扱い)やインターネットなどで連続的に報じてきたわけです。私たちが、この忌まわしいリンチ事件を知ったのは事件からすでに1年以上経っていましたし、日毎に忘却されることを考慮すると、「迅速に報道する必要」がありました。

それに加え、M君が李信恵らリンチの現場に同座した5人を提訴し、この支援の意味からも、当初は裁判のポイントとなる期日の前後に発行することを目指し取材を徹底し真相究明に努めることが急務となりました。さらに法廷という、社会から閉ざされた空間での争いにせず広く社会に訴えるためにも雑誌の増刊号として緊急出版する必要があり、また出版物の編集・製作には数カ月かかりますから、ポイントポイントでインターネットを使い報道することも必要でした。

リンチ隠蔽に蠢いた人たち。この人たちの表情や目を見よ!(『カウンターと暴力の病理』巻頭グラビアより)

◆リタイアを考えていたところでリンチ事件を知って被害者救済・支援と真相究明を決意し早速動き始めた

私は長年出版の仕事に携わり、体もガタガタになり(特に目の疾患で一時失明の恐怖を感じたこともあり高額注射を繰り返しており、こうした長い文章を書いたり読んだりするのには難儀します)、そろそろリタイアを考えていたところで、誰もが知る著名人、研究者、国会議員、「知識人」、「ジャーナリスト」らが多く関係する隠蔽活動に対し、「相手に不足はない!」と思い、いささか大袈裟に言えば、これまでの出版人生の〈総決算〉を懸けたものとしてやることを決意いたしました。

私の呼びかけに、少なからずの人たちが取材班に結集してくれました。中には、大手消費者金融「武富士」(この時の武富士側代理人の一人は吉村洋文現大阪府知事です)との裁判で勝訴したことで有名な、ジャーナリスト・寺澤有も応じてくれ、第2弾本『反差別と暴力の正体』で、寺澤の居住地の東京から遠く四国まで遠征取材し具体的かつ詳細なレポートを寄稿してくれました。取材記録には記事にしていないこともあるということです。

これまで(本件以前)の取材活動で、本人に取材することはなかなか困難でしたが、今回は何としても李信恵本人に取材するように取材班に指示し、これはできました。李信恵もみずからの「陳述書」で記している通りです。まともに答えず逃げています。

次いで李信恵を除く4人ですが、伊藤大介には寺澤が事務所を訪問し取材を試みました(『反差別と暴力の正体』153ページ)。なぜか丁寧に対応され抱き込み策を取られたようです。松本英一には、こちらも寺澤が取材を試みました。2度ほど自宅を訪問したそうですがいずれも留守でした。その後、松本みずから連絡があり、その様子は『反差別と暴力の正体』(152~153ページ)に記載されています。寺澤は李信恵にも取材を申し込みましたが拒否されたそうです。こうした経緯について寺澤は、必要であればいつでも証言すると言ってくれています。

「エル金」こと金良平と「凡」こと李普鉉には、直接暴行の加害者ですし、すぐに暴力を振るうということもいろいろな人たちから忠告されましたので、私としては責任者として取材に動いてくれる者を危険に晒すわけにもいかず苦慮し私たちもかなり用心しましたが、なんとか直接取材を試みようと決断しました。金良平には自宅アパートを訪問しましたが、もぬけの殻で、第1回弁論直前まで住所が特定できませんでした。当初訴状も届かず裁判所も苦労したようです。もう一人の李普鉉については、そうこうするうちに裁判が始まり、裁判への影響を考慮し、リンチの中心人物でもないし、あえて取材を止めたのです。強引にやれば裁判妨害などと詰られることも懸念しました。李信恵以外にも積極的に取材を試み、私たちなりに最大限の取材・調査に尽力した次第です。今後も必要があれば取材を試みるにやぶさかではありません。

また、寺澤有が、李信恵らの仲間の石野雅之の自宅を訪れ取材を試みようとしたところ警察を呼ばれましたが(同書151~152ページ)、取材スタッフにこの懸念がありましたので、以後は直接取材の対象者をさらに絞っていきました。

