DNA型は「いつのものか」

西日本の某地方で殺人事件の裁判員裁判を傍聴していたら、被告人のDNA型は「いつのものか」ということが争点になっていた。被告人の男性は一貫して無実を訴えているが、捜査では被害者の遺体発見現場周辺で見つかったタバコの吸い殻などから被告人のDNA型が検出されている。このタバコの吸い殻などをめぐり、「犯行時に捨てたものだ」(検察側)、「事件が起きる前にたまたま捨てたものだ」(弁護側)などと検察側と弁護側の主張が対立しているのだ。
このパターンは一体何度目だろうか……と思ってしまう。近年、被告人が無罪を主張する殺人事件の裁判では、DNA型鑑定をめぐる同様の争いを非常によく見聞きするからだ。

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プライバシーは誰のためにある?

ある日、あなたの家の電話が鳴る。「マイホームの購入をご検討されているあなたに適した物件をご紹介させていただいています」と、さわやかに営業マンが話し出す。
あなたは問う。「私の個人情報をどこで得ましたか」と。
業者は答える。「名簿図書館」です。
いわゆる中学や高校、学術機関、サークルなどありとあらゆる名簿をかき集めて個人情報を売買している名簿図書館には、当然ながら営業を許可された法的根拠がある。

個人情報保護法ではその23条第2項で、オプトアウト、すなわち本人からの削除の申し出があった場合必ず削除することを条件として、個人情報取扱事業者が本人の同意なく個人情報を第三者に提供しても良い旨、つまり個人情報を販売しても良い旨を謳っているのだ。

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「厚顔無恥」とは、どういうことを言うのか

鹿砦社の『【特別記念限定版】逢えたらいいな プリズン・コンサート三〇〇回達成への道のり 限定4000部』(Paix2=編著)の紹介をさまざまな出版媒体で紹介していただいた。パブは手分けをしていたので、鹿砦社のスタッフやライター氏が、同じ出版社に本を送っていたケースもあったはずで、ダブってしまっていたら、陳謝と感謝を同時にさせていただきたい。また、いくつかの出版社からいくつか丁重なお断りのメールや、手紙もいただいた。これについても骨を折っていただき、合わせて感謝したい。

「(本の紹介は)断る」と秒殺された講談社の幹部と過日、会う機会があったが、どうやら過去、「紙の爆弾」での、講談社の経営状態や野間ジュニアの経営手腕にメスを入れた記事が、遺恨の原因だということがわかった。聞けば記事は2回、出ていたという。
「それでいてこういう本を送ってくるのは厚顔無恥ではないのか」とその幹部は言う。

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「悪名は無名に勝る」は冤罪被害者も

「仕方ないですよね。私の事件は有名じゃないから……」
殺人事件に巻き込まれ、無実の罪で服役中の冤罪被害者I氏に先日、刑務所で面会した時のこと。彼はそう言って、苦笑した。自ら獄中でまとめた再審請求書を裁判所に提出し、その旨を地元の新聞社に手紙で伝えたが、いっこうにレスポンスがないのだという。このマスコミの冷たさは、自分の事件が有名ではないからだと彼は思っているのである。

マスコミの性質がよくわかっているな、と思った。
「悪名は無名に勝る」という言葉がある。冤罪事件を色々取材していて、この言葉は冤罪被害者にも言える場合があると思うようになった。そのことに気づくきっかけを与えてくれたのは、あの和歌山カレー事件の林眞須美さん(50)である。

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ミステリー小説界のダークホース、作家・若桜木虔氏の挑戦

当ブログは作家志望の人も多く見ているようだ。稀有な作家を紹介する。
若桜木 虔氏は、ミステリー界では異色の存在だ。業界屈指の早筆で知られる。
800冊を超える著作があり、「1日に150枚は書けますし、2週間に1冊のペースで本を出したこともあります」と読売新聞のインタビューで語っている。
「量産型の作家として知られています。もっとも忙しい時期で、戦記物を『霧島那智』名義で書いていたときは、週に1回は書籍をリリースしていました。業界には『若桜木氏は5人いるんじゃないか』という噂がたったほどです」(出版社の中堅社員)

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陰謀か、国会事故調サイトへのサイバー攻撃

膨大な経費を使った、やらせだらけの「国会 東京電力福島原子力発電所事故調査委員会」が、報告書を衆参両議長に提出した。
「これで猿芝居がひと段落。とりあえず元首相の菅を悪者にしておけば、東電は堂々と値上げできる」(政治記者)

さて、この裏では何があったか。
6月4日夜、事故調査委員会のサイトが、一時アクセスできない状態となった。
国会事故調によると、サーバーを管理するGMOインターネット(東京)のネットワークに障害が起きたためという。GMOは障害について海外からのサイバー攻撃の可能性があるとしている。

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殺人裁判とSNS

今、西日本の某地方で開かれている、ある殺人事件の裁判員裁判。起訴状などによれば、被告人のA氏は恋愛関係のもつれなどから、元交際相手のB子さんに恨みを抱き、その6歳の娘C子ちゃんを殺害した――というのが検察官の主張の筋書きである。これに対し、A氏は捜査段階から一貫して無実を訴え、裁判でも有罪・無罪が争われている。

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日本でも 放射能 今すぐ 止めろ by クラフトワーク

「NO NUKES 2012」に参加しに、幕張メッセに行った。
坂本龍一教授が脱原発フェスを開催すると聞いて、素直にミーハーに「キターーー!」と叫んだ。
東電マネーにたぶらかされて「原発は安全」と言わされていたアーチストたちの格を遙かに超える、坂本教授が脱原発に乗り出したのである。
坂本教授はこの前日の官邸前抗議行動にも姿を現し、官邸に向かって脱原発を訴えた。

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軟禁で、AVを3本選べと言われたら

もしも、何らかの理由でホテルかどこかに軟禁されるとして「AVを3本だけもっていける」と言われたら、迷わずドリームチケットがリリースしている[脅迫スイートルーム]シリーズを選ぶだろう。[脅迫スイートルーム]のシリーズには、必ずといっていいほど男と女のやりとりがある。つまり、女はCAだったり教師だったりするのだが「なんらかの事情で男たちに借りがある」のだ。

それが「金」であるのか、「義理」であるのかは釈然としない。ストーリーは起承転結でいうと「転」でスタートし「なんらかの事情で借りを清算しにきた」女が抵抗を試みるも、徐々に悦楽に目覚めてしまい、また何度も清算しに男たちに傅く、というスタイルだ。

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美容外科死亡事件を巡る、警視庁捜査資料流出の「その後」

冤罪事件を色々取材していると、マスコミの犯罪報道はいかにいい加減かがよくわかる。とくに発生当初や被疑者の逮捕当初にマスコミが大騒ぎした事件はそうだ。過熱する報道合戦の中で事実関係のチェックが杜撰になるのか、誤報や飛ばし記事が多くなりがちなのである。

筆者が現在取材中の事件の中から、その実例を1つ紹介したい。
警視庁捜査一課の白鳥陽一警部(当時58)が逮捕されたのは昨年7月22日のことだった。容疑は地方公務員法(守秘義務)違反。警視庁が東京都豊島区の品川美容外科池袋院で起きた患者死亡事故について、担当医師らに業務上過失致死の疑いを抱いて捜査を進める中、白鳥警部は主任捜査官を務めていた。ところが、捜査対象である品川美容外科の渉外室に勤める元同僚の警視庁ОB・中道宜昭氏(当時53)らに捜査資料を渡し、職務上知り得た秘密を漏らしたという疑いをかけられ、逮捕されたのだ。

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