もう一つ付言しておきますと、リンチの舞台となった大阪北新地のワインバーにも、取材班や寺澤も訪れ経営者に話を聞いていますし、先の前田教授も電話で話を聞かれたそうですが、この善意の市民を事件に巻き込むのは憚られ、話の内容を記事にはしていません。記事にすれば、確かにM君の訴訟でも少しは有利になったかもしれませんし現在進行中の訴訟でも有利に作用するとは思います。そうすると、これまでの経緯から、例によって李信恵らの仲間、「カウンター」とか「しばき隊」といわれる連中に店や経営者が攻撃されることもありえます。そういう理由で、あえて私たちはバーの経営者が苦労してオープン(事件当時オープン直後だったとのことです)し維持されていることを慮り胸の内に留めておいています。裁判所や読者には、このことを配慮いただきたく願う次第です。

李信恵の暴言の一部。ほんの一部でも、よくこんなにも暴言を吐けるものです(『真実と暴力の隠蔽』巻頭グラビアより)

◆総ページ800ページに及ぶ5冊の本に異議があるのなら言論には言論で反論せよ!

そうして、できるだけ多くの関係者、特に著名人、積極的に動いた人らを中心に直接取材を試みました。途中から、出来上がった本も付けて「質問書」、あるいは「取材依頼書」を郵送いたしましたが、自分から回答を寄せてくれた人はほんの少数でした。これは本に掲載している通りです。

この事件について、これまで5冊の本にまとめ世に出していますが、発行部数も少なく、隠蔽活動に関与した人たちも真摯に対応せず、李信恵や仲間らによって隠蔽された“イチジクの葉”を剥いでいく作業は困難を極めました。

それでも、私たちの粘り強い取材、調査、そして出版によって理解者や協力者も少しずつ現われ、日本の反差別運動、健全な社会運動に大きな汚点となった、このリンチ事件の真実が徐々に明らかになったと考えています。

確かに「文春砲」など大手メディアに比べれば格段に劣り、私たちの力不足もあり、まだまだ取材したい人たちすべてに取材できたわけではありませんが、これまでの私の出版人生の中で、5冊の本になるほど、これだけ取材、調査した事件は他にありません。主要な資料、重要資料は、かなり本に収録できたと自負しています(その後入手し未掲載の資料は第6弾本に収録予定です)。特にリンチ被害者M君が必死に録音した音声データをCDにして付けるなど、これまでほとんどありませんでした。CDを付けたことに対しては李信恵らも驚いたことと思います。

これら5冊の本を合計するとなんと800ページほどになります。これだけやったら「一般読者の普通の注意と読み方」をすれば、事件の真実性、あるいは真実と信じるに足ると認識できるのではないでしょうか。これだけやって、真実(相当)性がないと言われれば、どうしたらいいのでしょうか? 

李信恵らも、言うに事欠いて「クソ鹿砦社」「鹿砦社はクソ」などと、とても差別に反対し人権を語る者とは思えない汚い言葉を言い放ち裁判所に不法行為を認定(上告を取り下げ確定し賠償金を支払った)されたり、「ゴミ」だ「デマ本」だと反論にもならない言葉を連呼するのではなく、このリンチ事件が反差別運動、社会運動に与えた深刻な問題を真摯に反省し、異議があれば言論には言論で反論すべきだと思いますが、いかがでしょうか? 私の言っていることは間違っていますか? (文中敬称略)

《関連過去記事カテゴリー》
 M君リンチ事件 http://www.rokusaisha.com/wp/?cat=62

Amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B07CXC368T/
鹿砦社 http://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000541

安倍総理の「卑怯な法案」すなわち検察庁法の捻じ曲げが国民世論の前に頓挫し、その法案が意図していた黒川検事長の定年延長も、ほかならぬ本人の違法行為(賭け麻雀)でお釈迦になった。納税者が自粛を余儀なくされていたときに、公僕たる者が御用新聞記者たちと密接交遊の博打に興じていたのだ。まさに噴飯物の顛末だが、さらに追及の手を休めてはならない。


◎[参考動画]【news23】賭け麻雀 黒川検事長が辞表提出(TBS NEWS 2020年5月22日)

なぜならば、安倍政権は黒川「容疑者」を訓告(注意)処分で免罪し、6000万円の退職金で慰労しようというのだ。本来ならば逮捕・起訴処分相当の賭博罪の犯罪者にたいして、大企業並みの退職金で報いようとしているのだ。
さっそく告発の動きがあったので注目したい。

「辞職した黒川弘務前東京高検検事長(63)が知人の新聞記者らと行った賭けマージャンは賭博罪に当たり、立件するべきだとして、市民団体が26日、黒川氏と記者ら3人に対する告発状を東京地検特捜部に提出した。」(共同通信. 2020/05/26 11:42)

この告発によって、検察が黒川の逮捕・立件に動かないとしたら、この国の司法は闇である。賭け麻雀について、じつは2006年に鈴木宗男議員が外務省職員のあいだで麻雀賭博が行なわれている(週刊誌の投稿欄による)との指摘があり、その答弁で「賭博罪が成立しうるものと考える」と、安倍政権は麻雀賭博の定義を答弁しているのだ。

また、防衛省では平成26年ごろから28年ごろにかけて、陸上自衛隊青野原駐屯地内で賭け麻雀を行なった事件がある。このときは自衛隊員9人が停職処分となり、一部書類送検されている。すなわち「懲戒処分」を受けているのだ。

「週刊文春」(6月4日号)によれば、黒川元検事長は10年以上前から、新橋や虎ノ門、時には渋谷にまで足を延ばして、雀荘に足しげく通っていたことが分かった。「黒川さんは、週に1~2回、多い時には週3回もいらっしゃいました」(雀荘の元店員の証言)というのだ。軽い遊びとしての賭け麻雀などではなく、その常習性・犯罪性は明らかだ。

にもかかわらず、今回は5月22日の衆院法務委において、法務省の川原隆司刑事局長は、黒川元検事長が参加した賭け麻雀のレートが1000点当たり100円の「点ピン」だったとして「必ずしも高額とは言えない」と答弁。森雅子法相も「常習とは一般に賭博を反復累行する習癖が存在すること。そのような事実は認定できなかった」などと、犯罪性を打ち消す答弁を展開したのだ。これでは法の正義は地に堕ちたも同じである。

◆法務省が賭け麻雀を「合法化」

つまり賭け麻雀は、法務省によって「合法化」されたのだ。「日刊ゲンダイ」(5月25日)によると、《SNSでは「堂々と賭けマージャンしよう」という呼びかけが広がっている。》という。

《ツイッターでは、「【祝レート麻雀解禁!】検察庁前テンピン麻雀大会」と題し、参加者を募集する人まで現れた。「1000点100円=黒川レート」なんて言葉も出現している。皮肉を込めたイタズラかもしれないが、参加者に「政府は黒川レートならOKなんでしょ」と反論されたら、捜査機関はどうするのか。》

まさに法が実行されない、犯罪容認政権による犯罪奨励がまかり通っているといえよう。


◎[参考動画]黒川前検事長に告発状(テレ東NEWS 2020年5月26日)

◆産経リークと官邸内部の暗闘

ところで、黒川賭博事件は、産経新聞の政治部のリークだと判明している(関係者談)。社内人事で社会部に敗れた政治部が、腹いせ的に「週刊文春」に垂れ込んだというものだ。政治部「記者クラブ」の御用記事体質にどっぷり漬かっている産経政治部にどれほどの正義感があったのかはともかく、ジャーナリズムとしての自浄作用があったのは僥倖である。

そして官邸サイドでは、菅義衛官房長官がやり玉にあがっているという。黒川の身体検査が不十分で、その責は人脈的に菅長官にあるというわけだ。

その菅義偉官房長官は26日の記者会見で、黒川弘務元検事長の退職金が「自己都合退職の扱いになって、退職手当は減額された」と釈明した。また「一般論」とした上で「(黒川氏と同様の)勤続37年の東京高検検事長が自己都合退職になった場合、定年退職よりも800万円程度低くなる」と述べた。

公表されていないが、退職金は約5890万円と試算される。この「自己都合」ではなかった場合は約6727万円だったとみられる。菅官房長官は黒川の退職金を「削る」ことで、自分の責任を明らかにしたのであろうか。

それにしても、黒川「容疑者」への訓告(注意)処分は、辞任による「自己都合退社」となったのだ。なんと都合のいいことか。

刑事訴追されるべき賭博常習者が自己都合退職で(庶民にとっては)高額の退職金を受け取るというのは、とうてい看過できるものではない。検察庁は黒川元検事長を逮捕・訴追せよ。検察への国民の信頼感の回復とは、まさにこのことにかかっているのだ。

◆誰が処分を決めたのか

それでは、誰が黒川元検事長の処分「訓告」を決めたのか、である。

安倍総理はこう明言してきた。

「検事総長がですね、検事総長が、事実、事案の内容等、諸般の事情を考慮して処分をおこなったわけでございます」(5月22日、衆院厚生労働委員会)。


◎[参考動画]総理「責任は私にある」黒川氏に退職金で野党批判(ANNnewsCH 2020年5月22日)

ところが、同じ日に森雅子法相は記者会見で、

「最終的に内閣で決定された。私が検事総長に『こうした処分が相当』と伝え、総長から訓告処分にする、との知らせを受けた」と説明したのである。

安倍総理は「検事総長が決めた」と言い、森法相は「内閣で決定した」というのだ。

この閣内不一致ならぬ事実関係の齟齬について、森法相は25日の参院決算委員会で発言を修正する。

「法務省内で協議を行い、任命権者である内閣とも並行して協議しました。検事総長に法務省から『訓告相当だ』と伝え、総長からも『訓告相当だ』と連絡があった」自身の「内閣で決定」発言を軌道修正したのだ。安倍内閣に特有の、総理の発言に合わせた(忖度した)発言修正である。

醜い責任の押し付け合い、発言の修正はもはやどうでもいい。問題なのは黒川元検事長の常習賭博罪(3年以下の懲役)を、法の番人として立件できるかどうかに、この国の民主主義・法の下の平等がかかっているということだ。


◎[参考動画]黒川氏の訓告処分 森大臣「勤務態度など考慮」(ANNnewsCH 2020年5月26日)

冒頭に「この告発によって、検察が黒川の逮捕・立件に動かないとしたら、この国の司法は闇である。」と書いていたところ、5月27日の午後になって、安倍総理への告発が不受理となった。以下のとおりだ(朝日新聞報を要約)。

安倍総理主催の「桜を見る会」について、憲法学者らが1月に安倍総理を背任の疑いで告発した件で、東京地検が告発を不受理にしていたことが分かった。26日の衆院法務委員会で、共産党の藤野保史氏が明らかにした。不受理の通知は1月31日で、「代理人による告発を受理できない」などの理由だったという。

藤野氏は「森友問題などでも代理人による告発が行われて受理されているのに、なぜ受理しなかったのか」と質問。法務省の川原隆司刑事局長は「捜査機関の活動内容に関わる事柄なので、答えは差し控える」として「一般に、告発については刑事訴訟法の規定をもとに代理を認めないと解している」と答弁した。

手続きの形式問題で、告発を受理しなかったというのだ。ふたたび、畳みかけるような国民的な運動が必要だ。

すでに安倍総理が1億5000万円の血税を投じた政治家夫婦(河井克行・案里夫妻)の外堀は埋まっている。そしていままた、6000万円の血税が、安倍総理の法的担保であった元検事長、賭博常習者の退職金として支払われようとしているのだ。

水に落ちた犬は叩け! 桜を見る会における公職選挙法違反、政治資金法違反の「容疑者」安倍晋三を取り調べよ! 検察は黒川元検事長を賭博罪で取り調べよ。その先に、安倍晋三本人の逮捕・公訴が待っている。

▼横山茂彦(よこやま・しげひこ)

編集者・著述業・歴史研究家。歴史関連の著書・共著に『合戦場の女たち』(情況新書)『軍師・官兵衛に学ぶ経営学』(宝島文庫)『闇の後醍醐銭』(叢文社)『真田丸のナゾ』(サイゾー)『日本史の新常識』(文春新書)『天皇125代全史』(スタンダーズ)『世にも奇妙な日本史』(宙出版)など。医科学系の著書・共著に『「買ってはいけない」は買ってはいけない』(夏目書房)『ホントに効くのかアガリスク』(鹿砦社)『走って直すガン』(徳間書店)『新ガン治療のウソと10年寿命を長くする本当の癌治療』(双葉社)『ガンになりにくい食生活』(鹿砦社ライブラリー)など。

月刊『紙の爆弾』2020年6月号 【特集】続「新型コロナ危機」安倍失政から日本を守る

《6月のことば》雨にぬれて ひとり 紫陽花 凛と咲く(鹿砦社カレンダー2020より/龍一郎・揮毫)

コロナ旋風は収まりつつあるようですが、日本社会は根底から覆りました。

不謹慎な物言いですが、おそらく夏から秋にかけて倒産、事業停止、失業など大不況がやって来るのではないかと懸念しています。その後は増税です。

ひとり閉じ篭って思い詰めると悲観的になりますが、明るく前向きに進んでいきましょう!

われわれはこれまで多くの修羅場を乗り越えてきましたので。

もう紫陽花の季節です──。

月刊『紙の爆弾』2020年6月号 【特集】続「新型コロナ危機」安倍失政から日本を守る

『NO NUKES voice』Vol.23 総力特集〈3・11〉から9年 終わらない福島第一原発事故

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